真美「ふわぁ…ぁ~っとねぇぃ…」

(歯磨きをしながら出てくる真美、思いっきり背伸びをする)

真美「…今日も良い天気だねぇ」



■特車二課整備棟

整備班員「おはようございます!」

真美「おあよー」

整備班員「おはようございます!」

(真美の歯ブラシを受け取る整備班員)

真美「おあよー」

整備班員「おはようございますっ!」

(真美にコップを渡す整備班員)

真美「んー」グジュグジュグジュ

整備班員「おはようございますっ!」

真美「べー」バシャッ

(整備班員の差し出したバケツに水を吐き捨てる真美)

整備班員「おはようございます!」

真美「はいはいーおはおはー」


真美「…はぁ」

(レイバーキャリアの後部バンパーに座り込む真美)



真美『ハイパーテクノロジーの急速な発展とともにあらゆる分野に進出した汎用人型作業機械、レイバー。しかしそれは、レイバー犯罪と呼ばれる、新たな社会的脅威を生み出す事になる。警視庁は、本庁警備部内に特科車両二課を設立して、これに対抗した。通称、特車二課パトロールレイバー中隊、パトレイバーの誕生である』



エピソード0
栄光の特車二課


真美(てな事で、今を去る事十数年前、1998年に創立された特車二課だったけど、その栄光は短く、苦難の道は長かった。元来が特科車両二課は陸上自衛隊の…まー細かい事は良いっしょ、とりあえずまあ、そう言う事なんだ)


真美(気が強くて周りとぜーんぜん協調性が無い如月千早おねーちゃんと、頭は良いけどやる気があんのかないのか良く分かんない昼寝ばっかりしてる隊長さん、星井ミキミキ)

真美(…ヘルメット)

整備班員「す、すみませんでしたぁぁぁっ!」

真美(そしてその隊長さんが選んだ退院がまた問題だったんだなぁ…)

真美(…椅子汚れてる)

整備班員「直ぐに拭き直します!」

真美(ソフトウェアに無知なロボットフェチのお転婆娘、天海春香。口は達者だけど、1人じゃなーんも出来ない水瀬いおりん、トリガーハッピーななんくる娘、我那覇響。コンピューターは強いけど、穴を掘りだす悪癖のある萩原ゆきぴょん。操縦者志望だけど、小さすぎて乗れなかった悲劇の天使、高槻やよいっち。そして…あーっ、もう人多いよ!)

真美(ん…チャンバラごっこたぁ楽しそうだねぇ)

整備班員「あっ…す、すみません!」

真美(まあ、皆部隊からいなくなっちゃったんだよねぇ…)


真美(第二世代のにーちゃんねーちゃん達は…あー、覚えてないや)


真美(いおりんは、水瀬重工のレイバー開発主任やってて、テストパイロットのはるるんとはまだ仲良しなんだって)


真美(やよいっちは、何だか実家に戻って農家をしてるとかなんとか)


真美(んで、ミキミキとひびきんと雪歩は、何か会社を興したけど、何だかなぁ…これがパッとしないんだよなぁ…結局潰れちゃって、雪歩はお父さん家を継いだんだって、ひびきんは何があったのか、結局警察官としてまだどっかで色々やらかしてるみたい。何かとっ捕まって禁固中とか洒落になんないよねぇ…)

真美(ミキミキはねぇ…どこにいるかわかんないんだなこれが)

真美(千早お姉ちゃんは噂じゃなんみんこーとーべんむかんとか言う漢字ばっかの仕事してるとかなんとか)


真美(…で、いまの特車二課の現状はと言うとー。もうあれだ、最悪だね。第一小隊は解体。第二小隊も、98式だよ?未だに、っていうかさ、ありえないっしょー)

真美(三代目の隊員もなぁー…なんだかなぁー)

真美(…だみだこりゃ)



■98式整備ベッド前

真美「あれー?好きだねぇ、毎日毎日」

??「うん」

真美「その正義の味方みたいなポーズやめたら?」

??「…」

真美「98式はストライクガンダムとかゲッターロボじゃないし、おじょーちゃんはマグマ大使じゃないんだからさー」

??「でも、正義の味方じゃないですか?」

真美「…まぁねぇ…正義の味方は、特車二課の良い伝統だったんだけどねぇ」

??「だった…?」

真美「正義なんてもんはさ、今は15歳以下の専売特許なんだよ」

??「それはそれとして」

真美「ん?」

??「私の一号機、何か変わったんですか?」

真美「あー、音響センサーと、LAセンサーのレイアウトをちょちょいっとね」

??「…直してくれたんですか?!」

真美「苦労するよ…ほんとさー。部品はおろか、サポートも妖しいんだよ」

??「動きます?」

真美「動くよー…五分以内は、ね」


真美「なんかさー、警視庁きっての金食い虫とかもーちょーとか言われたけどさ、今じゃタダのお飾り、神社の狛犬みたいなもんだもんねぇ…」

??「外国要人の来日で、張ったり聞かせるくらいしかないですもんねー」

真美「そもそも、戦場の上空を無人機が精密誘導ミサイルを抱えて飛び回ってんのにさー。二足歩行ロボットなんて日本以外じゃお目に掛れないしさぁ」


真美「その日本だって、一部の工事現場以外じゃさぁ…レイバーもお払い箱だし…ライバルだった陸自のレイバー部隊も解体されちゃったしさぁ…!」


愛「整列しましたぁぁぁっ!!!!!」

真美「…巨大ロボを操縦して、携行火器、というより搭載砲で戦闘するなんて、所詮はアニメの中に存在した与太話でしかないんだよ!二足歩行なんてファンタジーに入れ込んじゃったお蔭で、日本のロボット技術は、世界のビリッケツになっちゃったのさ!」

真美「二足歩行ロボットって言う存在自体が、純粋なこーがく技術のせーかっていうかさ、願望とかロボットフェチの妄想の産物にしか過ぎないんだ!!」

愛「でも、私は好きです!」

真美「真美だってそうだよ!…ったくもうっ!」


■特車二課整備棟内

愛「班長訓示!!!!!一同っ、傾注っ!!!!!!!!!」


真美『良いかーっ!テメーらに休息と言う文字はねえっ!直ちに作業を開始するっ!!あのポンコツの二号機を、今日中に稼働状態に持ちこめぇぇいっ!」

整備班員一同「「「「はいっ!!!」」」」

愛「特車二課整備中隊!隊歌斉唱ぉぉぉっ!」

「「「「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!」」」」

「「「「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!」」」」

愛「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!!!!」

「「「「さあ行こう!出撃だ!準備完了急げ!!!!」」」」

「「「「栄光は、我が腕に!!!!」」」」

「「「「正義の心ははーがーねーっ!!!!」」」」

「「「「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!」」」」

「「「「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!」」」」

愛「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!!!!!」

「「「「強靭な!釘を、持て!」」」」
「「「「匠をしのぐわーざーでーっ!!!!」」」」
「「「「精密な!夢を持て!」」」」
「「「「世界の平和を指さし確認喚呼応答せよ!!!!」」」」

「「「「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!」」」」

「「「「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!」」」」

「「「「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!」」」」

「「「「あいんす、どぅ、とぅりー、すーっ!」」」」


真美(時は移り…人はまた変わる…ぎおんしょーじゃのなんとかかんとか…なんつってさ)


真美「…」
(敬礼)

真美(個性的な初代、パッとしない2代目ってくるとさー、三代目ってのはむのーって相場が決まってるんだけどさぁ…)


真美(…変わってないのは、真美と、特車二課のパロールレイバー、98式AVだけだぁ…でも、これも魔改造しまくってるし、こいつも大分変ってるもんなぁ…)


真美「もう一度、見せてもらおうか…特車二課の伝統って奴をさ…!」



第一章、三代目出撃せよに続く(つづかない)