貴音「………」カツカツ

ピタ…

貴音「何奴? 姿を現しなさい」クルッ

ビクゥ!

伊織「………」ス…

貴音「と…伊織でしたか。驚かせてしまい申し訳ございません」

伊織「いえ…」

貴音「双海亜美と双海真美…あの後、真と共に打ち負かすことができたとやよいから聞きましたが」

伊織「ま、私はあまり何かしたわけじゃあないけど」

貴音「そんなことはないと思いますが。少なくとも、一緒に戦った真はそう思っていないでしょう。見事なものです」

伊織「…その真だけど、ちょっと面倒な事になったわね…まぁ、これはどうでもいいわ」

貴音「ええ…早々に解決せねば…とは思うのですが」

伊織「それより、貴音。アンタが律子に協力を求めてなかったら…多分、逃げられていたでしょうね。感謝…するわ、ありがと」

貴音「私達も、伊織達に任せあの場に留まっているなどできませんから。当然の事です」

627: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:11:57.96 ID:eC8BvKhUo
伊織「あの時…律子の『ロット・ア・ロット』の通信…」

伊織「律子は当然として…やよいとも話した」

貴音「………」

伊織「だけど貴音、アンタあそこにいなかったわよね。どこにいたの?」

貴音「その時かは正確にはわかりませんが…」

貴音「他のスタンド使いと交戦しておりました」

ドドドド ドドド

伊織「…!」

伊織「なんですって!?」

伊織(いえ…だけど、貴音はやよいと一緒に行動していたはずじゃあ…)

貴音「やよいと一緒に、律子嬢のいる事務室へ向かっている途中視線を感じまして…」

伊織「………」

貴音「律子嬢に双海亜美のこと…伊織と真のことを話し捜索を願った後、私は事務室の外に出て、そこで交戦することとなったのです」

629: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:13:07.96 ID:eC8BvKhUo
伊織「ま、まぁ…だけど…『フラワーガール』なら負ける事はないでしょうし…勝ったのよね?」

貴音「………」

伊織「そいつは、『こっち側』に来た…そうよね? 貴音」

貴音「…いえ。決着はついておりません」

伊織「は…?」

ゴゴゴゴ ゴゴ

ゴゴゴゴゴ

伊織(貴音が、決着をつけられなかった…? 逃げるにしたって、あのスピードと射程距離から逃れられるとは考えられない…)

伊織(スタンドにも色々ある…だけど、『フラワーガール』で倒せないスタンドなんて考えられないわ…)

伊織「それって…一体、どんな奴…」

伊織「…いえ、こう聞いた方が早いわね。誰と戦ってたの、貴音」

貴音「それは…」

631: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:14:21.90 ID:eC8BvKhUo
貴音「………」

伊織「貴音…?」

貴音「…すみません、伊織。それを今話すわけにはいかないのです」

伊織「え…!? ど、どうして…!」

貴音「………」

伊織(そりゃ人間、言いたくないことくらいあるでしょうけど…)

伊織(こんなことを隠す理由なんて、ないでしょう…!?)

伊織(今更貴音の事を疑いたくなんてない…だけど…!)

貴音「伊織」

伊織「へ?」

貴音「伊織は今、春香の『味方』は何人残っていると思いますか」

伊織「な、何よいきなり…」

貴音「答えてもらえますか」

伊織(え、えーと…?)

633: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:15:08.87 ID:eC8BvKhUo
伊織(うちのアイドルは春香を抜いて12人…今、こっち側にいるのは私、真、やよい、貴音、律子、亜美真美の7人だから…)

伊織「5人…いえ、4人かしら…」

伊織「あずさ、雪歩、千早、美希、響…この中に春香と敵対する『もう1人』がいるはず」

貴音「果たして、そうでしょうか」

伊織「え?」

貴音「その『もう1人』はいるとして…彼女が、何もせず逃げ回っていると…そう思いますか?」

伊織「それは…いえ、そうか…あっちもあっちで動き回ってるはず…」

貴音「ええ。ならば、伊織と同じように『仲間』を増やしているでしょう…未だ春香に付いているのは4人よりは少ないのではないかと私は思います」

伊織「そう…かしら…逆に、もうやられて春香側にいる可能性も…」

貴音「春香の誘いに乗らず、かつ屈しなかった者…精神力は、他の者よりも上のはず。そうそう負けるとは思えません」

伊織「何よそれ、自画自賛?」

貴音「そういうわけではないのですが」

636: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:16:31.07 ID:eC8BvKhUo
貴音「律子嬢のように、表面上は春香の『味方』でいる者もいます。恐らく、今となっては春香も正確に把握できているわけではないでしょう」

貴音「もしかしたら、既に『全員』春香のもとを離れている…とも考えられます」

伊織「そうだったら、そりゃあいい事なんでしょうけど…」

貴音「そうでしょうか」

伊織「何か、悪い事でもあるわけ…?」

貴音「例えば、伊織と真とやよい…そして律子嬢と双海亜美、双海真美。この6人は、私にとって『敵』ではないとわかっております」

伊織「………」

貴音「ですが、外部から見ればどうでしょうか。春香からは皆敵で構わないと思いますが、他の者は…」

伊織「ずっと前から… ………」

伊織「考えていたことね…見ただけでは、話しただけでは敵も味方もわからない…」

貴音「既に、話はそこまで来ています。ただ戦っているだけでは物事は好転しません」

伊織(………)

638: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:18:43.75 ID:eC8BvKhUo
伊織「アンタの言ってることはわかる…」

伊織「だけど、それと相手の名前を明かさないことに何の関係があるのよ! 結局、肝心なことは…」

貴音「その『もう1人』を見つけた…かもしれません」

・ ・ ・ ・

ドドドドド

伊織「…!」

伊織「そ、それじゃあ…!!」

ドドド

貴音「ですが…相手は、私の事を信用してはくれませんでした」

伊織「え…」

貴音「恐らく、彼女は春香の『仲間』ではない…ならば我々にも戦う理由はない」

貴音「話し合おうとはしました。しかし、半信半疑…決着がつかぬまま、互いに別れました」

貴音「今日、この後…もう一度会って、話し合いをしたいと…そう思っています」

伊織「話し合いって…そいつ、信用してくれていないんでしょう? 駄目だったら…」

貴音「戦う事に…なるかも、しれませんね」

640: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:19:53.25 ID:eC8BvKhUo
伊織「そ…」

伊織「そう…まぁ、戦う事になってもアンタなら大丈夫でしょ」

伊織「…大丈夫…よね?」

貴音「はい。彼女はなかなかに強力なスタンドを持っていますが…なんとか、してみます」

伊織「…どうしてもって言うなら、この伊織ちゃんが着いていってあげてもいいけど」

貴音「せっかくの厚意ですが、それはいけません伊織」

伊織「! なんでよ」

貴音「話し合いをするのに、相手が二人掛かりならば伊織はどう思いますか」

伊織「そ、そうね…少なくとも安心はできないわ…」

伊織「だけど…名前はこっそり教えてくれてもいいんじゃない…?」

貴音「『自分の事は人に言わないでくれ』という約束の事もありますが…」

貴音「話してしまえば『彼女は味方である』と安心してしまうでしょう。そして、話しかけにいくかもしれない」

貴音「教えた覚えのない相手に話しかけられる…自分の事が誰かに話されていると思えば、きっと彼女は警戒することでしょう」

伊織「私はそんなことしないわよ!」

642: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:21:29.15 ID:eC8BvKhUo
貴音「話しかけずとも…きっと、意識はする。目線を送る。そのことが、相手にとっては逆に不安となる」

貴音「人間というものはそういうものです。私でも、誰かに話されればきっと意識してしまうことでしょう」

伊織「う…」

貴音「皆、春香のしていることで疑心暗鬼になってしまっている…」

貴音「しかし、春香を倒せばそれも終わる…そのために、話し合いに行くのです」

伊織「…わかったわ。終わったら…いえ、そうでなくてもなんかあったらちゃんと言いなさいよね」

貴音「………」フッ

伊織「な、何笑ってるのよ貴音…」

貴音「いえ。律子嬢に追いかけられていた時の事を思い出しまして」

伊織「…? 何言ってんのよ。あの時はこっちが律子を追いかける側だったじゃない」

貴音「ふふ…ええ、そうですね」

伊織「何なのよ、もう…」

644: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:22:33.24 ID:eC8BvKhUo
貴音「心配無用です、伊織。きっと上手くいきますよ」

伊織「別に、心配なんてしてないわよ…」

貴音「それでは」ス…

コツ コツ コツ

伊織(………)

伊織「貴音!」

貴音「はい? 何でしょうか」

伊織「わた…」

伊織「………」

伊織「…いえ、なんでもないわ。忘れて」

貴音「…はい、承知致しました」クルッ

カツ カツ カツ

伊織(『私は、アンタのことを信頼している』…)

伊織(ここで口に出したら、まるで自分に言い聞かせてるみたいじゃない…)

伊織(思っているだけでいい。私は、貴音のことを信頼している、それだけで…いいわ)

646: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:23:36.38 ID:eC8BvKhUo
………

……



あずさ「じゃあ…今日も始めようかしら」

千早「はい。よろしくお願いします」ペコ

千早(私は、春香の『アイ・ウォント』に対抗するため…)

千早(あらゆる感覚で物事を捉える訓練をしている)

千早(………)

千早「あずささん、春香は私達の『視覚』を奪う能力を持っているんですよね…」

あずさ「ええ。本物なら、私の『ミスメイカー』のように触る必要もないし…『眠ら』せてシャットダウンするだけでもない、見ている光景が変わっていることにも気づかないほどだけど」

千早「…それなのに…こんなことをして春香に勝つ事が出来るのですか」

あずさ「こんなこと?」

648: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:24:34.21 ID:eC8BvKhUo
千早「特訓自体は構いません、仮想トレーニングというものは有効な手段です」

千早「ですが…私は実際に春香と戦ったわけではない…」

千早「私は一度春香の『アイ・ウォント』を知っておくべきかと…そう思います」

あずさ「いいえ。それは違うわ、千早ちゃん」

千早「違う…? 何故ですか…」

あずさ「対策を立て…挑んで行くのも確かに有効でしょう」

あずさ「だけど、『スタンド使い』は逆境を乗り越えようとする事で精神的に成長するわ…それがそのままスタンドの強さに繋がる」

あずさ「少なくとも、知って対策をしたところで…『アイ・ウォント』には勝てないわ。打ち破るための力が必要なの。知らないからこそ、脅威になりうるのよ」

千早「………」

あずさ「それに…春香ちゃんも千早ちゃんの能力を知らない」

千早「話したんですよね? 確か」

あずさ「ええ、まぁ…だけど春香ちゃんだって聞いてはいても、実際に体験したわけじゃあない…」

あずさ「ほら、そう考えるとある意味互角とも言えるんじゃないかしら~?」

千早「はぁ」

650: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:26:09.95 ID:eC8BvKhUo
カチ!

千早「!」フッ

千早(『目』が『眠っ』た…)

あずさ「今は…我慢する時。こうして、特訓をするしかないわ」

あずさ「じゃあ…行くわよ、千早ちゃん。今日は本気で行っていいわね?」

千早「…ええ」

キュ… ザリ…

ゥゥゥゥウウゥ…

カッ

千早「『ブルー・バード』!!」ドォン

あずさ「!」スオッ

千早「そこよ…!」バチィ!!

千早(音で周囲を判断することにも、慣れてきたわ)

千早(最初は方向くらいしかわからなかった…だけど、今では、なんとなくだけれど距離をつかむことも出来るようになった)

652: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:26:49.05 ID:eC8BvKhUo
あずさ「…!」ゴォォッ

フワ…

あずさ(自分を『軽く』して天井に…)

千早「はぁっ…!」ビュッ

シン…

千早「!?」

千早(音が…)パチ…

トン

千早「あ…」

あずさ「このように…」

あずさ「『アイ・ウォント』は『視覚』以外の感覚も奪ってくる。目が見えないからって、『聴覚』だけに頼ってもいけないわよ~」

千早「あ、あずささん…『耳』にも触っていたのですね」

あずさ「うふふ…スタンド相手に『ずるい』なんて理論は通用しないわよ~」

654: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:28:47.32 ID:eC8BvKhUo
千早「そうではなく…」

あずさ「何?」

千早「『目』も『耳』も封じられたら、一体どうすれば…」

あずさ「どうしようもないのなら…」

あずさ「そこまでよ。あなたは春香ちゃんには勝てないわ」

千早「…!」

あずさ「『アイ・ウォント』は、今やった事を遥かに高いレベルでやってくるわ。一つずつなら、『視覚』も『聴覚』も自由自在」

あずさ「少なくとも…『視覚』と『聴覚』がON/OFFされること。あなたは、これをどうにかできなければならない」

千早「………」

ズキッ

千早「う…!?」クラッ

千早(目が…眩しすぎる…!)

あずさ「あ…! ごめんなさい、千早ちゃん!」

千早「こ、これは一体…」

あずさ「『眠ら』せた部分を個別に解除しようとすると、こうなるのよ…練習はしてきたのだけど…」

656: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:30:32.34 ID:eC8BvKhUo
あずさ「次は、少し休んでからにしましょう。次はこうならないようもっと気をつけるわ…」

千早「私は大丈…」

千早「う…」クラッ

あずさ「『眠って』いた目が急に『起こされ』たから…普段よりも大量に光が飛び込んできて、脳の『視覚』を司る部分がショックを受けたのよ」

あずさ「少し、横になった方がいいわ」

千早「そうさせて…もらいます」フラフラ

あずさ「あ、そうだわ。膝枕はどうかしら?」

千早「え…い、いえ…そこまでは…」

あずさ「あらあら~、遠慮しなくてもいいのよ~?」グイッ

千早「きゃっ!?」

ポスッ

千早「…別にいいと言ったのに」

あずさ「千早ちゃんはよく頑張ってるわ、本当に…」ナデナデ

千早「………」

658: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:31:36.28 ID:eC8BvKhUo
………

……



千早「ふぅ、ふぅ…」

あずさ「今日はこれくらいにしておきましょう」

千早「はい…ありがとうございました」

あずさ「ううん、みんなのためだもの。頑張って、春香ちゃんを止めましょう」

千早「ええ…」

千早(私の『ブルー・バード』…強くなったと、思う。射程距離は『10m』に伸びた、『重量』を『奪う』こともできるようになった。他の性能も上がっている)

千早(だけど…春香の『アイ・ウォント』は『ミスメイカー』を遥かに超えるという…こんな程度では、勝つ事などできやしない…)

ズズ…

千早(…ごめんね、『ブルー・バード』。あなたが悪いわけじゃあない)

千早(だけど、足りない…何か、決定的なものがなければ…春香を止める事はできない)

660: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:33:21.24 ID:eC8BvKhUo
千早(………)

あずさ『千早ちゃん、この後レッスンに行こうと思っているのだけど…一緒に来る?』

千早『いえ、少し考え事をしたいので…』

あずさ『そう…』

千早(あずささんとはそこで別れた…考えたい事というのは…)

千早(高槻さん…)

千早(我那覇さんが『敵』だとすると…高槻さんは…?)

千早(もしかしたら、あずささんと同じように…私の味方をしてくれるかもしれない…)

千早(しかし…スタンドを使えるということは、やはり…)

千早(…高槻さんは、まだ事務所にいるのかしら)

千早(いえ、やめておきましょう。もしも、そうじゃなかったら…)

千早(この間は『くっつける』スタンド相手に手も足も出なかった)

千早(春香の『アイ・ウォント』。私の『ブルー・バード』が本当に、勝てるのかしら…)

662: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:34:59.65 ID:eC8BvKhUo
ザワザワ

千早「…?」

貴音「………」ペラペラ

?「………」ボソボソ

千早(あれは、四条さん…一緒にいるのは…)

千早(…誰かしら? 壁の陰に隠れてよく見えない…)

千早(流石に、ここからでは話の内容は聞き取れないわね…相手の声も、ボソボソ声なのと四条さんの声でよくわからない)

千早(…何故だか、気になる。見てみようかしら…)

ドッ

千早「…!!」ゾワッ

千早(何…この、突き刺すような視線は…)

クル…

千早(待合室…)

ドドドド ドド ドド

美希「………」

ドドドドド

千早「…美希」

美希「やっほー、千早さん」ヘラッ

664: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:35:47.68 ID:eC8BvKhUo
千早「何か…用かしら」

美希「うーん…用ならあるんだケド、廊下で話すのもナンだし…」

美希「こっち来てよ」クイッ

千早「………」

千早「…わかったわ」

テッ テッ テ…

カチャ… パタン

千早「…何? 話でもあるのかしら…?」

美希「話さなくても…」ズ…

千早「…!!」

ドドドドド ドドド

美希「わかってるでしょ? 千早さん…」

千早「美希…あなた…」

美希「同じ『スタンド使い』として」

ドドドドド

666: 『リレイションズ』その① 2013/01/01(火) 02:36:30.44 ID:eC8BvKhUo
千早(『スタンド』を見せてきた…)

美希「ミキの『リレイションズ』♪ オシャレでしょ」

千早(美希と同じような身長と体格…『近距離パワー型』…かしら)

千早「戦う…理由は…?」

美希「千早さんが響を倒したから…かな」

千早「!」

千早(私を襲ってきた我那覇さんの『仲間』…)

千早「我那覇さんの敵討ちと…そういうわけ…?」

美希「んー…それもあるけど、違うカナ」

ドドドドド

美希「ミキね、ミキの『リレイションズ』がどこまでイケるのか試してみたいの」

ドドド

美希「千早さんのスタンド…響を倒せるってことは、スッゴイ強いってことだよね?」

ドドドドド

美希「だから…ミキが倒す」

・ ・ ・ !

千早「『ブルー・バード』!!」ドォン

イィン

美希「あはっ、千早さんのスタンド、ちっちゃくて可愛いの♪(あんま強そうじゃないケド)」

千早「くっ」

668: 『リレイションズ』その①/おわり 2013/01/01(火) 02:37:28.73 ID:eC8BvKhUo
美希「………」カツ…

千早「………」スッ…

カツ カツ カツ

スタ スタ スタ

ピタ…

シィーン…

美希「………」

ドドド ドドド

千早「………」

ドドドド ドドド

グ…

千早「!」サッ

ゴォッ

バ ギ ャ ァ ァ ァ ァ ン

千早「う…ぐ…っ!?」グォッ

バガン!!

美希「あはっ」

689: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:31:44.43 ID:KxUXOFQMo
………

伊織(貴音が見つけたという『もう1人』…)

伊織(一体、誰なのかしら…あずさは…違うわよね、真の話もある)

伊織(千早…? 『やよいを操った奴』がそうである可能性もあるけど、なんだかんだで千早が一番可能性が高い気がする…)

伊織(…貴音を信頼している、そう思ったばかりだというのに…)

伊織(気になって仕方ないわ…! 貴音、連れて来られるわよね…!?)

やよい「伊織ちゃん?」ヒョコ

伊織「うひっ!? や、やよい…」

やよい「どーしたの、難しい顔してるよ?」

伊織「え、ええ…ちょっと考え事を…やよいは…?」

やよい「あ、今ちょっと真さんと話してて…」

真「へへへ…やぁ、伊織」ニコニコ

伊織「…上機嫌ね、真。なんかいいことでもあった?」

真「ええ? あはは…やっぱり、顔に出ちゃうかな?」

伊織(こっちは色々悩んでんのに、能天気な奴…)

691: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:39:39.61 ID:KxUXOFQMo
伊織「その顔…何かいいことでもあったわけ?」

真「えっと、何かって言うと…えへへへ…」ニヤニヤ

伊織「…やよい、何があったのか教えてくれる?」プイッ

やよい「真さん、今度放送されるドラマの主演に決まったんです!」

真「あ、男性役じゃあないよ! ちゃんと女性役!」

伊織「ドラマの主演女優ね…へぇ、アンタもようやくそこまできたわけ」

真「う、上から目線だなぁ…もっと素直に『おめでとう』って言ってくれてもいいじゃあないか」

伊織「ま、せいぜい頑張りなさいよ。成功したらその時言ってやるわ」

真「ああ! 最近ドタバタしてたからね、ここらでバリバリ気合い入れていかないと!」

伊織「なんだ、元気そうじゃない。亜美真美の件はもういいのね」

真「え、何が? ………」

真「………」

真「あああ…」ドヨォン

やよい「はわっ!? ま、真さん…大丈夫ですか!? 頭痛いんですか!?」

伊織「うわっ、再発した…余計なこと口走るんじゃあなかったわ…」

693: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:42:22.75 ID:KxUXOFQMo
真「くぁーっ…聞いてよ伊織、やよい…あれ以来双子の距離が露骨に遠いんだよ…」

伊織「知らないわよ、アンタの自業自得でしょうが。そこまで面倒見きれないわよ」

真「そりゃ、あんな暴力振るってくるようなヤツ、怖がって当然だよなぁ…」

やよい「えっと…私、画面でしか見てなかったからよくわからないんですけど…」

やよい「真さんは怖くないです! すっごい優しいですよ!」グッ

真「ありがとうやよい、少し心が軽くなったよ…」ズーン

伊織「はぁ…」

伊織「落ち込むのは勝手だけど、仕事貰ったんでしょ? そこに持ち込むのはやめなさいよね」

真「それは…わかってるけどさ…」

伊織「はいはい、亜美とは今度私が話しておくわよ。アンタがそんなんじゃ765プロの評判にも関わるじゃないの」

真「え、あ…うん」

やよい「ふふ…」

伊織「…何笑ってんのよ、やよい」

やよい「えへへ、なんでもないよ!」

伊織(貴音といいやよいといい…何なのよ、もう…)

695: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:42:47.92 ID:KxUXOFQMo
伊織(貴音か…)

伊織「ねぇ、やよい…真…」

やよい「?」

真「どうしたの?」

伊織「…いえ、やっぱりいいわ」

伊織(やよいに話したところで、私が何かできるわけでもない…)

真「伊織、なんか悩みでもあるのかい?」

伊織「別に悩みってほどじゃないけど…」

やよい「伊織ちゃんが言いたくないなら、言わなくていいと思うけど…」

やよい「言いたいのにガマンしてたら、よくないかなーって」

伊織「………」

伊織「そうね。その通りだわ」

真「何かあったのか、伊織」

伊織「それは…貴音のことなんだけど…」

………

………

697: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:43:40.73 ID:KxUXOFQMo
真「『もう一人』が見つかった…んだ…」

やよい「うー、考え事ってそのこと?」

伊織「まぁ、そうね…」

真「よし、ボクも助太刀に…」

伊織「だから、一人で行かなきゃだって言ったじゃない。話聞いてないでしょあんた」

真「冗談だよ。それにしても、その相手も心配性と言うかなんと言うか」

やよい「伊織ちゃんは、貴音さんが心配なの?」

伊織「心配と言うか…」

真「もどかしいのかな。自分は何もできないってのが」

伊織「………」

やよい「伊織ちゃん…」

真「…伊織はさ、貴音さんは失敗すると思う?」

伊織「そんなことないわ、想像もできない」

真「そうだよね。ボクもそう思うよ」

699: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:44:19.05 ID:KxUXOFQMo
やよい「貴音さんなら、きっと大丈夫です!」

真「そうだよ、上手くいくはずさ」

伊織「楽観的ね…アンタ達は心配にならないの…?」

真「ならないよ。伊織が貴音さんは失敗しないって言ってるから」

伊織「は」

やよい「伊織ちゃんは、できることがないって…それが不安なんだよね」

真「それだけで…貴音さんが心配なわけじゃあないんだろ?」

伊織「………」

真「ボクは伊織のことを信頼してる。だから伊織が上手くいくって言うならボクもそれを信じる」

伊織「そ…」

伊織「…そういうこと、本人の前で軽々しく言うもんじゃあないわ…」プイ

やよい「そうかな? 言わなきゃわかんないことってあるかも」

やよい「私も、伊織ちゃんのこと、しん…しん…信じてるよ!」

伊織「やよい…」

真「あれ、ボクは?」

701: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:46:50.63 ID:KxUXOFQMo
真「信じて待つことも、ボク達にできることなんじゃないか」

伊織「信じて待つ…か」

やよい「うん!」

真「うじうじ悩んでても何も意味なんてないよ。なら、いっそ考えるのをやめた方がいい」

伊織「…誰がうじうじ悩んでるですって?」

真「お」

伊織「はぁ…思えば、我ながらくだらないことを考えてたわね」

伊織「そうよ、最初から貴音がやるって言ってるんだから任せればいいじゃない。にひひっ」

やよい「伊織ちゃん!」

真「よかった、悩みはもう解決したみたいだね」

伊織「まったく、大げさね。アンタだって双子のことでうじうじ悩んでるくせに」

真「う…それは伊織がなんとかしてくれるって…」

伊織「アンタの問題なんだから、アンタの方もちゃんとやりなさいよ」

真「はい…ん…? あれ?」

703: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:47:51.30 ID:KxUXOFQMo
伊織「で、これからどうするわけ?」

真「どうするって?」

伊織「仕事の話よ。番組出演が決まったのに、遊んでるわけないでしょ?」

真「当然。本格的に撮影するのはまだ先だけど…これからスタジオに行って練習するつもりさ」

やよい「私も、一緒に行こうかなーって」

伊織「なら、私も付き合うわよ。この伊織ちゃん大先生がアンタの悪いところを隅々まで探してやるわ」

真「ええ? なんだよ、それ…」

伊織「あら、文句言うわけ? むしろ感謝してほしいくらいよ」

真「ま、いいか。確かに伊織にも見てもらった方がよさそうだ」

やよい「えへへ、なんだか賑やかです!」

伊織(もう考えるのはやめたわ。アンタのこと…今度こそちゃんと、信じて待つことにする)

伊織(だから…いい報せを期待してるわよ、頑張りなさいよね貴音)

真「ところで、伊織って最近仕事はないのかい? なんか、いつも事務所にいる気がするけど」

伊織「ん? 何かしら、なんか今凄い生意気なこと言われた気がするんだけど?」

伊織「気のせいよねー、この売れっ子アイドルの伊織ちゃんに向かってそんなこと言うヤツがこの世にいるわけないし?」

やよい「伊織ちゃんはレギ…レユ…いっつも出てる番組あるから大丈夫ですよー」

真「…そうみたいだね」

705: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:50:03.51 ID:KxUXOFQMo
………

……

ズリ…

千早「うっ、く…」

千早(同時に手を出したのに…)

美希「ふふん、ミキの『リレイションズ』の方が速かったね」

千早(いや…でもスピード自体は私の『ブルー・バード』を大きく上回っているというわけではない)

千早(我那覇さんの『トライアル・ダンス』と比べれば蠅が止まるようなレベルだわ)

千早(それに、パワーもあずささんの『ミスメイカー』に比べれば弱い。これなら『ブルー・バード』を『重く』すれば…)

<LOCK!

・ ・ ・ ・

千早「! これは…!?」

千早(殴られた部分に、うっすらと円形のマークが浮かんで…)

美希「今ので…千早さんの肩に『ロック』したよ」

千早(『ロック』…? どういうこと…?)

707: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:52:48.09 ID:KxUXOFQMo
クイッ グイ

千早(腕は動く…『ロック』とは『ミスメイカー』のように動きを封じるというわけではなさそうね…)

千早(ならば一体…)

美希「一気に行くよ! 『リレイションズ』!!」ズズッ

千早「そうはさせないわ」ガッ

ヒョイ

美希「! ロッカーがカンタンに…響が言ってた『軽く』する能力…」

千早(ロッカーを『軽く』したわ。これで美希の視界を封じ、下から…)グアッ

千早「『ブルー・バード』!」ドォッ!!

美希「…えいっ!!」バシュ

千早(そっちではないわ、美希。どこを狙って…)

クオン…

千早「…!?」

ヒュッ

バキィ!!

千早「ぐぅっ!?」ズサッ

709: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:55:03.75 ID:KxUXOFQMo
スタァ

千早「ぐ、げほっ、がほっ…」

千早「い…今のは…!?」

美希「うーん、これジャマなの!」グイッ

千早「美希から、私の姿は見えないのにどうして攻撃が…」

千早(『ロック』というのは…まさか、美希のスタンドは…)

美希「どーせ、すぐわかることだから言っちゃうけど…」

美希「これがミキの『リレイションズ』の能力だよ。『ロック』したトコロにもう一度パンチできるの」

千早「は?」

千早「…えーと…スタンドの攻撃が誘導ミサイルのように『ロック』した部分に自動的に引き寄せられる…ということよね」

美希「そうとも言うの」

千早「………」ス…

美希「ま、そんなワケだから…見えなくても、方向さえ合ってれば…」ボヒュ

千早「『ブルー…」

グシャァ!

千早「かふっ…!!」ズギン

美希「ゼーッタイ外すことはないの」

711: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:57:07.04 ID:KxUXOFQMo
千早(今の攻撃…ちゃんと見てみると、最初よりも速かった…)

千早(『ロック』した分引き寄せられる…ということもあるのでしょうけど…ためらいが一切ない!)

千早(撃てば当たる…何も考える必要がないから、その分攻撃の速度が速くなるのね…それに…)

千早「今のダメージ…だんだんと重くなっている…」ビリビリ

美希「あ、わかった? 『ロック』した場所を殴ると、ダメージが増えるの」

千早(私は最初に『ロック』された部分しか殴られていない…)

千早「『ロック』の数は増えていない…しかし、この衝撃は…」

美希「そう、同じ場所を殴っても、重ねて『ロック』されるんだよ」

千早「…ということは…」

美希「殴れば殴るほどお得なの!」

千早(つまり、次に肩…同じ所を殴られたら、単純にダメージは『4倍』! ということ!)

千早(今はそこまでの『パワー』はない…)

千早(けれど、多く攻撃を受ければ…)

千早(一発一発が致命傷になりかねない…!)

713: 『リレイションズ』その② 2013/01/11(金) 23:59:04.12 ID:KxUXOFQMo
ズザッ

千早(とりあえず…美希の間合いに入っているのはまずい…)

ババッ

千早(美希のスタンド…『射程距離』はどれくらいなのかしら)ピト

ゴゴゴゴ ゴ ゴ

千早(壁から『重量』を『奪う』…恐らく、これで向こうよりパワーを出せるわ…)

美希「ふふん、逃がさないの」

カツ カツ

千早(この距離で、わざわざ自分から歩いて近づいてくる…スタンドを出せる距離は相当短いようね)

美希「なのっ!」ゴォ

千早「そこよ」スッ

パシィ!

美希「あ!」

千早(止められた…)

715: 『リレイションズ』その② 2013/01/12(土) 00:00:31.16 ID:ntViEotto
バッ

千早「あっ」

千早(距離を取られたわね…できれば捕まえておきたかったのだけれど、まぁいいわ)

美希「わ…」フワ

美希「うわ、ホントーに『軽く』なってるの…」フラフラ

千早「『ブルー・バード』…私の体を『重く』したわ。パワーは私の方が上」

千早「攻撃がこの『ロック』した部分に来るとわかれば、受け止めることは容易よ」

千早「そして、あなたの体を『軽く』した。これで…」

<LOCK!

・ ・ ・ ・

千早「…!」

美希「受け止める、ってことは…触るってこと…だよね? 千早さん」

千早「『手のひら』に『ロック』したのね…」

千早(私の手のひらにもマークが浮かんできた…スタンドを『ロック』すれば本体にも影響が及ぶ…)

千早「しかし、その『軽く』なった体では上手く動けないでしょう。『パワー』もさらに低下している」

美希「問題ないってカンジ。これで『ロック』は二カ所…千早さんの方が不利なの」

千早「………」

717: 『リレイションズ』その② 2013/01/12(土) 00:02:04.45 ID:ntViEotto
フワ フワ

千早(美希は今、足がつくかつかないかの状態…移動もままならないはず)

千早(そして、あの『射程距離』…攻撃のためには近づかなければならない)

美希「あはっ、なんかちょっと楽しいカモ」フワッ

千早(だけど…何? あの美希の余裕は…)

美希「『リレイションズ』!」ヒュッ

グッ!

千早「!?」

ゴォッ

千早(! 私の『ロック』した部分に自分を引っ張らせて…飛んできた!?)

美希「えいっ!」ゴォッ

千早「くっ!」ヒュッ

美希「よっと」キュイン

千早「え?」スカッ

千早(手の方の『ロック』を使って空中で方向転換を…)

ピシッ!

<LOCK!

美希「もーひとつ。今度は足なの」

千早「くっ…」

719: 『リレイションズ』その② 2013/01/12(土) 00:03:45.10 ID:ntViEotto
美希「ドンドン『ロック』を増やしていけば…」

美希「このままでもけっこーダメージは与えられるって思うな」フワリ

千早(美希を捉えにくい…『軽く』したのが仇になったわね…)

千早(『ロック』が一カ所ならばまだなんとかなるのだけど)

美希「それっ」グイッ

千早(ならば…美希が近づいてきたら…)

美希「えいっ! なの!」ゴォォ

千早(能力を解除する)

スゥ

美希「えっ?」ズシッ

千早(そこに…)

千早「『ブルー・バード』!」ヒュォッ

美希「うぇっ!?」ボギャ

ククッ

千早(くっ、入り方が浅い…『軽』かったわ…)

721: 『リレイションズ』その② 2013/01/12(土) 00:04:58.94 ID:ntViEotto
ビュゥ

千早「!」パァン

美希「ふふん」

千早(ここで反撃…抜け目ないわね)ビリッ

千早(けれど、皮膚の厚い手のひらで受け止めれば『倍』になっても痛みはそれほどでも…)

千早「え」ズキッ

千早「がっ、うぁぁ…!?」ビリビリビリ

千早(肩と、足に…! 殴られた衝撃が…!!)

美希「『リレイションズ』。同じ千早さんの体なら…」

美希「『ロック』したトコロを殴れば『ロック』した部分全体にダメージが行く」

美希「防ぎたいなら、『ロック』されてない別の場所に当てないとって思うな」

千早「な…んですって…」

美希「『重さ』が元に戻った。またフルパワーなミキなの」

美希「それと、今の攻撃…さっきミキの攻撃を止められた時はなんか『ヘビー』ってカンジだったけど…」

美希「千早さんのスタンドって『軽く』してるんじゃなくて…『重さ』を『奪って』るんじゃないかな? 違う?」

千早「………」

723: 『リレイションズ』その② 2013/01/12(土) 00:06:47.38 ID:ntViEotto
ツカ…

美希「千早さん、まるで逃げるみたいに戦うんだね」

美希「それでホントーに響を倒したの? なんかガッカリってカンジ」

千早「………」

千早(好き勝手言ってくれるわね。しかし近距離ならば美希の方が圧倒的に有利…)

千早(どうする…? 半端な小細工では美希には通用しないわ…)

美希「行くよ!」ドォ

千早「考えてる時間は…」フ…

美希「ん!」フラッ

千早「ないようね…」フワ…

美希「外した…『リレイションズ』が…」

千早「『体重』を空気と同じくらいに軽くした…あなたの攻撃は当たらないわ」フワフワ

美希「ふーん…」

千早(さぁ、どう出るかしら…美希)

美希「『体重』がないってことは、そっちから殴られてもゼーンゼン痛くないってことなの」

美希「押し付ける『重量』もないから、ミキの体重を『奪っ』て『軽く』することしかできないってことなの」

千早「………」

725: 『リレイションズ』その② 2013/01/12(土) 00:08:52.42 ID:ntViEotto
スッ

美希「ミキは『ロック』された部分に…」ジ…

美希「亀が歩くように…千早さんがタンポポの綿毛みたいに飛んでいっちゃわないように…」ジリ…

美希「ゆっくりと腕を伸ばせばいい」スーッ

ゴゴゴゴ ゴゴ

千早(ゆっくり…近づいてくる…)

美希「そっちから触って、ミキの体重を『奪う』…そうしてもいいよ」ズ…

美希「千早さんの体重が殴れるくらいまで戻った瞬間…」ズズ…

美希「ミキの『リレイションズ』を叩き込む」

ズズズズズズズ

ゴクリ…

千早(タイミングを…『ブルー・バード』がすぐに出せる距離に来るまで待つ…)

ジ…

千早(ここ…!)ス…

美希「そこなの」カッ

ドゴァ!!

千早「うっ、ぐうぅっ!?」グギャッ

バリバリバリ

ドサァ

727: 『リレイションズ』その②/おわり 2013/01/12(土) 00:11:07.63 ID:ntViEotto
美希「体重を元に戻す…」

美希「そう来ると思ってたよ。今千早さんができることなんて、それしかないから」

美希「だから、千早さんが体重を戻した瞬間に『リレイションズ』を叩き込んだ」

美希「えーと、こういうのなんて言うんだっけ…ユーゲンジッコー? だっけ?」

千早「み…美希…」

千早(『ロック』するという能力だけあって動きが超正確…その反応速度で『ブルー・バード』より先に攻撃を加えてきた…)

千早(超シンプル…だから、強い…)

美希「そして、もう一回! なの!」ギュン!

千早(う…)ギュッ

スッ

メキャ

千早「…え?」ブシュッ

ズ…

ゴゴゴゴ ゴゴ

美希「あ、千早さんのスタンドの顔…仮面に当たった…」

美希「でも…おんなじことか。スタンドへのダメージは本体へのダメージなの」

美希「千早さん、鼻血出てる」

タラ…

ゴゴゴゴゴ

千早(『ブルー・バード』…今、かばったの、私を…?)

…ピシ…

755: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:43:20.11 ID:rwaYDOVLo
タラ…

千早「『ブルー・バード』…」グイッ

千早(あなた今…動いたの? 自分の意志で…)チラ…

………

千早(反応はない…何だったの、今のは…?)

美希「右肩、右手、左足、そして顔。これで『ロック』は4つ…順調なの」

千早「くっ…」

千早(自分を『軽く』して回避する手段は、美希には通用しなかった…)

千早(近くにいるのはまずい…距離を…)タッ

美希「逃がさないよ」グイッ

ズイ…

・ ・ ・

千早(逃げようとしても、私につけた『ロック』で自分の体を引き寄せてくる…)

美希「『リレイションズ』!」バァン

千早(距離をとらせても…くれないのね)

757: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:45:38.69 ID:rwaYDOVLo
ゴォォッ

千早(『スピード』はほぼ互角、美希のスタンドが正確無比な動きをするというのなら…)

千早(こっちはスタンドパワーをスピードに集中させれば…)

千早「はっ!!」バヒュ

美希「!」

チリッ

・ ・ ・

千早(外した…)

ドグォ

千早「がふっ」

ウィン…

ガシュ ガシュ ガシュ ガシュ

千早「きゃぁぁぁぁああああああああ」バァン!!

ドサァ

美希「ふーん」

759: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:46:23.69 ID:rwaYDOVLo
千早「う、ぁ…」ズキズキ

千早(どんどん、ダメージが大きくなる…)

美希「1メートル」ズッ

千早「…う…」チラ…

美希「ミキの『リレイションズ』を出せる距離は1mくらいなの」

美希「でも、その中なら…誰にも負けない」

千早(今度は…外さない、ド真ん中に突っ込ませる…)

美希「行くの!」ダッ

千早「来なさい…『ブルー・バード』!」ビュッ

ゴォォォォ

美希「…なーんて」クイ…

スッ

千早「うっ!?」スカッ

美希「ふふん」

761: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:48:01.50 ID:rwaYDOVLo
千早(くっ…読まれていた…)

美希「わっと」グラッ

千早(だけど、美希は今のでバランスを崩した!)

バシュ

美希「そんなの当たらないの」グッ

スッ…

千早「はっ!?」ブオン

千早(この距離で…あの体勢から避けられた…これは)バッ

キィーン…

千早(壁に『ロック』のマークが…これに引っ張らせている…!?)

クンッ

美希「なのっ!」ビュォ

ドゴォォ

千早「うっ」ビシッ

千早(ボクサーがリングのロープを利用するように…背後の『ロック』で反動をつけ、私につけた『ロック』に攻撃を…)パリッ

美希「えりゃっ!!」ヒュン

千早「がっ」ドボォ

千早「ああああああああああああ」バリバリバリバリ

763: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:49:53.03 ID:rwaYDOVLo
美希「あはっ」

千早(『強』… ………)フッ

千早(『すぎる』…)ズル…

ガクン

千早(『ブルー・バード』は確かに成長している…)

美希「今、ちょっとかすったけど…」

美希「その程度? これなら響の方がゼンゼン強かったの」

千早(だけど…美希の『リレイションズ』はそれとは比べ物にならないほど、強い)

千早(私の『ブルー・バード』がまるで子供扱い…全然敵わない…)

美希「ま、でも…響がやられたってのはジジツみたいだし」ズズズ

千早「………」

美希「千早さんは『再起不能』させてあげるの」フ…

ドヒュ!

ゴォォォォォォ

765: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:50:42.02 ID:rwaYDOVLo
千早(駄目…やられる…)

千早「くっ」ギュッ

ガシィ!!

美希「ん!」

千早「え…?」パチ…

シュゥゥゥゥ…

ドドドド ドド

千早「『ブルー・バード』…」

ドドドドド

<LOCK!

美希「へぇ、まだ守る余裕はあるんだね千早さん」

千早(また、『ブルー・バード』が勝手に…)

シン…

千早(私に諦めるなと…戦えと、そう言うの…?)

767: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:51:50.51 ID:rwaYDOVLo
美希「ふっ!」ゴォォ

パシッ

<LOCK!

美希「これで両手…『ロック』したの。もう手で受け止めたりできないね」

千早「…わかったわ」

美希「へ? 何が?」

ドド

千早(私がここで諦めたら、春香を止めることはできない)

ドドドド

千早(今までやってきたこと…あずささんの想いも無駄になってしまう)

ドドドドドドド

千早「あなたを倒すわ、美希」

美希「千早さん…?」

美希(目つきが変わった…)

769: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:52:37.59 ID:rwaYDOVLo
千早「行け…!」ヒュン

ゴオオ

美希「真っすぐ来ても、ミキには効かないよっ!!」シュッ

スッ

美希「!?」

ガギャァ!!

ミシミシミシ

<LOCK!

美希「なっ…」

千早「『ロック』された部分でなければ…」

美希(自分の腕で、スタンドへの攻撃をかばって…)

千早「防ぎたいなら、別の場所に当てないと…でしょう、美希…!」

美希「う…」

千早「叩き込めッ、『ブルー・バード』ッ!!」ドヒュッ

美希「ーッ!!」ボゴォォ

771: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:53:11.73 ID:rwaYDOVLo
美希「く…!」ズザザザ

千早(今度こそ入った…だけど『ロック』はこれで両手両腕…ダメージも大きい…)

クラ…

美希「………『軽く』も『重く』もなってない。どういうつもり、千早さん…」

千早「『軽く』してもあなたには無意味…」

千早「『重く』するのも、限界がある。下手に『重く』しては『リレイションズ』のパワーを上げるだけ」

千早「正面から挑み、倒す…これしかないと思ったのよ」

美希「それは…できるの?」

千早「わからないわ、そんなこと」

美希「………」

千早「………」

ズォッ

ドシュゥゥゥッ

千早「…!!」ビリッ

773: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:53:54.28 ID:rwaYDOVLo
バァッ

美希「『リレイションズ』! 両腕への衝撃でガードを空けた!」

千早「ぐあっ」バリバリバリバリ

美希「がら空きなの!」ヒュォッ

千早「………」カッ

ドッガァァーン

美希「ぶっ」

千早「手足を封じても…」

美希「うげぇぇぇえっ」

千早「頭は出るわ、美希…」

美希「うーっ、うーっ…」バタバタ

美希「ふー…なりふり構わないね、千早さん」

千早「なりふり構っていたらあなたには勝てないと思ったから」スッ

775: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:54:50.13 ID:rwaYDOVLo
ススス

美希「離れて『ロック』を解除するつもり…?」ゴシゴシ

美希「逃がさないの!」タタッ

千早「違う…」ユラ…

フッ

美希「また自分を『軽く』…なら、『リレイションズ』で!」ス…

千早「…もっと『軽く』する」

ブワッ!!

美希「!」

クル! タッ

美希(天井にくっついて…逆さまなの)

バ!

千早「そして、ここで『重く』する…!!」キュゥゥゥ…

ダッ

ゴォォォォォオォ

美希「上から攻撃…か!!」

千早「行け…!」シュボ

777: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:55:23.66 ID:rwaYDOVLo
美希「『リレイションズ』! 腕を挟み込んで…」ガバッ

千早「おおおっ!」

美希「潰すッ!!」ドォン

グギャン

千早「っ!!」ガガガガガガ

美希(重…)

ズズ ザ ザザザ

美希(止まら…ない)

千早「んあっ!!」ドボォ

美希「うげっ」ボゴォ

ギャギギギギ

千早「うおおおおおおおおお」

ズガン

ドッバァァーッ

779: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:55:40.96 ID:rwaYDOVLo
美希「あうっ」ガシャン

千早「うあっ」ガギッ

バリバリバリバリ!

千早「ーーーーーっ!!」ギュゥゥゥゥ

ガチ! ガチ! ガチ!

千早「はぁっ、はぁっ!」

美希「う…うぅ…っ」フラフラ

美希「ふっ!」スタッ

千早「ゼェ、ハァ…」

美希「千早さん…今のは効いたよ…」

千早「ハァーッ、ハァーッ」

美希「だけど…千早さんの方がもっと効いてるよね。もう『ロック』は全身についてる」

千早「フゥッ、フゥ…」

781: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:56:06.09 ID:rwaYDOVLo
美希「このままだと、千早さんの方が先に倒れる」

美希「ミキにもダメージはある。でも、『リレイションズ』で受けるダメージは千早さんの方が大きい」

美希「ヤケになっても余計に傷つくだけなの」

千早「……… そうかもしれない…」

千早「だけど…私は立ち止まるわけにはいかないのよ」

美希「………」

千早「自分のためにも…春香のためにも」

美希「…千早さん」

千早「行くわよ、『ブルー・バード』…!!」

シン…

千早「………」

千早「…え?」クル

ブラン…

千早(『ブルー・バード』が…動かない…?)

ピシ…

783: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:56:23.82 ID:rwaYDOVLo
パラ…

千早「!」

ピキ! ビキビキビキ

千早(『ブルー・バード』の仮面に、ヒビが…)

パリン

ポロ…

ガシャン!

千早「割れた…」

サラ…

千早「あ…!」

サラサラサラ…

千早「あああ…!!」

千早「く…崩れていく…『ブルー・バード』の体が…!!」バッ

千早「あ…」サラ…

千早「あああああああああ…」スルスルスル

千早(砂のように…指の間から落ちていく…!)

千早「そんな…」

千早「『ブルー・バード』が死んでしまった…!!」

785: 『リレイションズ』その③ 2013/01/15(火) 01:57:07.61 ID:rwaYDOVLo
美希「うーん…」

千早「もう、ボロボロなのに無理をさせてしまった…私の『ブルー・バード』が…!」

美希「本当に、死んだのかな?」

千早「え…?」チラッ

美希「スタンドのダメージは本体のダメージ…」

美希「本当に死んだなら、千早さんも死なないとヘンだって思うな」

千早「なら、これは一体…」

シュボ!

千早「!?」ビクッ

美希「!」

ゴオッ

メラメラメラメラ

千早「火…?」

美希「千早さんのスタンドが『燃え』てる…」

ォォォオオォォ…

千早(『ブルー・バード』の残骸が…炎に飲み込まれていく)

787: 『リレイションズ』その③/おわり 2013/01/15(火) 01:57:28.40 ID:rwaYDOVLo
ビキ!

千早「!」

ヒュゥゥゥゥ…

美希「何、この風…『寒い』…」

ビシ ビシ ビシ ビシ

千早(今度は『凍って』いるの…? 炎が『凍り』付いて…)

ビキ ビキビキ

千早(形になっていく…)

パラ…

千早「これは…」

ゴゴゴゴ ゴ ゴ

美希「変わった…大きくなったの」

プシュゥゥウゥーッ

コォォォォ…

ゴゴゴゴゴ

ゴゴ ゴゴ ゴゴ

美希「千早さんの…新しい『スタンド』…?」

千早「新しい…『ブルー・バード』…!?」

789: 『リレイションズ』その③/おまけ 2013/01/15(火) 01:59:02.69 ID:rwaYDOVLo
スタンド名:「リレイションズ」
本体:星井 美希
タイプ:近距離パワー型・標準
破壊力:C スピード:B 射程距離:E(1m) 能力射程:D(5m)
持続力:A 精密動作性:A(やる気がない時E) 成長性:B
能力:殴った対象を「ロック」し、狙った相手は逃がさない美希のスタンド。
「リレイションズ」の攻撃の軌道は自身がつけた「ロック」に、引っ張らせるように向かわせることができる。複数の「ロック」があっても方向は自由。
一度「ロック」してしまえば、相手に対し思い切った行動が出来るため、肉体的にも精神的にも本来よりも上のパワーやスピードが出せる。
また、「ロック」した部分へのダメージは他の「ロック」した部分に拡散し、一カ所に複数の「ロック」があればダメージが倍増したり、別の部分にもダメージを与えることができる。
射程距離はかなり短いが、その分精密な動きをする。また、「ロック」を重ねることでその破壊力とスピードは際限なく上がっていく。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ

822: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:51:19.44 ID:315TVhGko
ドドドドド ド ド

美希「変わった…」

美希「千早さんのスタンドが、『成長』したの…?」

シュゥゥゥゥ-ッ

千早(腕についている『穴』から、煙が吹き出ている…)

スラァ…

千早(以前とは、姿形がまるで違う! これが、本当に…)

グッ

シュババババ!

美希「!」ピクッ

シュー シュー

コォォォォ

千早「………」

千早(動く…)

ドドドド ドドド

千早(やはり、あなたなのね…『ブルー・バード』)

824: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:52:47.51 ID:315TVhGko
ビュ!

バ! バ! クイッ

ピタ…

千早「………」

美希「ミキを無視して何やってるのかな、千早さん」

千早「素振り…みたいなものかしら」

美希「千早さんの新しいスタンド…」

美希「スタンドの大きさは『コドモ』から千早さんくらいの『オトナ』っぽい体格に変わってるけど…」

美希「本体の千早さんは変わってない。『ロック』した部分もそのままなの」

千早「そうね。能力が解除されたわけでも、傷が治ったわけではない。だけど…」

ドドドドド

千早「あなたには負けられない。行くわ…美希」ズズ…

美希「負けられないのはこっちも同じなの」

ドド ドドドド

美希「『リレイションズ』!」

ギャン

826: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:53:21.38 ID:315TVhGko
千早(『軽い』わ、とても…『重量が』じゃあない…)

美希「おおおおおお」ゴォォォ

千早(何かしら、今まで体を縛っていた何かが消え去ったような…)

美希「そこっ!」ゴオ!

千早「そんな、気分」

ヒュ

・ ・ ・ ・

ズバァ!!

美希「…え?」

グシャ メシャ

美希「うっ!? あぐっ…?」ズババ

美希(腕が…一瞬で攻撃を叩き落とされた…)バギャォ

ガクッ

千早「遅いわ…美希」

828: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:53:37.13 ID:315TVhGko
美希「『速い』…」

美希「それに『重い』! 指先がぶつかっただけなのに、パワーが全然違う…!」

千早「それだけではない」

ジュゥッ

美希「熱っ!?」ブンッ

千早「空気中の『熱』を集め…あなたに『与え』た」

美希「あ…『熱い』! 右手が焼ける…!」ジュウウゥゥ

千早「このスタンドは『重量』ではなく『温度』を『奪い』『与える』ようね」

美希「ふーっ、ふーっ…」シュゥゥ…

美希「そのスタンドは、一体…」

千早「熱を奪って『凍らせ』…熱を与えて『焼き尽くす』…」

千早「進化した『ブルー・バード』…」

千早「地獄の業火…灼熱の炎。名付けるならそう、『ブルー・バード・インフェルノ』」

美希「ち、千早さん…」

千早「何かしら」

美希「いや、なんでもないの」

830: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:54:11.78 ID:315TVhGko
ズキン ズキン

美希(うぅ、ヒリヒリする…)

千早「熱はすぐに逃げる。だけど、それによってつけられた『火傷』はいつまでも残るわ」

美希「…こんなの、大したことないの」

千早「そう。それなら、今から大した痛みにしてあげるわ」

コォォォォ

美希(腕から…白い空気が出てる)

チリ…チリ

美希(外に冷たくして、腕をあっためてるの…?)

千早「………」

美希(だったら、『熱く』なる前に攻撃すれば!)

美希「えりゃっ!!」ズオン

グワン

千早「ふっ!」ギュン!

美希「ッ!」クンッ

ザザッ

千早「…!」ピタッ

832: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:54:42.61 ID:315TVhGko
美希(動いた瞬間そこを攻撃してきた…やっぱり、前とは桁違いの『スピード』なの…)

美希(それに、『熱く』なりきらなくても『パワー』は充分…前よりすごくパワーアップしてる…)

美希(その代わり、弱くなった部分もあるケド。それは…)

千早(私が攻撃したと見れば攻撃を止め、回避に移る…『リレイションズ』の正確性、やはり単純なスピード以上のものがあるわ)

千早(そして、このスピードを避けるのね…『反応速度』が尋常じゃない…)

千早(対して、こちらの『インフェルノ』…全体的な能力は遥かに上がっている。しかし…)

千早・美希((『射程距離』!))

美希(前のと比べれば、すっごく短い…ミキの『リレイションズ』よりちょっと長いくらいなの)

千早(『インフェルノ』が届くのは『2mまで』ってところね…)

千早(だけど、これなら…近接戦闘ならこっちのスタンドの方が強い。充分勝てるはず)

美希「………」サッ

千早「?」

千早(美希が距離を取った…どういうつもり?)

834: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:55:15.11 ID:315TVhGko
千早(『リレイションズ』の射程距離は1m…そこからでは攻撃はできないでしょう)

美希「これを使うことになるとは思わなかったケド…」ゴソゴソ

ジャラ…

千早「…何、それは」

美希「とっておきなの」グッ

バッ

ジャラララァーン

千早(ビーズ…? 大量のビーズを投げてきた…)

ドォォォォォ

千早(当たっても痛みはないだろうけど…一応、避けた方がよさそうね)スゥ…

グイィーン

千早(! 避けても私の顔の『ロック』に向かってきている…こういうこともできるのね)チラ

美希「ふふん」

千早(美希は動かない…隙を作ったり、そういうことが目的ではない…これ自体に何かあるのね)

ォォォォオオ

千早(『ロック』に向かって自動的に追ってくるのなら、部屋の中では逃げ切れないわ…叩き落とす)

千早「『インフェルノ』!!」ドォン

836: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:56:23.20 ID:315TVhGko
ズババババババババババ

パラ…パラパラ…

千早「………」

<LOCK! LOCK! LOCK!

千早「…!!」

千早(これは…! ビーズを叩き落とした腕に新たな『ロック』が…!)

美希「『リレイションズ』が投げたものは、(勢いがなくなるまで)勝手に『ロック』に飛んで行って…」

美希「飛んだものについていた『ロック』は、当たったら一つにまとまるの!」

千早「これが…あなたのとっておきなのね…」

美希「そうだよ。今ので、けっこーいっぱい『ロック』がついたと思うけど」

千早「………」

美希「攻撃しなよ、千早さん。そのスタンドで」

千早「はぁっ!!」ヒュ

美希「なのっ!!」ドォン

ガキン!!

千早(ぶつかった!? 『インフェルノ』のパワーと正面からやりあうつもり…?)

838: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:56:48.68 ID:315TVhGko
ビッ

バチィン!!

千早(『ロック』のお陰でこっちに合わせられるくらいのスピードにはなったようだけど…)

千早(こちらの方がパワーは圧倒的に上! 簡単に弾いた!)

ドボォ

美希「!」

美希「ごふっ…」メリャ

千早「う…」ピタ…

千早「ぐぅ…っ…!」ズギャ メリメリメリ

美希「ふぅ…」

美希「どうしたのかな、千早さん…思いきり殴り抜ければ千早さんの勝ちだったのに」

千早(こっちが…)

千早(こっちが、『リレイションズ』の腕を弾き飛ばしたのに…この腕の痛みは…!)

美希「こうなったら、もう」ジュッ

美希「千早さんが攻撃してきても…その飛んでくる方向に合わせて手を出すだけで、千早さんの方に大きなダメージが行く」シュゥゥゥゥ…

千早(やはり…強い…何も考えずに勝てる相手じゃあないわ…)

840: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:57:45.16 ID:315TVhGko
千早「くっ…」フラフラ

ガッ

千早「はぁ、はぁ…」

シュー シュー

コォォォォォ

美希(壁によりかかって、またスタンドが腕から空気を出してる)

美希「千早さんのそのスタンド…」

美希「前のスタンドと同じなら…すっごく『熱く』したりはできないはずなの」

美希「だって、あんまり『熱く』しすぎると千早さんの体が耐えられないからね」

千早(………)

美希「いくら強くても、それだけの能力じゃミキには勝てない…のっ!」ドォッ

千早(もう、私の体のほとんどの場所に『ロック』がついている…)

千早(受け止めようが、どこかに当たれば私の腕は保たない。だけど)

ムワッ

美希(! 部屋の空気が…千早さんの場所だけ暑くなってる…)

美希(でもこれくらいの温度、大したことないし…ただの熱じゃスタンドにはなんともない!)

842: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:58:36.79 ID:315TVhGko
ドォォォォォォ

スルッ

・ ・ ・

美希(あれ…)

バゴォ

美希「千早さんを通り抜けて…これは…!?」

スゥ…

千早「『ブルー・バード・インフェルノ』」

美希「!」

美希(目の前の千早さんが…右側にズレてく…)

千早「空気の『熱』を操作したわ。右側は『熱く』、左側は『冷たく』」

千早「極端な温度差は『蜃気楼』を生み出す…『冷気』から『熱気』に引き込まれた私の像、あなたが見ていたのはそれよ」

美希「た…叩いていたのは壁の『ロック』…」

844: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:59:17.09 ID:315TVhGko
千早「そして、確かに私自身に『温度』を溜めておくのは確かに難しい…」

千早「けれど、この『冷やした』空気…この短距離で『蜃気楼』を見せるほどの『冷気』」

千早「この冷たさを貴女にそのまま押し付ければ」

コォォォォォ

千早「何の問題もないわ」

美希「『リレ…」

千早「『インフェルノ』ッ!!」

ズドドドドド

美希「あぐわああああっ、うげっ!」ボコ ボコ ボコ

ドギャァァァッ

美希「うぎっ…」ガァァーン

キィィィン

美希「こ…『凍って』る…」

カチ コチ コチ

美希「うはぁぁぁぁ…」

千早「あなたの腕から『熱』を『奪った』。勝負あったわね、美希」シュー シュー

846: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 01:59:57.83 ID:315TVhGko
美希「………」ギャン

千早「!」

ガキッ

千早「その腕では能力も使えないようね。簡単に受け止められたわ」

美希「これは攻撃するためじゃないの」

千早「え?」

シュゥゥゥーッ

美希「空気の温度を移したって言っても…」

美希「直接空気の冷たさを押し付けたわけじゃあない。千早さんが間に入ってる」

美希「だったら、その腕からは『あったかい空気』が出てるはず」

ジュゥゥゥ…

千早「…! 美希…」

美希「あはっ、溶けてきたの」

848: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 02:00:31.53 ID:315TVhGko
千早「離れ…なさい!」ブンッ

美希「わっと」バッ

クイッ

美希「あっ!」

千早「…!」

美希「ちょっとだけど、溶けた…これで『リレイションズ』も使えるみたい」ギ ギ ギギ

千早(くっ、なんという対応力…! 何をやっても、すぐに反撃の手を思いついてくる…)

美希「ミキは負けない…」

千早「………」

美希「千早さんのスタンドがいくら強くても、ミキはその上を行く!」

千早「やはり…」ズザッ

ゴゴゴゴゴゴ

美希「!」

千早「簡単に勝たせてはくれないようね…美希…」

美希「千早さんこそ。すっごいダメージを受けてるはずなのに、まだ立ってられるなんてビックリなの」

ゴゴゴゴ ゴ ゴ ゴ

850: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 02:01:08.31 ID:315TVhGko
千早「白黒つけましょう、美希…!」

美希「望む所なの!」

千早「あなたを倒して…その次は春香よ。絶対に止めてみせる」

美希「それはこっちの………」

美希「………」

美希「…え」

千早「…?」

美希「……あの、千早さん…今なんて?」

千早「え?」

美希「なんか…春香を止めるとか…聞こえた気がするんだけど」

千早「え、ええ…そうよ。私はそのために戦っているのだけれど」

美希「い…」

美希「いや…もう、細かいことはどうでもいいの! 決着をつけよう、千早さん!」グオオォ

千早「? ??? え、ええ…」

852: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 02:02:16.13 ID:315TVhGko
美希「行くの!!」ダッ

千早「…!」ビリッ

千早(正面から突っ込んでくる…狙いはどこ…?)

美希「『リレイショォォォォォンズ』!!」ゴォォォォ

千早(いえ、正面から来るのなら…こちらも正面からねじ伏せる!)

千早「行けッ、『ブルー・バード・インフェルノ』!!」ドォン

ヒュオッ

バキ!!

美希「うがっ」メキョ

千早「げふっ」メキャア

千早(ク…クロスカウンター…)

・ ・ ・ ・

美希「あうっ」クラッ

バタン!

千早「はぁー、はぁー…」ガクガク

美希「千早さん…千早さんも無理しないで倒れていいよ」

千早「仲間…我那覇さんがいるでしょう」

美希「ああ…そうだね。響なら今の千早さんくらいならカンタンそう」

千早「ええ、だからそうさせるわけにはいかない…」フラフラ

美希「そんなつもりないケド…あんまり無理しない方がいいって思うな」

854: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 02:02:40.90 ID:315TVhGko
千早「あなたが彼女を呼ぼうとすれば…その瞬間『インフェルノ』を叩き込むわ」

美希「はいはい、わかったから」ゴソゴソ

千早「!」バッ

ポイ

千早「え!?」

千早(携帯電話を捨てた…?)

千早「どういうつもり、美希…?」

美希「どーもこうも…千早さん、春香を倒そうって思ってるんだよね?」

千早「え、ええ…そうなるわね」

美希「ミキもそう」

千早「え」

美希「春香を倒すために戦ってるの。目的は同じ…タブン」

千早「は…」フラ…

バタン

美希「あふぅ…やっぱり千早さんも限界だったの」

856: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 02:03:38.52 ID:315TVhGko
千早「はぁ、はぁ…」

美希「あはっ、なんか二人一緒に昼寝してるみたいなの」ゴロン

千早「み、美希…あなたにとって春香は?」

美希「敵だよ。ミキが『リレイションズ』を使えるようになってから、ずっと」

千早「…我那覇さんは?」

美希「響は、最初ミキを襲ってきたけど…仲間になってもらったの」

千早「そう…なの」

美希「千早さんは、あずさとよく話してたからてっきり春香の方だと思ってたんだけど…」

千早「どうしてそう思ったのかしら…」

美希「ミキはあずさに何かされて、気づいた時には『スタンド使い』になってたから」

千早「『ミスメイカー』…私の時も、そうしようとしていたのかしら…」

美希「千早さんはなんであずさと一緒に?」

千早「私があずささんと戦って、勝ったから。そして、今二人で春香を倒すために特訓をしているのよ」

美希「そっか…」

858: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 02:05:37.92 ID:315TVhGko
美希「うーん…」

千早「美希?」

美希「千早さん、二人より四人! なの!」

千早「え、えーと?」

美希「千早さんがいればヒャクニンリキなの! ミキ達と一緒に春香と戦って欲しいな」

千早「それは…その前に美希、あなたはどうして春香と戦っているの?」

美希「へ?」

千早「あずささんの話だと、事務所のみんなはほとんどが春香に従っているって話だけど…」

千早「何故貴女はそうせずに、春香に逆らおうと思ったの? それを聞かないまま、返事をするわけにはいかない」

美希「ミキの『リレイションズ』はベンリだけど…」

美希「あの『矢』のせいで、春香がダメになっているから」

千早「………」

美希「スタンドは確かにいいものカモしれないケド、春香のやってるコトは許せない。それだけ」

千早「…そうね。その通りだわ」

860: 『リレイションズ』その④ 2013/01/26(土) 02:06:08.43 ID:315TVhGko
美希「千早さんは…さっき言ってたね」

千早「ええ、貴女と同じようなものね。春香のやっていることを見逃すわけにはいかないわ」

美希「千早さんが『春香のため』そう言ってたときは『やっぱり』って思ったんだけど」

美希「『春香を止める』って…そういうことだったんだね。紛らわしいの」

千早「待って、美希…わかっていたのなら最後の一発は何だったの」

美希「なんとなく。千早さんも手出したからおあいこだよ」

千早「あのね、美希…」

美希「何?」

千早「いえ…もういいわ」

美希「それで、千早さん。一緒に戦ってくれる?」

千早「…言わなくてもわかっているでしょう」

美希「えー? わかんないの」

千早「もう…断る理由もないわ。よろしく、美希」

美希「あはっ」

862: 『リレイションズ』その④/おわり 2013/01/26(土) 02:06:41.94 ID:315TVhGko
美希「さてと、そうと決まれば」スタッ

千早「美希?」ムクッ

美希「響にも説明しないと。千早さんとあずさは敵じゃあないって」

千早「ええ、そうしてくれると助かるわ。また襲われるのは…」ガッ

千早「きゃっ!?」ズルッ

ビタァァァン

美希「千早さん、手が滑ったの? 痛そうなの」

千早「え…」

千早「これは…うそ…」

美希「…? どうしたの、千早さん」

千早「折れてる…腕が…」プラン

美希「あ…」

To Be Continued…

864: 『リレイションズ』その④/おまけ 2013/01/26(土) 02:08:32.15 ID:315TVhGko
スタンド名:「ブルー・バード・インフェルノ」
本体:如月 千早
タイプ:近距離パワー型・標準
破壊力:A スピード:A 射程距離:E(2m) 能力射程:D(7m)
持続力:D 精密動作性:B 成長性:C
能力:猛り狂う吹雪のような力強さと、燃え盛る炎のような素早さを併せ持つ千早の新しいスタンド。
「ブルー・バード」が一段階上の存在へと進化し、「重量」を「奪い」「与え」る能力から、「温度」を操作する能力へと変化した。
触れたものの温度を徐々に変えていく「温度変換」と、「温度差」を一瞬で押し付ける「熱転移」の二種類の「温度操作」能力を持つ。
温度を変化させる対象の数に制限はない。また、度を超えた「熱」は腕についている穴から勝手に出ていく。
射程距離は大幅に下がったが、体格は千早と同程度まで成長しており、性能は以前とは比べ物にならないほど上がっている。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ

887: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:00:37.91 ID:TbBUcbcWo
春香(真、響、あずささん、やよい、律子さん、そして亜美真美…)

春香(こっちの『仲間』7人は、ついに…7人とも、みんな敗北した…か)

春香(あずささんに、律子さん…あれでごまかせてるつもりなのかなぁ…)

春香(二人のこと、私が気づいてるなんてわかってるとは思うけどね)

春香(…何にしても。ついに、1人になったと…そういうことか)

春香「ま…」

春香「いいか…一斉に来れば来るほど私の『アイ・ウォント』の能力は脅威を増す…どうせ何人でかかって来ようと無駄だし…」

春香「美希の『リレイションズ』も貴音さんの『フラワーガール』も…私の『アイ・ウォント』には勝てないでしょう」

春香「それに…」

春香「私には『これ』がある」スッ

キラリ…

春香「『弓と矢』…」

春香「いずれ、この事務所にも後輩が入ってくる…」

春香「みんな、『スタンド使い』にしてあげないと…自分の才能のことをちゃんとわからせてあげないと…ね。ふふ…」

………

……


889: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:01:42.31 ID:TbBUcbcWo
伊織「ただいま」

律子「竜宮小町、ただいま戻りました」

シィーン…

伊織「って、この伊織ちゃんが帰ってきてるのに誰も出迎えなし! どういうことよ、まったく…」

律子「まぁまぁ。みんな仕事で忙しいのよ」

亜美「待合室に誰かしらいるっしょー」パタタタタ

律子「あ、ちょっと亜美! 待ちなさい!」

伊織「ったく、落ち着きないわね」

律子「はぁ…今日はもうミーティングなしだからいいけど…」

伊織「久々にアンタと仕事したけど…やっぱ、律子がいてこそ竜宮小町って感じね」

律子「えっ…な、何言ってるのよ伊織…」

伊織「ん? 律子、アンタもしかして照れてんの? にひひっ」

律子「あーもう! からかわない!」

伊織「まぁそれはどうでもいいけど、あずさは? さっきまで一緒にいたわよね」

律子「どうでもいいって…あずささんなら、買いたいものがあるって外で別れたわ」

伊織「一人で行かせて大丈夫なの…?」

律子「大丈夫でしょ。多分…」

891: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:02:43.41 ID:TbBUcbcWo
………

……

伊織(さて…)

伊織(これからどうする…? 仲間を集める件、貴音に任せきりというのはもどかしいわね…)

伊織(その貴音は今事務所にいないし…とりあえず、真達に何かなかったか聞いてみるか)

伊織(と思って待合室に来たものの、中にいたのは…)

真美「あと5分…お願いだ! あと5分だけやらせてくれッ!」ピコピコ

亜美「ホラホラ…やめないとドンドン蹴りが強くなるわよぉ~」ガスガス

伊織(なんかよくわからない遊びをしている亜美に真美…)

雪歩「ふぅ…」スラスラ

伊織(そして机で一人何かを…多分いつもの詩でしょうけど…書いている雪歩…)

伊織(真達の場所を聞きたいけど、あいつらは当てにならなそうだし…巻き込まれたくないわね)

伊織「雪歩」

雪歩「ひぃっ!?」パタン

雪歩「な…何…伊織ちゃん…」

伊織(今度はどんな詩を何を書いているのか、気にならないと言ったら嘘になるけど…)

伊織(無駄に面倒事を起こすのは御免よ。私はあいつらの居場所を知りたいだけだし)

893: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:03:49.80 ID:TbBUcbcWo
伊織「やよいは? 確か、アンタこの後一緒に収録よね」

雪歩「やよいちゃん? ここにはいないけど…」

伊織「んなもん、見りゃわかるわよ! 私はやよいがどこにいるのかって聞いてるの」

雪歩「あ、あぅぅ…ごめんなさい、わかりません…」

伊織「…そう。それじゃ、真でいいわ。あいつもこの時間ならいるでしょ」

雪歩「真ちゃんはさっきちょっと話したけど…あの後どこか行っちゃって…」

伊織「真もか…」

伊織(考えてみれば、こいつはここで一人で詩を書いていたわけで…わかるわけがないか…)

伊織(しかし参ったわね。貴音は仕事中だし、さっきまで一緒だった律子や亜美と話しても仕方ないし…)

伊織(前から話そうと思っていたあずさはどっか行くし…)

伊織(やよいはこの後仕事がある。真を捜しに行こうかしら。多分、事務所のどこかにはいるはずよね)

雪歩「…伊織ちゃん、最近真ちゃんと仲いいよね」

伊織「はぁ? そんなことないわよ」

雪歩「嘘! だって、私が真ちゃんのこと見たときはいっつも話してるし…」

伊織「印象に残ってるってだけでしょ、そんな四六時中喋ってないわ」

895: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:04:40.10 ID:TbBUcbcWo
雪歩「でも…移転する前…真ちゃんと二人きりで話したいって…」

伊織「い…いつの話よ! そんな前の事持ち出さないでちょうだい!」

雪歩「やっぱり、あれは…あぅ」カァッ

伊織「ばっ…変な事言わないで! 女同士とか気持ち悪いわ! 何考えてるのよ、この変態!」

雪歩「でも、音無さんが持ってきてる本の中にそういうのが…」

伊織「アンタ…何読んでるのよ…」

雪歩「美希ちゃんが…読んでみようって言うから…つい…」

伊織「何やってんのよアンタらは、人の私物を…」

伊織(小鳥も小鳥だけど…隠してるつもりならそういうのは家でこっそりやっておきなさいよ…)

伊織(しかしそう言う目で見られてるのか…いえ、こいつが変なだけだと思いたいけど…)

伊織(ここで真を捜しに行ったら、また変な誤解を受けるかもしれないわね…)

伊織(雪歩は他人に言いふらしたりはしないけど、誰かにそう思われているってのは…)

雪歩「本当に、何にもないの?」

伊織「アンタが思ってるような事は絶対にありえないから。単なる友…友達の、それよ…」ゴニョゴニョ

伊織(もう、この際だわ。雪歩に探りを入れてみるか…)

897: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:05:18.63 ID:TbBUcbcWo
伊織「真のことはもういいわ。それより、この後仕事よね」

雪歩「あ、うん。やよいちゃんと真美ちゃんと三人でね」

伊織「アンタがセンターよね。まぁ…そこそこの舞台だし…」

雪歩「うっ」ビクッ

伊織「実質リーダーみたいなもんなんだから…頑張りなさいよ」

雪歩「ひゃ、ひゃい!」

伊織「ちょっと…ガチガチじゃない。そんなんで本番大丈夫なの?」

雪歩「だ、大丈夫でひゅ…ですぅ!」

伊織「アンタね…ここで緊張してても仕方ないでしょ。まずは深呼吸でもして落ち着きなさい」

雪歩「は、はいぃ…」

伊織(さて、どう話を切り出そうかしら…)

伊織(真の時と同じでいいわね。まずはスタンドを見せる)

伊織(何かしら反応はあるはず…)

雪歩「すーっ、はーっ…」

伊織「………」

スゥ…

899: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:07:24.98 ID:TbBUcbcWo
伊織「あら?」

雪歩「ふぅ…どうしたの、伊織ちゃん?」

伊織「なんか…ねぇ、雪歩」

モクモクモクモク

伊織(『スモーキー・スリル』…この部屋の、私達の周りにだけ薄く広げた…普通の煙とは見分けはつかないはず)

伊織「煙っぽくない? どこか近くで焚き火でもしてるのかしら」

雪歩「そうかな?」スンスン

伊織「え?」

雪歩「うーん?」ガラッ

キョロキョロ

真美「あれ、ゆきぴょんどしたの?」

伊織(…窓を開けて…外を見渡しに行った…)

雪歩「焚き火とかは、ないみたいだけど…」

伊織(え…なに…? なんなの、この反応…)

雪歩「煙っぽいんだよね? どこからだろ…」

伊織(『スモーキー・スリル』が見えていないの…? 雪歩は『スタンド使い』じゃあ…ない…?)

伊織(いえ、そんなまさか…春香が雪歩を見逃すなんて、そんなはずは…)

伊織「…『スタンド使い』は…煙を吸うと、鼻の上に血管が浮き出る」

雪歩「…?」スッ

伊織(あ、触った…)

901: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:08:17.18 ID:TbBUcbcWo
雪歩「伊織ちゃん、今のってどういうこと? つい触っちゃったけど…」

伊織「嘘よ…」

雪歩「へ…?」

伊織(これで慌てて触るようならクロだとわかるんだけど…この反応じゃあ…)

雪歩「えっと…調理室の方見てくるね。火がつけっぱなしなのかも」

伊織「ああ、いいわよそんなことしなくて。別に煙の臭いなんてしないでしょ」

雪歩「え? でも伊織ちゃんが…」

伊織「気のせいだったわ」

雪歩「ええっ!?」

伊織「そもそも調理室なんて全然使われてないし、火つけっぱなしでどっか行く馬鹿なんてうちにはいないでしょ」

雪歩「私は…使うけど…」

903: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:09:34.35 ID:TbBUcbcWo
伊織「まぁそれはどうでもいいけど、雪歩。ちょっと聞きたいことがあるわ」

雪歩「どうでもいいって…何、伊織ちゃん?」

伊織「春香…最近ちょっとおかしくないかしら」

雪歩「春香ちゃん? うん、確かにちょっと変な感じはするけど…」

雪歩「仕事いっぱいで疲れてるんだよ、きっと」

伊織(動揺するわけでもなく、ごまかすわけでもなく…普通の答え…)

伊織(違和感には気づいているみたいだけど、それがなんなのかはわかっていない…って感じね)

雪歩「伊織ちゃん?」

伊織「雪歩…アンタ、『スタンド』については本当に何も知らないのね…」

雪歩「え、何?」

伊織「…『スタンド』よ。知らないんなら別に覚えなくていいけど…」

雪歩「えっと、ごめんなさい…伊織ちゃん…」

伊織「別にいちいち謝らなくてもいいわ。アンタにはそもそも関係ない話だったみたいだし」

雪歩「そうじゃなくて…『知らないのなら』って言う前…なんて言ったの? 聞こえなくて…」

伊織「いいって言ってるでしょ」

雪歩「でも…」

905: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:09:57.81 ID:TbBUcbcWo
伊織「はぁ…『スタンド』。これだけ言ってもわからないでしょ」

雪歩「え…今、何か…言ったの?」

・ ・ ・ ・

伊織「は…?」

雪歩「?」

ゴゴゴゴゴ ゴゴ

伊織「ちょ、ちょっと待って雪歩…」

雪歩「何…?」

伊織「『スタンド』よ、『スタンド』! ちゃんと聞こえてるわよね?」

雪歩「え…伊織ちゃんが喋ってるのはわかるけど…なんで、声を出さないの…?」

伊織「出してるわよ!」

雪歩「ふぁっ」ビクゥ

伊織「う…」

伊織(な…何、これ…!? 『スタンド』という言葉だけ、雪歩の耳に届いていない…?)

907: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:10:29.64 ID:TbBUcbcWo
伊織「電気スタンド…」

雪歩「電気スタンド? え、それが伊織ちゃんの言いたいこと…?」

雪歩「それはもちろん知ってるけど…春香ちゃんの事と何か関係あるの?」

伊織「違う! 電気スタンドじゃあなくて、『スタンド』よ! ス! タ! ン! ド!」

雪歩「えっ? えっ?」

伊織「『弓と矢』! 『スタンド使い』! 『アイ・ウォント』!」

雪歩「? ?? ?」

伊織(『スタンド』だけじゃあない…スタンドに関する言葉が全て、雪歩には聞こえていない…!!)

雪歩「伊織ちゃん…その…大丈夫…?」

伊織「大丈夫…ですって!? おかしいのはアンタの方でしょうがッ!」

雪歩「ひっ」

伊織「ああ、違う…そうじゃない…そうじゃなくて…」

雪歩「? ??」

伊織(! 雪歩のノートと鉛筆…)

伊織「雪歩ごめんなさい、借りるわ!」バッ

雪歩「えっ!? ちょ、ちょっと伊織ちゃん!」

伊織(聞こえないのなら…そう、紙に書けばいい…!)スラスラスラ

909: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:11:25.97 ID:TbBUcbcWo
バンッ

伊織「これよ! 私が言いたいのは!」

雪歩「これって…」

ゴゴゴゴゴ ゴゴ

雪歩「何も…書いてないけど…」

ゴ ゴゴゴ

伊織「ア…アンタ…」

ゴゴゴゴ

伊織「本当に、これが何も書いてないように見えるの…!?」

雪歩「い、伊織ちゃん…冗談だよね…? やめてよ、怖い…」

伊織(怖い…? こっちの台詞よ、そんなもん…)

伊織(『スタンド使い』でなければスタンドは見えない…)

伊織(だけど、『スタンド』と言う言葉自体が聞こえないだとか、見えないだとか…そんなこと、ありえないわ…)

雪歩「ね、ねぇ…伊織ちゃん…?」

伊織「………」

911: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:12:35.45 ID:TbBUcbcWo
伊織「じょ…」

雪歩「………」

伊織「冗…談よ。アンタ、これから仕事だからリラックスさせようと思って…」

雪歩「え、でも、だったらなんであんなこと…」

伊織「落としてから上げる話術ってヤツ…よ。そっちの方が効果的なの」

雪歩「そうなの…? 確かに安心したら気が抜けたような…」

P「おーい雪歩、真美!」

雪歩「あ、プロデューサー」

真美「ほぇ?」

P「そろそろ出るぞ。準備できてるか?」

雪歩「はい、大丈夫です」

真美「んー、バッチリだよーん。多分」

P「おいおい、本当に大丈夫か…まぁ、やよいも待たせてるしとりあえず出るぞ」

亜美「真美、行ってらっしゃーい」

雪歩「ごめんね、伊織ちゃん。もう行かないと…」

伊織「あ、ちょっと雪歩…」

パタン…

913: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:14:15.54 ID:TbBUcbcWo
伊織「………」

亜美「いおりん、ゆきぴょんと何話してたの?」

伊織「ちょっとね…探りを入れてたんだけど、わけがわからなくなった…」

亜美「えーなにそれ? なんか面白そう、聞かせて聞かせて!」

伊織「本当にわけがわからないのよ…自分で整理したいわ」

亜美「えー、教えてくれないの? ぶーぶー、いおりんのケチー」

伊織「悪かったわね。後でちゃんと話すから今は放っといてよ」

亜美「むー、まぁいいや。それじゃいおりん、一緒にゲームでもやろうぜ!」

伊織「そんな気にはなれないわ…ちょっと考えたいことがあるから外に行く」

亜美「あ、じゃあ亜美も一緒に」

伊織「一人で考えたいのよ。誰かと遊びたいなら、真でも捜してちょうだい」

亜美「うげ、まこちんか…」ブルブル

伊織「別に、取って食われたりしないわよ。じゃ、私は行くわ」スタスタ

 コツ コツ

伊織(雪歩が『スタンド』という単語を認識できない現象…)

伊織(最初に思い当たるのは『アイ・ウォント』の『五感支配』だけど…)

伊織(雪歩は聞こえないだけでなく見えもしない。二つ以上の感覚が操られていた)

伊織(そもそも春香がやっているのだとしたら、何のために…? 理由がわからない…)

伊織(それに『アイ・ウォント』の能力が届く射程距離は10m程度…)

伊織(仕事中の春香が、事務所にいた雪歩に能力をかけ続けるなんて…そんなことはありえない)

伊織(じゃあ、一体…)

バキャァ!!

伊織「…?」クルッ

伊織「何、今の音は…」

シーン…

伊織「…気のせいかしら」

915: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:15:01.06 ID:TbBUcbcWo
バキ!

伊織「!」

伊織(いや、気のせいじゃない…近くで何か起こっている!)

メキメキメキメキ!

伊織(な、何…? この木材が真っ二つに折り曲げられるような音…)

ドバァ!

?「かふっ」バッギャァァーン

ボフッ!!

伊織「…え」

ズザァァァァァ

ガゴッ!!

?「ぐ…うぁ…」

伊織(『スモーキー・スリル』の中に何か…飛び込んできた…?)

伊織(ベンチソファの下に誰かいる…)チラ…

真「う…あ…ああぅ…」パラ…

伊織「ま…真ッ!?」

917: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:15:49.73 ID:TbBUcbcWo
真「い…伊織…か…」

伊織(真が…やられている!? 一体何が…!?)

伊織「真! 何、どうしたの!?」

真「あれは…何なんだ、ぐっ」

伊織「何があったのよ! しっかりしなさい!」

真「逃げろ、伊織…」プルプル

真「あいつは…強すぎる、無理だ…誰にも倒せない…」

伊織「あいつって、誰よ!? あんたをやった奴がそこにいるのね!?」

真「う…ぐ…」ガクッ

伊織「真ッ!!」

真「………」

伊織「駄目だわ、気を失っている…」

伊織(『ストレイング・マインド』も…真本人もボロボロ…あの真が…こうまでやられるなんて…)

伊織(一体誰がこんなことを出来るというの…?)

919: 『ファースト・ステージ』その① 2013/01/29(火) 23:16:37.07 ID:TbBUcbcWo
伊織「まさか…『春香』ッ!? 春香がそこにいるの…!?」

?「違ウナ…水瀬伊織。天海春香ジャアナイ…」

伊織「!?」クルッ

?「菊地真ハ…」

伊織(なに、こいつ…スタンド!?)

?「私ガ始末シタ」

伊織(こいつが、真をやった…?)

?「意外ソウナ顔ダナ、水瀬伊織…」

伊織「何よあんた!? スタンドなの!? 春香の部下!? 本体はどこよ!?」

?「…随分トヨク回ル口ダナ」

?「ワカッタ、『三ツ』ダ」ビッ

伊織「!?」

?「『三ツ』ダケ、質問ヲ受ケ付ケヨウ。本当ニ知リタイ事ダケ…聞クガイイ」

伊織「は…」

伊織(指を三本立てて…『質問を受け付ける』…ですって? なんなのよ、このスタンドは…)

921: 『ファースト・ステージ』その①/おわり 2013/01/29(火) 23:17:57.19 ID:TbBUcbcWo


……

………

春香「さて、美希に貴音さんに伊織に…あと千早ちゃん」

春香「ああやって分かれていれば多分、誰かしら雪歩に声をかけているでしょう」

春香「そうなればあの厄介なスタンド、『ファースト・ステージ』…」

春香「引っかかってくれれば、誰であろうが勝手に始末してくれる」

春香「あれは私の『アイ・ウォント』でも手こずりそうなスタンドだからね…」

春香「いや、待てよ…それじゃ、私が勝ったわけではないわけで…」

春香「それだと、結局は私が行くしか…でもな…うむむ…」

「天海さーん! お待たせしました、入ってください!」

春香「あ、はーい! 今行きまーす!」

春香「まぁ…後で考えよっか。今は仕事の方が大事だからね」

946: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:08:43.00 ID:a3Qw3avKo
ゴゴゴゴゴ ゴゴゴ

FS「自分ノ中ノ何カヲ 人ト『共有』スルノハ…」

FS「素晴ラシイコトダトハ 思ワナイカ? ナァ、水瀬伊織(マ! 私ハ『人』ジャアナイガネ)」

伊織(いきなり何…? 『三つだけ』質問を受け付けるですって…?)

真「………」

FS「菊地真ハ…ソコカ。手間取ッタガ、終ワッテミレバ 呆気無イモノダッタナ」

ゴゴゴゴ

伊織(こいつが…真をやったの…?)ジリ…

FS「ソウヤッテ、私カラ遠ザカロウトシテイルノハ…」

伊織「…!」ピタ…

FS「質問ハナイ…トイウコトノカ?」

FS「ナラ、コチラモ『攻撃』ニ移ラセテモラウガ」

伊織「………」

950: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:12:06.27 ID:a3Qw3avKo
伊織「あんた…『何者』よ」

FS「曖昧ナ質問ダナ…」

伊織「名前だけ聞いても仕方ないわ。これで1つ…で、いいかしら?」

FS「マアイイカ…答エヨウ」

FS「水瀬伊織 君ガ思ッテイル通リ、私ハすたんどダ」

FS「名前ハ『ふぁーすと・すてーじ』 本体ハ萩原雪歩」

伊織(雪歩の…)

伊織「雪歩の奴、やっぱり知らないふりをしていたってことね…! 真を始末した後は、今度は私にスタンドを仕向けてきたってわけ…!」

FS「ソレハ違ウ」

伊織「は…? 違うって…どういうこと?」

FS「言ウノハソレダケダ。今ノハ私ガ勝手ニ話シタコト 『質問』ニハ含メナイガ…詳シクハ『質問』シナケレバ答エナイ」

伊織「………」

FS「ソノ質問デハココマデダナ。一ツ目ノ質問ハ終ワリダ」

952: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:19:04.34 ID:a3Qw3avKo
伊織「雪歩が仕向けてきたわけじゃないってなら…何でアンタは出てきたのよ? 納得のいく答えを聞かせてもらいたいわ」

FS「フム…ソレガ『二ツ目』カ。デハ 何カラ話シタライイノカ…」

FS「私ハ『自動操縦型』ノすたんどダ」

伊織(『自動操縦』…聞いたことがある、確か以前貴音が言いかけてたわね…)

伊織「その、『自動操縦型』ってのは何?」

FS「一般的ニ言エバ、一度攻撃ヲ開始シタラ、本体ノ意志トハ関係ナク行動ヲ続ケルすたんどノ事ダ」

FS「『遠隔操作』デイテ強イ『ぱわー』ヲ出セル代ワリニ正確ナ動キハデキナイ」

伊織「ふぅん…こうベラベラ喋ってるのは『正確な動き』には含まれないのね?」

FS「アクマデモ一般的ナ『自動操縦』ガ ソウデアルトイウダケダ。私ハ少々特殊ナたいぷダト自分デハ思ッテイル」

伊織「…で? アンタが出てきた理由は?」

FS「私ハ…私ガ標的ヲ定メタ時、萩原雪歩ノ意志トハ関係ナク攻撃ヲ開始スル」

伊織「標的…? 何か基準でもあるの? 真はそれに引っかかったってワケ?」

FS「アア。ソシテ、ソレハ私ノ存在理由トモ関係スル」

伊織「存在理由…?」

FS「私ノ存在理由ハ…萩原雪歩ニ『すたんど』ノ存在ヲ知ラセナイコトダ」

伊織(はぁ…? 何言ってんのコイツ? 自分もスタンドのくせに)

954: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:20:18.11 ID:a3Qw3avKo
FS「菊地真ハ『すたんど』ニツイテ萩原雪歩ニ尋ネタ」

FS「彼女ニすたんどノ話ヲスル者ヲ『始末』スルタメ…ソノタメニ、私ハ出テキタノダ!」

伊織「始末…それじゃ、私もやるつもり…? 真をやったように」

FS「モチロン…雪歩ト『すたんど』ノ話ヲシヨウトシタヨナ? 君モ私ノ攻撃対象ダ 水瀬伊織」

伊織「まるで、話さなければ攻撃はしない…みたいな口ぶりね」

FS「ソウダガ。私モ暇デハナイノデネ 害ガナイト判断スレバ コッチカラ手ヲ出シタリハシナイ」

伊織「って言うか…アンタ、雪歩のスタンドなんでしょ? アンタにダメージが入れば雪歩にもダメージがあるはずよね。何かおかしいって感づかれるんじゃないの…?」

FS「私ト萩原雪歩ハ繋ガッテイテ ソレデイテ切リ離ナサレタ存在。私ノ頭ガ粉々ニナロート腹ガぶち抜カレヨート萩原雪歩ニだめーじガ行クコトハナイシ、ココデ何ガアロウト萩原雪歩ガ知ルコトハナイ」

FS「『自動操縦』トハ ソウイウモノダ」

伊織「だけど、真が怪我をしたとあったら…いくら鈍感なヤツでも、何か感づくわよ。ましてや、いつも周囲に気を配ってる雪歩が…」

FS「萩原雪歩ハ『すたんど』ノ存在ヲ知ラナイ。君達ニ『何カ』ガアッタコトヲ知ッテモ、ソレガ自分ノすたんど…私ニヨルモノダト ワカリハシナイ」

956: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:21:13.49 ID:a3Qw3avKo
伊織「そもそも…『知らない』だとか『知らせない』とか言ってるけど、そもそも、『スタンド使い』が自分のスタンドのことを知らないだなんて、そんなことあるとは思えないんだけど」

FS「 『すたんど使イハ皆自分ノすたんどハ知ッテイテ当然』…コレガ ソモソモノ誤リダ」

FS「『すたんど』ヲ本体ガこんとろーるデキナカッタリ…或イハ、最初カラソウイウたいぷダッタリ…本体ノ知ラヌ所デ勝手ニ行動スルすたんどトイウモノガ存在スルノダ」

FS「君ダッテ、最初ハ自分ノすたんどヲロクニこんとろーるデキナカッタダロウ? 水瀬伊織」

伊織「何でそんな事知ってるのよアンタ…」

FS「ソレモ知リタケレバ後デ質問スレバイイ。答エルノハアト『一ツ』ダケダガ、『三ツ目』の質問だ」

伊織「じゃあ、最後に質問と言うか、単に思った事を言うけど…」

伊織「アンタ、ちょっと過保護なんじゃあないかしら」

FS「コノ世ノアラユル残酷ナ事カラ彼女ヲ守ッテヤリタイ…ソウ思ウノガイケナイコトダロウカ」

伊織「………」

FS「私ハ萩原雪歩ガ天海春香ニ『矢』デ貫カレタ時ノ『未知ヘノ恐怖』ニヨッテ生ミ出サレタカラナ…ソレガ理由ダロウ」

伊織「春香とは会っているのね」

FS「アノ時、萩原雪歩ハ気ヲ失ッテイタカラナ…私ガ天海春香ニ立チ向カイ、ナントカ逃レラレタガ」

FS「彼女自身ハ、ソノ時ノ出来事ヲ『夢』カ ナニカダッタト思ッテイルダロウ」

伊織「気を失っていて、なんで…ああ、『自動操縦』ってやつか」

FS「話ガ早クテ助カルヨ」

958: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:22:37.71 ID:a3Qw3avKo
FS「ソレニ、彼女ガ『すたんど』ニツイテ耳ニスルコトモナイシナ」

伊織「雪歩が『スタンド』に関する言葉を認識できなくしているのはやっぱ、アンタの仕業なのね…それがアンタの能力?」

FS「………」

伊織(………)

FS「…シカシ、彼女は無意識ノウチニすたんどノ存在ヲ感ジテイル」

FS「ナニカ得体ノ知レナイ『力』ガ事務所ニ存在シテイルトネ…」

伊織(得体の知れない力…)

伊織(私がスタンド使いになる前に抱いていた『違和感』…他にも誰かが感じ取っていてもおかしくはない…)

伊織「私ならいっそ、さっさとスタンドの事を教えてやるけど」

FS「知ッテ自分ニハドウシヨウモナイコトダトワカルヨリモ、知ラナイ方ガ幸セダ」

伊織「んなもん、言ってみなけりゃわからないわ。アンタがやってる事は単に『恐怖』を増大させるだけのことよ」

FS「彼女ハカ弱イ。『すたんど使イ』相手ニ立チ向ッテ行クコトナドデキヤシナイダロウ…コレガ最善ダ」

伊織「………」

伊織(人と何かを共有するのは素晴らしいとか何とか言ってたくせに…『矛盾』しまくってるわ、こいつ…)

960: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:23:47.56 ID:a3Qw3avKo
FS「サテ…ソロソロ、イイカ?」

伊織「ちょ、ちょっと待ってッ! もう一ついいかしら!」

FS「質問ハ終ワリダト言ッタハズダガ…コレ以上ハ受ケ付ケナイ」

伊織「質問じゃあないわ、これはお願い」

FS「オ願イ?」

伊織「春香がスタンド使いを集めていること…雪歩は知らなくても、アンタは知ってるわよね」

FS「………」

伊織「真にしたことは許せないけど、この際目を瞑るわ…逆に考えれば、真を倒せるくらい強いってことでしょ?」

FS「………」

伊織「私達は戦力がいる! 春香を倒すために、協力しなさい『ファースト・ステージ』!」

伊織「春香をなんとかすれば、この事態は収まるはず…アンタや雪歩に対しても悪い話じゃないと思うけど」

FS「天海春香ノコト…勿論知ッテイル。コノ『すたんど』ノ騒ギヲ起コシタ張本人ダ」

FS「ソコニ自分カラ飛ビ込ンデイケト…ソウイウコトカ?」

伊織「ええ、まぁ…そうなるわね…」

FS「ソレハツマリ、萩原雪歩ヲ巻キ込ムトイウコトダロウ!? ソンナコトハ許サナイッ!!」

伊織「な…」

962: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:24:43.42 ID:a3Qw3avKo
伊織「放っといてもどうせ巻き込まれるわよッ! それより、原因を叩けば…」

FS「私ガスベテ始末スレバイイ」

伊織「は…」

伊織(全員、始末する…ですって…? 何言ってんの、こいつは…)

FS「ソウスレバ、萩原雪歩ガすたんどヲ知ルコトナク、私ノ役目モ終ワル」

伊織「だ~からッ、春香だけ倒せばもうそれ以上関わることはないと言ってるのよッ! この分からず屋ッ!」

FS「平行線ダナ」

FS「モウイイダロウ、話ハ終ワリダ水瀬伊織…コレ以上話スコトナド、何モナイ」

伊織「ぐ…」

ドドドド

FS「君ヲ始末サセテモラウ」

ドド ドド

伊織(春香に負けず劣らずの聞く耳持たなさ…いえ、その点で言えばもしかしたら春香より上なんじゃないの?)

伊織(随分過保護なスタンドが憑いてるのねェ~ッ、雪歩ッ!)

964: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:25:59.20 ID:a3Qw3avKo
伊織「………」チラ…

真「………」

伊織「さーて、どうしようかしら…真には、『逃げろ』って言われてるのよねー」

FS「ソウシタイノナラ勝手ニスルガイイ」

伊織「じゃあ…」

ガラッ

FS「ン!」

伊織「逃げるか」グラ…

ストン

FS「頭カラ落チタナ…死ヌ気カ?」

FS「イヤ、窓カラ飛ビ降リ…『すもーきー・すりる』デ受ケ止メルツモリカ」

FS「水瀬伊織ノ基本戦術ダナ…私カラ逃レル気カ? 菊地真メ、余計ナ事ヲ…」

FS「ダガ生憎、私ハコレクライノ『高サ』ナドモノトモ…」ヒョイ

モクモクモクモク

・ ・ ・ ・

伊織「来たわね」

FS(降リテ…イナイ…逆サマニナッタママ、『すもーきー・すりる』デ外ノ『壁』ニ張リ付イテ…)

966: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:26:49.16 ID:a3Qw3avKo
スゥーッ

ガシィ!!

FS「グッ!」

FS(『煙』ニ窓ノ外ニ引キズラレル…)

伊織「『自動操縦型』って…本体と切り離されてるのよね」

伊織「あんたにダメージがあっても、雪歩には届かないって言ってたわよね…」

FS「………」

伊織「だったら、手加減する必要も無い…思う存分やれるってわけよねェ~ッ!!」

FS「貴様…」

伊織「この高さから落ちても平気つってたわね…」

伊織「だけど、落下速度に『スモーキー・スリル』のパワーを加えればどうかしら?」

ググググググ

伊織「頭から落としてやるッ!」

ズルッ

FS「ウォォォォォォ」

ヒュゥゥゥゥゥ

FS「ブッ」ドグシャァ

968: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:27:51.92 ID:a3Qw3avKo
ズルズルズル

ズルズル

伊織「横になって『スモーキー・スリル』に引っ張らせる…真は以前この移動方法をゴキブリみたいって言ってたけど…」

伊織「壁に張り付いて進むんじゃあ今度はカタツムリみたいね…」

スタッ

伊織(一階の外まで来た…これで、真に追い打ちがかかることはなくなった…(と言っても既にボロ雑巾だけど))

伊織(さて、あとはこいつをブチのめすだけだけど…)

FS「グガガ…ガギギ…!」

伊織「『ファースト・ステージ』…まさかこれで終わりってことはないでしょう? いつまでも悶えてんじゃあないわ」

FS「カッ!」ガイン

伊織「来い」

FS「ウシャァァァッ」グオッ

伊織「………」

伊織(遅い…まるでスピードを感じないわ)

970: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:29:01.94 ID:a3Qw3avKo
モクモクモク

FS「ム! ……」ピタ…

グググ…

伊織(パワーもない。『スモーキー・スリル』を集中させたら簡単に止められたわ、こいつ…)

伊織(『自動操縦』は強い『パワー』を持つとかなんとか言ってたくせに…いや、一般的な…か。こいつは違うの?)

FS「ナルホド…集中サセレバ私クライの『ぱわー』ハ止メラレルヨウダナ」
 
FS「シカシ、ソノママデハ私ヲ殴ルコトハデキナイ…ソウダナ?」

伊織「ええ、そうよ。どこで聞いたのか知らないけれど」

伊織「だけど、『スモーキー・スリル』が物に触れれば、その物質にはパワーが流れる…スタンド相手にも攻撃できる」

ヒョイ

伊織「こいつで直接殴ることはできないけど…何かを『飛ばし』たり『叩きつける』パワーは結構なものよ」

FS「ソノ石コロ 一ツデ私トヤリ合ウツモリカ?」

伊織「そうね…足りないわ」

ブンッ

FS「!?(私ニ叩キ付ケズ、窓ニ向カッテ投ゲタ…?)」

972: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:30:06.88 ID:a3Qw3avKo
ガシャァァァァン

スゥ…

FS「ムッ」グラッ

モクモクモクモク

ピタ…

FS(私ヲ止メテイタ『煙』ヲ再ビ分散サセ 拾ワセニ…行ッタノカ)

FS「『すぴーど』モ…ナカナカ」

伊織「こいつを喰らいなさい。後で直すであろうやよいには悪いけど」

伊織「撃てッ、『スモーキー・スリル』!」

ド ドバ バババ

FS「がらすノ…破片ッ!!」グッ

バババババ

FS「シャァッ」ヒュッ

パキィン

伊織「!」

974: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:31:36.44 ID:a3Qw3avKo
バ バ バ

FS「ヌ…」

グサ! グサ!

FS「グゥ…ッ…!」

ザク ザクゥ

伊織(飛ばしたガラスを叩き落とすことさえできない…そのまま突き刺さっている)

FS「ガガガ…ガギッ…!」プルプル

伊織(真が負けたんで、どんなに強いヤツかと思ったら…)

伊織(てんで弱いわッ! 何よ、こいつ! 真は本当にこんなのに負けたわけ!?)

FS「少々…『速イ』…ナ、君ノすたんどハ…」

伊織「あんたがスッとろいのよッ、マヌケッ!!」

伊織「さっき『スタンド使いは全部始末する』って言ってたわよねェ~ッ、あんたの『パワー』でそんなことが可能だと思ってるわけ? 甘いわッ!」ツカ…

・ ・ ・ ・

FS「シャァ」バッ

伊織「!!」サッ

976: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:32:26.67 ID:a3Qw3avKo
FS「チ…」

伊織(そうよ…真は事実、こいつにやられている…)

伊織(近寄ろうとした瞬間、腕を伸ばしてきた。あいつの手に触れられるのは、何か…ヤバい)

FS「賢明ダナ…」

伊織「…真のスタンドは近距離故にアンタの手に触れられたのかもしれない」

伊織「けれど、『スモーキー・スリル』は煙のスタンド。アンタが触れることはできないわ」

FS「ソウダナ」ズ…

伊織(近づいてくる…でも…)

スゥーッ

FS「!」

伊織「『スモーキー・スリル』!」

グググググ

FS「『押サレル』…」

伊織(あいつは私に近づけない、大丈夫…楽勝よ)

FS「サテ、ドウシタモノカ」

978: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:33:58.79 ID:a3Qw3avKo
グググ

伊織(このまま、押してるだけじゃあ倒せないわ…石やガラスの破片じゃあ駄目よ、何か武器を…)

FS「ナァ、水瀬伊織」

伊織「…何よ」

FS「今…私ヲ倒スタメニ、何カ 叩キツケルモノヲ探シテイルヨウダガ」

伊織「………」

FS「例エバ…君ノ探シテイルモノハ、ドレクライノ範囲ニアレバ拾エル? ドノクライノ『量』ノ『煙』ガ必要ナノダ?」

伊織「うるっさいわね…ベラベラと」

FS「答エナイカ…ソウカ…」

グイッ

伊織「うっ!?」グラッ

FS「フム、コレクライノ『ぱわー』ナラ 私ヲ完全ニ止メル事ハデキナイヨウダ」グググ

伊織(ち…何かないか…何か!)

980: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:35:41.01 ID:a3Qw3avKo
FS「ナカナカ…近ヅケンナ」グググ

伊織「!」ピクッ

ポーン

FS「!?」

伊織「あった…! 鉄パイプ!」

ズズズズズ…

FS「!」スゥ

パシッ

伊織「『スモーキー・スリル』ッ! 頭カチ割ってやるわッ!」キラン

FS「ソノ形ニハ何カ意味ハアルノカ?」

・ ・ ・ ・

伊織「は…?」

FS「ワザワザ人型ニスル意味ガ ドウニモワカラナクテナ。ソウスルト『ぱわー』ガ上ガッタリスルノカ?」

伊織「ど…どうでもいいでしょうが、そんなこと!」

ブンッ

FS「ヌ、速…」

FS「ブゲッ」メギョス

982: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:36:53.35 ID:a3Qw3avKo
FS「グ…グゲ、ゲゲゲ」

FS「ナルホド…ゲグ、ヤハリ一カ所ニマトメタ方ガ『すぴーど』モ『ぱわー』モ高イノダナ…」

伊織(ダメージは受けている…けど、次の瞬間にはもうピンピンしてるわね、こいつ。傷自体が全部治ってるワケじゃあないけど)

伊織(『スモーキー・スリル』には真や貴音のスタンドのようなパワーはないのはわかってたけど…自信なくなるわねェ~ッ)

FS「シカシ、効果ノ及ブ範囲ハ狭クナル…ソノコトデ、何カ不都合ガアッタリハシナイカ?」

伊織「………」

FS「ナァ、『射程距離』ハドウナノダ? ソノママデモ分散サセテイルノト変ワラナカッタリスルノカ」

伊織「な…なんなのよ、アンタさっきから一体!?」

FS「私ガ『質問』シテイルノダ、答エテモラオウカッ!」

伊織「は…はぁ…!? なんでよ…」

FS「ホウ、答エナイツモリカ…私ハ 君ノ『質問』ニ答エタノニ」

伊織「…! そ、そんなのあんたが勝手に言ったことじゃない!?」

FS「アア、ソウダナ…シカシ、私バカリ話シテ君カラハ情報ガナイトイウノハ…」

FS「少々、あんふぇあ…ジャアナイカ?」

伊織「な…」

984: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:37:59.39 ID:a3Qw3avKo
FS「ナァ、水瀬伊織…答エテクレ…」

伊織「わ…私のそばに近寄るなッ!!」ヒュ

ドゴォ!!

FS「オブッ ………」

伊織「…?」

FS「サッキヨリモ、格段ニ速イ…シカシ、振リ下ロス動作ハ…」ブツブツ

伊織(何…? 『観察』しているの、こいつは!?)

伊織「はっ!!」

バキ!

FS「フゴッ」ミシミシ

伊織「ブチ…のめす!」

バシ! バシ! バシ! バシ! ズダム! ダン! ダン!

FS「アガッ、ガゲゲッ…」

伊織「はぁ、はぁ、はぁ」

FS「グ…カカ…」プルプル

FS「カッ!」メキ!

FS「オイオイ、随分ト酷イコトヲスルジャアナイカ」コキコキ

伊織(おいおいおいおい)

986: 『ファースト・ステージ』その② 2013/02/05(火) 21:38:53.54 ID:a3Qw3avKo
FS「私ガ『自動操縦』デナケレバ、既ニ萩原雪歩ハ死ンデイルゾ」

伊織(いえ、真でも倒せなかったんだ、これくらい『頑丈』なのはむしろ当然だわ)

伊織(でもまさか、不死身ってわけじゃあないでしょう? ダメージを与え続ければ…)

FS「コノママ殴リ続ケレバ勝テル…ソウ思ッテイルノカ?」

伊織「!」

FS「コノヨウニ、私ハ少々頑丈デナ。君ガ私ヲ倒スノハ骨ガ折レルゾ」

FS「ソモソモ…『コノママ殴リ続ケル』トイウノガ、不可能ナノダガ」

伊織「はぁ~? よくもそんなこと言えたもんね、スットロいアンタが」

FS「………」

伊織「頑丈なばかりで、パワーもスピードもない…受け止める事も避ける事もできない」

伊織「そんなアンタにはサンドバッグがお似合いよ!」

FS「申シ訳ナイガ…」

伊織「『スモーキー・スリル』!!」ヒュオッ

FS「ソレハモウ飽キタ」ス…

伊織(避けるつもり…? 無理よ、こっちはアンタが動いてから方向を変えられる! だからスットロいって…)

FS「フッ」グリン

伊織「!?」

ドス!

・ ・ ・ ・

FS「ウム」

伊織「うっ…!? !??」

伊織(何、今の動き…? 避けられた、紙一重で…)

988: 『ファースト・ステージ』その②/おわり 2013/02/05(火) 21:39:39.80 ID:a3Qw3avKo
FS「例エ昔話ニ出テクル『金太郎』ノヨウナ怪力ノ持チ主デモ…」

FS「振リ下シタ直後ノ『ぱわー』ハ0ダ」ガッ

伊織「…!?」

スポォォン

伊織「何ィッ!!」

伊織(パイプを弾かれた…! まず、取らなきゃ…!)モクモク

FS「コノ距離、マトメタ『すもーきー・すりる』カラトッサニ一部ヲ伸バシタ程度ノ『煙』ナラ…」ザッ

ブワァ

FS「モウ私ノ方ガ強イ」パシッ

伊織「ちょっ…」

FS「フンッ」ブンッ

バキャァァァ

FS「!」ピタ…

モクモクモク

伊織「ちぃ…っ!」バッ

FS「防ガレタカ…残念残念…」プラプラ

伊織(武器を奪われた! とっさに『スモーキー・スリル』でガードしなければ、アバラをやられていたわ…)

伊織(スピードもパワーも全然変わってはいない…けど、こいつだんだん動きがよくなっている…強くなっている…!?)

元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352727299/



次作:真「『弓と矢』を…ブッ壊すッ!」その1