1: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:16:35.36 ID:u7xJ3u2ro
超短編、タイトル通り珈琲一杯飲みながらお楽しみください



2: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:17:22.08 ID:u7xJ3u2ro
「ねーねー、キャンプ行こうよ」

「キャンプぅ?」

そんなやりとりがあったのがつい一週間前。
亜美は番組の企画でアウトドアにハマったらしい。
 
3: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:17:47.84 ID:u7xJ3u2ro
「5月21日の夜から次の日の朝までね!」

「平日じゃん!無理っしょ!」

「大丈夫、兄ちゃんとりっちゃんに頼んで空けてもらったから!」

根回し良すぎない?亜美ってそんな子だったっけ。

4: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:19:15.66 ID:u7xJ3u2ro
「真美真美ー買い物いこーよー」

「えー、今日は千早お姉ちゃんと約束が」

「今日は亜美を優先して!お願い!」

「仕方ないなあ」

5: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:20:07.23 ID:u7xJ3u2ro
アウトドアショップなんて初めて行ったよ。きっと亜美もそうだったんだろうけど。
メモ片手にウンウン唸っちゃって、結局真美が店員さんを呼んだんだ。
亜美はちょっと不満そうだったけど、でも目的のものが買えて満足だったみたい。

6: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:23:14.53 ID:u7xJ3u2ro
「テントよし、ガスボンベよし、シェラカップよし、熱カフェ黄金ブレンドよし」

「それより着替えが大事じゃないの」

「わかってるよそんなこと!」

7: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:25:06.00 ID:u7xJ3u2ro
「亜美先生!バナナはおやつに入りますかな?」

「んっふっふ~、バナナはおやつなどではない、もはや概念!」

「な、なん、だと……」

そんなバカやりながら荷造りをして、そして当日。
兄ちゃんの運転で真美たちは市営のキャンプ場へ来ていた。

8: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:25:45.84 ID:u7xJ3u2ro
「うわー!思ってたより広いじゃーん!!」

「でしょでしょ~、しかも今日は二人っきり貸しきりだかんね!」

「マジで~!亜美やるぅ!」

「もっと褒めるが良いぞー」

9: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:26:12.96 ID:u7xJ3u2ro
兄ちゃんはテントの設営を手伝ってくれたけど、他のこのお仕事に行かないといけないからって帰っちゃった。
ここは特に事件とか起きたことはないけど、可憐な美少女二人でテント泊だと心配だからおまわりさんに警備を頼んでくれたんだって。
もう、兄ちゃんってばロリコンなんだから♪

10: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:28:33.99 ID:u7xJ3u2ro
「暗くなる前にごはん作るよー」

「りょうかーい!」

クレンザーを外側に塗りたくったお鍋で米を炊き味噌汁を作って、フライパンでアジの開きを焼いただけ。

「「いっただっきまーす!」」

11: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:29:16.28 ID:u7xJ3u2ro
食器は二人で買ったシェラカップのみ。
同じサイズのカップにご飯と味噌汁。
真美と亜美の間にはアジの開きonフライパン。

「うん、美味しい!」

「お米もちゃんと炊けるもんだねえ」

「手の甲のシワまで水を入れるって正しかったね!」

12: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:30:20.80 ID:u7xJ3u2ro
薪に火をつけるなんて、林間学校でちょっとやったくらい。
それでも一食作れたのだから人間捨てたものではないなーなんて。

13: ◆X51OaJwJEEOu 2014/05/22(木) 02:31:08.63 ID:u7xJ3u2ro
クレンザーを塗っておいても薪のすす汚れは結構頑固で、洗い物に時間がかかっちゃった。
気づいたらあたりは真っ暗。
用意しておいた電気ランタンをつけたけどそんなには明るくならない。

14: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:31:54.98 ID:u7xJ3u2ro
「普段真美たちってすごい明るい所で暮らしてるんだね」

「そうだねー」

テントの中で、二人並んで横たわる。
そういえば、二人の部屋が湧かれたのって何時頃だったかな。
昔はこうやって一緒に寝ていたのに。

15: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:32:21.53 ID:u7xJ3u2ro
「ねー亜美さー」

「んー?」

「なんで急にキャンプだったの?番組の企画でってだけじゃないでしょ」

「やっぱわかっちゃう?」

「当然っしょ」

16: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:33:04.73 ID:u7xJ3u2ro
「んー、まあ一緒に居たかったんだよね」

そんな、息を吐くような気楽さで紡がれた言葉は、けれど真美たちに一番必要なことで。

「最近仕事も学校もすれ違いだったでしょ、誕生日くらい一緒に、ふたりきりで迎えたいなあって」

17: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:33:32.40 ID:u7xJ3u2ro
「真美も、真美も亜美と一緒に居たかったよ」

「ほんと?えっへっへ、やっぱり亜美達って、姉妹だよねえ」

「そだねー」

薄明かりの中、二人で話す時間はゆっくりと過ぎていく。

18: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:34:15.53 ID:u7xJ3u2ro
「ねえ真美、ちょっと外でてみようよ」

亜美に連れられてテントから這い出ると、そこには

「わー!お星様がいーっぱい!」

「都内だからそれなりだけど、この辺りあんまりお家無いからね。結構はっきり見えるっしょ!」

19: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:36:16.68 ID:u7xJ3u2ro
満点とは言わないが十分星空といえる空模様。
市とはいえ都内なのに、喧騒から離れた一種の別世界。

「あれ、亜美?」

「ごめんごめん、ちょっと荷物をとりにテントの中!」

20: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:37:47.39 ID:u7xJ3u2ro
出てきた亜美の手には平たいガスボンベと簡易コンロ、そして熱カフェ黄金ブレンド。

「亜美、アウトドアで珈琲!これをやってみたくてさー」

「粋ですなあ」

「でしょでしょ~」

21: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:38:38.78 ID:u7xJ3u2ro
お湯をわかすのもシェラカップ。チタン製ゆえ直火にかけても熱くならない優れもの。
二人分のお湯がわいた所でインスタントコーヒーを加えてよくかき混ぜる。

「ふー、ふー、ゴクリ」

「亜美」

「なあに?」

「天才だな」

22: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:39:09.77 ID:u7xJ3u2ro
星空の下、一杯の珈琲を飲む。

「あ、日付変わった」

「そっか、それじゃあせーので」

「うん、じゃあせーのっ」

23: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:39:38.34 ID:u7xJ3u2ro
「「誕生日おめでとう!」」

24: 亜美真美おめでとう 2014/05/22(木) 02:40:05.58 ID:u7xJ3u2ro
二人の道は似ているようで違っている、変わっているようで変わっていない。
でもそんなもんっしょ、双子なんて!
これからもよろしく、亜美、真美。

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