あずさ「私のおうちはどこですか~?」


あずさ「……はぁ、迷子なのは子猫ちゃなくって私なんですよねぇ」


あずさ「……ここは一体どこなのかしら?」


あずさ「はぁ……携帯の電源も切れてしまったし」

??「ミャァー」

あずさ「迷子の迷子のあずささんー……」

??「ミャァー」

あずさ「私のお家はどこですかー……おうちーを聞いても……あら?」

??「ミャァー!」

あずさ「あらあら……?どこからかしら、猫ちゃんの鳴き声がするような……」

??「ミャァー……」

あずさ「……あら?この子かしら」

??「ミャァーッ!」

あずさ「……まいごのまいごの?」

??「ミャーァッ!」

あずさ「あらあら、可愛そうに、お母さんはどこ?」

??「ニャァ」

あずさ「あらー……困ったわぁ、近くにこの子のお母さん猫はいらっしゃいませんかぁ?」

??「ミャァ……」

あずさ「あらあら……どうしましょう、雨も降ってきそうだし……」

??「ニャァ……」

あずさ「……よし、私が一緒に、お母さんを探してあげます」

??「ニャー!」

あずさ「うふふっ、さあ、おいでー」

??「……」

あずさ「ほら、おいでー」

??「ニャー」スリスリ

あずさ「あらあら、甘えん坊さんねぇ、男の子かしら~?」

??「ニャ-ン」

あずさ「えーと、名前を聞いても……分からないわよねぇ」

??「?」

あずさ「んー、それじゃあ…………よし、響ちゃんが何時も呼んでるような名前にしましょう。ねこ太郎ちゃーん」

ねこ太郎「ニャーン」

あずさ「うふふっ、ねこ太郎ちゃん、それじゃあ行きましょう」

ねこ太郎「ニャー」



あずさ「とはいえ……」

ねこ太郎「ニャー」

あずさ「結局ここがどこなのかよく分からないままねぇ……」

ねこ太郎「ニャー……」

あずさ「はぁ、犬のおまわりさんでも居れば……でも、聞いても分からないのよねぇ」

ねこ太郎「ニャー」

あずさ「…ごめんね、折角お母さんを探してあげようと思ったのに」

ねこ太郎「ニャッ!」

あずさ「……そうよね、落ち込んでる場合じゃないわね」

ねこ太郎「ニャー」ピョンッ

あずさ「あ、あらあら、ねこ太郎ちゃーん、どこに行くの~!」



ねこ太郎「ニャー」

あずさ「はぁ……はぁ……っ。もう、勝手に走って行ったら駄目じゃない」

ねこ太郎「ニャーン」スリスリ

あずさ「あら……?ここ、何だか見覚えのある道だわ」

ねこ太郎「ミャァ」

あずさ「うふふっ、ねこ太郎ちゃん、もしかして私を案内してくれるのかしら……なーんて」

ねこ太郎「ニャー」

あずさ「……でも、見た事はあるけれどこの道、私の家に向かう方じゃないような」



ねこ太郎「ニャー」

あずさ「あら?ここは…765プロの事務所だわ。どうしてここが分かったの?」

ねこ太郎「にゃー」

あずさ「うふふっ、でもこれで今度は迷わずに帰れるかしら。ありがとう、ねこ太郎ちゃん」ナデナデ

ねこ太郎「ゴロゴロ」

P「あれ?あずささん、今日はオフじゃ無かったんですか?」

あずさ「あらあら、プロデューサーさん、おはようございます。実は、ちょっとお散歩に出たら迷ってしまって」

P「もう、相変わらずですねぇ」

あずさ「でも、そしたらあの子が」

P「あの子?」

あずさ「ほら、猫ちゃんが……あら?ねこ太郎ちゃん?」

P「猫が、どうかしたんですか?」

あずさ「……いえ、なんでもありません」

P「…変なあずささんだなぁ。でも、まあここまで来たんです、折角ならお昼ご飯をご一緒にどうですか?たるき亭のランチですけど」

あずさ「あ、あらぁ、良いんですか?」

P「1人で食べるより、2人で食べた方が美味しいですから」

あずさ「うふふっ、じゃあ、ご一緒させていただきます」

P「よし、じゃあ今日は豪勢に生姜焼き定食にしよう」

あずさ「もうっ、普段は何を食べてるんですか?ちゃんと食べないと」

P「わ、分かってますって」



あずさ(結局、事務所の近くを探してもねこ太郎ちゃんは見つかりませんでした、一体なんだったんでしょうか?もしかすると、恋のキューピットが、猫に化けて……なんて、ちょっとメルヘンチックすぎるでしょうか?)


あずさ「迷子の迷子の子猫ちゃん、あなたのお家はどこですか……♪」


「ニャー」