貴音「さああずさ、今日はスタジオを飛び出してまいりました、まこと、良い天気にも恵まれました……!」

あずさ「あのー、貴音ちゃん?」

貴音「ふふふっ、気分が高揚いたします……ふふふっ」

あずさ「ところでここはどこなのかしら~」

貴音「ふふふふっ……あずさ……ここは尾張徳川家で知られる中部地方の一大都市、名古屋です!」

あずさ「あら~名古屋だったのね、あら?じゃあ私達、新幹線に乗っていたのね~気づかなかったわ~」

貴音「……とにかく、何故私達がスタジオを飛び出してここまで来たのか、あずさには分かりますか?」

あずさ「何でかしら~?あっ、もしかしてまた私が迷ってしまって」

貴音「いいえ、違います……名古屋に来た理由……それは……!」

あずさ「それは?」


貴音「台湾ラーメンです!」

あずさ「た、台湾ラーメンですって?!」



あずさ「……ところで貴音ちゃん」

貴音「はい?」

あずさ「台湾ラーメンって何?」

貴音「何と?!では先程のりあくしょんは?!」

あずさ「貴音ちゃんに合わせた方がいいのかなぁと思って」

貴音「……ふっ、ふふふっ……あずさ、ここは語り聞くよりも実際に食すのが宜しいかと」

あずさ「あら?」

貴音「さあいざ行かん台湾ラーメン!」

あずさ「あ、あの貴音ちゃんそんなに引っ張らなくても、ちょっ、貴音ちゃん~!?」




貴音「うふふふふっ、さあついにやってまいりましたよあずさ」

あずさ「中華料理屋さんなのねぇ」

貴音「ここは台湾ラーメンで有名な味閃というお店です。何と言っても名物は、台湾ラーメンです!」

あずさ「あのー、貴音ちゃん、ちょっといいかしら?」

貴音「はい」

あずさ「……赤い」

貴音「ええ」

あずさ「……あのね、貴音ちゃん、このラーメン、とっても赤いわよねぇ」

貴音「はい」

あずさ「……何で?」

貴音「よくぞ聞いてくれました……しかしあずさ、それを私の口から申し上げても、この台湾ラーメンの魅力は伝わりません、人間でもっとも大切なのは、自らの五感を使い、それと立ち向かい、体験する事なのです」

あずさ「あのー、それとね、このメニューの下の方に『胃腸が弱い方はお控えください』って書いてるんだけど」

貴音「ふふふふふ……己の身体と精神の戦いなのです……あずさ!あなたにこの戦いに挑む覚悟はありますか?!」

あずさ「た、たたかい?あ、そ、それじゃあせめてこのアメリカンっていう方を」

貴音「あずさ……!ここまできて、本来の姿の台湾ラーメンを食さずして東京に帰れますか?!」

あずさ「え、ええ?」

貴音「覚悟を決めるのです三浦あずさ!女は度胸と言うではありませんか!」

あずさ「愛嬌だと思っていたのだけれど」

貴音「さあ、あずさ……いざ参りましょう!」

オマタセシマシタタイワンラーメンデス

あずさ「……貴音ちゃん」

貴音「はい」

あずさ「……この、浮いているのは、何?」

貴音「おそらく鷹の爪ですね」

あずさ「……ねえ、貴音ちゃん、鷹の爪って」

貴音「唐辛子ですね」

あずさ「……スープ」

貴音「浮いて居ますね」

あずさ「……あ、あのね、貴音ちゃん、普通鷹の爪って、ちょっとだけ使うのだけれど」

貴音「台湾ラーメンの魅力、それは……比類なき辛さ!」

あずさ「あ、あの、貴音ちゃん、私こっちのチャーハンで良いかなって」

貴音「なりません!ここまで来て、台湾ラーメンを食さずして帰ることはなりません!あずさ、覚悟を決めるのです!」

あずさ「あー……」

貴音「さあ、スタッフの皆様も、覚悟を決めて」

エッマジデウソディ、ディレクターダケド

貴音「なりません、何の為にここまで来たのかよく思い出していただきたい」

あずさ「あのー」

貴音「それでは皆様お手をお合わせ下さい」


貴音「いただきます!」

イタダキマス!

あずさ「い、いただきます……」

ズゾゾゾゾゾゾ…

あずさ「あら……意外に普つ……!!!!!!!!!」

ズゾゾゾゾゾソゲフッエッフォッカライッミズッミズッイガイニクセニナルアジネ

あずさ「?!?!?!?!?!?!」

貴音「何ともこのニンニクとニラ、それに鷹の爪のこの辛さ、食欲が……そそる!」ズズズズズッ

あずさ「た、たた貴音ちゃんヒリヒリする辛い、辛いの!」ズズズズッ

貴音「スープが……鶏ガラベースなだけにストレートに辛さが……しかしそれもまた……!」ズゾゾゾゾゾゾッ

ゲフッガオフッミズ、ミズ!アズササンダイジョウブナノカシラ?

あずさ「か、辛いわ、辛いのに何だかこう、辛いけど、辛い!」

貴音「こ、これは……時と共に鷹の爪の辛さが更にスープに溶け出して」

あずさ「辛いわぁ!とっても辛い!」ズズズズズズッ

貴音「まこと……まこと台湾ラーメンとは素晴らしい……!あ、あずさいけません!」

あずさ「辛いのよぉぉぉぉ!」

オイ、アズササンヌギダシタゾ!トメロ!カメラトマイクヲトメロ!




<ぴんぽんぱんぽ~ん、ちょっと待っててね~>



あずさ「……」

貴音「あの……あずさ?」

あずさ「たかねちゃん……?」

貴音「あの、その」

あずさ「くちびるがね、ひりひりひゅる」

貴音「その……」

あずさ「台湾ラーメン、おいひかったわね?」

貴音「その……ごめんなさい」

あずさ「うふふふっ、いいのよ~……貴音ちゃん、今度から辛い物を食べるときは、前もって教えてね~」

貴音「は、はいっ!承知しております!」

あずさ「スタッフの皆さんも、ね?」

ハイッ!!!!!!!!!

あずさ「……そういえば、気になっていたのだけれど」

貴音「は、はい」

あずさ「台湾ラーメンって、台湾の料理なのかしら?」

貴音「いえ、違うようです」

あずさ「……台湾の人達、どう思うかしら」

貴音「……さあ」

あずさ「……あと、何でアメリカンなのかしら」

貴音「珈琲のアメリカンと同じような意味合いなのでしょうか?」

あずさ「……辛かった」

貴音「そうですね……しかし、外が涼しい」

あずさ「ええ……何だか、汗が凄いわぁ」

貴音「ラーメンは奥深きもの、その地域によって、さまざまな物があるということが、お伝えできたのなら幸いです」

あずさ「今度は、普通のラーメンがいいかなーなんて」

貴音「ふふっ、探しておきましょう」


あずさ「うふふ、お願いね。突発グルメ放送、いかがでしたか~」

貴音「次週はスタジオでお会いしましょう!」

あずさ・貴音「ばいばーい!」








あずさ「良く考えてみたらこれって、四条貴音のラーメン探訪よね?」

貴音「あなたと来れた事、それこそに意味があるのです」

あずさ「貴音ちゃん///」

貴音「さああずさ、帰りは甘い物でも食べていきましょう。ディレクター殿がシロノワールなるスイーツをご馳走してくれるそうですよ」

あずさ「まあ、どんなスイーツなのかしら、楽しみだわぁ」





※店名は変更してありますご了承ください



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