バレンタインの日には、想い人にチョコをあげるなんて最初に思い付いた人は誰なんだろう。

そして、手作りの方が想いが伝わると言い出した人も。

顔を見たことも無いけれど、私はその二人が嫌いだ。
私はチョコよりももっと良いものをプレゼントしたいし、
チョコを手作り出来るほどスイーツ作りが得意じゃあない。
記念日を理由にしないとプレゼント出来ない、私も私だけれど。

なにかもっと、実用的なものをプレゼント出来たのなら。
そんな気持ちを高級な市販チョコで誤魔化す。

「私、料理もあまり出来ないので、他の皆と違って市販の物なんですけど……。
あの、本当はもっとちゃんとした物をプレゼントしたかったんですけど……」

なんて、保険ばかりの言い訳
オンパレード。
馬鹿で口下手な私には、こんな風にぎこちない喋りしか出来ない。

それでも貴方は、私の気持ちを全て掬い上げるように。

「その気持ちだけで十分だよ」って。

「ありがとう、千早」って。 

優しい言葉をかけてくれる。
それだけで、たまらなく嬉しくなる単純な私。

どれだけ子どもで馬鹿なのか。
けれど、だからこそ、馬鹿だからこそ。
貴方の笑顔に、力一杯喜べる。







馬鹿で良かった。