1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:23:18.28 ID:ZDvMxWZx0
亜美「あ~いあい、そんなに大きな声で泣いてどうちたんだい? お腹が空いたのかな~?」
亜美「おちめは大丈夫だねぃ? よちよち♪」
P「なんで朝からスクワットしてるんだ?」
亜美「ああ、パパ。いや、最近気付いたんだけど、こうするとすぐに泣き止むんだよね」
P「へぇ、俺もしてみよう」
亜美「それよりパパちゃん、ミルク」
P「あー、はいはい」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:24:12.94 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「にいちゃんも立派なパパになったもんだねぇ。うん、亜美は感慨深いよ」
P「他所様の所と比べると、まだまだだけどなー?」
亜美「ねぇ、パパちゃん、そろそろ電気ポット買わない?」
P「買いに行く暇が無い」
亜美「だから、言ったじゃんか。産まれる前にちゃんと準備しとかないとって」
P「あのときは仕事も立て込んでバタバタしてたからなぁ……」
亜美「男の人はそうやってすぐに仕事のせいにするから駄目なんだよ」
P「ははは……千早にも同じようなこと言われたよ」
亜美「千早おねえちゃんに? あはは、それはなんだか面白いね」
P「千早はきっと良いお母さんになる。でも千早の旦那になった人は大変だろうな」
亜美「そだねぇ~」
P「ほい、ミルク」スッ
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:25:01.37 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「あんがと――って、ちょっと熱くない?」チャポチャポ
P「そうか? リビングは冷房が効いてるからそう感じただけじゃないか?」
亜美「そうかも。はーい、ミルクでちゅよ~」
P「その言い方、亜美と出会った頃を思い出すな」
亜美「こんなにわざとらしくなかったっしょ?」
P「いや、そんな感じだったぞ?」
亜美「え~、そんなこと……ん……?」
P「どうした?」
亜美「あんまり飲んでくれない……」
P「ああ……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:25:58.88 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「やっぱり母乳の方が良いのかなぁ……」
P「どうかな? 今はまだ、味が分かってるかどうかすら怪しいぞ?」
亜美「ああ、そっか、そうだよね」
P「じゃあ、そろそろ俺は仕事に行くよ」
亜美「ああ、うん、気をつけてね~」
P「いつもありがとな」
亜美「ふふっ、何それ、告白みたい」
P「くそっ、やっぱ言うんじゃなかった!」
亜美「亜美のことは良いから、お仕事行っていっぱい稼いできて」
P「おう。電気ポット1000個買えるくらい稼いでくる」
亜美「あはは、そんなに何処に置くの。いってらっしゃい」
P「いってきます」
ガチャッ
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:27:04.95 ID:ZDvMxWZx0 div>
バタン
亜美「おっと、いつの間にか哺乳瓶が空になってるじゃん」
亜美「なかなかやるな、お主……! ケポしようね、ケポ」トントン
亜美「はい、偉い偉い。じゃあ、もっかい寝ちゃう?」
亜美「お値段12マンエンのベッドで寝ちゃう? よいしょっと」
亜美「んで、このボタンを押す」ポチッ
ウイーン……
亜美「最近のベビーベッドって自動で揺れるから面白い。ずっと見てられる」
ウイーン……
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:28:10.29 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「んふふ」
ウイーン……
亜美「正に寝顔は天使だよね。パパ似だけど」
ウイーン……
亜美「まあ、にいちゃんもどっちかと言えば可愛い系の顔だし」
ウイーン
亜美「将来アイドルになっちゃったり?」
ウイーン……
亜美「二世だ! 親の七光りボタンだ……!」
ウイーン……
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:28:49.41 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「なんだ、七光りボタンって」
ウイーン……
亜美「可愛いなぁ……」ウットリ
ウイーン……
亜美「はぁ……」
ウイーン……
亜美「どうして亜美のおっぱいは母乳が出ないんだろ……」
ウイーン……
亜美「亜美だってちゃんと大人になったのに……」
ウイーン……
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:30:02.69 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「母乳の方が絶対良いっしょ……」
ウイーン……
亜美「…………」
ウイーン……
亜美「もしかしたら、今なら母乳が出るかもしれない……」ゴクリ
ウイーン……
亜美「うん、なんか出そう! むしろこの胸の高鳴りと、張り具合……今なら!」
ウイーン……
亜美「そしたら、この子にだっていっぱいいっぱい飲ませてあげられるもんね!」
ウイーン……
亜美「亜美の母乳を……!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:30:48.64 ID:ZDvMxWZx0 div>
ウイーン……
亜美「………………」
ウイーン……
亜美「…………待っててね!」ヌギッ
ウイーン……
亜美「まず、試しに哺乳瓶にお乳を絞ってみよう。うん」スタスタ
ウイーン……
亜美「いきなり本気はきっと無理だからストレッチしないと……」モミモミ
ウイーン……
亜美「ん、んん……」モミモミ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:31:25.28 ID:ZDvMxWZx0 div>
ウイーン……
亜美「OH、YES……! ハスッ……! ンン……ハッス! イエェッス!」ムニムニ
ウイーン……
亜美「よし、良い感じに温まってきた」
ウイーン……
亜美「そろそろ本気で……」ゴクリ
ウイーン……
亜美「んんん……」ムニュッ
ウイーン……
亜美「んんんんんん……っ!」ムニュウゥウウウウ
ウイーン……
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:32:05.88 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「んががががががぎぎg……!」ムニュウゥウウウウウウウウ
ウイーン……
亜美「んひぎぃ……ぃいいああああああ!!!」ムニュウウウウウウ
ウイーン……
亜美「んがぁああああああああああああーーーーっ!!!!」ムニュウゥウウウウ
ウイーン……
亜美「ハァ……ハァ……」ゼェゼェ
ウイーン……
亜美「なんで……? なんで出ないの……?」ウルッ
ウイーン……
亜美「出てよ……! 出ろよっ!!!」グニッ
ウイーン……
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:33:15.37 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「何がおっぱいだ! こんなの名前だけの飾りじゃん! おっぱいならちゃんと出してよ!!」グニグニ
ウイーン……
亜美「こんなに痛い思いしてんのに……まだ駄目なの……!?」
ウイーン……
亜美「ハァハァ……今出せなきゃ……ハァハァ……きっとこの先だって出ないじゃん!」
ウイーン……
亜美「出てよ……! ほんのちょびっとでも良いから……だからお願い――」
ウイーン……
亜美「出てよぉおおおおおおおおおおお!!!」ギュウウウウウウ
ドクン
亜美「あっ……」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:33:44.10 ID:ZDvMxWZx0 div>
ドクン
亜美「…………血が」
ドクン
亜美「んふふ……何だよおい……」
ドクン
亜美「誰も血を出せなんて言ってないっしょ……」
ドクン
亜美「あはは……あは……あははは……」ケラケラ
ドクン
亜美「駄目じゃん、ダメダメじゃん! 亜美、ダメな子じゃん! いらない子じゃん!」ポロポロ
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:34:40.30 ID:ZDvMxWZx0 div>
ガチャッ
P「いやー、うっかりしてた、まさかスマホ忘れるなん――亜美……?」
亜美「あははは……にいちゃん……んふ……亜美、いらない子なんだ」
P「どうして上半身裸で……胸から血が出てるじゃないか……!」
亜美「あはは、いらない子のおっぱいなんて、もういらないよね」ケラケラ
P「いったい何を言って……?」
亜美「だって、亜美、出ないもん! おっぱい出ないもん……!!」
P「おっぱい……?」
亜美「この子にあげたかった……ずっと亜美の母乳をあげたいって思ってたのに……!」
亜美「亜美は出ないんだよ! お っ ぱ い が ! 」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:35:25.50 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「ねぇ、なんで? ナンデナンデナンデ!?」
亜美「どれだけ絞っても出ないんだよ……! ほら! 血だってこんなに出てるのに!」
亜美「亜美、悔しいよ……悔しいんだよ、にいちゃん……」
P「亜美……。そうか……そうだったのか……今まで辛かったな」ナデナデ
亜美「んぐぅ……ゔん゙っ……亜美っ……」
P「気付いてあげれなくてごめんな」ダキッ
亜美「に゙い゙ちゃん゙……んぁああああああああああ!」ギュッ
真美「ねえ、朝っぱらから何してんの?」ガラッ
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:36:04.42 ID:ZDvMxWZx0 div>
P「真美!?」
亜美「うう……」グスグス
真美「起きてきたら妻の実の妹と抱き合ってるし、しかも亜美なんて裸だし」
P「あ、いや、これは違う、亜美のおっぱいが」
真美「おっぱいが?」ゴゴゴゴ
P「ごっ、誤解だ! 話せば分かる! なっ!? ほっ、ほら亜美からも説明してやってく――」
亜美「にいちゃん……亜美、いらない子なの? やっぱり捨てられるの?」ウルウル
P「待って、更なる誤解を産み出す感じやめて」
真美「…………とりあえず、さ?」ゴゴゴゴ
P「う、うん」
真美「さっさと仕事行ってこい!!」バシッ
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:37:00.94 ID:ZDvMxWZx0 div>
P「はっ、はい! じゃ、じゃあ帰りに電気ポット買ってきますので!」ダッ
真美「ティンときた!のティンファールのやつね」
P「はい!!! かしこまりました!!!」ガチャッ
バタンッ
真美「あのさ、真美はよくわかんないんだけどさ、亜美も22歳で良い大人なんだからさぁ……」
亜美「っ……! 真美に何が分かるのさ!?」
真美「!?」ビクッ
亜美「亜美だっておっぱいあげたいんだよ!」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:37:57.49 ID:ZDvMxWZx0 div>
真美「いや、そりゃ無理っしょ……亜美、産んでないじゃん」
亜美「そんなの些細なこと」
真美「最重要だかんね!? 亜美の子供じゃなくて、真美の子供だからね?」
亜美「もうさ、ほぼほぼ亜美の遺伝子を引き継いでる感じじゃん? 双子だし」
真美「そこはあんまり関係なくない?」
亜美「見て! この子、鼻筋なんか亜美にソックリ」
真美「そりゃ、真美と亜美が似てるからね? っていうか、パパ似って言われるし」
亜美「亜美が産んだ可能性だってある」
真美「ねぇよ」
亜美「まさか」
真美「真美がお腹を痛めて産んだんだよ」
亜美「亜美だって今こうして胸を痛めて」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:38:53.15 ID:ZDvMxWZx0 div>
真美「うわぁ、血の出かた、エグい……どうして乳首ボロボロなの……」
亜美「亜美、気付いたんだ。これが命を育む痛みなんだ、って」
真美「乳首ボロボロが?」
亜美「乳首ボロボロこそ、だよ」
真美「取り敢えず、服……着なよ」
亜美「うん」イソイソ
真美「いつか……亜美がさ?」
亜美「ん~?」スポッ
真美「子供産んだら、その子にいっぱいおっぱいあげればイイじゃん」
亜美「うん、そうだね。真美はにいちゃんにでもおっぱいあげとけばいいよ」
真美「セクハラオヤジみたいなこと言いやがって、もう帰れよ!!!」
亜美「言われなくてももう仕事あるから帰るし!! 病院行かなきゃだし!」
真美「乳首ボロボロだもんね」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:39:53.84 ID:ZDvMxWZx0 div>
亜美「亜美、まだ母乳出すの諦めてないかんね? へへっ」ニヤリッ
真美「無理だって! もう諦めろよ! 自分の行いを少しは悔いなよ!」
亜美「諦めなければ、きっと――夢は叶うって信じてるから……!」
真美「もうなんか、真美は良いから、はるるんに謝れ!!」
亜美「んじゃーねー」ガチャッ
バタン
真美「……まったく。いつまでたっても子供なんだから」ヤレヤレ
ウイーン……
真美「ああ、ベビーベッド動きっぱなしじゃん」ポチッ
真美「…………あ~っ!? 絨毯血だらけじゃん!? コレ、高かったのに!!」
真美「うわぁ……もうシミになってるし……」ゴシゴシ
真美「だいたい母乳なんて乳腺を通って出てきた血みたいなものなのに……」ゴシゴシ
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:40:23.70 ID:ZDvMxWZx0 div>
ガチャッ
亜美「マジで!? じゃあ亜美、もう実質母乳が出たようなもんじゃん!?」
真美「もう赤ちゃん出来るまでウチ来んな!!」
おしまい。
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 19:41:09.12 ID:ZDvMxWZx0 div>
以上で投下終了です。ありがとうございました。またどこかで。
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