P「伊織くらいの金持ちになると食った事とか無いのかなと思って」

伊織「あのねぇ……素麺くらい家でも食べるわよ」

P「へぇ!! やっぱり夏はさっぱりとあの白くて細い麺をすするに限るよな」

伊織「え?」

P「は?」

伊織「白い?」

P「白いだろ」

伊織「いや、ピンクよ」

P「ははは、いや、そりゃな? こう20本に1本くらいの割合でそう言うの混ざってるときはあるけども」

伊織「は?」

P「え?」

伊織「全部ピンクでしょ?」

P「え!?」

伊織「違うの?」

P「違うよ」

伊織「嘘……って言うかアンタも素麺とか食べるの?」

P「良く食うよ」

伊織「面倒なんでしょ? 作るの」

P「簡単だけど?」

伊織「は?」

P「え?」

伊織「いや、言ってたわよシェフが」

P「シェフが?」

伊織「素麺は大変なんですよって」

P「伊織の家のシェフが?」

伊織「家のシェフが」

P「…………あ!!」

伊織「?」

P「もしかして……伊織のためにピンクの麺だけを……」

伊織「???」

P「それは、大変だぞ、伊織」

伊織「え?」

P「凄く大変だ」

伊織「どっちなのよ!?」

P「まぁ、伊織は、うん、知らなくて良いと思う、シェフの苦しみは」

伊織「……まぁ、帰ったら聞いてみるわ」

P「うん」

伊織「あ、流し素麺」

P「お」

伊織「やった事あるわ」

P「風流だよな」

伊織「いや、大変だったわよ」

P「伊織の家の事だから竹とか凄く良い奴とか使ったんだろ?」

伊織「竹?」

P「竹」

伊織「竹をどうするの?」

P「え?」

伊織「は?」

P「いやいや、竹に流すだろ?」

伊織「何を?」

P「素麺を」

伊織「何で?」

P「何で!?」

伊織「意味が良く……解らないと言うか」

P「竹に、こう、水を流して、素麺を流すだろ?」

伊織「ピンクの?」

P「いや、白いの」

伊織「白!?」

P「いや、それは、もう、置いといて、色は関係なくてだな」

伊織「ちょっと、何言ってんだか解らないわ」

P「え? 伊織の家の流し素麺はどうするの?」

伊織「茨城県の」

P「茨城県」

伊織「大子とか言ったかしら?」

P「……北の方の?」

伊織「うん」

P「そこに専用のお店が?」

伊織「いや、滝が」

P「滝!?」

伊織「日本三大名瀑の」

P「袋田の滝」

伊織「良く知ってるわね」

P「素麺と何も関係ないけどな」

伊織「あるわよ」

P「ないよ」

伊織「流すでしょ?」

P「何を?」

伊織「素麺を」

P「素麺を!?」

伊織「見えないのよ」

P「え?」

伊織「こう、飛沫が凄くて」

P「滝の」

伊織「滝の」

P「滝に素麺流してんの?」

伊織「流すでしょ?」

P「流さないよ!?」

伊織「流し素麺でしょ?」

P「落とし素麺だよ、それ」

伊織「普通滝に流すんでしょ?」

P「世界で唯一だと思う」

伊織「え!?」

P「いや、え、って」

伊織「滝が普通なんでしょ?」

P「違うよ!?」

伊織「え!?」

P「どこのご家庭もそんな事してると思ってるの!?」

伊織「じゃあ、急流とかでつつましく?」

P「ねぇよ!!」

伊織「あ!! 解ったわ!! 竹!!」

P「そう、その伊織が思い描いたそれが普通の流し素麺だよ」

伊織「箸でしょ?」

P「箸!?」

伊織「滝に近づき過ぎるの危ないから」

P「うん」

伊織「確かに、竹で作ってた、長い箸、ソレね、ソレの事」

P「違うよぉ!!!!」

伊織「え?」

P「流すの!! 素麺を!! 竹に!!」

伊織「ピンクの?」

P「白いのだよ!!!!」




春香「一生終わらなそう」




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