『ポパピプペポピパ ポパピプペポピパ プッシュだ
ジャンジャカジャンジャカ ジャンジャカジャンジャカ はてさて
もしもしリンリン もしもしリンリン 何でも聞いchao! ハイハーイ! 765電話相談室!』

春香「チビっ子のみんな、こんにちは、夏休み全国765子ども電話相談室の時間です。電話のお姉さん、天海春香です。
今日は植物についての質問、お茶についての質問、音楽についての質問を受け付けます。自由研究とか、夏休みの宿題に困っているお友達からの電話なんかもお待ちしています。
質問のあるお友達は、東京03-xxxx-xxxx、東京03-xxxx-xxxxまでお電話ください。
夏休み全国765子ども電話相談室は、お子様の夢の向こう側へ、水瀬グループの提供でお送りします。


プルルルル

春香「もしもし?」

子ども?「もしもし?」

春香「こんにちわ、お名前を教えてください」

子ども?「村田源太郎です!8歳です!」

春香「源太郎くんだね!源太郎くんの質問はなにかな?」

源太郎くん「はい!もやしは、おまめに水を吸わせただけなのになんで栄養満点なんでしょうか?」

春香「もやしの質問だね。源太郎くん、もやしは好きなのかな?」

源太郎「うーん、おいしいもやしはおいしいから好き!」

春香「うん、そうかー!えっと、これは高槻先生だね?」

やよい「はい!頑張って答えちゃいます!
えーっと、源太郎くん、もやしのもとのおまめ、どんな豆だか知ってるかな?」

源太郎くん「えっと、もやしまめ?」

やよい「うーん、残念。一番有名なのは大豆だね。源太郎くん、大豆はわかるかな?」

源太郎くん「…あ、納豆!」

やよい「そうだね、納豆や豆腐は大豆からできているね。それで納豆は栄養満点。だからもやしも栄養満点なんだよ!」

春香「高槻先生、一番有名なのは大豆、って言ってたけど」

やよい「はい!緑豆からつくるもやしもあるんです!」

源太郎くん「りょくとう?」

春香「確か春雨の原料だよね?」

やよい「そうなんです!でも、基本的に日本では緑豆はぜんぶもやしになるんです!
で、豆がもやしになるときに、もっと栄養がアップするんですよ?」

源太郎くん「そうなんですか?」

やよい「そう!豆からもやしが発芽・・・ニョキニョキ伸びるときに、ビタミンCができちゃったりするんですよ!」

源太郎くん「豆からもやしが伸びるとビタミンCができるの?」

やよい「さらにさらに!ビタミンB2も増えちゃうんだよ!」

源太郎くん「すごーい!」

春香「源太郎くん、もやしのすごさ、わかったかな!」

源太郎くん「うん!すごくわかった!」

やよい「もやしファンが増えると嬉しいです!もっともっともやしを好きになってくださいね!」

源太郎くん「うん!お母さんに今日のご飯、もやし炒めにしてもらう!」

春香「そうかー!しっかり頼んでね!それじゃ源太郎くんバイバイ!」

源太郎くん「バイバーイ!」



プルルルル

春香「もしもし?」

子ども?「もしもし?」

春香「こんにちわ、お名前を教えてください」

子ども?「元木福、7歳です!」

春香「はい、よく挨拶できたね。それじゃ福くん、質問を教えてください」

福くん「お茶は温度で味が違うって言われたんだけど、なんでですか?」

春香「確かに、熱湯じゃだめ、とはいうけど…萩原先生、お願いします」

雪歩「はい、えーっと、福くん、それは誰に教わったのかな?」

福くん「えっとね、ママが言ってた。パパは熱いお茶が飲みたい!って言ってたんだけど、
僕が熱いのヤダって言ったら、ママが、温い方がおいしいからねって言って、温いお茶を入れてくれたの」

雪歩「そのお茶、おいしかった?」

福くん「うん!」

春香「お茶って子どものときは苦くて苦手だったなあ。福くんは偉いね」

福くん「でもお茶苦くなくて美味しかったよ」

雪歩「そうだよね。苦くなかったよね!」

春香「え、どういうこと?」

雪歩「基本的にお茶の苦味って、カテキンなんだ。カテキンって知ってるかな?」

福くん「うーん、わからない」

雪歩「そっか、わからないかー。そうね、そういう名前の成分が入っているってことだけ、
今は覚えておいてね」

福くん「カテキン・・・うん!覚えた!」

雪歩「カテキンにもいろいろあるんだけど、一番ポピュラーなカテキンは、体にいいけど苦いの。
それで、このカテキンはね、熱いお湯に溶ける性質があるんだ」

福くん「へー」

雪歩「だから、温めのお湯で入れたお茶は苦くならない!」

春香「じゃあ、もうお茶って温く淹れるに限るの?」

雪歩「うーん、そこは好みもあるからね。あと、安いお茶っ葉は、うまみ、アミノ酸なんだけど、これが少ないから、
安いお茶を温いお湯で淹れると、味そのものが薄くなってしまうの。福くんが美味しいお茶を飲めたってことは、
きっとママがいいお茶を用意してくれたんじゃないかな」

福くん「そうだったんだー」

雪歩「いいお茶なら60度、お手軽なお茶なら80度くらいで淹れるのがお勧めなんだけど、
今言ったように、人の好みもあるから、温度はじゃないの。
だからよかったら福くん、温度計を使って、何パターンか、自分好みのお茶になるような温度を見つけてごらん!!」

春香「萩原先生、鼻息が…でも、自分の好きな味を見つけるのって楽しいよね。
福くん、やけどに気をつけて、パパやママと一緒にやってみてね!」

福くん「うん、やってみます!」



プルルルル

春香「もしもし?」

子ども?「もしもし?」

春香「こんにちわ、お名前を教えてください」

女の子?「えっと・・・匿名希望、でもいいですか?」

春香「うーん、名前を出しづらいのかな。それじゃ何歳かは教えて貰えるかな?」

女の子「11歳です」

春香「11歳のあなたは、どんな質問があるのかな?」

女の子「はい。あの、もう夏休みが半分終わっちゃったんですけど、宿題を全然やっていなくって」

春香「ああ、あるよね」

女の子「お友達が3000円出せば宿題全部見せてくれるって言ってるんだけど、どうしたらいいですか?」

春香「ああー、え、え!?これは誰に…」キョロキョロ

雪歩(私じゃムリですぅ!)フルフル

やよい(うちだってきょうだい全員宿題なんてまだ終わってないのに!)フルフル

千早(え、私は音楽たんとうでしょう?)フルフル

ガラスの向こうの律子(春香!放送事故になっちゃうから!あんた答えなさい!)

春香「あー、それじゃ私が…」

女の子「よろしくお願いします」

春香「他のお友達で、宿題がまだ終わってない子はいないのかな?」

女の子「うーん、まだやってない子もたくさんいると思います」

春香「そうだよね!そのお友達と、今から一緒にやればいいんだよ。二人でやれば苦労も半分!」

やよい(ふ、普通です)

雪歩(普通過ぎますぅ…)

千早(春香らしいけれども…)

女の子「あ、はい」

千早(ほら、このリアクション…)

春香「あ、あれ?」

ガチャ
律子「あーちょっとみてられないわ春香、ちょっと変わるわね。
もしもし、私、前回の先生をやった秋月律子です。私の話も聞いてもらえるかしら?」

女の子「はい」

律子「今、天海先生が言ったようにできれば一番いいけど、どうしてもそういかないで、
お友達にお金を払って、という状況が避けられないこともあるわ。その場合なんだけどね、
相手の言い値、今回でいうと3000円ね、これに乗ってしまったらだめよ」

春香「え」

律子「交渉というのは常にカードを自分が持つのよ。例えば夏休み終盤にもなれば、
そのお友達以外にも宿題が終わっているお友達、仮にB子ちゃんがいるわね。
そこで『3000円なんて払えないわ。B子ちゃんは1000円で写させてくれるって言ってたし』
なんて言ってみたら、値段はもっと下げられるから」

春香「律子さん、ちょっと・・・?」

律子「で、一旦1000円に落ち着いたところで『あ、算数のドリルはもうおわってるんだった!
算数は見せてくれなくていいから他のを600円で見せてね』って持っていくのよ」

女の子「す、すごーい!」

春香「いや、そんなにうま
律子「もちろん、こんなに上手くいくとは限らないんだけど、こういう交渉だってあり得るの。
だから、しっかりとシミュレーションして、交渉に臨むのよ!」

女の子「わかりました!先生ありがとうございます!」

律子「いいえ、頑張ってね。ネゴが上手くできる子はうちの会社にほし
春香「秋月先生、そのあたりで…」

律子「あ、しゃべりすぎちゃったかしら、失礼しました」




プルルルル

春香「もしもし?」

子ども?「もしもし?」

春香「こんにちわ、お名前を教えてください」

子ども「秋山雅史です!10歳です!」

春香「雅史くんカッコイイ声だね!歌手みたい!さて雅史くん、質問を教えてください」

雅史「歌でガラスを割ることはできるんですか?」

春香「歌でガラスを割る・・・一応音楽の質問かな?如月先生お、お願いします」

千早「そうね…私が普段歌っていて、ガラスを割ったことはないのだけど…」

春香「千早ちゃん、律子さんが尺使い過ぎて時間ないから巻きでお願い」(ヒソヒソ)

千早「そうね。ちょうどここに空のガラスのコップがあるから、試してみましょう」

春香「うん?ちょ、千早ちゃ
千早「-$-√=~-#$&”!」


千早「やっぱり無理ね。ほら見て春香、ちょっとここにヒビが入ったくらいよ」

春香「   」

千早「春香ったら、こんな昼間から寝てしまって。仕方ないわね、私が進行しましょう。もしもし、雅史くん?」

電話「ツーツーツー」

千早「あれ、尺がまずいと春香が言っていたし、電話が切れてしまったのかしら。
あら、本当に時間がないわ、えっと、締めの原稿は・・・これね。

夏休み全国765子ども電話相談室、今日はこのへんで、さようなら!」




『ポパピプペポピパ ポパピプペポピパ プッシュだ
ジャンジャカジャンジャカ ジャンジャカジャンジャカ はてさて
もしもしリンリン もしもしリンリン 何でも聞いchao! ハイハーイ! 765電話相談室!』

千早「夏休み全国765子ども電話相談室は、お子様の夢の向こう側へ、水瀬グループの提供でお送りしました」




春香「あの日、あの千早ちゃんの歌声、というか超音波で、全国数万のラジオに不具合が生じたそうです。
私とやよい、雪歩はOAが終わって数分後、律子さんに起こされるまで、気を失っていたようです。
目の前のガラスのコップのヒビなんて、目じゃなかったね、千早ちゃん…」





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