愛しの765学園

春香「って叫んでみたくない? 海で」

真「おはよう春香。教室のドア開けて第一声がそれだから全員春香を見てるよ」

春香「いやぁ、照れますな///」

真「訂正するね、全員が春香を白い目で見てるよ」

春香「いやぁ、照れますな///」

真「訂正が無意味だった」
春香「いやでもさ、海でこう、ばっk」

真「はいストップ」

春香「もがっ」

真「また馬鹿でかい声出されたら溜まったもんじゃないかr…って食べないでよ!」

春香「もぐもぐ」

真「馬鹿野郎は春香だよ! いい加減離してよ!」

春香「ごちそうさまでした」

真「大馬鹿野郎!」

春香「だからさ、行こうよ」

真「どこに」

春香「海に」

真「何しに」

春香「叫びに」

真「馬鹿なの?」

春香「?」

真「首かしげないでよ! 何、このくっそ暑い中海に行ってただ叫ぶ、だけ!? 泳いだりは!?」

春香「しないよ」

真「バーーーーーカ!!!!!!」

春香「おっ、いい叫びっぷりだね。でもちょっと五月蝿いからもうちょっとボリューム下げようか

   教室の皆が真を見てるよ」

真「誰のせいだよ全く……!」

春香「ねぇいいじゃん真~。折角の夏休みなんだしさ、ね?」

真「ね? じゃないよ。大体ここ埼玉だよ? 海ないから」

春香「そこはほら、葛西海浜公園とかお台場海浜公園とかさ」

真「人目!」

春香「じゃあ湖? レイクタウンは何か違うよね。ちょっと遠いけど彩湖、いや狭山湖?」

真「ねぇ、なんで行く前提で話進んでんの?」

春香「あ、いっそ港なんてどう? 出港する船に叫ぶの」

真「バカヤローって?」

春香「真……。一所懸命働いてる人にその言い方は無い」

真「えっ? あ、ごめん……」

春香「気をつけて」

真「はい………………っておかしい!!!!!」

春香「あ~お~い~帳が~道の果てに続いてる~」

真「歌ってごまかさないでよ!」

千早「春香、そこの音程が半音ずれてるわ。あと道の果て~に続いてる~、よ」

春香「うん、ごめんね千早ちゃん」

千早「分かってくれて嬉しいわ。それじゃあ、私部活の準備に戻るわね」

春香「頑張ってね」

真「いや春香も準備しなよ!」

春香「いや、今大事なのは部活の準備じゃなくて叫ぶための準備だから」

真「何が春香をそこまで駆り立てるんだ……」

春香「海と、湖と、港。どれがいい?」

真「どれも良くないよ!」

春香「できればこう、堤防? みたいのがバーーーって海に向かって伸びてるアレで叫びたいよね?」

真「…………何となく分かるのが悔しい」

雪歩「二人とも海に行くの?」

真「あ、雪歩」

春香「おはよう雪歩」

雪歩「おはよう春香ちゃん。それで、二人は海に行くの?」

春香「うん」

真「行かないが?」

雪歩「私も真ちゃんと海に行きたいなぁ」

真「行かないが?」

春香「あー、雪歩も行っちゃう? 叫びに」

雪歩「いいの!?」

春香「こういうのって、青春じゃん?」

雪歩「ありがとう春香ちゃん! えへへ、よろしくね真ちゃん!」

真「行かないが!?」

雪歩「でも、いい感じの防波堤ってなかなか無いよね?」

春香「そこなんだよね~」

真「ねぇ、聞いて!?」

雪歩「あ、じゃああそこはどう? ゲートブリッジ!」

春香「別名恐竜橋か」

真「詳しいな!」

雪歩「東京湾に沈む夕日を眺めながら……真ちゃんと……」

真「おまけもいるけどね。いや行かないけど」

春香「そして叫ぶ」

真「そして殺すみたいに言わないでよ!!!」

雪歩「い、行こう! きっと綺麗だよ!」

春香「うん、こうしちゃいられない! ちょっと小鳥先生に早退するって言ってくる!」

雪歩「3人分ね!」

真「行かないが!!!」

春香「先生~~~~!!!!!」

真「行っちゃったよ……」

雪歩「あぁ~、楽しみだなぁ。きっと綺麗だよ真ちゃん」

真「そうだね」

春香「ただいま! 怒られた!」

雪歩「なんて言ったの?」

春香「今から太陽にほえてきますって」

真「馬鹿正直!」

雪歩「それじゃあダメだよ春香ちゃん。嘘も方便なんだから、それっぽい理由も考えないと」

真「分かるけど雪歩から聞きたくなかった!」

春香「う~ん、嘘は良くないかなーって」

真「良いことだけども!」

雪歩「じゃあ私が言ってくるね」

真「二人分でいいから」

雪歩「真ちゃん、春香ちゃんを仲間外れにするなんて良くないよ!」

真「いやいや」

春香「泣いちゃう……」

雪歩「謝って真ちゃん」

真「いや、え~……?」

春香「くすん……」

真「なんっ……え~……」

雪歩「私が帰って来るまでにちゃんと謝るんだよ」

真「行っちゃったよ」

春香「しくしく……」

真「あ~。春香……ごめん……ね?」

春香「いいよ」

真「馬鹿野郎!!!!」

雪歩「OK貰ったよ~」

春香「さすが雪歩!」

真「なんでOK出しちゃうんだよ!」

雪歩「早速行こうよ!」

春香「そうしよう!」

雪歩「真ちゃん、ほら」

春香「行くよ~」

真「ちょっ、引っ張らないで……い、いか……行かないよ!!」

ずるずる~

美希「やっと教室が静かになったの。これでゆっくり眠れる……スヤァ」





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春香「と! 言うわけで! やって来ました!」

雪歩「ゲートブリッジ~!」

春香「わ~! パチパチ~!」

雪歩「いえ~~~~い!!!」

春香「ね、やって来た訳なんです、が!!!」

雪歩「はい」

春香「ご覧ください。昼です」

雪歩「ちょうど真上です」

真「そりゃ朝一で学校出てんだからそうなるよ!」

春香「折角来たけど、何か、こう、ね」

雪歩「うん、何か、こう、乗らないというか」

春香「ね……………………行こっか」

雪歩「うん、帰って部活しよう」

真「……は?」

春香「そうしよっか」

雪歩「残念だったね」

真「いや、行っちゃうのかよ……叫ぶんじゃないのかよ……おい……おい……!」

春香「置いてっちゃうよ真~~!!」

雪歩「真ちゃ~~~~ん!!」

真「ぶぁっかやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」





おちまい






おまけ



監督「はい、OK!」

真「あ~、終わった……」

雪歩「お疲れ様、真ちゃん……」

春香「お疲れ……」

真「二人もお疲れ……」

春香「何か、今日の撮影どっと疲れちゃった……」

真「ボクも……」

雪歩「私もですぅ……」

P「おっ、三人共お疲れ! いや~、良かったぞ。監督も大喜びだ!」

春香「プロデューサーさん、お疲れ様です」

P「ん~? 何だ何だ元気ないぞ~。折角いい芝居だったのに、もっと明るく! な?」

真「あはは……」

P「いやいや、しかしこの仕事取ってきて良かったよ。割とゴリ押しに近かったけど

 お前たちなら大丈夫だって信じてたぞ! これでまたトップアイドルに近づいた……って、ん?

 なんだ三人共、そんな怖い顔して?」

三人「ばーーーーーーーーーーーーーーーーーーーか!!!!!!!!!!!!!」



ほんとにおちまい