―――765プロ・事務所


春香「プロデューサーさん、何て言いました?」

P「いや、ここんとこ登山ブームだろ?」

小鳥「あー、富士山とか毎年すごいらしいですねー」

P「まだ皆低ランクとはいえうちにもいつ山関係の仕事が来るかも分からない。適性を見るために、山に行ってみないか」

真「登山ですか!」

P「登山っていうかまあ、軽いハイキングだな。紅葉狩りもかねて」

春香「面白そうですね!」

P「来週のこの日みんな、いつものレッスンだけだろ?」

亜美「ナニナニ、レッスンさぼって遠足行くの!?」

真美「そいつぁー聞き捨てなりませんな!」

P「人聞き悪い事言うなー。一応仕事の一環だ」


P「という訳で、山行く人ー?」

「「「「はーい」」」」

P「おお?予想以上にみんな乗り気だな」

真「たまにはいつもと違った活動がしたいですしね!」

貴音「今の時期ですと、山は美しいでしょうね」

P「あ、響は強制参加なー」

響「えっ、いいけど、何で?」

P「登山に挑戦!とかそのうちやらされそうだから」

雪歩「真ちゃんがいくなら、私も行こうかな……」

あずさ「ハイキングなんて、どれくらいぶりかしら~楽しみだわ~」

やよい「うー…お金ってどれくらいかかりますか?」

P「……事務所持ちですよ、ね?」

社長「構わないが、私も混ぜてくれよ」

P「えっ、社長もいらっしゃるんですか?」

社長「これでも学生時代は“山岳部のホントに黒い三連星”と呼ばれた一人だよ私は」

P「元山岳部なんですか、頼もしいですね、助かります」

やよい「うっうー!ありがとございまーっす」

伊織「山ねぇ……あんまりこの伊織ちゃんのイメージじゃないわねー」

やよい「えーっ、行こうよ伊織ちゃん」

伊織「む……」

真美「行こうよ伊織ちゃん」マネ

亜美「伊織ちゃん」マネ

伊織「やめなさいっ、気色悪いわね!分かったわよ、私も行くわよ」

美希「ミキも行くのー」

律子「おや、どういう風の吹き回しかしら」

伊織「面倒だからイヤなのーって言うところじゃないの?」

美希「……プロデューサーさん?」

P「……ミキの言いたいことは分かる。OKだ、行こう」

真「何が起きて……」

春香「もう、みんなで行っちゃいましょうよ!ね、千早ちゃん」

千早「私は……」

律子「私は行きませんよー。私に山の仕事、なんてこと、まずないですし」

P「うーん、この人数だし、律子がいてくれると助かるんだけどなー」

真美「いこーよ律っちゃーん」

亜美「ボケに対して突っ込みの人数が少なすぎるYO!」

あずさ「あらあら、大丈夫ですよ~私も年長者として、みんなの面倒を見ますから」

社長「うむ!私がいるからには何の心配もないよ」

P「な?」

律子「……はぁ……仕方ないですね。今回だけですよ」

一同「「「「………」」」」ジーッ

千早「くっ……行きませんよ!みんなして何ですか。今は仕事は少ないですけど、だからこそ日々のレッスンをしっかりこなさなければならない時でしょう!?」

P「確かに継続は力なり、だけどな。何事にも刺激が必要だ、どうだ、山でボーカルレッスンってのは?」

千早「何を言ってるんですか」

P「今回の山なら登山者はさしていないし勿論民家もない。声を出して迷惑する人はいない」

P「高地トレーニングって訳じゃないが……体も動かせるし、俺がつきっきりで見れる。いつもと違ったレッスンは刺激になると思うけどなー」

千早「………」

P「………」


千早「分かりました。その代わり、本当にきちんとレッスンしてもらいますからね」

一同「「「「いえーいっ」」」」パンッ

ハイ,ターッチ

千早「もう……」

小鳥「さすがに全員出る訳には行きませんし、私は送迎とお留守番を担当しますね」

社長「うむ、さすがにそうだね……小鳥くん、すまないが頼むよ」

P「よしっ、じゃあ出発は一週間後……あ、ところでみんな山に登った経験は?」

真「ボク、道場の合宿でハイキングよりちょっとキツめの山登りも何回かしてますよ」

P「お、じゃあ真に関しては問題なしだな」

春香「私はちょっとしたハイキングくらいなら学校の遠足とかで」

あずさ「私も、そんな感じですねー…」

亜美「真美もーっ」

真美「亜美もーっ」

ワタシモ-

ワタシモデスー

P「うむうむ、まあ、大した山じゃないから特別心配はいらない。持ち物とか気になる人はあとで俺のとこ来てくれー


一同「「「「はーい」」」」

P「じゃ、今日は解散!」

――――一週間後・車内


「あっ、いーなー一本もーらいっ」

「こらっ、行儀悪いわよ!」

「楽しみだねー」

「見て、周りの山もう結構キレイだよ」

「……」zzz…

「あ、見て見て、落ち葉を集めてるよ」

「本当ね、何に使うのかしら」



P「という訳で、都心から車に揺られること二時間。Y県はM峠にやってきましたっ」

貴音「峠なのですか?」

P「山です」

no title

小鳥「ケガとかしないように、気をつけて行ってきてねー」

一同「「「「はーい」」」」


P「おっ……響、えらい重装備だな。登山靴にザックまで」

響「自分完璧だからなー。プロデューサーや社長と同じ格好だぞ」

社長「我々はみんなの分の弁当やら救急セットやら、色々持っているからねえ」

雪歩「どうしよう……私、これしか荷物持ってなくて……途中で遭難したりしたら……」

P「迷うような道なんてないって。今日登る山は子供でも登れるところだし、その中でも一番楽なルートがここだからな」

伊織「『M峠登山口』……こんなとこにバス来るのね」

P「登山客の利用者も多いからな。みんな、準備はいいか?軽く準備運動しとけー」


P「それじゃ、しゅっぱ」

真「ちょーっと待って下さい!」

春香「あらっ」

美希「どしたの?真クン」

真「スイマセン、一回やってみたかったんですよ、お父さんのマンガで読んで」

亜美「あ、分かったー」

真美「クライムオーンってヤツでしょ!」

真「へへっ、当たり」

P「よし、じゃあそれで行くか。765プロ~~~~~」


一同「「「「クライム、オーンッ」」」」



『元気だねー』

『若いねー』


律子「は、恥ずかしい……」

伊織「他の登山客、いるじゃない……」

P「こんにちはー」

『こんにちは、これからですか?』

P「ええ、もう行ってこられたんですか?」

『地元のもんだからね、朝パッとね』

『気をつけていっといでー』


やよい「ありがとうございまーっす!」ガルーン

「「「あ、ありがとうございますっ」」」


春香「……プロデューサーさん、今の人たち、お知り合いですか?」

P「いや?挨拶は登山のマナーだぞ」

社長「山だとなんとなく、その場にいる者同士自然に話をしてしまうね」

あずさ「それにしても、いい天気ねーっ」

春香「すごいですよねっ」パシャ

P「お、カメラ?」

春香「プロデューサーさん、デジカメですよデジカメっ」

no title


千早「吸い込まれてしまいそうなくらい、真っ青な空ね」

貴音「見事な秋晴れですね」

響「絶好の登山日和だぞっ」

いぬ美「ばうわうっ!」


雪歩「ひいっ」

真「わわっ、雪歩、急に飛びつかないで」

雪歩「ごめんなさい真ちゃん……」

響「こらいぬ美ー雪歩がいるんだからあんまり急に咆えちゃダメだぞ」

P「たまーに小型犬を抱っこして山を歩いてる人なんか見るが……いぬ美ならその心配はないな」

亜美「いぬ美ーん疲れたら乗せてねん」

あずさ「いぬ美ちゃんなら本当に乗せられそうね」


やよい「わーっ、みんな見て、すっごくキレイな川ですっ」

伊織「へえ……富士山麓の天然水とか、そんなの?」

真美「ちょ→ちめたそ~」

律子「こーら、一々道外れてたらいつまで経ってもつかないわよ」

貴音「ふふふ……日常から外れたこの雰囲気、自然に心が躍ってしまうのも分かるというものです」

春香「激写っ」

no title


千早「春香、すっかり撮影係ね」

美希「そーいえばこんなにいるのに写真がシュミの人っていないね」


あずさ「このあたりはまだ、車で入れるんですね~」

P「そうですね、その辺もあってここは人気です。車気をつけてくださいね」

律子「おー、結構キレイに紅葉してるとこも多いですねー」

やよい「うー…私も長介たちも連れてきてあげれば良かったかも……」

P「さ、さすがに監督しきれない」

no title

春香「プロデューサーさんっ、紅葉ですよ紅葉っ!」

no title


P「おお。これぞってくらいにモミジだな」

響「お、なんか広いトコ出たぞ?」

P「ああ、こっから山道だ。トイレ行くやつは今のうちにいっとけー」

社長「いくいくーっ」

律子「」ゾゾッ

伊織「何であの親父が先陣切ってんのよ」

亜美「な→んかきちゃなそうだね→」

真美「あんまり使いたくないね→」

P「山頂まで選択肢はないぞ」


シカタナイナー

ブツブツ…

no title

P「この問題があるからあんまり山は女の子向きじゃないんだよなー」

あずさ「13人もいると、普通のところでも、それだけで一苦労ですしねぇ……」


――――


P「みんな揃ったか?」

一同「「「「はーい(わんわん!)」」」」

P「番号!」

春香「1っ!」

亜美真美「2っ」

亜美「あー揃っちゃったよ」

真美「罰ゲーム?」

伊織「何で春香が1なのよ」

P「あーもうヤメヤメ。行くぞー」

律子「もう既に頭痛いわ……」

響「結構石が多い道だなー」

いぬ美「わう」

真「でも歩きやすいほうだよ。道も広いしね」

no title


雪歩「このくらいの坂なら、私でもなんとか」

やよい「ううっ……ちょっと寒いですね」フルフル

千早「上着を着たほうがいいわ」

P「そうだな、歩き出せばあったまるけど、上着はすぐ出せるとこにもっとこう」

貴音「おや、何やら面妖なものが」

春香「わ、すごい、なんかの実かな?」

no title


※演出上の都合で画像の時期・場所はばらばらです

律子「それは……マムシ草ね」

P「お、知っているのか律子」

真美「食べれる→?」

律子「毒草なんだけど」

亜美「あぶなっ、セーフ」

やよい「やたら触ろうとしちゃダメだよぉ」

伊織「やるじゃない、律子」

律子「たまたまね」

真「あっ、律子、こっちのは何?」

響「つぼみみたいだぞ」

no title


律子「多分、リンドウね」

一同「「「「お~」」」」

あずさ「律子さん、先日も熱心に図鑑を読んでたものね」

律子「げっ」

雪歩「植物とか、お好きなんですか?」

律子「いや……ま、まぁね!あはは……」

律子(あずささん!言わないでくださいって言ったじゃないですか!)

あずさ(あ、あらー…そういわれれば、そんな気も……)

美希「もしかして律子、結構楽しみにしてた?」

律子「さんだー!」

亜美「この焦りよう」

真美「奴さん、ついに尻尾を出したじぇ」

P「何だ律子、わざわざ予習してきたのか?」アハハ

律子「そ、それはその……メガネキャラ的な……求められてるかと……///」ゴニョゴニョ

律子「もうっ!とっとと行きますよ!!」

伊織「ほら律子、またきれいな花が咲いてるわよ~」

no title


律子「ぐぬぬ……覚えてなさいよ伊織」

貴音「真、美しいですね」

真「えっ?」

P「ベタなネタを……それも触るなよ、トリカブトだぞ」

春香「ひっ」

真美「と、トリカブトってあの……?」

響「山には毒草しかないのか!?」

社長「確かにそういわれると、多いねぇ。山で目立つには、獣に食べられないものでないとダメということかもね」

やよい「うっうー!野草を採るときは気をつけなきゃダメです!」

P(別に触ったから即どうってこともないけどな)

美希「ふぅ……」

P「どうした美希、もう疲れたか?」

美希「ぜんぜん。ね、プロデューサーさん、ミキ、頂上に着くまでは我慢って思ってたんだけど、結構楽しいの」

P「そうか?それは、良かった」

美希「山が、すっごくキラキラしてる」

no title


春香「そうだね、キラキラってのが、一番合うかも」

貴音「色とりどりの衣をまとって輝くこの姿……目標にしたいくらいですね」

社長「うむ、山も我々にとってはアイドルのようなものだ」

P「なかなか、一番キラキラしてるタイミングで来るのは難しいんですけどね」

『こんにちはー』

一同「「「「こんにちはー」」」」


社長「近頃は若いアベックなんかも来るんだねぇ」

あずさ「素敵ですねぇ~」

やよい「アベ……?」

P「社長……」

春香「ね、私たちってどういうグループだと思われたかな」

雪歩「ど、どうかな……さすがにアイドルだとは思われないと思うけど」


千早「………プロデューサー?そろそろ……」

P「あ、そうだな」

一同「「「「あーえーいーうーえーおーあーおー」」」」

P「ちゃんと腹から声出せー」

一同「「「「かーけーきーくーけーこーかーこー」」」」

真「もう合唱部の合宿としか思われなくなったね」

春香「あはは……」

亜美「うう……何でこんなことに」

真美「レッスンさぼれると思ったのにぃ」

P「ほら息がんばるー」

律子「は、恥ずかしい……誰ともすれ違いませんように……」

やよい「はぁ……はぁ……普段のレッスンより何だかつかれますー」

社長「普段とは使う筋肉なんかが若干違うんだろうねぇ」

伊織「あんた……プロデューサーのクセに元気じゃない」フゥフゥ

P「プロデューサーだからな」

社長「ふふふ、私もまだまだ歌だって歌えるぞ」

千早「何か歌われますか」

P「ん、そうだな。何か思いついた歌を全力で歌うとかのほうが楽しくていいかもな」

あずさ「こ、今度は歌うんですか~?」

響「何歌うんだー?」

P「そうだな、何か秋らしい歌とか」

社長「山と言えば童謡じゃないかね」

千早「負けません」

P・社長「小さい秋小さい秋小さい秋みーつけたー」←美しい低音ハモリ

亜美真美「ちーさいあっきんちーさいあっきんちーさいあっきん見ひんつけたー」←こぶちのきいた歌い回し

千早「目~隠しお~にさん手~のなるほうへ」←世界に通じる歌声


真「な、なんだこれ……なんだこれ……」

律子「開き直って歌った方がマシね。そうしないと吹き出しそう」


一同「「「「小さい秋小さい秋小さい秋みーつけたー」」」」

『小さい秋みーつけたー!』


やよい「うっうー!誰か一緒に歌ってくれました!」

あずさ「これも、山ならではですかね~?」

美希「普通の人たちはそもそもやらないって思うな」

やよい「足元がゴツゴツしてて、この辺歩きにくいです……」

春香「あ、携帯の電波入らなくなったよ」

響「さっきまでは入ってたんだな」

P「そういうのは山によるし場所によるな。山=圏外では必ずしもない」

伊織「少し傾斜がきつくなったかしら?」

雪歩「わぷっ」

真「雪歩、大丈夫?」

雪歩「大丈夫、ぼーっとしてたら葉っぱが顔にあたっちゃって」

貴音「花などが見られなくなってきましたね」

P「山だからな、上のほうに行くに連れ、冬になってる」

社長「そろそろ何人か疲れてきてるようだよ」

P「良い頃合いですね」

あずさ「あら、椅子と机があるわ~」

P「登山客の多いところですからね。休憩にしましょう」

律子「精神的に疲れた……」グテー

亜美「律っちゃん寒いよ→」

真美「律っちゃんあっためて→」

律子「トドメを刺しに来るなっ!」


伊織「ふぅ、シャルルが汚れちゃった。後でキレイにしてあげないとね」

響「家族は大事にしないとな!」

いぬ美「ばう!」


やよい「うー…うちは大丈夫かなぁ。今日はお父さんがお休みだけど、こうぞうはお父さんだとぐずるしー」

美希「心配するより信じてあげるほうがいいって思うな」


春香「見て下さいどうですプロデューサーさん!空を撮ってみました」

P「え……あ、うん、キレイだな」

千早「普通っぽくていいと思うわ」

no title

亜美「ね、どう、うまいっしょ」

真美「おっ、負けてられませんな!それっ」

P「こら!!!何してる!!!」

亜美真美「!」ビクッ

真美「……ぁ、兄ちゃ、あの」

亜美「な、なにさ……あの、下のほうの木に石を投げてただけ……で」

no title


P「お前らな……考えたら分かるだろ。ここは山なんだぞ。例えば今、上から誰かが投げた石が落ちてきたらどうなる!?」

真美「あ………で、でも、こっち来た道じゃないよ?」

亜美「そうだよ、そんな怒鳴ること………」

P「山に真っ直ぐの道はない。絶対にこの下のほうに道がない、人がいないと分かるのか?」

亜美真美「…………」

P「きちんと言っておかなかった俺も悪いけどな。山で物を投げたりするのは絶対に禁止だ」

P「誰かにケガさせたりなんかしたら、イヤだろう?」

亜美「う……」

真美「兄ちゃん……」


亜美真美「「ごめんなさい~~~~~~」」ポロポロ

P「よし、もう泣くな。お前たちは子どもだけど、アイドルとして働く以上は社会人だ」

P「きちんと自分で考えて行動するようにしような」

亜美真美「「はい……」」

あずさ「ほら、いらっしゃい」


亜美真美「「あずさお姉ちゃ~~~ん」」エグエグ


律子(あずささんは飴担当ね)

社長「ははは、ではそろそろ行こうか」

雪歩「ま、真ちゃん、ちょっと待って」

真「あ、ゴメン雪歩、早かった?」

社長「む、体力で差がつきはじめてるね」

P「そうですね……みんな、山では自分のペースで登るのが一番いい」

P「バラバラになられちゃ困るが、道は一つだから早く行きたい組は先に行っていいぞ。社長がつく」

P「俺はゆっくり殿で行くから」

響「ん……汗が冷えてるからもうちょっと早く行きたいけど、でも……」

貴音「皆と登りたいのですね」フフ

伊織「それとも、特定の誰かさんとだったりしてね」

律子「伊織の話かしら?」

ナンデスッテ ナニヨ


社長「ふむ……我那覇君、菊地君、体力には余裕あるね」

響・真「「はい」」

社長「……ごにょごにょごにょ」

真「雪歩ゴメン、先に行ってもいいかな」

雪歩「大丈夫だよ真ちゃん、気にしないで」

響「行くぞいぬ美!自分たちの力を見せてやるさー」

あずさ「あらあら、気をつけてね~」


P「社長、何言ったんですか?」

社長「ふふ、ちょっとね。体を冷やされても困るからねえ」

社長(コネで手に入った遊園地のプレオープンペアチケット……)

社長(先についたほうにあげると言ったのさ)

P(なんかロクなことにならない予感)

春香「社長たち、あっという間に行っちゃったね~」

美希「あふぅ……あそこまでガンバる気にはなれないの」

やよい「じ、じっとしてると寒いです……走れないですけど」

P「よし、のんびり出発だ」

雪歩「あ……あれって、さっきのマムシ草?ですか?」

あずさ「なんだか、しおれてるわ~」

伊織「唐辛子か……イチゴみたいね」

no title


律子「毒々しい色合いになってるわね~」


『『『『こんにちはー!!!』』』』


一同「「「「こんにちはー」」」」

亜美「亜美たちより小さいね」

春香「遠足ですかねっ」

貴音「負けていられませんね」

千早「蒼い~鳥~もし幸せ~」

春香「千早ちゃん……さすがだよ。飛んでるよ」

P「声揺らさなーい」

伊織「あら、涼しいと思ったら……」

あずさ「あら~霜柱ね」

no title


律子「ちょっと踏んでってあるわね……あいつらじゃないでしょうね……」

真美「………」ウズウズ

亜美「………」ソワソワ


P「どうした?お前ららしくないじゃないか、踏んでいいぞ」

亜美「本当っ!?」

真美「いいの!?」

亜美「亜美一番ーっ」ザクザク

真美「あっ、ずるっけー」ザクザク

――――その頃社長組

真「へへーっ、どうした響ー!?その調子じゃボクの勝ちだよっ」

響「う、な、なんくるないさーっ」

社長「転ばない程度に頼むよー」


いぬ美「ばうわうっ」

響「だ、大丈夫さ!」

真「……響?」

響「なんだよ、情けは受けないぞ!」

真「でも、さっきから……」

響「そんなことだと抜いちゃうぞ!それっ」ダッ

真「あ、待っ――響!?」

――――P組

no title


あずさ「段々高くなってきたって感じがしますね~」

貴音「そうですね、周りの山々と高さが合ってきた気がします」

美希「あ、電波入ってるの」

no title


春香「霜だらけだね、動いてるからそんなに寒くないけど……」

千早「少し暑いくらいね」


P「うひょー霜柱崩すの楽しー」ザックザック

亜美「あっ、兄ちゃん何その動き!?」

真美「やりすぎだよ兄ちゃん!環境破壊!!」


律子「子どもが増えた……」

伊織「さっきの説教の説得力0ね」

やよい「見て下さい、くずれた霜柱もけっこーキレイですっ」

春香「本当だね」

no title


伊織「さすがやよいね」

P「……む、響がピンチな気がする」

雪歩「どっ、どういうことですか!?」

貴音「確かなのですか?」

律子「真に受けないでよ……なんかこの人なら分かりそうで怖いけど」


千早「私も聞こえました」

P「うん。微かに。あと、いぬ美の声。ま、命にかかわるようなことじゃないだろうが」

あずさ「少し、急ぎましょうか~」

真美「あ、あそこ!」

亜美「ひびきん発見!」

P「社長、どうしたんです」

社長「あ……いやそのね、少し、熱くなりすぎてしまったというかね」

真「響の足ですよ」

響「全然大丈夫だよ!ちょっと、気になっただけで、二人がおおげさに」

P「靴擦れか?」

貴音「響……なんと……痛々しい」

社長「救急セットにカットバンを入れ忘れてしまってねぇ……面目ない」

P「響、この靴もしかして買ったばっかか?」

響「え、そ……そうだけど」

P「ハイキングの時は履きなれた靴って、よく聞くだろう」

響「自分………その、登ったことなくて、山」

P「えっ!?まったく?」

響「うう……自分、島の小さな学校だったし、こっちに来てからも山へ行ったりとかはタイミングが合わなくて……」

P「そうだったのか……聞いてくれれば良かったのに」

響「体力には自信あるし、調べれば大丈夫だと思って……」

P「あーあーしかもこんな普通の靴下で中敷きもそのままか。店員の話も聞かなかったな?」

ペタペタ

響「う……」

P「登山靴は、足に合わせた中敷きを入れて、厚手の靴下履いてきちんとフィットさせるんだ。ほら」

響「何で靴下なんて持ってるの?」

P「自分、完璧だからな」キリッ

響「うー!」///

P「ほれ、擦れてたとこには全部カットバン貼って厚手の靴下もはけば、大分マシになったはずだ」

響「……ホントだ!痛くないぞ!」

伊織「まったく、調子いいんだから」

社長「そ、それじゃあみんなで一緒に行こうかね!」ハハハ…

P「……社長?」

社長「……ごめんなさい」

春香「あ、あれ見てください!山荘ですよね!」

no title


P「お、そうだな」

千早「もうひと踏ん張りね」

美希「ガンバロー!なの」

一同「「「「おーっ」」」」

……


真「わあっ」

雪歩「すごい……!」

あずさ「ようやく、着いたんですね~」


一同「「「「富士山だーっ」」」」

no title



貴音「雄大な姿ですね」

千早「まるで芸術品ね」

伊織「まあまあね」

やよい「すごいです!みんなにも見せてあげたいですー」


P「いやー…なんかすっごい時間かかった気がしますね」

社長「2時間かかってないんだがねえ」

亜美「いや~ちかれたね」

真美「汗つめたいよ→」

P「よし、この先少し開けてるから、シート広げて飯にしよう」

社長「よーし社長マット敷いちゃうぞお」

P「さて……山で食べる飯と言えば」

貴音「らぁm」

美希「おっにぎりなのおおおおおおおおおおおおお!!!」


春香「なるほど、そういうことかー」

律子「まあ、今回ばかりは貴音より美希に同意ね」

貴音「……」ショボーン


美希「山の頂上で食べるおにぎりは至高の味と聞くの!ミキはこの瞬間のためにここに来たの!」

律子「なんなの?自分の言った言葉を台無しにするのが流行りなの?」

P「お昼はなんと、あずささんと俺の手作りですっ」

あずさ「たいしたことないけど、みんな、良かったら食べて~」

伊織「えっ、何よ、二人で作ったの?」

響「言ってくれれば自分も作ったのに!」

あずさ「私はハイキングであんまりお役に立てないから、せっかくなら、と思ってね」

雪歩「はぅ、そ、そんなことにも思い至らないなんて……私、ダメダメです。穴を掘って埋まってます~~~」

P「……」スッ

雪歩「こ、これ……おちゃっぱ?」

P「今からお湯を沸かすから、みんなにお茶を淹れてくれないか?」

雪歩「……はいっ!」


真「……え~リュックサックから急須が出てきたのに突っ込みはなし?」

律子「もう疲れたわ」

伊織「自分でやりなさい」

社長「こっちもお湯湧いたぞー」

P「あ、ありがとうございます」

春香「なんか、かっこいいですねこういうとこで……バーナーですか?使って」

やよい「結構、みなさん持ってますね。初めて見ました」

千早「人が多いのね。あ……そう、他の道もあるのだものね」


P「よいしょっと」クツクツ

貴音「……は、この香りは」ピク

亜美「おーおいっそー」

真美「やっぱ、あったかいもの食べたいよね!」

P「ふふふ貴音……俺はお前の意見も否定しないぞ。インスタントであれだが」

貴音「……らぁめん!あなた様……!」パアアアアアア

響「貴音が輝いてるぞー」

一同「「「「いっただっきまーす!!」」」」

美希「~~~~~っ、オイシイのーっ!!!」

あずさ「あらあら、そんなに喜んでもらえると、頑張った甲斐があったわ~」

貴音「このような絶景を見ながららぁめんを堪能できるなど…っ」ズルルー

真「確かに、景色もすごいよね」

no title


春香「プロデューサーさん、パノラマです!どうですか?」

P「おー。左手側の湖は……Y湖かな?」

律子「街でこんな景色を見ながら食事の出来るところがあったら相応の値段、取れるわね」

伊織「もぉ、風情が台無しになるようなこと言わないでよ」

社長「三浦君作の昼食に萩原君のお茶……これだけでお金が取れそうだねぇ」

響「どれも、すっごくオイシイぞ!」


やよい「わ、この卵焼きおいしー。あずささん、これどうやって作ってるんですか!?」

あずさ「うふふそれはね、隠し味にマヨネーズをほんの少し~」

千早「あちらはすごい絶壁ですね……あ、登っている人が」

社長「うむ、あれは屏風岩と言ってね。クライマーにとっては適度なアクセスと難易度ということで人気なのだよ」

no title


美希「もごもごもご、もごごご?」

千早「ミキ、お行儀悪いわよ」

真「すごいな~ボクもあんなとこ登ってみたいなぁ」

伊織「あんなことするヤツの気が知れないわ」

真「む」

伊織「何よ」

社長「まあ、まあ。理屈ではないのだよ、ああいうものはね」

春香「そこに山があるから、ですね!」

真美「はるるーん」

亜美「言っちゃうんだね」

響「ふぅ、お腹イッパイだぞ」

やよい「ごちそうさまでしたっ」

あずさ「はい、お粗末さまでした」

雪歩「お腹いっぱいです……もう食べられませ~ん」

美希「……」モッキュモッキュ

真美「み、ミキミキ?それ何個目……」


貴音「……」ズルルルル-

亜美「お姫ちん……さっきお汁まで飲んでたよね?」

P「かなり余裕をもって持って来たんだが……水、もっと要ったか?」

春香「プロデューサーさん!山荘を見てきてもいいですか?」

P「いいぞー」

春香「わー面白ーい」

伊織「ふーん水のタンク?こんなの山に来ないと見ないわねえ」

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いぬ実「ばうあう」

「きゅんきゅん」

いぬ美「わう」

「ふーん」

響「なんだーいぬ美、友達が出来たのか?」

響「お、いいこだなー」ヨシヨシ

no title



P「富士山の手前に見えるのはF市、あっちが県庁所在地のK市だな」

律子「なるほど」

↓あっち
KPJW4


社長「キミィ、どうだい?腹ごなしに山頂へ行ってこないか」

P「あ、いいですね」

春香「えっ!?ここ山頂じゃないんですか!?」

真「どういうことですか!?」

P「や、厳密にはあっちが山頂なんだよ。でも、近くだし、こっちのが景色良いし広いから」

社長「ここが山頂扱いみたいなものだよ」

律子「すっきりしないですね」


亜美「えー…」

真美「また登るの?」


P「ん、じゃあ行きたいやつだけ行こう。無理はするな、ここまでより道は荒いし上も狭いから」

春香「私、登りたいです。せっかくここまで来たんですし」

伊織「よし、あんたとあんたのカメラにまとも代表を託すわ」

真「どーいう意味かなー」

雪歩「真ちゃん伊織ちゃんっ、ケンカはダメだよ……」

美希「お腹ぁいっぱいなの~」

貴音「ああ……これが幸せというものなのですね」


P「ま、この二人はこうとして……」

P「千早、律子、伊織、あと、いぬ美」

千律伊「「「は?」」」

いぬ美「ばう」

P「あずささんからくれぐれも目を離さないでくれ」

あずさ「プロデューサーさんっ、ひどいです、私をなんだと思ってるんですか~」

P「響は本当に大丈夫か?」

響「大丈夫だってば!プロデューサーのおかげで全然痛くないし、ダメそうならちゃんと戻るから」

P「ま、たいした距離じゃないしな……よし、行くか」

no title


春香「……え、ここを行くんですか?」

P「うん」

真「大丈夫だよ春香、登ってみたら全然大したことないよ」スタスタ

響「自分、こういう風に全身使って登るほうが得意だぞ」スイスイ

春香「……伊織、ちょっと言ってた意味分かったよ」

春香「天海春香です!頑張ります!」


フゥ フゥ

春香「あ、千早ちゃんたちがいるのはあっちですよね」

P「そうだな」

no title


P「な、登ってみたらさして変わらないだろ?」

春香「えー」

春香「うわっ、と」

ドンガラ…

P「おっと」ガシ

春香「わ、プロデューサーさん!す、スイマセンッ///」

P「アイドルがこけた時支えるのは俺の仕事だからな。でも足元気をつけろよ」

春香「ひ、響ちゃんも真も社長も、結構ぐいぐい登ってきますね」

P「まあ、ゆっくり歩けば安全とか疲れないって訳でもないからな」

春香「……あっ!あれ!あれは何ですか?」ドキドキ

no title



P「ああ、某公営放送のアンテナだな。ここは昔から中継地点だったとかで…」

P「東京からの電波を拾って、Y県のほうへ流してる」

春香「じゃあ、私たちが東京で収録した時は、ここを通ってY県の人たちのところへ届くんですね」

P「早くそうなるといいな」

春香「はいっ」

P「ところで、社長の先にいる人影に見覚えがあるような……」

春香「う~プロデューサーさん、足元ぬかるんでます……」

P「霜はって、天気いいから溶けたんだな。日陰は凍ってるから気をつけろよ」


『やっほ~』

ヤッホー


春香「!あずささんの声ですね」

P「満喫してるみたいだな。それにしてもやっぱりきれいな声だ」


『や、ヤッホー!』

ヤッホー


春香「あれ、千早ちゃんも」

P「うん……千早の声は、沁みるな。にしても、歌は平気でヤッホーは恥ずかしいのか……」

春香「千早ちゃんの乙女心は独特で複雑なんですよ」

――――山頂


響「よしっ!いっちばーん!」

真「ひひっ、二番だろ?」

響「えーっ、下向いてる間に前に出ただけでしょ!?」

真「鼻の差でさしましたー。記念に携帯で写真とろーっと」ピリーン

no title





「何だぁ、この小うるさい小娘どもは」

社長「お、奇遇だな黒井」

黒井「なっ!?高木!なぜ貴様がここに」


春香「はぁ……はぁ……とうちゃ~~~~く」

P「おー」

社長「我々が山にいることに何故はあるまい。ここは手頃な山だしな、考えることは同じという訳だ」

黒井「ふん、変態弱小事務所と居合わすなど、せっかくの山の空気が穢れたわ」

社長「何だ、もう行くのか」

黒井「決着を着ける場所は他にあるだろう。貴様と同じ空気なんぞ吸いたくない!」

社長「相変わらず忙しない男だ……」



真「あの……なんだったんですかね」

響「嵐のようにまくしたてて去っていったぞ」

春香「まあでも、二人並ばれると見分けづらいですし」

P「黒井社長がここにいたのは多分(影の人が二人欲しかった的な)大人の事情だから、あまり気にするな。俺達の登山とは無関係だ」

春香「……それにしても、Y県って本当に周り中、山なんですね」

no title

no title


響「なんか、囲いみたいだね。沖縄とは大違いだぞ」

真「確かに沖縄とは真逆だね」

P「だからこそか……島唄のアーティストはY県出身だぞ」

社長「すごいどうでもいい豆知識を披露してきたね」

春香「……ううっ、じっとしてると寒いですねここも」

P「風が冷たいな、行こうか」

春香「あ、最後に……」スゥゥ


春香「登ったよーっ!!!」


『おーっ』「俺も登ったー」

『エライぞーっ』


アイドルs『お疲れ様ーっ』

社長「ははは、これじゃ黒井に追いついてしまうかな?」ザクザク

真「はやっ!社長早すぎですよ!」

響「わわ、何でだ?社長の歩いたとこトレースしてるのに全然追いつけないぞ」

P「下りは慣れだからな……あ、春香無理するなよ」

春香「大丈夫です。目指しませんし」



春香「ただいまーっ」

伊織「お疲れ、あんたねぇ……何も叫ぶことないでしょうに」

春香「あははー、でも、伊織の声よく聞こえたよ?」

伊織「……うっさい」


千早「あの、プロデューサー」

P「どうした?」

千早「あ、あの……」コショコショ

P「おお、やってみよう」

P「千早なら、どのくらいのテンポかもう把握しただろ?」

千早「……はい」


律子「また歌う気?いい加減文句言われてもおかしくないんじゃないかしら」

やよい「うー、でも千早さんの歌だったら、おひねりが貰えるかも知れません!」

亜美「あーストリートミュージシャンもいるんだから……」

真美「山で歌うのもアリ?」



千早「かーえーるーのーうーたーがー」

カーエールーノーウーターガー


雪歩「す、すごい、山彦と輪唱!?」

貴音「出来るものなのですね」

美希「カエルの歌……かわいいの」

千早「けろけろけろけろクワックワックワッ」

ケロケロケロケロクワックワックワッ



「「「「お~~~~~」」」」

パチパチパチパチパチ

『出来るもんなんだなー』『私もやってみたい!』『この後でか?よせよ』
『せんせー!』『うーん……難しいと思うな~』


P「千早、満足したか?」

千早「………はい」

P「……」

P「よし、そろそろ行こうか」

P「帰りもまた同じな。前は社長、後ろは俺が着くから、焦らず自分のペースで行くこと」

一同「「「「はーい(ばうあう)」」」」



真「だから社長っ、早いですよっ」

社長「ははは、ついてこれる菊地君も大したものだぞ」

響「負けないさー」

貴音「こりないですね……」


美希「ミキはもう満足なの……プロデューサーさん、送ってえ」

律子「歩きなさいっ」

やよい「うー…」

亜美「ちかれたね」

真美「……」コクッ

真「うーん……社長が写ってなければ、良い感じに道が先まで続いてる感じが……」

no title


響「なんだか道に待ち構えてる妖怪みたいで怖いぞ」


春香「疲れてますけど、やっぱり下りのほうが早いですね」

P「急ぐことないからな?ケガしないようにいくぞ」

律子「プロデューサー殿、後ろにつくんじゃないんですか?」

P「後ろ組につくの。下にいたほうが助けやすいからな」

雪歩「あ、じゃあ掘りますか?」

あずさ「雪歩ちゃん?少し、休んだほうがいいかも……飴なめる?」

千早「疲れのせいか、皆、口数が少ないですね」

P「そうだなぁ……山の下りって割と、そんな感じだなあ」

やよい「お日様がさっきまでよりあったかいから嬉しいです」

春香「ねーがんばるよぉ……」

P「春香~ファイト~」


美希「あふぅ……」ウロウロ

亜美「ミキミキ、何でジグザグに下ってくの?」

雪歩「ふぁぁぁぁぁぁっ」

真美「ゆきぴょん、ちょっとした上り坂見つける度に駆け上がるのは何で」


美希「そのほーが楽だよ?」

雪歩「ごめんね、ちょっとヒザが痛くて…」


P「ま、下りはブレーキで足を痛めるから……どっちも間違いじゃないが、気をつけてな」

伊織「ね、ねぇ……」

P「どした?」

伊織「あと、どれくらい?」

P「そうだな……まだ30分はかかるぞ」

伊織「そう……」

P「少し休んでくか?」

伊織「いい!早く行きましょう」

P「そうか」

あずさ「ふぅ……。疲れますけど、落ち葉を踏みしめて歩いていくのは、なんだか楽しいですね」

P「ですね。天然のクッションでもありますから、アスファルトを歩くよりずっと足に優しいですし」

no title


律子「はぁ……体鈍ってるわ……」

貴音「このような弱り切った律子嬢はれあーですね」

春香「空が青いよー千早ちゃーん」

千早「春香、大丈夫?」

春香「大丈夫……まだいけます」

千早「プロデューサー!休憩にしませんか」

P「ん?ああ、そうだな」

伊織「ちょっと待って、まだまだいけるでしょ!」

P「えー」

やよい「伊織ちゃん大丈夫?なんだか顔色が良くないみたい……」


「うぎゃー!!」


P「今度はなんだー。あっちでもこっちでも……」

真「大丈夫?響……」

社長「いかんなー…今度はどうやら捻挫だ」

響「うう……」


真響社(((どうしよう、プロデューサー(君)に怒られる……)))


社長「すまない……これでもゆっくりいっているつもりだったんだが」

真「ごめんよ響……つい、追いかけるのに夢中になっちゃって」

響「うう、違うぞ、自分がムボーだったさー…」


社長「だから……」

真「その」

響「なんというか」


真響社「「「ごめんなさい」」」

P「…………」

P「社長、こっちの荷物お願いできますか」

社長「合点承知の助!」

P「真、響の荷物を頼めるか」

真「任せて下さい!って重い、ナニコレ」

P「ザイル、寝袋、酸素缶?響……」

響「あ、いや、その、違うぞ。自分も、使わないとは思ってたけど……」

P「万一何かあった時出して『自分、完璧でしょ!?』ってやりたかったんだろ!」

響「あ……うぅ………」


やよい「響さん、またケガしちゃったんですかー?」

響「うっ」

律子「学習……しなさい」

美希「り、律子さんもダイジョーブ?」

亜美「ミキミキが気づかった!」

千早「あれっ……ちょっと待って、あずささんは?」

春香「はれ?いない……」

P「うわあああああああ!始めから半分くらいの人数で来るべきだった!」

真美「兄ちゃん、さっきはゴメンね迷惑かけちゃって」

貴音「いぬ美も、いませんね」

P「……はっ、いぬ美もしかして!?」


P「いぬ美ーっ!!」


『ばうわう!!!』

P「ヨシッ!行ってくる、じっとしててくれ」



伊織「ちょっとぉ……早くしてよね……」

雪歩「塹壕はいらないですかね」

ガサガサ

P「あずささんっ」

ザンッ

あずさ「あら~、プロデューサーさん」

P「あずささん……ご無事で良かった、ケガとかしてないですか」

あずさ「大丈夫です。ごめんなさいプロデューサーさん……ちょっとお休みしていたら、道を間違えてしまったみたいで」

いぬ美「ばうわう」

P「いぬ美、ご苦労様。お前こそカンペキだ」

あずさ「あの、プロデューサーさん?」

P「はい?」

あずさ「ここは、きれいですね~」

no title


P「……そうですね。うん、きれいです」

あずさ「はい」ニコ

P「ありがとうございます……行きましょう!」

P「と、いう訳で……改めて全員揃った、と」

P「よし、響は俺の背中ね」

響「ええっ!何だよそれっ」///

P「しょうがないだろ。山道で肩貸しても余計危ないし」

亜美「いーなーひびきん」

真美「兄ちゃんタクシーだね」

響「へっ、変なところ触らないでよ!」

P「触ってないだろ。響、おぶさるのうまいな」

響「自分、かんぺ……何でもないです」

春香「上手いとか下手とかあるんですか?」

貴音「よく分からないですね」

やよい「ありますよぉーっ。病気の子とか慣れてない子は、おんぶするのも大変です」

伊織「やよいは、背負うほうが、うまそうね」

律子「私も背負うほうが得意だわね、多分」

千早「身近にいるのが年下か年上か、ということ?」

雪歩「私、どっちも苦手なのは一人っ子だからですか?」

真「どうしてオンブ談議に……」

美希「何でもいいの。早くお風呂に入って寝たいの」

春香「わ、行きの時とは光の当たり方が違って……」

no title


貴音「より、色鮮やかですね」

伊織「これが来たってことは……もう少しね……」

社長「水瀬君はどうかしたのかね?」

真美「……はっ!」

亜美「ティンと来た!」

亜美「いーおりん、がんばれ!」

真美「ファイトファイト、いおりん」

伊織「あんたち……絶対、絶対、絶対、許さないんだからっ……!」プルプル

律子「やーめーなさい!ほんっともうあんたたちは」

P「大丈夫か伊織、特急でタクシー出そうか」

伊織「乗らないわよっ」

貴音「まだ乗せられるのですか?」

P「うまく乗れるなら、体重的には問題ない」

雪歩「プ、プロデューサーっ、女の子に体重の話題はNGです!」

真「なんだかんだ言ってる間にもうすぐ着くね」

千早「もう少しね」

no title


貴音「落ち葉が舞い落ちる様は、侘しくも美しいですね」

やよい「カシャ、カシャって、音もなんだかかわいーです」

春香「もうすぐ終わっちゃうんだね。なんか、大変だったけど、終わっちゃうのはちょっと寂しいかな」

あずさ「最後まで気を抜いちゃダメよ~。うちに帰るまでが遠足、です」

いぬ美「ばうわう……」

P「はは、だよな」

響「えっ、プロデューサー、いぬ美の言葉が分かるのか?」

P「分からないけど、今のはなんとなくな」

美希「あ、でこちゃん、見えたよ。急がなくて大丈夫?」

伊織「うるさいわね!でこちゃん言うな!言われなくても行くわよ!」

やよい「伊織ちゃんおつかれさまー」

律子「ふー、確かに今の時間帯のほうがキレイねー」

雪歩「秋、って感じですね」

no title

no title


亜美「じゃあ兄ちゃんそろそろご褒美タイム!行くぞ真美助!」

真美「何すんの亜美助?」

亜美真美「「えいっ」」

響「ぎゃっ」

P「うわ、急に乗るな!」

亜美「見よこの双子のバランス感覚」

真美「こっからど→すんの」

亜美「ひびきんと兄ちゃんを、接着っ!」

響「う、ゆわっやめっ、ヘンタイ、プロデューサのエロー!」

P「俺のせいじゃ、やめ、暴れるなっ」

真美「あ、亜美ぃ、これはダメだよ……」

亜美「ええいオクしたか!」

律子「いーいーかーげーんにー」


亜美真美「律ちゃん魔神だっ、逃げろっ」

クッォラァァァァァ

アーミー

ウワッヨソウイジョウにテキガフエテル!?



伊織「最後まで喧しいんだから」

あずさ「伊織ちゃん、復活~」

千早「こちらにも川があったのね」

no title


真「あっ、見てよ千早!あれ、魚じゃない!?」

小鳥「みんなーお疲れ様~」


一同「「「「小鳥さん!!」」」」


真「小鳥さん聞いてくださいよー」

伊織「酷いのよ!」

あずさ「大変だったんですよ~」

社長「小鳥くぅん」

亜美真美「「助けてピヨちゃ~ん」」

律子「しゃきしゃき歩けっ」

響「見ないでほしいぞ……」

やよい「おつかれさまでーっす」ガルーン

雪歩「うう、私全然何も出来ませんでしたぁ」

貴音「積もる話があるのですよ」

美希「眠いの」

小鳥「あらあら。とにかく、みんな無事に帰ってくれて何よりです」

P「うん、今日はみんな、お疲れ様!」

千早「プロデューサーも、お疲れ様です」

P「ありがとう」


社長「さて、一応今日のコレは、山への適性を見るという建前だったわけだが……どうだね」

真「ボクは全然余裕でしたよ!あと二往復くらいいけちゃいますよ、へへっ」

あずさ「そうですね、楽しかったのですが、やはり、山は怖いところだなとも思いました~」

亜美「亜美はしばらくいいかなーって」

真美「真美も当分いいかなー」

伊織「今度はヘリで来ていいかしら」

律子「ムリです。もーいやです。ご勘弁」

千早「そうですね、やはりたまにはこういった特殊な環境に自分を置くことは、良い刺激になります」

P「うん、楽しんでくれたら何よりだけどな。実際、山の仕事はここまでの面子には来ないと思う」

真「えっ、ボクもですか?」

P「うん……真が山に登っても、真だから、というか」

P「俺や社長もそうだけど、この人たちは特殊で、訓練を積んでるから山を楽しめるんだ、と思われちゃうんだ」

P「真、今回の山登り、特に辛いと思うところはなかっただろ」

真「うーん、そうですね……ああ、そっか……」

P「気にするな、向き不向きだよ」

P「春香はどうだった?」

春香「……えっ私ですか!?」

春香「……そうですね」

春香「その、何と言いますか……」

最初は、全然、どんなものかよく分からなくて、なんとなく楽しそうだなーって歩き始めました。

始めてすぐ、思ったより大変なこととか、汚い部分とか、あるって分かって……。


でも水とかお花とか空気とか、

すごくキレイなところをいっぱい感じられて、

でも、土とかで汚れちゃったり、危なかったりもして。


坂を昇る度に、曲がり角を超える度に景色が開けてって。


みんなといて、ゴールは遠いけど、楽しく色んなもの指さしながら

一歩一歩進んでいって――

なんですかね……うまく言えないんですけど。



山頂に行くときなんか、ホントにもう、疲れちゃってて。

でも

登れたって、それが、すごく嬉しかったんです。


何だか、いつもと違う特別な時間で

その時間がもう少し、もうちょっとだけ続けばいいなって

だから……。

もし次あるなら、また、来たいなって

そう思いました!!

スイマセン、支離滅裂で!

一同「「「「お~」」」」

パチパチパチパチ

春香「はっ、拍手!?やめてよ、からかわないでっ」

P「ははは、まあ、若干臭かったけどそういうことだな」

やよい「ですね、すっごく大変でしたけど、そのせいですっごく楽しかったです!」

雪歩「次があったら、その時はもっとパワーアップして」

響「今回と同じ失敗はしない!次はもっと楽しむ!」

美希「そしててっぺんでおにぎりと」

貴音「らぁめんを食べるのです」


P「最後はともかく……」

P「ま、山にもブームになるだけの者があるってことだ」

春香「あっ、酷いですプロデューサーさん!はじめからそれで締めてくださいよっ」

P「よし、じゃあ締めはこの辺にしてみんな帰ろうか」

一同「「「「おーっ」」」」


小鳥「帰りに温泉でも寄っていきましょうか」


一同「「「「いえーっ!!!」」」」


オンセンダッテー

ヤッタネ

ツカレタヨー


社長「ところで、今日登ったM峠、またの名を“開運山”と言うそうだね」

社長「これを機に765プロも、という訳だね」

P「そんなとこです」

ちゃんちゃん