アイマス×ローゼンのクロスです。地の文は真の語りです。
ローゼンメイデンの世界は原作終了後の設定ですが、アニメの設定もたくさん混じっています。





真「ふー。終わった~」



どもっ(・◇・)ゞ ボクです。

新しい漫画が読みたくなって、小鳥さんに質問したら薦められたのがこれ。

絵のテイストはちょっと古い少女漫画っぽくってボク好み。表紙の服も一度は着てみたい感じだったし。

早速書店…新刊はなかったから、古本屋に買いに走ったんだよね。

さぞかわいらしい日常が繰り広げられるのだろう、と期待していたら…バトルものだった。

何を言ってるか(以下略) ま、面白かったからいいんだけど。

古本屋で残りを全巻大人買いして、全巻読破して今に至る。



真「これで終わりってのはもったいない気がするけど、いいラストだったな…ん?」

真「今、何か落ちたような……あ、この紙切れか」

真「…ふふっ。こんなイタズラする人もいるんだな」



そこには『まきますか まきませんか』と書かれていた。

前に買った人が、売るときに面白がってはさんだんだろうな。

古本屋側もチェックが甘いよね。ま、ここは当然…



真「まきますっと。これでこの紙を入れた人も満足かな?」

真「さてと。次はちゃんとした少女漫画を薦めてもらおうっと」



………



真「ぇぇぇ…マジか…」



どもっ(・◇・)ゞ ボクです。

察しのいい人はわかると思うけど、家に帰ったら例のカバンがあったよ。

とりあえず、ほっぺたをつねってみたら痛かった。夢じゃない。

…何これ怖い。でもなぁ、事情を説明しても信じて貰えないよね。

…ここはポジティブにいこう。中には誰が入ってるかな~?

服装的には真紅か雛苺…金糸雀もいいよねっと。はーい、オープン!



真「…うん。わかってたよ」



まずボクが仕舞い忘れた例のカバンに似たカバンだという説は外れた。

中にドールが眠っていらっしゃる。はい、ファンタジー決定。

この子、かわいい面もいっぱいあったし、何ならⅡ期では主役級の扱いだったんだよね。

ただねぇ、服装と一人称がねぇ。



真「蒼星石…ま、親近感わくからいいんだけど」

真「とりあえず、動いたら考えよう。ネジは…」



………



蒼星石「マスター?」



マジか…本当に動いちゃったよ…しかも意思持ってるよ…

おもちゃみたいに動いて、おしまいっていう最後のはかない希望が打ち砕かれたよ…

ということで、菊地真。一人でうなだれ兵士のマーチ状態。



蒼星石「あの…驚かせてすみません。ちょっと聞いてもらえますか?」

真「うん、ごめん」

蒼星石「いきなり人形が動いたらびっくりしますよね。僕は」

真「ローゼンメイデン第四ドール、蒼星石」

蒼星石「!」

真「人工精霊はレンピカ。庭師の鋏が武器。あとは…」

蒼星石「え?え? 新しいマスターはエスパーですか?」

真「違うよ。ボクより君のこと詳しい人は全国にたくさんいると思う」

蒼星石「???」

真「まあ、とりあえず…ほら、この辺。読んでみてよ」



………



蒼星石は熟読してる。待ってるだけはヒマだから宿題だけは終わらせようかな。

…ダメだ。気になって全然進まない。け、けっしてボクの学力が低いわけではないからねっ。

…独りで何考えてるんだ。むなしい。

とりあえずお話しよう。この世界に来てしまったわけを知りたいし…



真「ちょっといいかな?」

蒼星石「何でしょう?マスター」

真「そこに書いてあるのは事実?」

蒼星石「はい。全部は読んでいませんが、おそらく。このような文献があることに驚いています」

真「文献って大げさな」

蒼星石「そうすると、僕たちはマスターから見れば、漫画の世界から飛び出してきた存在ということですね」

真「うん。そう。…僕"たち"ってことは他のドールも来てるの?」

蒼星石「ええ。しかも、マスターの近しい方の所だと思います。僕たちの求めてるものがここにあると、レンピカが」

真「えええ!」



………



早速、LINEでそれとなく聞いてみる。

高校の友達も幼馴染も手応えがない中、それらしき反応があったのが765プロのグループ。

ひとりずつ直接電話して対応する。基本的にはねじを巻かず、明日765プロに持ってくるように話した。

もし巻くなら、『ローゼンメイデン』をネットでよく調べてからにするよう、薦めておく。

それもこれも、今のところ、起きると怖い可能性があるドールがなかったから。最後は…



真「雪歩、中は確認した?」

雪歩『えっと…今からするね……お人形がひとつ』

真「やっぱりね。その人形、実は動くんだ」

雪歩『…あ、ねじがあるし、そうなのかな』

真「ただ動くだけじゃなくって、自分の意思を持ってる」

雪歩『え、何それ怖い』

真「おばけとかの類じゃないから。それはボクが保障するよ」

雪歩『そうなんだ… うん、真ちゃんの言うことだし、信じるよ』

真「雪歩、そのドールの特徴を教えてくれる?」

雪歩『えっとね……白くって……』

真「あ、雪歩。ねじ回さないで。そのまま明日、持ってきてくれる?」

雪歩『え?今、回しちゃった』

真「…雪歩、今から行く」

雪歩『え?』プツッ

真「行くよっ。蒼星石!」

蒼星石「え?まだ途中…」

真「あとでたっぷり時間あげるから!」



………



自転車で猛ダッシュ。スピード違反ギリギリ。

リュックに入れた蒼星石からの声が聞こえるが親友のピンチだ。それどころではない。

雪歩の家に到着。最速記録更新。間に合ってくれっ。



真「雪歩!! 無事かっ!!」

雪歩「ひぅ。ま、真ちゃん、びっくりさせないで」

真「雪歩、大丈夫? 何ともない?」

雪歩「大丈夫だよぉ」

真「ドールはどこ?」

雪歩「ここにいるよぉ」

雪華綺晶「初めまして。マスターのご友人ですか?」モキュモキュ

真「雪歩に手を出してないよな?」

雪華綺晶「何のことでしょう?」ズズズ

真「…何してるんだ?」

雪華綺晶「ご覧の通りですが…雪歩さま、ごちそうさまでした」

雪歩「きらきーちゃん、お人形さんなのに食べたり飲んだりできるんだよ」

真「きらきーちゃん?」

雪華綺晶「はい。私、ローゼンメイデン第七ドール、雪華綺晶です。きらきーとでも呼んでください」



………



真「なるほど、原作終了後なんだね」

雪華綺晶「原作というものはピンときませんが…おそらくその通りですね」

雪歩「こんなにかわいいのに、結構怖い一面もあるんだね」

雪華綺晶「もう昔の話ですから…お許しいただければ」

真「…雪歩に何かしたら許さないからね」

雪華綺晶「わかりました…今は、紅薔薇のお姉さまを蘇らせることしか頭にありませんから、心配はご無用です」

雪歩「でも、そんなファンタジーな世界になくて、この世界にあるものなんてあるかな」

真「そういえば聞いてなかったな…あ」

雪歩「どうしたの?」

真「ごめん!忘れてた!」

蒼星石「」キュウ

真「蒼星石ー!!」

雪華綺晶「あら、蒼薔薇のお姉さま。ご機嫌よう…?」

雪歩「…きらきーちゃん、聞こえてないんじゃないかな?」


………


蒼星石「あの…マスター? もう大丈夫ですから。頭をあげてください」

真「…優しいね。蒼星石は」

蒼星石「いえいえ…」

雪歩「そこまで急がなくても…たしかにものすごく早かったね」

雪華綺晶「…そんなにお急ぎなら、Nのフィールドをお使いになられれば良かったのでは?」

真「え? そんな漫画の中の技術が使えるの?」

蒼星石「技術というわけではないですが…帰りは是非そうしましょう。大きい鏡はありますか?」

雪歩「あるけど…何に使うの?」

蒼星石「移動手段です」

雪歩「…鏡の国?」

蒼星石「平たく言うとそうですね。雪歩さんもいってみましょうか」

真「そうだね。ついでにローゼンメイデン読んでく? 必要な所だけでも」

雪歩「…その非現実的なやりとりに付いていけてないんだけど…行けるなら、うん」

雪華綺晶「私もご一緒してよろしいですか?」

蒼星石「うん。じゃあ、行こうか」



………



最速記録の半分以下で自宅到着。この記録を自転車で抜くのは人間やめないと無理だな。

…あ、自転車忘れた。ま、いっか。

今は3人?で熟読中。時折、蒼星石や雪華綺晶が枕に顔をうずめて足をバタバタしてる。

黒歴史でもあったかな? 雪歩も真似してボクの枕を使おうとしないで。

その間、ボクは残りのメンバーに連絡。明日、順番にNのフィールドを使って迎えにいくことにした。

全員そろってから、詳しい話をしてもらおう…そうだ、一個確認しておかないと。



真「ねえ、蒼星石。盛り上がってるところ悪いんだけど、ちょっといいかな?」

蒼星石「何でしょう?」

真「さっき読んでたところも全部事実?」

蒼星石「あ、えと、うう…」

真「ごめんごめん。本当に聞きたいのはそのことじゃないんだ。ちょっとからかってみたくて」

蒼星石「もう、マスターっ」

真「へへっ。…本題なんだけど、この世界には真紅を除く全ドールが集まってるの?」

蒼星石「いえ。水銀燈はジュンくんの手伝いと、万が一何かあった時の護衛を兼ねて残ってます」

真「なんで水銀燈?」

蒼星石「僕たちの中で戦闘力が高いというのと、あとは本人には内緒だけど…同情的な」

真「同情?」

蒼星石「水銀燈、これまで生活環境が悪くて…桜田家に残れば良い暮らしが出来るんじゃないかと」

真「ああ…」

蒼星石「そういう意味では雪華綺晶も候補だったんですけど…」

雪華綺晶「ええ、どうしても直接紅薔薇のお姉さまの役に立ちたいと、志願しました」

真「あ、ごめん、きらきー。読んでる途中に」

雪華綺晶「いえ…ジュンさまと同じく、雪歩さまも優しくて本当に良かったです」

雪歩「ふぅ。堪能した~」

真「…敢えて何をかは聞かないけど、そろそろ帰る? 結構遅くなったよ」

雪歩「そうだね…じゃあ真ちゃん、蒼星石ちゃん、また明日。他の子に会えるのも楽しみだね」

真「うん。送っていこうか?」

雪歩「ありがとう。でも大丈夫だよ。きらきーちゃん、帰ろうか?」

雪華綺晶「ええ。ではまた」



………



どもっ(・◇・)ゞ ボクです。

今朝起きたら、目の前に雪歩ときらきーが居てびっくりしたよ。

他のドールに会いたいからって、はりきりすぎだよ…

寝顔がどうとかパジャマがどうとかは、寝ぼけてたから聞き間違いってことにする。

とりあえず朝食と身支度を済ませて、まず向かった先は…



蒼星石「あ、ここです。マスター」

真「相変わらず、Nのフィールドだと早いなあ」

雪歩「雛苺ちゃん、楽しみだね」

真「そうだね…じゃあ、おじゃましまーす」

雛苺「蒼星石ー! きらきー!」

蒼星石「わわ、元気だなあ」

雪華綺晶「ご機嫌よう。桃薔薇のお姉さま。お土産の苺大福ですよ」

雛苺「うわーい!うにゅーなのー!」ハグハグ

雪華綺晶「うふふ。喜んでもらえて嬉しいですわ」

雛苺「もう、うにゅーもないし、退屈だし…ヒナ、さびしかったのよー」

蒼星石「あれ? いつもは雛苺のマスターと遊んでるのに、珍しいね?」

雛苺「うゅ、だって…」

真「美希ー。起きてよ」

雪歩「美希ちゃん、おはよう」

美希「zzzあといちじかんzzz」

雪華綺晶「あの方がお姉さまのミーディアムですか?」

雛苺「そーなの。寝てばっかりなの」



………



美希「眠いの…真くんのいじわる…」

真「いや、連絡したよね。この時間に来るって」

美希「あふぅ…」

雪歩「えっと、美希ちゃん。次に行きたいんだけど、動ける?」

美希「雪歩…おぶって?」

雪歩「え、あの、その…」

蒼星石「…えっと、雛苺のマスター。はじめまして。ローゼンメイデン第四ドール、蒼星石です」

雪華綺晶「ローゼンメイデン第七ドール、雪華綺晶です。よろしくお願いします」

美希「よろしくなの。あふぅ」

蒼星石「…伝わってるかな?」

雛苺「多分、ミキは聞いてないのよ…」



………



蒼星石「ここです…大丈夫ですか、マスター?」

真「うん、大丈夫。鍛えてるからね」

美希「zzz」

雪歩「ごめんね、真ちゃん。私の代わりに…」

真「まあ、いいって。さて、美希。着いたから起きよう」

美希「zzzあとにじかんzzz」

雪華綺晶「…増えてますよ?」

雛苺「…ほっといたら本当に寝てるのよ。ヒナにはわかるの」

真「仕方ないか。次は起きてね。じゃ、おじゃましまーす」

ぺチャ

美希「うっひゃあ!」

亜美「いえーい。コンニャク落とし作戦、だーいせいこー」

真美「サスガ亜美。ばっちり首筋に決まったねぃ」

美希「酷いの! 起きちゃったの!」

真「…自業自得だよ」

蒼星石「ははは…姉さん、着いたよ」

翠星石「蒼星石~。待ってたです~」


………



亜美「ほうほう。蒼っちに雛っちにきらきーですな」

真美「待望の仲間だよ。良かったね、翠っち」

翠星石「そのあだ名はやめるです。しっぽ人間」

亜美「これが有名なツンデレ…サスガ翠っち」

翠星石「だからスイッチって呼ぶなです。ちょんまげ人間」

蒼星石「たった一日で打ち解けてる…ウマが合いそうなマスターで良かったね」

翠星石「どこがですか!?」

亜美真美「んっふっふ~」

真「…次行っていいかな?」

雪歩「…いいんじゃないかな?」

美希「…さっさと終わらせてお昼寝するの」



………



真「最初にカバンがあるって聞いたとき、亜美真美のところには金糸雀かと思ってたんだ」

真美「なんで?」

真「色的に」

亜美「それなら、まこちんは銀っちっぽいよ」

真「水銀燈は今回はいないけど…何かボクはちょっと似てるじゃない? 蒼星石と」

真美「たしかにねぃ。言いたいことはわかるっぽいよ」

亜美「それなら、亜美たちと翠っちは双子で、イタズラ好きっていうのは似てるよね」

翠星石「だからスイッチと呼ぶなです」

真「はは…あと、翠星石の性格はウチに似てる人がいるからね」

真美「わかる。でもさ、金っちとも似てるとこもあんじゃん」

亜美「ねぇ」

真「?」

蒼星石「着きましたよ。マスター」

真「はーい。じゃ、おじゃましまーす」

伊織「…本当に鏡から出てくるのね」

金糸雀「待ってたかしら」

亜美真美「デコ」

他一同「www」

伊織「…ものすごく失礼なことを言われてた気がするわ」

金糸雀「…かしら」



………



伊織「自己紹介が終わったところで本題よね。アンタたちは何でこの世界に来たの?」

金糸雀「カナが説明するかしら。まず」

伊織「ストップ。アンタはやめときなさい。私は慣れたからいいけど、語尾がややこしいから」

金糸雀「ひ、ひどいかしら」

蒼星石「では、ボクが。皆さん、この世界でいう『ローゼンメイデン』という漫画のラストまではご存知だというていで話してもいいですか?」

伊織「ええ、かまわないわ」

蒼星石「動かなくなった真紅のために、新たなローザミスティカが必要…それを求めてジュンくんと僕たちが鉱山に通うようになった」

蒼星石「それから2年くらいかな? ジュンくんが高校生になった後、ついにその可能性がある石を見つけたんだ」

真美「おお」

蒼星石「早速、真紅に入れて見たんだけど…その、何というか…動くんだけど、生きていない、みたいな…」

亜美「どういうこと?」

金糸雀「まるでマリオネットかしら」

蒼星石「言い得て妙だね。そう、自分の意思で動かないんだ。ミーディアムであるジュンくんの思うがままにしか動かない」

蒼星石「生命は宿る…それ以上の石はまず見つからない…だから、僕たちは違う角度から考えることにしたんだ」

蒼星石「その石に何かを錬成すれば、ローザミスティカに匹敵する効果を得られるはず。だから、僕たちはそれを求めてこの世界に来た」

蒼星石「いわゆる『意思を持つ非生命体』」

真「…何それ??」

蒼星石「えっと…何と言われると難しいんですが…」

伊織「だいたいわかったわ。生きてないけど、考えることの出来るもの…ってことよね」

蒼星石「そうですね。それがあると踏んだレンピカやスイドリームがこの世界に僕たちを導いた…おそらく、貴方たちの近くにそれが」

伊織「悪いけど、何かの間違いじゃない? そんなトンでもないもの、この世界にはないわよ」

蒼星石「えええ。何か近いものはありませんか?」

伊織「私にはさっぱり…何かある?」

美希「はーい!」

亜美「はーい!」

真美「はーい!」

伊織「え?あるの?」

美希「途中から何言ってるのかわかんなくなったの」

亜美真美「右に同じ」

伊織「アンタたち、真面目に聞いときなさい!」

蒼星石「えっと…どこから説明すれば…」

雪歩「あらら…私でもわかったのに…」

真「…ねぇ(ボクもよくわかんなかったけど黙っとこう)」



………



どもっ(・◇・)ゞ ボクです。

昨日は難しい話だったな…とりあえず、伊織が水瀬に聞いてみることにして、お開きにしたけど…

『意思を持つ非生命体』…ドラえもんの世界ならありそうだけど、ここではねぇ…

とりあえず、このことは765プロ全体で知っておいた方がいいんじゃないか、ということで今日こそはドールズと765プロへ。

あ、ちなみに、765プロへの移動もNのフィールドで楽チンだったよ。



千早「不思議なこともあるんですね」

あずさ「そうね~。漫画の世界からやってくるなんて~」

やよい「うっうー! かわいいですね!」

響「ほらほら、貴音ぇ。怖くないぞ」

貴音「い、いえ。私は遠慮しておきます。動く人形など物の怪の…」

律子「信じられないけど…受け入れないと…」

小鳥「まさか現実になるなんて! 薦めたかいがあったわ!」

P「事情はわかった。なるべく仕事の便宜は図るよ」

社長「はっはっは。ま、ゆっくりしていきたまえ」



貴音…怖がりすぎ。ちなみに、みんなに聞いても手がかりなし。

蒼星石が言うには、765プロに関係しているはず、ということだけど…

やっぱり何かの間違いじゃないかな?


………


亜美「いやー働いたねぇ、真美」

真美「そーだねぃ、亜美」

美希「あふぅ。ミキ、今日も疲れたの」

雛苺「うゅ。ヒナも今日はたっぷり寝るの」

雪華綺晶「そうですね。愛でられるのは嬉しいですけど…」

翠星石「翠星石は一気にたくさんの人間に囲まれて生きた心地がしなかったですよ…」

雪歩「みんな、お疲れ様。…探し物、早く見つかるといいね」

美希「あー、でも見つかっちゃうと、ここも使えなくなっちゃうの」

雪歩「それはそうだけど…まあ、元々鏡の国はなかったようなものだから」

美希「美希の睡眠時間が削られるの」

雪歩「まだ寝るんだ……あれ?翠星石ちゃん、雛ちゃん、きらきーちゃん、どうしたの?」

翠星石「…来たですね」

雛苺「…来ちゃったの」

雪華綺晶「…来ましたか」



薔薇水晶「久し…ぶり」

槐「久しぶりだな。ローゼンメイデン」



………



亜美「お、翠っちの仲間?」

翠星石「…少なくとも味方ではないです。前は敵です」

真美「あだ名に反応しないとは…何やらシリアスの予感」

雛苺「うゅ…光に包まれていなくなったはずなの。ジュンが言ってたの」

槐「ああ、そうだ。でも、あれは消えたんじゃない。薔薇水晶と共に時空の狭間に飲み込まれただけだ」

美希「また難しい話? 早くして欲しいな」

槐「わかった、手短に話そう。我々も例の石を手に入れたので、キミたちと同じものを求めている」

一同「!」

槐「前回、他人のミスティカを入れたせいで、薔薇水晶は崩壊した。おそらく、自分のミスティカがなく、体に馴染まなかったからだ」

槐「薔薇水晶にミスティカに耐えられるボディが加われば…確実にローゼンを超えたことになる…私の目標が達成されるわけだ」

槐「ここから先はわかるだろう? もしも、それを見つけたら譲ってもらおうというわけだ」

翠星石「…それは出来ない相談ですね。翠星石たちも真紅のために、わざわざこの世界に来たです」

雛苺「うぃ…もし、ヒナたちが先に見つけたら、どうするつもりなの?」

槐「愚問だな。薔薇水晶、言ってやれ」

薔薇水晶「ころして…でも…うばいとる」



雪華綺晶「させませんわ」



………



槐「ほう…第七ドールか。実体を手に入れたみたいだな」

雪華綺晶「あら、よくご存知で。初めましてではなくって?」

槐「これでもローゼンの弟子だ。ある程度のことならわかる」

雪華綺晶「あら、失礼。それなら、私の実力もわかりますよね」

槐「さぁ、知らんな。アストラル体の時は確かに強そうだとは思ったが」

雪華綺晶「なめられたものですわね…お手合わせいただけますか?」

槐「無用な勝負はしたくないのだがな。薔薇水晶、どうする?」

薔薇水晶「お任せ…します…お父様」

亜美「ねぇねぇ、真美。これやばくない?」

真美「そだねぃ…翠っち、大丈夫?」

翠星石「…余計なことをするなです、末妹」

雛苺「…うゅ。薔薇水晶は強いのよ。やめとくの」

雪歩「そ、そうなの? きらきーちゃん、今日は帰ろうよ」

雪華綺晶「ご心配には及びません。ここで私が勝てば、憂いなく探しものができますわ」

槐「ふむ…本当に倒してしまうとローザミスティカが体内に入ってしまうからな…止めは刺さない程度にな」

薔薇水晶「わかり…ました…お父様」



翠星石「チビ苺、金髪人間」

雛苺「何?」

美希「ミキのこと?」

翠星石「蒼星石とオバカナリアに来るように伝えるです。翠星石は助太刀する準備をしとくですから」

雛苺「…わかったの。行こう、ミキ」

美希「…よくわかんないけど、わかったの」



………



雪華綺晶「先手必勝!」シュンッ シュンッ

薔薇水晶「!」ガキン ガキン

雪華綺晶「ほら、どんどん行きますわよっ」

薔薇水晶「くっ…」

真美「おおお、矢?剣?とにかくすごい攻撃だ」

雪歩「うわぁ、本当にすごいね」

亜美「紫のが水晶生やして…防戦一方っしょ」

翠星石「…」



雪華綺晶「ふふふ」シュンッ シュンッ

薔薇水晶「…」ガキン ガキン

雪華綺晶(この攻撃は囮…本当の狙いは…)シュンッ シュンッ

薔薇水晶「…」ガキン ガキン

雪華綺晶「こっちですわ!」シュルルル

槐「!」ザクッ

雪華綺晶「ふふふ、私の苗床にしてあげますわ」

真美「おお、いつの間にかツタが」

亜美「いっけーっ」

雪華綺晶(よし、これで)

槐「ほう。私が狙いだったか。…しかし、残念だったな、第七ドール」

雪華綺晶「え?」

槐「薔薇水晶の力は」

雪歩「きらきーちゃん、危ない!」

薔薇水晶「ふっ」バキッ

雪華綺晶「くぅぅ」ドサッ

槐「私に依存してないんだよ」



………



亜美真美「きらきー!」

雪華綺晶「くっ。それなら…」シュンッ

薔薇水晶「っ」ガキン

雪華綺晶(この攻撃は有効なようですね…決定打にはなりえませんが…)シュンッ

薔薇水晶「…」ガキン

雪華綺晶(次の手を考えないと…あら?)シュ…ン

槐「おや、もう玉切れか。…行け、薔薇水晶」

薔薇水晶「はい…お父様」ガキン ギュンッ

雪華綺晶(来るっ)シュンッ シュンッ

薔薇水晶「…」ガキン ガキン

雪華綺晶「うそ、止まら」

薔薇水晶「ふっ」バキッ

雪華綺晶「くぁぁ」ズザザ

翠星石「ほうら、いわんこっちゃないっ。スイドリーム!」ギュイン

薔薇水晶「…」ゴゴゴゴゴゴ

翠星石「!」

亜美「うあうあー。水晶が!」

真美「きらきーと紫の周りを取り囲んだ!?」

雪歩「きらきーちゃん!」



………



薔薇水晶「…」ガンッ ガンッ

雪華綺晶「くぅっ くぅっ」

雪華綺晶(まずいですわ…このままでは…)

薔薇水晶「…」ドゴッ

雪華綺晶「くはっ」

薔薇水晶「…」シュイン

雪華綺晶「剣ですか…私もここまでですかね」

薔薇水晶「お父様との…約束…ミスティカまでは…取らない」

雪華綺晶「賢明ですわね。私が内部から崩壊させてさしあげようと思いましたのに」

薔薇水晶「代わりに…」スッ

雪華綺晶「!何を」

薔薇水晶「…」ザクッ

雪華綺晶「!あぁぁあぁ」



………



ゴゴゴゴ

亜美「水晶が引いていく…」

真美「どうなったんだ…」

ゴゴゴゴ

薔薇水晶「…」ポイ

雪華綺晶「くっ」ドサッ

雪歩「きらきーちゃん!」

翠星石「末妹! その目…」

雪華綺晶「申し訳ありません…翠薔薇のお姉さま…」



薔薇水晶「お父様に…プレゼント」

槐「白い薔薇か…偉いぞ、私の薔薇水晶」

薔薇水晶「嬉しい…」

槐「さ、帰るか。どうやら向こうは戦意喪失だ。次に会うとしたら、譲ってもらう場合だけだな」

薔薇水晶「はい…」



………



ども…(・◇・;)ボクです。

ボクがいない間に大変なことが起こったんだね…駆けつけたときには時既に遅く…

きらきーは今、眼帯をしてる。『そのうちまた花をつけますから、ご心配なく』って言ってたけど…

薔薇水晶ってのは、こちらの世界ではアニメで描かれてたみたい…見ると、確かに強い。

うーん、見つけると同時に薔薇水晶対策も考えないと…あれ?



真「そういえばさ、きらきー?」

雪華綺晶「はい?」

真「契約ってした?」

雪華綺晶「!」



どうやら、元々契約するタイプじゃなかったのと、雪歩家があまりに居心地が良くて、すっかり忘れてたらしい。

…ドジっこきらきー。ありだな。

でも、『強さの底がしれない。本気なら契約があってもどうなるかわからない』だって…これはもう特訓しかないよね。

ということで、一通り契約を済ませた5体のドールは4体が特訓、1体が『意思を持つ非生命体』を探すこととなった。



………



雛苺「えーい、ぺしゃんこになっちゃえ!」

蒼星石「いくよレンピカ! たあああ!」

金糸雀「うなだれ兵士のマーチ!」

翠星石「甘いです。スイドリーム!」



えっと。このトンでも世界はなんだ。漫画の世界の技が次々と…

ちなみに、薔薇水晶ときらきーの戦いはこれ以上だったとか…

ボクが呆気に取られてると、隣に居た美希がふらつく。ああ、これが例の。



真「雛苺!ストップ!ストップ!」

雛苺「! はいなの…」

蒼星石「…ここまでだね」

雛苺「うゅ…ダメだったの」

金糸雀「ああ、返すかしら~」

翠星石「イーッヒッヒ。オバカナリアはヴァイオリンを取ったらな~んも出来ないですね」

伊織「…致命的な弱点よね」

亜美「それを言ったら如雨露とか鋏も一緒な気もするんだけどね」

翠星石「翠星石はそんなヘマはしないですよ」

蒼星石「僕もあまりないかな。あと、壊れすぎ」

金糸雀「うう…何も言い返せないかしら…」



どうやら、戦闘能力はきらきー>翠星石>蒼星石>金糸雀>雛苺のようだ。

一番手のきらきーが契約なしとはいえ、敗れたのは結構な衝撃だと改めてわかる。

全員でかかれば何とかなりそうな気もするけど…

この日は、あらかたやった所でお開きになった。



………


美希「あふぅ。エネルギーを使ったからいつもより眠いの」

雛苺「うゅ…ミキ、ごめんなさいなの」

美希「…ねぇ、ヒナ?」

雛苺「何なの?」

美希「ヒナって弱いの?」

雛苺「…そうなのよ。アリスゲームも一番に脱落しちゃったのよ」

美希「今日のでっかいぬいぐるみ、強そうだったの」

雛苺「ミキのエネルギーもいっぱい使っちゃうから、そんなに使えないのよ」

美希「あとは最初に出してたやつ」

雛苺「苺わだちのこと? あれは得意だけど、大して強くないのよ。よくちぎられるし…」

美希「…ねぇ、ミキに考えがあるの」

雛苺「うゅ?」



………



伊織「アンタ、弱いのね」

金糸雀「うう…これでも薔薇水晶に致命的なダメージを与えたのはカナだけかしら」

伊織「アニメなら見たわよ。翠星石のミスティカのおかげでしょ?」

金糸雀「…ぐぅの音も出ないかしら、いおりん酷いかしら」

伊織「技は豊富にあったけど、頼みの綱のヴァイオリンが取られちゃうとねぇ」

金糸雀「こればっかりは…弦を切られても、何も出来ないかしら」

伊織「うーん…素人目に対策は浮かぶんだけど」

金糸雀「! 何かしら! 教えるかしら!」

伊織「いや、アンタ策士でしょ? 私が思いついたたことくらい、とっくにわかってると思うけど」

金糸雀「…そ、そうかしら。カ、カナは薔薇乙女一の策士かしら。で、でも、一応聞いておくかしら」

伊織「…まぁ、参考程度に聞いてくれればいいわ。…」



………



真「蒼星石って結構強いんだね」

蒼星石「僕なんかまだまだです。薔薇水晶には、このままでは攻撃は通らない」

真「薔薇水晶か…遠隔攻撃主体だよね」

蒼星石「近接も強いと聞きます。雪華綺晶の薔薇をはねたのも水晶の剣ですし」

真「こちらのメンバーも遠隔が使えるのは多いからそこは任せるとして…近接になった時は五分以上にやれないと、ってところか」

蒼星石「そうですね。それが僕の役割でしょう」

真「ということは…うん。いいこと思いついた」

蒼星石「何ですか?マスター」

真「薔薇水晶撃退作戦」

蒼星石「本当ですか!」

真「これは皆いるところで話すとして…あとは戦闘に関して気になったところが一つ」

蒼星石「何ですか?」

真「素朴な疑問だけど…」



………



どもっ(・◇・)ゞ ボクです。

今日は翠星石以外の4体で特訓…雛苺も金糸雀も、もちろん蒼星石も、昨日とは見違えるほど動きがよくなった。

昨日来ていないきらきーが驚いてた。…ま、それでも強弱の順番を覆すほどではなかったけどね。

これなら勝てるという手応えを得ていた一方、事務所では…



翠星石「何してるですか?」

亜美「んっふっふ~。今日は特別な日だよん」

真美「そうそう。パーチィーだよん」

翠星石「…おかえりは、るる…」

真美「違うよ。そこはね…」



春香「みんなっ。ただいまっ」

亜美「おかえり~はるるんっ」

真美「待ってたよ~」

P「お、帰ってきたか。長期ロケお疲れ様」

春香「もうくったくたです! プロデューサーさん、次のスケジュールを教えてください!」

P「ははは。元気があって何よりだ」

春香「あ、そうだ、これ皆にお土産…ああああ」

亜美「どったの?」

春香「この子が噂の生きてるお人形さん!」

真美「そう、翠っちだよん」

翠星石「ぅぅぅ、また人間が増えたです…」

春香「スイッチちゃん、かっわいい!」ダキ

翠星石「ぁぅ……ぅ?」

亜美「はるるーん。翠っち人見知りなんだから、手加減したげてよ~」

春香「あ、ごめんなさい」

真美「翠っち? どったの?」

翠星石「見つけたです! 『意思のある非生命体』とやら!」



………



蒼星石「たしかに…これなら…」

金糸雀「いけそうかしら…」

雛苺「うぃ」

雪華綺晶「ですわね」

伊織「へぇ…このリボンがね…」

亜美「え~。たしかに、はるるん=リボン説もあるけどさ」

真美「リボンが本体で、はるるん=リボンかけって説もあるっぽいよ」

春香「全く着いていけてないんだけど、それは酷くない?」

翠星石「…そこの普通人間。頼みがあるです」

春香「ふつ… 私、天海春香です」

翠星石「すまんです…そのリボン、譲ってほしいです」

春香「えええっ。だ、駄目だよぉ。これは」チラ

P「?」

春香「あ…そうだ、鏡の世界に行ってみたいなー!」

蒼星石「…わかりました。では、Nのフィールドへ」



………


春香「わぁ、本当に入れた…」

翠星石「さぁ、渡してくれるですね?」

蒼星石「姉さん、落ち着きなよ…あの場では話しづらいことがあったんですよね?」

春香「うん…」

雪歩「えっと…私たちも着いてきちゃったけど、大丈夫?」

春香「…うん、今から話すことに引かないって約束してくれれば」

伊織「大丈夫でしょ。少々のことでは驚かないわよ」

春香「それなら…まず、何でこのリボンが必要か教えてくれる?」

蒼星石「わかりました。…」



………



春香「…なるほど、そういうことなら、いいよ」

蒼星石「え、いいんですか? とても大事にされてたのでは?」

春香「うん。実はこのリボン、プロデューサーさんから最初に貰ったリボンなんだ」

春香「アイドルの仕事って楽しいけど、時には苦しいこと、辛いこともあったんだよね」

春香「でもね、そんな時もこのリボンを着けたり、見たりするだけで少し元気になれた」

春香「たまに、このリボンに向かって話しかけたこともあるんだ。ふふふ、おかしいよね」

春香「だからね、これは私にとっての特別。いっぱい持ってるリボンの中でも一番」

春香「今日も久しぶりにプロデューサーさんに会えるから、はりきってつけて帰ってきちゃった」

蒼星石「…プロデューサーさんのこと、好きなんですね」

春香「好っ…あ、いや、その、あのね」

伊織「…焦りすぎよ。わかりやすい」

春香「あはははは。…でも、このリボンで一人の命が助かるなら……いいよ」

蒼星石「…そのリボンを僕たちが求めた理由、わかった気がします」

春香「え?」

蒼星石「大切な人との強い絆、大きな愛…そういう強い念がこのリボンに込められているんだ」

雪華綺晶「そうですね。意思を持つとは少し違いますが…直感的にそれだと確信しましたわ」

金糸雀「真紅も幸せものかしら。前より素敵なミスティカになる予感かしら」

翠星石「ちっとばかり恥ずかしい気もするですけど」

春香「ふふっ。そうだね。じゃあ、私とプロデューサーさんとの愛、託します」

蒼星石「ありがとうございます」

雛苺「あいとーあいとーなの。ブルドーザーも嬉しそうなのよー」

春香「違うよ、それを言うならプロデューサー……え?」

P「あ、あははは。そうだな、嬉しいよ」



春香「な、な、な、なんでいるんですか! い、い、い、いつから!」

P「えっと、ついさっき?」

雛苺「ちがうのよー。蒼星石の説明が終わったころにはいたのよー」

春香「……あ、あ、あ、あなほってうまってますぅー!」

P「は、春香ー?……あー…どうしよう」

伊織「…とりあえず、追いかけたら? ここにいても良いことないわよ?」

P「そうだよな…じゃあ、行ってくるよ」

真「…春香、Nのフィールドから脱出するあたりは冷静だね」

雪歩「…私のアイデンティティが…」

美希「むー。ハニーのバカ」

金糸雀「雛苺、何であの男を連れてきたかしら?」

雛苺「うゅ…仲間外れはよくないのよ?」

雪華綺晶「そういうことではないと思います、桃薔薇のお姉さま…」



………



蒼星石「さて、僕たちも帰る準備をしようか」

翠星石「そうですね」

真「…そっか。お別れか。淋しくなるね」

蒼星石「そうですね。マスター、短い間ですけど、お世話になりま…」

真「…どうしたの?」

蒼星石「…すみません、マスター。もう少し力を貸してください」



槐「さ、それをよこせ」

薔薇水晶「ころして…でも…うばいとる」



………



翠星石「やっぱりきやがったですね」

金糸雀「本当に薔薇水晶かしら」

雛苺「うゅ」

蒼星石「…雪華綺晶」

雪華綺晶「どうしましたか? 蒼薔薇のお姉さま」

蒼星石「このリボン、預かっててくれ」

雪華綺晶「そんな、私も戦います!」

蒼星石「もちろん…ただ、雪華綺晶は最後の砦…まずは僕たちに任せてくれないか?」

雪華綺晶「…わかりましたわ。私も遠隔で援護いたします」

蒼星石「頼むよ。では、マスター、お願いしますっ」

真「了解!」

翠星石「この中では翠星石が主力です…頼むですよ、ちょんまげ人間っ」

亜美「よっしゃ!」

金糸雀「カナもいくかしら。いおりん!」

伊織「ええ、行きなさい!」

雛苺「ミキ、ヒナもがんばるのよー!」

美希「やっつけてやるの!」

雪華綺晶「私もお願いします、雪歩さま」

雪歩「うん、無理しないでね」



………



翠星石「フルパワーでいくです! スイドリーム!」ズゴゴゴゴ

金糸雀「野薔薇のプレリュード!」♪♪♪

雛苺「苺わだち!」シュルルル

薔薇水晶「…」ガキン ガキン



先手はこちら。薔薇水晶は守備に徹している。

きらきーとの戦闘もこんな感じだったと聞く。隙を見て反撃に来るようだ。

予想通り水晶が飛んで…ん?



真「あれ? あさっての方向に?」

雪歩「本当だ…」

美希「ヒナのおかげなの」

真「え?」


美希『決定打がないなら、補助に徹すればいいの。苺わだちだけでも戦えるよ?』

雛苺『そうなの?』

美希『手足をしばりにいくからダメなの。切られる前提で、顔を狙うの』

雛苺『うゅ』

美希『少なくとも顔より上なら、切られてもわだちが残ってウザイの』

雛苺『うぃ!』

美希『理想は目潰しなんだけど、そこまでコントロールできる?』

雛苺《…ミキ、なかなかあなどれん、なの》


雛苺(目潰し…目潰し…目潰し)

薔薇水晶「うざい…」

翠星石「さあ、どんどん行くですよ!」

金糸雀「かしら!」

雪華綺晶「私も加勢します!」シュンッ

薔薇水晶(しばらく…動かない)



………



消耗戦だ。相手に攻撃させていないが、こちらの攻撃もなかなか届かない。

でも…徐々に飛んでくる水晶の数が増えている。数打ちゃ当たる作戦か?

何度かこちらに向かってくるのもあったけど…



蒼星石「でやぁ」ザンッ

金糸雀「助かるかしら」

蒼星石「守備は任せて!」


真『残りのメンバーが遠隔攻撃をしている時に、隙が出来るよね?』

蒼星石『そうですね』

真『そういう時に飛んでくる水晶を全部カット出来れば、全員が攻撃に集中できると思うんだ』

蒼星石『なるほど…』

真『あとさ、蒼星石だけ突っ込むと、誤爆する可能性もあるよね』

蒼星石『そうですね…わかりました。僕は守備に徹します』

真『あ、もちろんそれだけじゃなくって…』


薔薇水晶(攻撃が…お互い…通らない)

薔薇水晶(でも、そろそろ…)

亜美「っ」フラッ

雪歩「亜美ちゃん!」

翠星石「ちょんまげ人間!」

薔薇水晶(やっぱり…攻撃が緩んだ…)

薔薇水晶(この瞬間…動く)ギュンッ



真「来たよ!」

金糸雀「わかったかしら!破壊のシンフォニー!」♪♪♪

雪華綺晶「足止めいたします」シュン

雛苺「止まるのー!」シュルルル

薔薇水晶(あの楽器…苦手…あれを壊す)

薔薇水晶(少々の…ダメージは…いとわない)

真「今だ!」

蒼星石「でやあああ!」

薔薇水晶「!」


真『素朴な疑問だけど、鋏ってそうやって使うの?』

蒼星石『…というと?』

真『いや、刃の方を閉じたまま振り回しても、切れ味悪いんじゃない?』

蒼星石『…あ』

真《ドジっこ蒼星石…というかなぜ今まで気づかない》


蒼星石(突っ込んで来たタイミングで、上から切り落とす)

蒼星石(この一撃に、かける!)

蒼星石「でやあああ!」

薔薇水晶「!」

ザクッッ!



蒼星石(…くっ。髪だけ)

薔薇水晶「ふんっ」バキ

蒼星石「うわぁっ」

真「蒼星石っ」

薔薇水晶「危ない…仕切りなおし…」ギュンッ

金糸雀「止まれ! 止まるかしら!」♪♪♪

雛苺「止まるの!」シュルルル

雪華綺晶「止まりなさい!」シュンッ

薔薇水晶「壊れ…ろ!」ブンッ

金糸雀「!」

プツン



金糸雀「あああ!弦がほとんど切れちゃったかしら!」

美希「やばいの」

雪歩「はぅぅ」

伊織「…」

薔薇水晶「痛かったけど…これで…あなたは…用済み」

金糸雀「ぅぅ…」

薔薇水晶「もう…私の勝ち…大人しく…渡せ」クルッ

金糸雀(カナに背を向けた…チャンス!)


伊織『あんたのヴァイオリン、どういう仕組みで攻撃が起こるかわからないけど…』

金糸雀『カナに攻撃の意志があれば、どんな曲もそれなりの攻撃になるかしら』

伊織『ふーん。じゃあ、アンタ、ゲーセンだけは死守しなさい』

金糸雀『ゲーセン? ゲームしにいくかしら?』

伊織『違うわよっ。ヴァイオリンの話に決まってるでしょうが!』

金糸雀『…い、今のはほんの冗談かしら。カナもそのくらい知ってるかしら』

伊織『…まあ、いいわ。それでね…』


金糸雀(いおりんに教えてもらった曲…もちろん曲自体は知っていたかしら)

金糸雀(でも、"一本の弦でも弾ける"というのは知らなかったかしら…いおりんは物知りかしら)

金糸雀(普通に弾くより攻撃力は劣るけど、不意討ちなら…)

金糸雀「G線上のアリア!」♪♪♪

薔薇水晶「!」バタン

伊織「よし!」

金糸雀「今かしら! 追撃するかしら!」

翠星石「任せろです! スイドリーム! フルパワー!」ズゴゴゴゴ



薔薇水晶(なぜ…金糸雀が…それより)

薔薇水晶(なぜ…翠星石が…復活?)

薔薇水晶「!」

真美「んっふっふ~。どんどん行けーっ」

翠星石「あたぼうですよ、しっぽ人間! オラオラオラァ!」バキッ バキッ

薔薇水晶「くぅ(契約者が…二人?)」

美希「よし、とどめなの!」

雛苺「うぃ。ぺしゃんこになっちゃえー!!」

薔薇水晶(よけられ…ない)

ズーン



金糸雀「やったかしら?」

雛苺「うぃ」

…ピシッ バキン

薔薇水晶「はぁ…はぁ」

翠星石「くぅ、しぶといやつですね」

雪華綺晶「…お姉さま方、後は…」



薔薇水晶「まだ…まだ」

雪華綺晶「そうですか。残念ながらあなたのお父様はそうは思ってないみたいですよ」

薔薇水晶「え?」

槐「薔薇水晶、もうやめておけ。お前ではもう無理だ」

薔薇水晶「いえ…私は…まだ」

槐「こんなにボロボロになって、恥ずかしくないのか? もうあきらめろ」

薔薇水晶「そんな…」

槐「もうお前はおしまいだ」

薔薇水晶「お父様っ」

ザクゥゥゥ!!

雪華綺晶「絶望と共に散りなさい…」ニタァ

薔薇水晶「」バラバラ



………



美希「最後は何が起きたの?」

真美「完全に敵の動きが止まってたよね」

亜美「はぁはぁ…そだねぃ」

翠星石「…やっぱり恐ろしいですね、末妹」

雪華綺晶「あら、これでも温い方ですわ。最期にお父様と話せたから本望でしょう」

雪華綺晶「"幻の"ですけど」ニタァ

雛苺「その笑顔はやめて欲しいの…」

伊織「なるほど。幻覚を見せてたってわけね」

雪歩「きらきーちゃん、そんなことまで出来ちゃうんだ」

真「ボクの漫画読んだんじゃ…さて、ところで」

伊織「そうね。どうするのかしら、"本物の"お父様?」

槐「…」


「私にお任せを」


………


翠星石「あー!お前は!」

真美「人面ウサギ!」

伊織「逆よ」

金糸雀「ラプラスの魔かしら…」

槐「白崎…今回もか」

ラプラスの魔「ええ。ウサギは退屈だと死んでしまいますから」

槐「また掌で弄ばれていただけ、か」

ラプラスの魔「そうおっしゃらず。貴方も楽しまれてたでしょう?」

槐「…そうだな。もう充分だ。好きにしてくれ」

ラプラスの魔「では、私と一緒に消えましょうか」



ラプラスの魔「それでは、この者は私が預かりますので、どうかご安心を」

翠星石「…安心できないけど、しゃーねーです。お前とは話にならんからとっとと消えろです」

蒼星石「姉さん…」

ラプラスの魔「皆様、いい退屈凌ぎでした。それでは、またの機会に」パアアアア



翠星石「もう二度と会いたくねーです! 一生出てくんなです!」

真美「消えちゃって聞こえてないっぽいよ、翠っち…」



………


どもっ(・◇・)ゞ ボクです。

あの激闘の直後、リボンの思念?が強いうちに帰らないと、ということで唐突に別れの時が来た。

淋しかったけど、『また遊びに来てね』というのが精一杯。泣くヒマもなかったよ。

そして、戻った日常。アイドルとして充実した日々を送っていた、ある日…



雪歩(ふぅ、今日も真ちゃんカッコよかったな)

雪歩(明日も一緒に仕事が出来るなんて、幸せだね)

雪歩(今日はそろそろ寝よう…おやすみなさい)


ダアレガ コロシタ コマドリサン


雪歩「ひぅっ」ビクッ

雪華綺晶「…」ニタァ

雪歩「…」

雪華綺晶「…」ニタァ

雪歩「あー、きらきーちゃん! 遊びに来てくれたんだね! 目の薔薇も復活してるし! これは皆に連絡しないと!」

雪華綺晶「…もう少し怖がってください、雪歩さま。イタズラのかいがないです…」



………



雪華綺晶「紅薔薇のお姉さまが復活したので、代表してお礼をしに参りました」

真「それは良かったね!」

雪歩「わざわざありがとう、きらきーちゃん」

雪華綺晶「美希さまは?」

伊織「寝てるわ。あの感じだと朝まで起きないし、諦めたわ」

雪華綺晶「あらら…春香さまは?」

亜美「それがさ、あのリボンのお礼に来たよ、って言ったら…」

春香(真美)『な、な、な、そんなの知らないっ』

亜美「って、めっちゃ照れてたから来ないっぽいよ」

雪華綺晶「…そんなに恥ずかしがらなくてもいいですのに…」

真「誰しも黒歴史ってあるんだよ。ほら、きらきーもボクの家で」

雪華綺晶「あーあーあー。そういえばお礼の品を預かってますわ!」



雪歩「紅茶…ヤクルト…卵焼き…苺大福…」

伊織「…気持ちだけ受け取っときましょう。全部返すわ」

真「それがいいね」

雪華綺晶「そうだと思いましたわ…こういうことが苦手なお姉さまばかりで、申し訳ありません」

真「いやいや、こうやって遊びに来てくれるだけで嬉しいよ」

亜美「そーそー。気にすんなー」

真美「ちなみに、きらきーは?」

伊織「何催促してんのよ」

雪華綺晶「私は翠薔薇のお姉さまと蒼薔薇のお姉さまと共同で、皆様にこれを…」



………



きらきー達からの贈り物、『ささやかなもので申し訳ありません』だってさ。充分嬉しいよ。

その日は夜遅くまで語って、亜美真美が寝たところでお開きになった。

きらきーも早く本来のマスターの所に帰りたいだってさ。

好きなの?って聞いたら即答で『はい』だって。それなら仕方ないよね。



またいつか会える日を信じて、いつもの日常に戻る。

ボクの部屋に似合わない、一輪の薔薇を残して…


~Fin~