響「自分が我那覇響だぞー!」

真美「自分も我那覇響だぞー!」

響「わかりやすいウソつくな」

真美「まぁまぁひびきん、世の中いろいろコーフンするものあるけどさ」

響「うんうん」

真美「一番コーフンすんのは、初めて行った街で、地元の人に道聞くときだよねー!」

響「間違いないぞ」


…… ※ ……


真美「うーん、駅までは着いたけど、この街初めてなんで道がわからないなー。
   あ、あそこに地元の人っぽい人が歩いてるから、道を聞いてみよう。
   すいません、そこの暇そうな彼女」

響「ケンカ売ってんのかこの野郎。暇じゃねぇよ! 忙しいんだよ、なんなんだよ!」

真美「あのー、市民会館までの道を教えて欲しいんですけどー」

響「ああなに、市民会館? 市民会館ならそこの交差点を左に曲がればすぐだよ」

真美「すぐって、どのくらいすぐですか?」

響「知らねぇよ! すぐったらすぐだよ、うるせぇな!」

真美「え、そんなこともわからないのに、すぐとか断言しちゃうんですか?
   ちょっとあなた、見知らぬ人間に対して失礼じゃありませんか?」

響「そもそもお前が失礼だよ! 人に道聞いといてなんだその態度は!」

真美「ちょっと言ってることがわかんないです」

響「なんでわかんねぇんだよ! ふざけんなよお前ホントマジで!」


…… ※ ……


響「正味100mもねぇから、すぐだろ。ウサイン・ボルトなら10秒で着くわ!」

真美「いい加減にしてくださいよ、誰がブサイクポークですか!」

響「言ってねぇよ! なんだブサイクポークって、意味わかんねぇよ。じゃあな!」

真美「ちょっと待って待って、待ってくださいよ!」

響「なんだよ道なら教えてやったろ!?」

真美「そこの交差点ってどこのベストテンですか?」

響「ベストテンじゃねぇよ! 意味わかんねぇだろ!」

真美「今週のスポットライトー!」

響「久米宏かお前は!」

真美「じゃあどこのテレサ・テンですか!」

響「交差点ったら交差点だよ! なにがテレサ・テンだよ、自分でもつぐなってろ!」


…… ※ ……


真美「だからその交差点はどこですか!」

響「そこの交差点ったら、目に見えるところに交差点あんだろうがよ!」

真美「……ここですか」

響「自分の股間は交差点じゃねぇよ! 何が交差してんだ!」

真美「愛と欲望が渦巻いて、交差してるんじゃないんですか!」

響「してねぇよ! 昼メロみたいな言い方すんな!」

真美「じゃあ交差点はどこなんですか!」

響「ほら、あっちに信号あんだろ! あそこだよ!」

真美「信号なんでありませんよ?」

響「どっち向いてんだよお前はぁ! こっち! 自分が指差してる方を見ろ!」

真美「ああ〜、あの信号ですか〜」

響「そうだよ、すぐわかんだろ。じゃあな!」

真美「いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ!」

響「ひな壇芸人かてめぇは! なんだよ! わかっただろ道!」

真美「あそこの交差点までは、どう行けば良いんですか!?」

響「道路まっすぐあるだろおおお!! まっすぐ歩けまっすぐ!!」


…… ※ ……


真美「あなたね、まっすぐまっすぐって簡単に言いますけどね!」

響「言うだろそりゃあ! まっすぐ歩くくらいできるだろ!」

真美「じゃあカニはどうやって、あの交差点に辿り着けば良いんですかあああ!!」

響「カニの心配よりお前のアタマを心配しろ!!」

真美「じゃあカニのことは置いといてあげますよ!」

響「二度と戻さなくて良いからな!」

真美「実際どのくらいまっすぐ歩いて、どのくらいの角度で左に曲がるんですか!」

響「そんなことまで教えねぇと、お前は道も歩けねぇのかよ!!」

真美「ほら、やっぱりわからないんじゃないですか」

響「なんで苦笑いだよ! もう良いからタクシーにでも乗ってけよ!」

真美「タクシー乗り場はどこですか?」

響「そこにあんだろ!」

真美「そうですか、そうします。ありがとうございました」

響「…………あいつヨコに歩いてる!?」

ひびまみ「「ありがとうございましたー」」