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春香「はいはいはいはい!! はいはいはいーー!!」
伊織「テンション高いわねー」

春香「やってきましたよー! 私が!」
伊織「いや、どうも、本当ありがとうございます」

春香「いや~~~~~~梅雨だね」
伊織「ちょっと待って「この道を」のくだりは?」

春香「え?」
伊織「え?」

春香「……っと、まぁ、ちょっと何言ってんだか解らないんですけどもねぇ、梅雨ですね」
伊織「始まる前にあるでしょうよ!? この間決めたアレが」

春香「はい、と言う訳でハルカなるイオリな訳ですけども!」
伊織「やらないならやらないって言ってくれないかしら!? ちょっとドキドキしちゃったからね!?」

春香「いや~~梅雨っ!!」
伊織「どんだけそっから始めたいんだ!? まぁ、そうね梅雨ね」

春香「雨の季節ですよ」
伊織「まぁ、まだ梅雨入りの発表はされてないようですけどね」

春香「雨ならではの職業って言うのはまぁ~~沢山ありますけどね」
伊織「え? …………ある? え? んんん??」

春香「いや……ちょっと……解ります? 今、伊織に引いてるの」
伊織「えー!? ちょっと考えたけどごめんなさい、思い浮かばなかったと言うか」

春香「まぁその話は置いといて、私ってお菓子作りが好きな所があるんですけども」
伊織「気になるわ!! 相方に引いた案件ほっぽりっぱなしで次行くな!! 私だけ損した感じになってるでしょって!!」

春香「今日はね、アシスタントに伊織ちゃんを一つまみ用意しまして」
伊織「私の一つまみって何だ!? って言うか梅雨のくだり要らないの!?」

春香「クッキーを作って行こうと思うんですけどもはい」
伊織「もうダメだわ、これ私が何を言っても進行変えないパターンだわ」

春香「そんな訳で今日は伊織と一緒にお菓子作り番組的なニュアンスでお送りしたいなと」
伊織「良いわよお菓子作りで、的なニュアンスとか言っちゃうとボヤってするでしょうよ」


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春香「こんにちは」
伊織「こんにちは」

春香「梅雨の日の、哀しき雨に…………ほよよよよ、天海春香のお菓子」
伊織「下手か!!」

春香「なんですか」
伊織「ほよよよよじゃないの!! 苦手なら俳句とかぶち込んでこないでくれない!?」

春香「天海春香のお菓子教室です!」
伊織「はい、今日はよろしくお願いします」

春香「さぁ、天海先生、今日は?」
伊織「ややこしいわ!! 何で私が天海先生だ!? 天海先生は天海春香がやりなさいよ」

春香「さぁ、と言う事でね、今日はクッキーをもう! 死ぬ気で!! 命の限り作って行こうと思っているんですけどもっっ!!」
伊織「引く引く!! 客が引く!! もうちょっと軽めのテンションでお送りしなさいよ」

春香「材料の方はこちら」
伊織「はい」

春香「小麦粉的な物、300g」
伊織「的な物やめてくれない? 小麦粉でやってくれない?」

春香「葉っぱを乾燥させて最終的に白く小麦粉的な感じになったもの末端価格」
伊織「やめて? 300gもあったら大した物よ? それ」

春香「お豆腐2丁」
伊織「お豆腐?」

春香「はい、今日はね、お豆腐でね作っていきたいと思っております」
伊織「へぇ! 流石春香ね、私お豆腐で作れるだなんて知らなかったわ」

春香「冷奴を」
伊織「じゃあ豆腐だよ!! 置いてちょちょっとやって終わりだよ!! クッキーどこいったんだよ!!」

春香「材料はご覧の! ご機嫌なメンバーでお送りしていきます~!」
伊織「はしょるな! 材料紹介をはしょるな! お菓子だし大事だろうが!!」

春香「早速作っていきますよ~~」
伊織「お願いします」


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春香「まずは小麦粉をねザルにかけますと、ほら! ほんのりとクッキーの甘い香りが」
伊織「じゃあもうそれ小麦粉じゃないよ!! なんでザルでふるっただけで限りなく完成してんの!?」

春香「コレ、やるとやらないとでは大分違いますから、このザルでふるうの」
伊織「そうなの? やっぱりこういう細かい作業で出来上がりに差が出るのね」

春香「ちょっと専門的で具体的な事を言うと、コレをやる事で私のテンションが上がります」
伊織「気分的な問題なの!? じゃあ私は出来うる限りはしょりたいわよ!!」

春香「たーまーごーーーー」
伊織「急にキャラ変えるのやめて?」

春香「なんとか頼み込んでやっと入手したこの卵を、本当大変だったコレを」
伊織「いいよ! 入手経路に関しては視聴者そんなに食いついてこないのよ、ちゃちゃっと入れなさいよ」

春香「片手か両手かで言われれば~~? 両手で~~ど~~ん!」
伊織「ウザったいのよ!! それに両手でやるなら普通でしょうよ!? 何ちょっと含みもたせてきてんのよ!」

春香「ボウルの中を見てください! 小麦粉と卵でしょう!?」
伊織「だよ!!」

春香「そこに牛乳っ、砂糖っ、そして、今日はコレを使います、このっオリーブオイルを」
伊織「もこみちか!! 言い方とか入れ方とかソレっぽくていちいち疲れるのよ」

春香「じゃあ生地を混ぜて下さい、バッサリと」
伊織「殺すつもりか! 生地を! ザックリとでしょうが、そこは」

春香「良いですよ」
伊織「はい」

春香「良いですね~」
伊織「はい?」

春香「混ざってます」
伊織「はい」

春香「今、まさに、伊織が混ぜてます」
伊織「まぁ、はい」

春香「その間に出来上がったのがこのクッキーです」
伊織「結果を出すな出すなぁ! 最後に出せ! それはぁ!!」


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春香「さて、この混ぜ終わった生地を」
伊織「はい」

春香「一回ベッドに寝かせます」
伊織「具合悪いのか!? 冷蔵庫とかじゃないの!?」

春香「そして寝かせたのが、こちらの材料です~」
伊織「戻るな! なんで混ぜる前の状態紹介してんのよ!!」

春香「生地が良い感じになってきましたね」
伊織「先生、このいい感じって言うのはどういう判断で?」

春香「こう、なんて言うんですかね、生地の堅さが」
伊織「はい」

春香「ちょっと分厚いダンボールを2枚くらい重ねた所にノリを数滴垂らしたくらいになれば」
伊織「伝わらない伝わらない! なんだちょっと分厚いダンボールにノリを数滴って!」

春香「そうですね? 耳くそ程度の堅さに」
伊織「耳タブな!? 耳タブで良いな!?」

春香「次に生地を人生の型にはめていきます」
伊織「可哀そうでしょ~!? 生まれたばっかなのよ~!?」

春香「上司の責任なのにお客様に謝ってる人型に」
伊織「テンション下がるでしょうよそんな型に入れちゃったらぁ!」

春香「今日はね、可愛い、トランプの柄の型を用意しちゃいました~」
伊織「まぁまぁ定番ではあるわよね」

春香「まずは、このハート様」
伊織「良くあったわね!? ハート様の型!! え!? 全部KING親衛隊の形してんの!?」

春香「ハート、スペード、クローバーの型、そして残りはこのタイヤで!」
伊織「ダイヤ無かったなら無理に代替持ってこなくていいのよ!! タイヤでやめろやめろ!! 抜くな抜くな!! ゴム臭くなるからぁ!!」

春香「これをね、180度考え方が変わったオーブントースターに」
伊織「じゃあ冷めるよ! 180度に熱したでしょ!? めんどくさいのよいちいち」

春香「焼き色を時が洗い流してくれるまで熱しましょう」
伊織「哀しい思い出とかじゃないのよ!! 焼き色は!!」

春香「こうして出来上がったのがこちらの冷奴です」
伊織「もういいよ」


春香「どうも! ありがとうございましたー!」
伊織「どうも! ありがとうございましたー!」




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律子「…………伊織の喉が心配ね!」