出囃子:二上がり羯鼓 
「チントンシャンテン チントンシャンテントン」

春香「たまの日曜日、こんなにお運びいただきまして、ありがとうございます」

春香「今年は私たちの新作ゲームが出ることが決まっていたので、事務所のみんなで初詣に行ったんですよ!
みなさんは初詣、行きました?私はおみくじ大吉だったんですよ!帰り道に転びましたけどね」

春香「お雪!今日は天神様にお参りに行ってくるよ!」

春香「真ちゃん、私は夕餉の準備に時間がかかりそうだから行けないんだけど」

春香「うーん、いいよ!とりあえず一度はやめに天神様に顔を出してこないと」

春香「それじゃ真ちゃん、貴音ちゃんも連れていってね」

春香「え、貴音も・・・?」

春香「貴音はお父さんと遊びたい!って最近毎日のように行ってるのよ?頼むわね」

春香「いや、でもさ、天神様のとこってラーメン屋があるじゃない?ねだられるんだよ」

春香「それは真ちゃんのお小遣いと相談してね」

春香「お父様、何を愚図愚図としているのですか。速やかに天神様に参りましょう!」


春香「こんな感じで、真は愛娘、貴音を連れて初天神に向かいます。
真も懸念しておりましたが、その道すがらにはさまざまな誘惑があるわけでございます」

春香「いいかい貴音、くれぐれもパパの言うことを聞くんだよ。我が儘はいけない」

春香「はい。私、そういった作法は心得ております・・・お父様、あちらに見えるのは」

春香「綿菓子売りだね」

春香「綿菓子、それは美味しいのですか」

春香「そうだね。お母さんは好んでいるね」

春香「お父様、わたくしもそれを

春香「貴音、さっきの約束を思い出してごらん」

春香「っ!き、今日は、我が儘はいたしません」

春香「よし、えらいぞ」

春香「お父様、あの御店は」

春香「天神ラーメンの天神通り店だね」

春香「お父様、この御店は替え玉が1玉無料です」

春香「よく知っているね」

春香「替え玉代の節約になります。ここで食事にいたしましょう」

春香「貴音、さっきの約束を思い出してごらん」

春香「っ!き、今日は、我が儘はいたしません」


春香「こんな具合で、貴音の我が儘をいなして天神様の石段の袂にやってまいりました。
いやぁこの石段が200段。私だったら3回くらい転んじゃうんじゃないかなあ、
そんな石段を見上げると、貴音の腹から、ぐーと虫が鳴きだします」

春香「貴音、お腹がすいたのかい?」

春香「はい、いつもはおやつの頃合いです」

春香「そうか、それじゃ何か小腹に入れようか」

春香「はい、父上!」


春香「こう言ったかと思うと、石段を登らずに通りを行ってしまったから真もびっくり、追いかけていくと」


春香「おーい!どうした貴音!急に走って」

春香「お父様、らぁめん二十郎でございます」

春香「小腹を満たそうって言ったよね?」

春香「はい。ヤサイダブルはわたくしの分だけにしておきましたので、ご安心ください」

春香「えっ」

春香「お待たせしましたー二名様ー」


春香「貴音、なんとあっという間に二人分のラーメンを注文していたから驚き。
さすがに注文してしまったものを取り消すのも申し訳なく、店内にと入る真と貴音」


春香「なあ貴音、お金はどうしたんだい?ここは食券制なんだろう?」

春香「お母様から、お父様のお小遣いを前借りしてお預かりしておきました」

春香「やられた・・・」


春香「そうこうしている間にラーメンが二人前、到着するわけです。
かたやメンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシ、これはもうあれですね。
ラーメン界のチョモランマですよ!真の分は、というとメンカタメ以外は標準のラーメン、
といっても、こちらのラーメン界の富士山くらいはあるっていう寸法です」


春香「うわっ」

春香「お父様、食事中です、はしたないですよ。食事に集中致しましょう」

春香「そ、そうだな。しかしえらい量だな」


春香「まぁこのラーメン、本当にものすごい量なんですが貴音はものすごい勢いで食べていきます。
一方の真、もともと食べるのが苦手ってわけじゃないけど、いかんせん量が凄過ぎる」


春香「お父様、どうしたのですか、遅いですよ」

春香「そんなこといったって、貴音が早いんだよ!」

春香「お父様、後ろにお待ちのお客様もいるので、先に外に出ております」

春香「うん、すまないけどそうしてくれるかな」



春香「ガラガラガラ」

春香「ふぅ、あの量のらぁめんにあんなに時間をかけてしまうとは・・・。
ろっと乱しを犯すとは、なんとぎるてぃな父上。
こんなことならば、連れてくるのではありませんでした」