P「死にたい」

律子「はい?!」

P「死にたい、もう死にたいんだ、律子」


律子「ちょ、ちょっと待って下さい。まだ労働基準監督署とかに行ってないですよね?  SNSとかにそういうの書き込んでませんか? アカウントのIDとパスワード教えてもらっていいですか?」

P「ちょっと待って、なにさらっと証拠隠滅図ろうとしてんの?」

律子「冗談ですよ」

P「いや、まあ俺も半分冗談なんだけど」

律子「その半分は」

P「……俺はな、律子。あずささんに、看取られて死にたいんだ」

律子「……」

P「何その目」

律子「来る所まで来たんだなと」

P「イッちゃった人みたいに言うのやめてくれない?」

律子「で、その心は」

P「例えばさ――――」


P「あずささん、段差がありますからね、気をつけてください」

あずさ「もう、プロデューサーさんったら大袈裟なんですから」

P「明日はあずささん晴れの舞台ですからね」

あずさ「うふふっ。プロデューサーさんのおかげです」

P「そうですnっと!」

あずさ「ほら、よそ見してるから……プロデューサーさん?」

P「」

あずさ「し、死んでる……!」


あずさ「プロデューサーさーん!!!!」

このーさかーみちーをー♪

(死因:段差から足を踏み外したため)



律子「お前はスペランカーかよ」

P「懐かしいな」

律子「アイレム……」

P「R-type良いよな」

律子「あ、私は絶体絶命都市の方が」

P「通だな」

律子「柘植さんルート良いですよね。タクシー運転できるの」

P「俺はやっぱ西崎さんルートかなぁ」

律子「うわ」

P「引くなよ」

律子「早く新作出ませんかね」

P「やる時間無いけどな」

律子・P「「はははははは!」」


P「何の話だっけ」

律子「Pがあまりに耐久値なさすぎ問題」

P「……じゃあ、もうちょいキツめに行くぞ。例えば――――」


あずさ「はい、プロデューサーさん。今日は私の手作りお弁当ですよ~」

P「うわマジっすか! これでやっとコンビニ弁当の日々から解放される」

あずさ「うふふっ。この卵焼きなんて、私とっても自信があるんですよ~」

P「苦節2ちょめちょめ年。ようやく我が世の春、お父さん、お母さん、僕を産んでくれてありがとうございました」

あずさ「はい、プロデューサーさん。あーん」

P「あーん」

あずさ「どうですか~プロデューサーさん。お口に合います、か……?」

P「……」

あずさ「プロデューサーさん?」

P「……」

あずさ「そ、そんな……死んでる」


あずさ「プロデューサーさーん!!」


あなーたがーすぐーそばーにいるよーにー♪

(死因:あずささんのお弁当が美味しすぎて)


律子「ストーーーーーーーーーーーップ!」

P「この世に未練はない、さらば愛しのあずささん……」

律子「おい戻ってこいってんだよこんちくしょう」

P「何だ律子。人が気持ちよくあの世に逝こうとしてるのに」

律子「卵焼き食ったくらいで死ぬな!」

P「なんだと律子! あずささんがあーんしてくれたんたぞ!」


律子「プロデューサーさん、手元の辞書を開いてください」

P「はい」

律子「はい、看取る、と調べてください」

P「はい」

律子「なんて書いてありますか」

P「看取る、病人の世話をする、看病する、病人の死期まで見守る」

律子「スペ○ンカーPでは、単なる事故死です」

P「事故死」

律子「もう少し死ぬまでに余韻をもたせましょう」

P「なんか目的が変わってきたな。例えばーーーー」



P「ゴホッゴホッ……あずささん……こんな病人に付き合わなくても良いんですゴホッゴホッ」

あずさ「そういうわけには行きません。私の大切なプロデューサーさんですから」

P「でも、あずささんだってレッスンがホッゴホッホッ」

あずさ「はい、おクスリですよ……」

P「すみません、僕が不甲斐ないばかりに、あずささんには苦労ばっかり掛けて……」

あずさ「馬鹿。それは言わないお約束ですよ、おとっつぁん」

律子「仕事の時間だコラァ!」

P「ひっ、律子」

律子「てめぇこの前約束した仕事の書類は何時になったら出来上がるんだぁ」

P「も、もう少し待って」

律子「テメェが出来ねえってんなら、この娘を代わりに貰っていっても良いんだぜぇ」

P「お、おやめください」

律子「しゃらくせえ!」

P「ぐあ!」

律子「次に来るときまでは耳揃えて書類を出してもらうからな」

あずさ「ひどい人……おとっつぁん、大丈夫?」

P「……」

あずさ「おとっつぁん……?おとっつぁん!!!」

かーんじてーしまーうわたーしのとなりにーいてー♪

(死因:ヤクザに蹴られて)



律子「おい待てこら。何でヤクザやねん」

P「定番だろ?」

律子「お前は志村けんか」

P「ハナ肇かなーって」


律子「文字の意味を考えなさいって言ったでしょ」

P「律子ならどうするんだよ」

律子「え? 私ですか、私ならーーーー」


律子「あの木の葉っぱが落ちたら、私は死ぬんだわ」

あずさ「何を気弱なこと言ってるんですか」

律子「……そ、そうですよね」

あずさ「先生だって、治療を続ければ問題ないって言ってたし」

律子「でも、でも私!」

あずさ「馬鹿!」

律子「」

あずさ「そんな気弱な律子さんなんて大嫌いです!」

律子「」

あずさ「だから私は……律子さん?」

律子「」

あずさ「し、死んでる」

とおーいかなーなたーへーたーびーだったー♪

(死因:あずささんに大嫌いと言われた)


P「律子も大して変わんねーじゃねーかwwwwwwwバーカバーカwwwwwwwww」

律子「でもあずささんに大嫌いと言われたら」

P「死ぬ」

律子「な?」

P「それな」


律子「じゃあ、ここは真剣に最良の看取られ方を考えてみましょう」

P「もうなんかどうでも良くなってるだろ?」

律子「若干」

P「やっぱ家で死にたい」

律子「分かる」

P「ちゃんと人生を全うしたい」

律子「それ、それ重要」

P「安らかにな」

律子「苦しまずに」

高木「君らもう家に帰りなさい」