1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/02(土) 09:51:12.28 ID:UEcSETQho
スレ立て代行です

2: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 09:52:20.77 ID:MG4M0xPG0
柏手の安「新人寿司コンクール、次の課題は『アイドルの弱み』です」 

将太「アイドルの弱み……」 

柏手の安「みなさんがどのようなアイドルの弱みを、どう握るのか。審査員一同、楽しみにしています!」


3: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 09:53:38.53 ID:MG4M0xPG0

百目の辰「アイドルの弱みだって?」

将太「ええ。それで辰さんに、相談を」

百目の辰「うーん、アイドルの弱みなあ。アイドルって言っても色々あるからな」

将太「そうなんですか?」

百目の辰「おいおい、大丈夫かそんなんで」

将太「辰さんは、アイドルに詳しいんですか?」

百目の辰「ああ。ここ築地には、日本中からアイドルが集まってくるからな」

将太「さすが、辰さん!」

5: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 09:55:32.64 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「まあアイドルは個々の素材も大事だが、どこで穫れたアイドルかっていうのも重要だ」

将太「アイドルにも産地があるんですか?」

百目の辰「当たり前だろ。例えば、ろこどるなら千葉の流山。WUGなら仙台。ラ!は秋葉原と神田と神保町あたりだな」

将太「聞いた事あります」

百目の辰「それに今は、海外からもアイドルが入ってきてるからな」

将太「へえー。あ、このアイドル……大きいですね!」

6: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 09:56:35.78 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「ん? ああ、それは及川雫だ。胸の大きさではコイツが一番だな」

将太「本当に大きいですね」

百目の辰「胸だけがアイドルの魅力じゃあないが、やはり胸の大きさはひとつのアピールポイントだからな」

将太「なるほど……あれ? こっちのアイドルは及川雫ほど身は大きくないですけど、負けないぐらい胸がノッてますね」

7: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 09:58:28.79 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「わかるか。これは片桐早苗だ。通の間では、もうセクシーすぎてゴメンね脳天直撃ボンキュッボーン、とも呼ばれて珍重されているアイドルだ」

将太「それからこっちのアイドルも、胸のノリがすごいですね!」

百目の辰「大沼くるみだな。同じ胸が大きいアイドルでも片桐早苗が大人で強気なのに対し、大沼くるみは若さと可愛らしさで人気があるんだぜ」

将太「すごい。だけど……こうまで胸の大きなアイドルが揃っていると、かえってどのアイドルがいいのかわからなくなってくるぞ」

百目の辰「まあじっくりと吟味するんだな。どう弱みを握るのかは、それからだ」

P「……フッ。やれやれ、新人寿司コンクールに出場していると聞いたからどれほどのものかと思えば」

8: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 09:59:25.33 ID:MG4M0xPG0
将太「えっ!?」

百目の辰「おい、見ない顔だが何者だ!?」

P「大きい胸にばかり目がいってるようでは、勝てんと言っておるのだ」

百目の辰「なんだと!?」

将太「待って下さい! それはどういう意味ですか!?」

P「胸のないアイドル……弱みを握るならそれが1番だ」

将太「胸のないアイドル!? そんなアイドルがいるんですか!?」

9: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:02:30.32 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「馬鹿を言うな!」

将太「辰さん?」

百目の辰「そりゃあアイドルの中にも幼女、つまりまだ成長しきっていない稚アイドルには胸のないものもある。けどそれは、その未成熟な新鮮さを楽しむためのものだ!!」

10: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:03:34.90 ID:MG4M0xPG0
Ul0LaQT

龍崎薫(9歳)

11: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:04:43.52 ID:MG4M0xPG0
将太「確かに……一般に胸のないアイドルと言われていても、いざ水着グラビアとかになると意外に胸があることが多い……本当に胸のないアイドルは稚アイドルしかいないはず」

P「果たしてそうかな」

将太「え?」

P「まあどんなアイドルの弱みを握るのか、じっくりと拝見させてもらおう」

将太「あ……あの!」

百目の辰「ほっとけ将太」

将太「でも……」

12: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:06:34.69 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「稚アイドルじゃない、成長したそれでいて胸のないアイドルだって? そんなのいるわけないだろ!」

将太「それは……」

百目の辰「馬鹿馬鹿しい! 帰るぞ、将太」

将太「……」

百目の辰「どうした?」

将太「辰さん、僕やっぱり……さっきの人の言ってた事が気になるんです!」

百目の辰「将太……フッ、わかったよ」

将太「え?」

百目の辰「お前はいつもそうやって、ここまで勝ってきたんだからな。お前のやりたいようにやってみろ」

将太「はい!」

13: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:07:48.39 ID:MG4M0xPG0

将太「確かこっちの方に……」

P「ワシに何か用かな?」

将太「あ……は、はい! 胸のないアイドルのこと、もっと聞きたいんです!!」

P「ほう……これがわかるか」

将太「え? これは……確かに胸が小さい……」

P「高森藍子だ。バストのサイズは74㎝ほどだ」

14: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:08:57.38 ID:MG4M0xPG0
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高森藍子(16歳)

15: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:09:38.34 ID:MG4M0xPG0
将太「なるほど小さい……でも!」

P「まあまあ、こちらのアイドルも見てくれ」

将太「この娘は……シンデレラガールズじゃありませんね」

P「同じアイマスだが、こちにはミリオンスターズの真壁瑞希だ。17歳だがバストのサイズは73㎝ほどだ」

16: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:10:42.67 ID:MG4M0xPG0
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真壁瑞希(17歳)

17: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:11:11.92 ID:MG4M0xPG0
将太「確かに……これはかなり小さいですね」

P「うむ。しかし先程、君も言っていただろう?」

将太「え? あ……!」

18: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:12:14.22 ID:MG4M0xPG0


将太「確かに……一般に胸のないアイドルと言われていても、いざ水着グラビアとかになると意外に胸があることが多い……本当に胸のないアイドルは稚アイドルしかいないはず」



20: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:14:13.67 ID:MG4M0xPG0
P「この高森藍子にしても、真壁瑞希にしても、本人達は……」

21: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:16:54.40 ID:MG4M0xPG0
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22: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:17:29.69 ID:MG4M0xPG0
P「……こう言っている。彼女たちは胸の小さいことを気にしつつ、恥じらっている。そこが共感を得る。可愛いのだ」

将太「確かに……そうか、親方が以前言っていた『ワシは貧乳が好きなのではない。貧乳の娘が恥じらうのが好きなのだ』っていうのは、そういう意味だったのか!」

P「ふむ。さすが、当代随一の寿司職人と賞賛される、鳳寿司の鳳征五郎。よくわかっておられる」

将太「つまりこの娘たちは胸の大きさが小さい事は、欠点ではなくむしろ長所なんですね」

P「そうだ。そして水着グラビアになった所を見てわかるように、高森藍子にしても真壁瑞希にしても、控え目であるだけでちゃんと胸はある」

23: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:19:18.37 ID:MG4M0xPG0
将太「じゃあ、胸のないアイドルっていうのは……!」

P「ワシはかつて……1度だけ、765プロで見たことがある。胸のないアイドルを……」

将太「それは!?」

P「如月千早……それがそのアイドルの名だ」

24: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:20:12.63 ID:MG4M0xPG0
将太「如月千早……でも、765プロっていうのは」

P「そうだ、ミリオンスターズの台頭で今や765プロはミリオンの代名詞となっておる。しかし、だ。かつて765プロの13人のアイドルはアイマスの中心的存在だった」

将太「そうだったんですか?」

P「その証拠に、シンデレラガールズでもかつてはRのみならずSRにも765プロの13人のアイドルが登場していたものだ」

将太「あっ……! そうだ、僕も見たことがあります」

P「今となっては新規登場カードも見込めないが、な……」

将太「如月千早……765プロ伝説の13人のアイドル……」

P「ワシは今でもその姿を追い求めているのやも知れんな……関口将太よ。無理は言わん、だが如月千早を……次の課題で使ってみてはくれないだろうか」

将太「……わかりました! やってみます!!」

26: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:23:13.28 ID:MG4M0xPG0

大政「親方、将太のやつまたとんでもないことを!」

鳳征五郎「……胸のないアイドルか。フッ将太め、鋭い所に目をつけたな」

小政「笑い事じゃありませんよ親方、胸のないアイドルそれも765プロASの弱みを今から握るなんて正気の沙汰じゃありませんぜ」

征五郞「確かに今から新規にミリオンスターズを始めようとしても如月千早、それも極上のカードを引くことは困難」

大政「将太の野郎、どうするつもりなのか……」

小畑慎吾「大変です、親方!」

鳳征五郎「どうしたシンコ」

慎吾「将太君が……!」

27: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:24:28.58 ID:MG4M0xPG0

将太「カツオとコブの合わせ出汁に、濃い口醤油と酒、そして味醂と砂糖を合わせて煮きる寸前まで加熱する……」

大政「親方、あれは……」

鳳征五郎「うむ。割り下だな」

慎吾「割り下?」

小政「合わせ調味料のひとつだ。もともとは割下地(わりしたじ)を略したもので、鍋物や丼物に使われるものだ」

慎吾「ああ、スキヤキとかで使いますよね」

28: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:25:45.39 ID:MG4M0xPG0
大政「そうだ。主に日本料理でよく使われるもので、寿司屋ではそれほど使われないがな」

慎吾「生の魚を扱うのが、寿司屋は多いですもんね」

小政「煮穴子なんかを煮る時もタレを使うが、ありゃあ割り下じゃなくてもっと煮詰めたタレだからな。そして煮上がったらタレをさらに煮詰めたヅメを塗る」

鳳征五郎「将太め、あの割り下をどうしようというのか……むう!」

大政「ありゃあ、スマホ! 将太のやつスマホをどうしようって……ああっ!」

ドボン

慎吾「将太君! スマホを割り下の中へ落としちゃった……た、大変だ!! はやく引き上げないと」

小政「いや、待てシンコ」

慎吾「え?」

29: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:27:32.63 ID:MG4M0xPG0
小政「将太のやつ……ありゃあ落としたんじゃなくて、自分から鍋に入れたんだ!」

慎吾「ええっ!?」

グツグツグツグツ

将太「……よし!」

スマホ「アイドルマスター・ミリオンライブ! シアターデイズ!!」

慎吾「ああっ!」

小政「あ、あれは!」

大政「親方!」

鳳征五郎「そうか、将太のやつ。作っていたのは割り下ではなく、ミリシタをやっておったのか!!」

30: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:29:26.84 ID:MG4M0xPG0
慎吾「ミリシタ?」

大政「アイドルマスター・ミリオンライブ・シアターデイズのことだ。今年の6月29日にサービスが開始されたばかりの、ソシャゲだ」

小政「だけど、別に今からミリシタを始めなくてもリリース開始から4年以上経ってカードの種類も充実している、GREEが卸しているミリオンライブの方をやればいいんじゃ……そうか!」

慎吾「え? どうしたんですか? 小政さん」

32: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 10:30:06.56 ID:MG4M0xPG0
小政「ミリマスを今から初めてリセマラをしても、カードの種類が多いだけに如月千早のSSRを引ける可能性は低い。だったらまだカードの種類の少ない、ミリシタの方をリセマラすれば……」

慎吾「そうか! 今からでも如月千早のSSRを引けるんだ!!」

大政「いや、そう簡単な話じゃないぞ」

慎吾「えっ!?」

鳳征五郎「政の言う通りだ。将太がもし秀が言っていた通りの事をやろうとしているのだとしたら……将太の負けは決定的となる」

慎吾「ええっ? 将太君の負けが……いったい、将太君のやり方の何が問題になってくるんですか!?」

36: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:34:48.13 ID:MG4M0xPG0

鳳征五郎「将太がもし秀が言っていた通りの事をやろうとしているとしたら、将太の負けは決定的となる!」

慎吾「将太クンの負けが……いったい、将太クンのやり方の何が問題になってくるんですか!? お、親方!! どういうことなんです!?」

鳳征五郎「うむ……政、ワシのスマホを持って来い」

大政「へい!」

慎吾(ミリシタのリセマラでは将太君は負けてしまうという……だけど親方はいったいなぜ、そんな事が言えるんだ?)

大政「持って来やした」

37: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:36:19.18 ID:MG4M0xPG0
鳳征五郎「シンコ、これがワシのミリシタだ」

慎吾「親方もミリシタを? ああっ! す、すごい!!」

小政「どうしたシンコ? あっ! これは……!」

大政「アイドルカード一覧が、全て空欄なく埋められている。限定ガチャSSRはもちろん、イベント限定SRまで!!」

鳳征五郎「ふふっ……ワシもまだまだ、腕は衰えさせてはおらんということよ」

大政(毎日ツケ場に立ち、目の回るような注文に全て応えながらイベントを……)

小政(さすが寿司の世界にその人ありとうたわれる名人、鳳征五郎その人だぜ……)

慎吾(中谷育ちゃんのカード、Rでいいから欲しいなあ……)

38: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:38:39.75 ID:MG4M0xPG0
鳳征五郎「このアイドルカード一覧のSSRの欄を見てみるがいい」

慎吾「育ちゃん……ハァハァ え? あ、はい! ええと……ああっ!!」

小政「どうしたシンコ?」

慎吾「小政さん、見てください! 親方のアイドルカード一覧のSSRの欄を!!」

小政「ええと……あっ! ない!! アイドルカード一覧は全部埋まっているのに、如月千早のSSRは……ない!!!」

鳳征五郎「そう……ミリシタにはまだ、如月千早のSSRは実装されておらんのだ」

大政「なにしろミリシタはサービス開始されて間もないソシャゲ。アイドル全員のSSRが実装されるのはまだ先……将太がそれに気づかずリセマラをしたとしても……」

鳳征五郎「どうする……!? 将太……!!」

39: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:40:57.51 ID:MG4M0xPG0
~新人寿司コンクール会場~


百目の辰「遅いな将太のヤツ。それで、胸のないアイドルってのは用意できたのか?」

慎吾「それが……」

百目の辰「? どうした」

慎吾「将太クン、朝方までミリシタに取り組んでいたみたいなんですけど……如月千早のSSRは……」

百目の辰「如月千早……なるほどな、胸のないアイドルってのはそういうことか。だが」

将太「すみません、遅れました!」

慎吾「将太クン! 如月千早のSSRは……」

将太「……」ニコッ

40: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:42:37.42 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「将太、スマホを見せてみろ」

将太「え?」

百目の辰「ミリシタに如月千早のSSRは存在しな……お、おい将太! これは……!!」

将太「……辰さん、仕込みがありますので僕はこれで!」ニコッ

ダッ!

百目の辰「将太め……何を考えているんだ!?」

慎吾「どうしたんですか辰さん、将太クンは如月千早のSSRを引いていたんですか

百目の辰「いや……それどころか将太のヤツ……」

慎吾「?」

41: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:44:25.23 ID:MG4M0xPG0

柏手の安「参加者のみなさん、それぞれにイキのいいアイドルを用意してきたようですね」

審査員「はい。あ、委員長あれは市原仁奈ちやんですな」

柏手の安「愛くるしい容姿と無邪気な言動、そして元気さ。これは期待が持てますね」

審査員「あちらは二階堂千鶴を用意したようですぞ」

柏手の安「ラグジュアリーな容姿と、ややもすれば高慢ともとれる言動を華やかさに昇華しているアイドル……ううむ、楽しみです」

審査員「あちらは黒川千秋に松本紗理奈……同じクール属性とはいえ性格の違う2人をどう合わせるのか……」

柏手の安「寿司の常識を打ち破る、新たな組み合わせを見せてくれる可能性を感じます」

審査員「い、委員長! あの職人が用意した、あのアイドルは……!!」

42: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:45:27.83 ID:MG4M0xPG0
柏手の安「なんと萩原雪歩に天海春香! 765ASを選択するとは……」

審査員「765プロの13人は既に世間にも浸透し、調理法も知り尽くされているはず」

柏手の安「それをあえて選択するとは、余程自信があるのか、それとも新たな技法で調理してみせてくれるのか……」

柏手の安(そしてもう一人、私が一番気になっているのは……関口君、君はどのようなアイドルをどう握るつもりなのか……!)

43: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:47:35.88 ID:MG4M0xPG0

小政「どいつもひとクセもふたクセもありそうだな。将太のヤツは大丈夫ですかね?」

大政「どうだろうな。そもそもミリシタに如月千早のSSRはないんだ。将太は如月千早を諦めたのか、それとも……」

慎吾「辰さんは将太クンのスマホを見たんですよね? どうだったんです、SSRじゃないにしても如月千早のカードはあったんですか!?」

百目の辰「……ああ、あったよ」

慎吾「良かった……ちゃんと将太クンは、如月千早を用意できたんだ!」

百目の辰「あるにはあったが……」

慎吾「え?」

44: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:49:21.54 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「将太がセンターに据えていたのは、ノーマル……つまりNのカードだ。それも覚醒前の……」

慎吾「……え? ええっ!? Nのカードって言ったら1番ステータスも低くて、しかも特技も無いカードじゃないですか!!」

百目の辰「いや、味のわからねえ素人は『Nなんて欲しいアイドルがRもSRもSSRも獲れないヤツが仕方なく使うカード』だとか『そもそもレベル上げるにもチケットがもったいない』とか言う者もいるが、それは間違いだ」

大政「そうだな。NのカードにはNのカードの良さがある。それに手をかけて仕事をする、それもプロデューサーとしての醍醐味だ」

小政「それにNのカードにも、メモリアルだってあるわけだしな」

45: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 12:52:11.74 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「ええ。だがコンクールを勝ち抜くには……他の参加者の用意したアイドルに比べるとどうしても見劣りするのは間違いない」

慎吾「そんな……将太君!」

将太「これでいいんだ……これでやるしかない! 自分を……そして、アイドルを信じるんだ!!」

P「将太君……」

鳳征五郎「……将太!」

46: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:00:23.12 ID:MG4M0xPG0

審査委員「では審査を始めます!」

職人「へい。こちら、市原仁奈の家庭の事情の弱みの握りになりやす」

審査委員「ふうむ。とかく公式では、ぼかされがちな仁奈ちゃんの家庭事情を弱みとして握るとは……」

柏手の安「これは……なんとシャリは酢飯ではなく、おにぎりを使っている!」

職人「家ではおにぎりばっかりですよ!という、仁奈ちゃんの夏休みイベントでのセリフを、おにぎりに込めてみやした」

審査委員「なるほど……ネタもすべて、レンチンやレトルトや缶詰が具材。これもそういう意図が」

柏手の安「よく考えられていますね。しかし……」

47: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:02:32.39 ID:MG4M0xPG0

慎吾「よ、良かった。柏手はなしか」

小政「なかなかいいトコ突いてた寿司だとは思いましたがね」

大政「ああ。だが、時期が悪かったな」

慎吾「時期?」

百目の辰「アイドルにも旬があるってことさ」

慎吾「アイドルにも旬が!?」

大政「仁奈ちゃんの家庭の事情についてはキャンプでのセリフだけでなく、デレステのメモリアルコミュで母親から放置されて事務所で立っているという描写すらあった」

小政「なんですって!? そいつぁ、ネグレクトじゃねえですか!!」

百目の辰「しかし……それは2015年11月12日開催のイベント『シンデレラキャラバン』でのストーリーコミュで、の話だ」

慎吾「えっ?」

48: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:05:41.42 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「実は最新のコミュ、今年の7月28日解放のストーリーコミュ『Stay by my side』にて、仁奈ちゃんのパパが帰国するシーンが公開されてんだよ」

小政「よ、良かった……家庭内でネグレクトされてる、父親もいない仁奈ちゃんてなかったんですね……」ボロボロ

大政「ああ。だが、それによってあの寿司……仁奈ちゃんの家庭事情弱みの握りは、旬を外してしまったのさ」

慎吾「そ、そうか! もう仁奈ちゃん家庭の闇は晴れているから……」

百目の辰「もう二月ばかりコンクールのに時期が早けりゃ、あの寿司も最高の寿司だったろうに」

職人「し、しまったあっ!」

49: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:08:16.52 ID:MG4M0xPG0
審査員「では次の審査を」

職人「はい。私は二階堂千鶴の実家の正体の弱みの握りです」

審査員「ほう……二階堂千鶴といえばセレブ、それにしては随分と庶民的な寿司ですな」

柏手の安「ええ。ネタはコロッケにメンチ、それに唐翌揚げですか。それを星形やハート型カットしている」

職人「いずれも二階堂精肉店をイメージしました」

審査員「どれ、ではひとつ……あっ、これは!」

柏手の安「むうっ、これは……シャリの酢が強い!」

審査員「ゲホッゴホッ。これでは酢のキツさにむせてしまう……そ、そうか!」

職人「そうです。二階堂千鶴が、高笑いをした後に必ずむせる。そのむせを寿司で再現してみました」

柏手の安「よく考えられたお寿司です。ですが……」

職人「?」

50: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:10:50.26 ID:MG4M0xPG0
慎吾「また柏手は、なしですか」

百目の辰「あの職人、二階堂千鶴の産地は二階堂精肉店ってアタリをつけて仕入れをしたんだろうが……」

小政「確かに、自分でもそう言ってたな」

大政「しかしミリオンライフでは当初のエピソードでも、ネクストプロデューサー編でも、そしてミリシタでもそこの描写はされちゃいねえ」

慎吾「そ、そうなんですか!? 僕はてっきり、二階堂千鶴さんはニセレブだとばかり……」

百目の辰「そう思ってるユーザーは多い。事実、それを思わせるセリフや背景の画像も多い。だが、それでも明言されていない以上、本当のセレブでコロッケも専属シェフが揚げている可能性は捨てきれないのさ」

職人「そんなあーーー!!!」

51: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:12:04.49 ID:MG4M0xPG0
審査員「では3人目。これは黒川千秋と松本沙理奈ですな」

柏手の安「エレガントな雰囲気と奔放なオーラ、この取り合わせは……うむ!」

小政「審査委員長の表情もいいですね」

大政「確かに、属性が同じだけに組み合わせた時の相性に違和感がない。それでいてまるで方向性の違う2人だ。ただ……」

慎吾「え?」

大政「仕上げをしくじったようだな」

52: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:17:10.94 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「見てみろ、黒川千秋の衣装を。パジャマだろう?」

慎吾「ええ……可愛いですよね」

大政「黒川千秋は、大人の女性であり品も兼ね備えていながら、可愛いもの好きという……子供っぽい一面もある」

小政「大人らしさと子供っぽさ、両方持ってるってワケっすね」

大政「そうだ。そして黒川千秋にパジャマモチーフの衣装を着せるなら、松本沙理奈にも同様の子供っぽいアイマス伝統のスモックなりを着せるべきだった」

百目の辰「もしくは、スク水にランドセルを背負わせてバランスをとるとかな。それなら弱みを握った事になっただろう」

53: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:18:07.78 ID:MG4M0xPG0
jAHrSem

※参考例

54: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:19:34.00 ID:MG4M0xPG0
慎吾「そ、そうかアイドル個々の相性以外にも、衣装の相性もあるんだ!」

柏手の安「最後の味付けに、ほんの少しの違和感が残ってしまいましたね。弱みの握り方が甘かった」

職人「くそぉー!」

55: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:24:53.78 ID:MG4M0xPG0
審査員「いよいよ765ASですな」

柏手の安「2005年7月26日に稼働を開始してから、はや12年以上。今や伝説のレジェンドともいえる天海春香と萩原雪歩の弱み……どう握ったのか」

職人「おう! 天海春香と萩原雪歩の実家の弱みを握ったぜ」

審査員「むむ……これは、オリーブ! まさか西洋のオリーブの実をネタにするとは!!」

柏手の安「そうか。天海春香の実家である神奈川県の二宮は、オリーブの産地。とするとシャリは……うむ!」

審査員「こ、これは……この大ぶりのシャリは!」

56: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:25:32.22 ID:MG4M0xPG0
柏手の安「わかった! わかったぞ!! これは……重機で握った寿司だ!!」

慎吾「じゅ、重機で!? そんなことができるんですか、兄さん!!」

大政「できる!」

慎吾「えっ!?」

大政「もちろん、並の技量では無理だが、ある男性アイドルグループのリーダーは重機で握手会も行うらしい」

百目の辰「重機で!?」

大政「とかく噂のある萩原雪歩の実家、それをあの職人は重機を前面に押し出すことで、あくまで建築屋であるとアピールしたんだろう」

審査員「しかし……これは弱みを握っておりますかな?」

職人「うっ!」

57: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:27:10.46 ID:MG4M0xPG0
柏手の安「その通りです。確かに765ASは素晴らしい。だがこれは素材をそのまま握っただけ、です。弱みを握ってはいない」

職人「ううっ……俺にゃあ……俺にゃあ春香ちゃんや雪歩ちゃんの弱みは……どうしても握れなかったんだ……」

小政「まあわかるぜ、あの気持ちも」

58: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:29:50.06 ID:MG4M0xPG0
大政「さて、いよいよ将太の番だな」

小政「いったいどんな弱みを握るのか……」

百目の辰「センターに据えたNの如月千早……いったいどういう意味があるのか……」

慎吾「将太君……」

審査員「では拝見……ん? これは?」

柏手の安「5人? 5人もアイドルを……そうか、これはデュオではなくユニットですね!」

将太「はい!」

小政「あ! ありゃあ……!」

59: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:31:01.85 ID:MG4M0xPG0
百目の辰「センターこそNの如月千早だが、他のユニットメンバーは、バスト91の三浦あずさ、バスト93の豊川風花、そしてバスト90の四条貴音に、若干16歳ながらバスト90の篠宮可憐!!」

審査員「おおう! バスト90オーバー4人に取り囲まれて、如月千早があんなにも恥ずかしそうに……」

小政「そりゃあ、あれだけの胸のノッたアイドル。しかも4人ものアイドルに囲まれてたら……そ、そうか!」

大政「将太のヤツ、それが狙いか!!」

柏手の安「ううむ! こうしたユニットの配置にすることで、僅かに残った如月千早の胸をさらに視認できなくする!! 美事な仕事です!!!」

百目の辰「如月千早以外は、みんなSSRかSR……その引け目がまた如月千早の恥ずかしさをより一層引き立てているって寸法か」

鳳征五郎「寿司屋の世界に『貧乳はステータスだ希少価値だ』という言葉がある。胸のノッたアイドルは確かにうまい、だが昨今のアイドルの巨乳化が著しい。あのように胸のないアイドルは、まさしく希少。将太よ、よくぞそこに行き着いた」

60: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:33:14.61 ID:MG4M0xPG0
大政「しかし妙ですね。如月千早といえば、毎週とんでもなく重いメールを送ってきたり、挨拶したりオーディション前に励ましただけでキレたり、レッスンをミスしたら翌週は来なかったりするほどの繊細な味わいのアイドルのはず」

慎吾「なんてめんどくさいんだ!」

小政「だがそこをいかに成長させるか、ってのが職人の腕の見せ所ってもんだ」

鳳征五郎「うむ。その証拠に将太の仕事を見てみろ」

慎吾「え? あ……如月千早が、あれだけまっ赤になって胸を隠しながらもしっかりと歌って踊っている!?」

審査員「これはいったい……それにそもそも、関口君は如月千早の弱みなど握っていないように見えるが……」

柏手の安「確かに。如月千早といえば、家庭の事情を弱みとして握るのが定石だが……こ、これは!」

慎吾「あれは……もしかして如月千早は、恥ずかしくてまっ赤になっているんじゃなくて……」

61: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:34:59.52 ID:MG4M0xPG0
鳳征五郎「そう。将太を見て頬を赤らめておるのだ。将太のヤツめ、おそらく一晩中ずっと如月千早を口説いておったに違いない」

百目の辰「一晩中……そこまで」

柏手の安「関口君、改めて君に尋ねます。この握りは?」

将太「はい! これこそ、如月千早の惚れた弱みの握りです!!!」

審査員「なるほど! これは素晴らしい握りだ!!」

柏手の安「ええ……最高の握りです関口君!!!」パァン!

62: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:36:29.37 ID:MG4M0xPG0
慎吾「で、出たあ!!!」

小政「審査委員長が、本当に美味しいと感じた時にだけ出る、あの柏手が出やがったぜ!!」

百目の辰「やったな、将太!!!」

P「見事だ……見事だよ、関口君……」ボロボロ

柏手の安「発表します。勝ち残り次の課題に進むのは……鳳寿司、関口将太君です!!!」

将太「……やったあ!」

鳳征五郎「よくやったぞ将太。だが、気を抜いてはならんぞ。コンクールはまだまだ……始まったばかりなのだからな!!!」


お わ り

64: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:45:33.44 ID:MG4M0xPG0
以上で終わりです。おつき合いいただきまして、ありがとうございました。
寺沢大介先生の作品はどれも素晴らしく、そして大ファンです。
そしてその先生が『終活』を初めておられると聞き、すこし寂しい気持ちとリスペクトを込めてこんなSSを書きました。
内容はこういうSSですが、それでも自分なりの作品オマージュとして書きました。

65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/02(土) 13:48:07.22 ID:NRIbfw1OO

盛大に笑ったわW

66: ◆QlCglYLW8I 2017/09/02(土) 13:56:21.45 ID:7zcrsFPeO
発想が病気過ぎて笑ったw。お美事でした(柏手)

67: ◆VHvaOH2b6w 2017/09/02(土) 13:56:22.53 ID:MG4M0xPG0
寺沢先生、どうかいつまでもお元気でいてください。
今後も先生の作品を楽しみにしております。