10年後m@s


 キャラ崩壊というか全力で自分の趣味をぶちこんだので「明るく前向き」な春香さんが好きな人は注意。
 春香ならなんでもいいって人はばっちこい







 女店主が切り盛りする路地裏の喫茶店。
 純文学が好きな人間が一度は妄想するだろう一種の理想郷に、俺は遭遇していた。

 「さすがに、自分の店の前で行き倒れてる人を無視は出来ないよ」

 海老ピラフを差し出した店主が、困ったように笑いながらそう言う。

 年齢は20代半ば頃だろうか。垂れ目がちの瞳はいかにも人柄の良い母性的な人物と言った感じだ。
 身長は俺の頭ひとつ下で恐らくギリギリ160センチないくらいだろう。
 体格こそ小柄だが、白いブラウスと黒い細身のパンツを身に纏い、慣れた手つきでコーヒーを淹れるその様は『出来る女』という単語を連想させる。

 肩の下ほどまで伸びた茶色い髪を結ぶリボンだけが、モノクロームな彼女の中での唯一の色で、その色のチョイスに、彼女の中の『女』を強く意識した。

 「今晩中には止みそうにないし、残念だけど傘も置いていないから。今日は泊まっていって?」

 喫茶店の2階。彼女の住居スペースの開いた部屋を案内し、自室に戻ろうとしたその瞬間。
 ふいに、その時始めて、俺ではなく、背中に担いだギターケースに視線を向けた。
 彼女が俺と知り合い約3時間、ようやく俺が楽器を弾いて生計を立てていることに気づいたらしい。

 「貴方、音楽やってるんだ……天気は雨――そうね。嵐を起こすにはちょうどいい!」

 それから先はあっという間だった。
 俺をベッドに押し倒し、両手両足を押さえつけ、この3時間で彼女に抱いた印象を裏返すような――淫靡で、妖艶な笑みを浮かべ、その『女』はこう告げた

 「女を知った男はね、よくも悪くも変わるものよ。貴方が初めてかどうかは知らないけれど、経験を積むことは悪いことじゃないわ」








 お粗末!