jpg large

10年後m@s



P「18時に○×公園の桜の木の下って...ここであってるかな?」

P(小鳥さんから今日の営業先はここですって言われたから来たものの...公園のベンチとはおかしな取引相手だな)

P(今日はアイドルたちと律子になにかおごってやろうと思ったんだけどな...。でも今日は伊織と響が近くの祭りのロケに行ってるから10人になっちゃうか...今日は諦めるかな)

P(二人のロケ見に行かないといけないし、早く終わらせないとな!)

P「それにしても綺麗な桜だな...。ケータイで写真でも撮るかな」

「こんばんは。あのー、765事務所のプロデューサーさんですよね?」

P「あ、はい。そうです」

P(これが今日の営業先の方か...?まだ随分若いような)

「よかった。人違いじゃありませんでしたか」

P「あの、失礼ですが、お名前は...?」

「あぁ、分かりませんか?まぁ6年も会ってなかったから仕方ないですね」


長介「俺は高槻長介。6年前に引退した高槻やよいの弟です」


P「長介って、やよいの弟の...?」

長介「今そうだって言ったじゃないですか!相変わらずおかしな人だなぁプロデューサーさんは」

P「もしかして呼び出したのって...」

長介「それは俺じゃないですよ。俺はその人のお使いです」

長介「それじゃあついてきてくださいプロデューサーさん。俺がそこまで案内します」


――――――――――


P(まさか営業先の人かと思ってた人物が長介だったとは...。気づかなかったな。後で謝っておかないとな)

長介「しかしドキドキしましたよー。話しかけたとき、もしプロデューサーさんじゃなかったらーって考えたらもう怖くて怖くて!」

P「ハハ...怖いとかいってるくせに超笑顔じゃないか...」

P(それにしても大きくなったな...。最後に見たときにはやよいより少し大きいくらいかと思っていたが、もっと身長が伸びてるな...170後半はあるんじゃないか?)

長介「着きましたよ、プロデューサーさん」

P「ん?ああ。...?おい、ここって」

長介「はい、我が高槻家です。もう準備は出来ていると思いますので早速入りましょうか」



長介「ただいまー!いま帰ったぞー!」


『おかえりー!ちゃんとプロデューサー連れてきたー!?』


長介「連れてきたから早くこいってー!」

長介「さぁ、きますよプロデューサーさん。今回あなたを呼んだ人が」


やよい「間違えて知らない人連れてきてないよねー...って、はわっ、ぷ、プロデューサーっ!」

P「久し振り、やよい」

やよい「あのー、えぇっと...。ど、どうしよう長介、びっくりして言おうとしたこと全部忘れちゃったよ~!」

長介「自分で呼んだくせにびっくりするってどういうことだよ」

やよい「だって~。うぅ~、大人な私をみせようとしたのに...」

P(やよいももう子供っぽさは抜けちゃったかなと思ってたが...中身はあんまり変わってないみたいだな。やっぱりまだ子供なんだな)

P(...うん?今なんで安心したんだ?)

P「いや、大人っぽくなったよ、やよい」

やよい「本当ですか!えへへ、なんだか嬉しい気分かなーって!」

長介「かなーって は大人っぽくみえなくなるぞ姉ちゃん」

やよい「いいのっ!それじゃあプロデューサー、どうぞ上がってください!」

P「いいのか上がって?邪魔だったりしないか?」

やよい「そんな、プロデューサーがじゃまだなんてめっそうもないですよ!それに今日はウチが営業先ですよ?営業先の社長である私の言うことに従ってください!」

P「わかった。じゃあ遠慮なく。お邪魔します」



浩太郎「あ、プロデューサーさん、こんばんは!」

かすみ「プロデューサーさん、お久し振りです」

浩司、浩三「「プロデューサーさん、いらっしゃーい!!」」


P「懐かしいなぁみんな!6年振りだな」

かすみ「こんばんはプロデューサーさん。お茶いかがですか?」

P「ああ、いただくよ。ありがとうかすみちゃん」

かすみ「もう、やめてくださいちゃん付けは。もう子供じゃないんですよ?」

P「ごめんな。久し振りでつい。昔はまだまだ子供だなーって思ってたからさ」

かすみ「いまは大人ですよ?それに昔は子供だと思われてたなんて・・・私、ちょっとショックです」

P「あぁ、ごめんかすみさん。傷つけるつもりはなかったんだ」

かすみ「そんなに謝らなくても大丈夫ですよ。そのかわりにプロデューサーさん。今日はゆっくりしていってくださいね?」

P「あ、あぁ。それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」

かすみ「それに『さん』だなんて他人行儀やめてください。私たち家族みたいなものですから」

P「わかった。次からはかすみって呼ぶことにするよ」

かすみ「はい♪」

P(さすがはやよいの妹だな、かすみちゃんは可憐な女性に成長したな。 おっと今はかすみだったな)

P(浩太郎は相変わらずやんちゃだな...。鼻水垂らしてた頃が懐かしいな)

P(みんな成長したな...。もうこんなに時が経ったんだなって感じるよ)

やよい「みんなー、ごはんできたよー!」

浩司「できた!?もうお腹ペコペコだよー」

やよい「いま運んでくるから、ちょっと待っててね!」

P「すまんなやよい、夕飯いただいて」

やよい「いえ、かまいませんよ!それに今日のプロデューサーの仕事は高槻家でごはんを食べてゆっくりすることですから!」

P「その仕事いつ決めたんだ?」

やよい「今ですよ!営業先の社長である私の権限を使いました!」

P「あはは...じゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」

やよい「はい、そうしてください!」

P「それよりやよい。今日の夕飯は?」

やよい「うふふ、それはですねプロデューサー、今日が何曜日かがヒントですよ」

P「今日?...あっ」

やよい「そうです!今日はもやし祭りですよーっ!」

P「まだやってたんだな、もやし祭り...」

やよい「もちろんですよ! あっ、もしかして嫌でしたか...?」

P「まさか!またもやし祭りに参加できて嬉しいよやよい。ありがとう」

やよい「そ、そんな面と向かってありがとうだなんて言わないでくださいよ...。なんか恥ずかしいです...」

長介「あのー、お話し中に悪いんだけどさ、もう食べようぜ。みんなお腹空いてんだろうし」

やよい「あ、うん、そうだね。それじゃあ食べよっか!」

やよい「それじゃあみんな、手を合わせて!」

やよい「もやし祭り、開催しまーす!」

やよい「いただきまーす!」

「「「「「「いただきまーす!!!」」」」」」

P「では早速......うんっ美味しい!前より腕を上げたんじゃないかやよい!」

やよい「えへへ...」

長介「今日はこれ全部やよい姉ちゃん一人でやっちゃったんですよ。最近は俺たちだって手伝うのに」

かすみ「今日はプロデューサーがくるから私が一人で作るって言って聞かなくて...」

やよい「ちょ、へ変なこと言わないでよ二人とも!」

P「俺のために作ってくれたのか。ありがとうやよい、本当に美味しいよ」

やよい「プロデューサーもそんな真面目な顔して言わないでくださいよ!もぉ!」

アハハハハ......


――――――――――


P「ふぅ、よく食べたなぁ。ごちそう様。やっぱりもやし祭りは最高だよ」

やよい「でしょ~!もやし祭りはとっても楽しいんだから!」

P「そうだな。楽しかった」

P(やっぱりいいなぁこういう一家団欒っていう空気は...不思議と心が暖かくなって、なんだか落ち着かせてくれる)

P(俺も自分の家族をもったら毎日をこう過ごせるのかなぁ...)

P「そういえばやよい、最近大学のほうはどうだ?順調か?」

やよい「はい!新しい友達もできたし、みんな優しいし楽しく過ごせてます!」

P「それはよかったな。夢のほうはどうだ?叶いそうか?」

やよい「うー・・・それはまだ厳しいです...」

P「そうか...あと、やよいの夢って俺聞いてないんだが...聞いちゃ駄目なのか?」

やよい「プロデューサーには夢が叶ったときに知ってほしいなって思って!......でも、これだけ厳しいと挫けちゃいそうです。またアイドルに戻りたくなっちゃうかも...」

P「大丈夫だ。やよいならできる!おまえは一度トップアイドルにもなったんだぞ、自信を持て!俺もできる限りサポートするからさ!」

やよい「......そんなにあっさり背中押されちゃうと、ちょっと淋しいなー...」

P「ん?どうしたやよい」

やよい「いいえ、とっても嬉しいですよ!よーし、プロデューサーのおかげでやる気がばんばん出てきましたー!」

P「よし、じゃあアレやるかやよ

やよい「私頑張りますから、プロデューサーも応援してくださいね!」

P「お、おう...(顔が近くてハイタッチができなかった...)」

P(それにしてもやっぱりやよいはかわいくなったな...。いや、かわいいというより綺麗になったかな。髪も下ろしたしより一層素敵な女の子にみえる)

P(さっきなんて顔が近くてドキドキしてしまった......おい、相手はやよいだぞ!しっかりしろ俺!)

P(ん?...なんで俺こんなこと考えてんだ?やよいはもう大人だしアイドルじゃないから別にいいだろ...あれ?)

長介「プロデューサーさーん!こっちこないんですかー?」

P「え?なんだみんなして縁側に集まって」

浩司「プロデューサーさんも早くこっちきなよ!見逃しちゃうよ!」

P「なんだ?なにか始まるのか?」

浩太郎「今日は近くで祭りがあって、そこで花火をあげるんだ!」

P「祭り?......ああっ」

浩司「プロデューサーさんどうしたんだよ?早くしないともうあがっちゃう......あっ






浩三「わぁー!きれーい!」

浩太郎「すげぇよなぁ花火って...。知ってるか?花火って、あの玉の中にいろんな色をした火薬がいっぱい入ってるんだぜ」

かすみ「みんなそれくらい知ってるよ...」

長介「それにしてもホントすっげぇ花火だな。ウチから祭りの会場まで結構距離あるのにこんなに大きく見えるだなんて」

やよい「実はさっき、やよいの家からでも見えるくらい大きな花火をあげてみせるわって伊織ちゃんから電話があったんだ!」

P(しまった...伊織たちのロケのことすっかり忘れてた...。これはまた伊織に怒られるな)

P「それじゃあ俺はそろそろお暇するよ。伊織がもうカンカンだろうしな」

やよい「えぇっ、でも今日はウチが営業先ですよ?社長の言うこと聞かないと駄目なんですよー!」

P「ご飯を食べてゆっくりすることが今日の仕事だってさっきやよいが言ったじゃないか。もう俺は十分休んだよ」

やよい「確かにそう言いましたけど...」

P「気遣ってくれてありがとうなやよい。とりあえず今日は帰って、また来ることにするよ」

やよい「うーん......わかりました。じゃあ伊織ちゃんたちのところまで私が送っていきます」

P「いいのかやよい。俺は別に一人で大丈夫だぞ」

やよい「大丈夫ですよ。相手の人が無事に帰ったか見届けるのも社長の仕事ですから!」

P「社長直々にとは頼もしいな。じゃあよろしくお願いします」

やよい「はい、任せてください!それじゃあかすみ、長介!浩三と浩司、あと浩太郎のことよろしくね!」

浩太郎「俺は別に大丈夫だよ!」

長介「わかったから戻れって」

やよい「それじゃあ行ってきます!」

かすみ「いってらっしゃい」


P「なんか浩太郎が言ってた気がしたけど、いいのか?」

やよい「長介とかすみがなんとかしてくれます! ......あの、それよりプロデューサー。少し回り道してもいいでしょうか?」

P「?」


――――――――――


P「おぉ...ここ、綺麗だな」

やよい「はい!この河川敷、景色もいいし、花火もすごく良く見えますよ!」

P「ああ...そうだな。桜も咲いてるし、綺麗なところだ」

P(舞い落ちる桜の花びらが夜風で揺れているやよいの髪と合って綺麗だ...。やよいって髪の色や性格が明るいから暗い風景とはあまり合わないと思っていたが...中々良いもんだな)

やよい「こういうの、ふぜいがあるっていうんですよね?なんだか落ち着くかも!」

P「風情があるだなんて難しい言葉使うな。漢字で書けるか?」

やよい「か、書けますよ!漢字は苦手ですけど、ふぜいがあるくらい書けます!...たぶん」

P「たぶんなんだな...」

P「なんかみんな成長したな。長介は頼もしくなったしさ。少し見ない間に立派になったな」

やよい「はい!長介には私が大学で勉強してるときに家族の面倒をみてもらっていていつも助けられてます」

P「かすみは凄い美人になったよなぁ。うちの事務所にきてほしいよ」

やよい「はわっ、そしたらかすみはかわいいからファンがいっぱいできちゃいますー! あのー、さっきから気になってたんですけど、プロデューサーはいつの間にかすみを呼び捨てで呼ぶようにしたんですか?」

P「さ、さっきかすみに呼び捨てで呼んでくださいって言われたんだよ!そそれにしてもみんな大人になったなぁ!こうして大きくなったところをみるとなんだか感慨深いなぁ!」

やよい「みんな大きくなるのは当たり前ですよ!私だって大人ですし!」

P「なに言ってるんだ、やよいは俺からみたらまだまだ子供だよ!」

やよい「......ねぇ、プロデューサー」



やよい「私だってもう子供じゃないんですよ...?」


P「やよい...?」

やよい「漢字が苦手だったり、言うことが子供っぽいだなんて言われることもあるけど、私だってもう大人です」

やよい「外見だけじゃない。内面もそうです」

やよい「受験や勉強、いろんな人たちとの出会い......もちろん恋だってしました」

やよい「―――いまだってその恋は続いています」

P(―――ああ、そうか)

やよい「私のいま目指してる夢って、とっても難しいんですよ!トップアイドルになることと同じくらい遠くて、ちっちゃい粒みたいで......掴めそうにないような夢です」

P(俺がやよいはまだ子供なんだって思い込もうとしてた理由が今、わかった)

やよい「でもプロデューサーが一緒に頑張ってくれたから、私はトップアイドルになることができました......たぶんそのときからこう想ってたんだろうな」

P(俺はこんな話がしたくなかった。ずっと今までの関係を続けていたかったからなんだ)

やよい「私、今日プロデューサーに会えてよかったです。6年前まではまだこの気持ちがあいまいで、本当にそうなのかわからなかったけど...」

P(だって、俺がやよいをアイドルではない一人の女性と認めてしまったら―――)

やよい「今日会って確信しました。 あ、この気持ちは間違ってなかったんだなーって!」



P(―――いつかこういう時がくるってわかっていたからだ)




やよい「プロデューサー......私―――











P「あ......花火......」

P「......その、やよい。俺は―――

やよい「待ってください!それ以上は...言わないでください」

P「え...」

やよい「いまの話、なかったことにしましょう。私、早く伊織ちゃんたちに会いたいなーって思って」

P「でも、やよい...。俺は

やよい「駄目です、それ以上言っちゃ」

P「でも、それじゃあ」

やよい「だって、アイドルじゃないからっていうだけで先に伝えてしまうのは、なんだか他のみんなに申し訳ない気がして」

やよい「それに私......迷っている答えなんて、聞きたくないです」

P「それは......そう、だな...」

やよい「ふふっ...。ねぇプロデューサー。私、新しい夢が見つかりましたよ」

P「え?」

やよい「それはいま目指している夢と同じくらい厳しくて難しい夢なのかもしれないけど、ぜったいぜったいぜーーったいに叶えたい夢なんです!」

やよい「えへへ...プロデューサー!」





やよい「私、ぜったいにあなたを振り向かせてみせます!」

やよい「誰にも負けないくらい、迷わないくらいあなたを夢中にさせてみせます!」


やよい「―――それが、私の新しい『夢』です!」






P「......本当にそれがやよいの新しい夢、なんだな?」

やよい「はい!」

P「......わかった。俺ももう逃げたりしない。正面から受け止めるよ」

やよい「約束ですよ?プロデューサー」

P「ああ。約束する」

やよい「それじゃあ約束の証拠にいつものアレ、やりましょう!」

P「ああ!」

やよい「それじゃあいきますよー。ハイ、ターッチ!」


P・やよい「「いぇいっ!!」」


やよい「うっうー!ハイタッチしたらなんだか元気が湧いてきましたー!」

P「お、今日はじめてうっうー聞けたな。なんだか俺も元気がでてきたかなーって!」

やよい「あはは! よーし、それじゃあ伊織ちゃんたちのところまで一気に走っていきますよー!ほら、手をつないで!」

P「ちょ、引っ張るなってやよい!つまずくからっ!」




おわり