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10年後m@s



「皆様、お集まりくださってありがとうございます」

「今日は皆様にご報告したいことがありこのような場を設けさせていただきました」

「私、アイドル『星井美希』は。再びステージに立ちます―――!!」


<コン、コン

p「ママ?」

菜緒「はい、どうぞ」

美希「お待たせ―、待たせちゃってごめんね」ガチャ

p「わ、きれー!ママ、ホントのアイドルなんだね!」

美希「あはっ、ありがと!pも可愛いよ?」

p「うん!おひめさまになったみたい」

菜緒「懐かしいわねー、美希のそういう格好も」

美希「ありがとお姉ちゃん。pのこと見ててくれて」

菜緒「どういたしまして。まだ時間あるんでしょう、pちゃんと少し回ってきたら?」

美希「うん、そのつもり」

p「ね、ママ。パパはいっしょじゃないの?今日はきてないの?」

美希「パパもここに居るよ。今から会いに行くから、一緒に行こ?」

p「行く!」


―――美希さんがこうした場に出るのは何年ぶりでしょう?

「子どもを産む少し前なので……6年ぶりくらいですね」

「765プロには時々来ていましたが、こうしてちゃんと皆さんを囲んでお話するのは久しぶりなのでちょっと不思議な気分です」

―――多くの報道陣が美希さんのために集まりました。

「あれから時間が経ったのに、こんなにたくさんの人達が集まってくれるなんて思ってませんでしたから。こうしてまた皆さんと会えたことがが凄く嬉しいです」


スタッフ1「おはようございます、美希さん!」

美希「おはようございます。皆さんのおかげで今日が迎えられました、本番もよろしくお願い致します!」

S2「任せな美希ちゃん!……おっと、もう美希ちゃんって呼ぶのも失礼かな?」

S3「もう『星井』美希じゃないんですよね。えっと、今は―――」

p「ね、ママ。そこの人たち、だあれ?」

美希「コラ、そこの人じゃないの。ママの大切な人達だからちゃんとご挨拶して」

p「うん、えっと……。こんにちは、はじめましてなの」

S2「おう、初めまして!お母さんに似て可愛いなぁ」

美希「でしょう?私とハニーの自慢の娘ですから♪」

S3「美希さんもすっかりお母さんですねー」


―――今日は旦那さんであるプロデューサー様もご一緒ですね。

「当然です。デビューした時からずっとはにっ……」

「……夫と一緒に頑張ってきましたから。アイドルの私は、夫無しではありえません」

―――やっぱりまだハニーと呼んでいるのですか?

「えへへ……はい!」

「毎日の生活でも育児の時でも、いつも手伝ってくれるし助けてもらっています。今も昔も頼れる、私だけのハニーです」

「……あ、今は私と娘のハニーでした」


高木「準備はどうかね、美希君?」

p「しゃちょー。それに小鳥おばちゃんなの」

小鳥「お、おば……しくしく」

高木「ふむ……やはり美希君は映えるな。どうかね?これを機に本格的に再デビュー、考えてみないかね?」

美希「それ決めるのは終わった後。今は目の前のステージを頑張らなきゃ!」

高木「はは、確かにその通りだったな。では今日のステージ、私も一ファンとして楽しませてもらうよ」

小鳥「そうそう、春香ちゃんや千早ちゃん達も来てるみたいよ?」

p「うん。さっきおはなししたー」

美希「みんな『忙しい』って言ってたのにね。びっくりしちゃった」


―――アイドルに復帰しようと思った切っ掛けは何ですか?

「きっかけは娘の逆上がりです。何度も何度も一生懸命頑張る姿が昔の自分と重なって見えて……。」

「あの子が頑張ってくれたなら、今度は私が頑張っている所を見せてあげたい。見せてあげなきゃ、って思ったんです」


p「おそと、すごいひと……」

美希「ね。あのたくさんの人達と一緒にママ唄うんだよ」

p「―――っ」ギュ

美希「どうしたの?」

p「ママ……こわくない?」

美希「え」

p「だって、こんなにたくさん人が見てるんだよ?うたわすれたり、ダンスとかまちがえたりしないの?」

美希「―――大丈夫。パパとpが見てくれてるから」

p「そうなの?」

美希「二人が見てくれるとね、ママ凄く元気になれちゃうの。怖い物なんて何にもなくなっちゃうんだから」

美希「それにね。たくさんの人の前で歌うのって、凄く楽しいんだよ」


―――活動再開にあたり葛藤はありましたか?

「不安はたくさんありましたけれど……娘のことが疎かにならないかが一番心配でした」

「でも高木社長や765プロのアイドルのみんなが応援してくれて、夫も『俺が全力で支えるから』って背中を押してくれたんです」

「私は、私が出来る精一杯を、このステージでやってみます」


美希「暗いから気を付けて」

p「ここにいる人たちも、ママのたいせつなおともだち?」

美希「そ。ママとパパのこと手伝ってくれるんだよ」

p「でもパパここにもいないの。どこ?」

美希「ママが歌う場所で待ってるの。今日のパパ、とっても格好いいんだから」

p「へー、はやく会いたいな!」

美希「それじゃちょっと急いで行こ?パパ、待ちくたびれちゃうもんね」

美希「ママが立つキラキラしたステージの前で……ママたちが来るのを、ずっと待ってるの!」


―――その復帰ライブ、6年前以来のドームライブですね

「星井美希のカムバックに相応しいステージはドーム以外あり得ません」

「大きいステージであればある程みんなでキラキラできます。たくさんのファンの皆さんと一緒のステージがどんなものになるか、今から凄く楽しみです」


―――今回のライブ、ズバリコンセプトは?

「6年ぶりのカムバックということで非常に期待しておられるファンの方々も多いでしょう」

「かつての美希をフラッシュバックしていただきながらハートを掴む一方で、今この瞬間の『星井美希』の魅力をお伝えできればと考えています」


p「あ、いた!!」

美希「……ちょっと待たせちゃったかな」

p「パパー!」パタパタ

??「ん?……うおっと!?」


美希「……あはっ」

美希「―――」スゥ


―――最後に、ファンの皆様にメッセージをお願いします。

「皆さん、ずっと応援してきてくれて本当にありがとうございます。ステージの上で逢えるその瞬間が今から待ち遠しくて、ドキドキが抑えきれません」

「当日は精一杯頑張ります。どうか楽しみにしていてください!」

「みんな待っててね。ミキと一緒にキラキラ、しよ?」



美希「―――ハニー!!」

P「お、ようやく来たか美希。……随分と待ったぞ?」

美希「待っててくれてありがと!でも―――ちゃんとここに戻ってきたの!!」


美希「あ―――――」

P「……ちょっと伸びが悪いな。もう一回」

美希「はい。あ――――――――……」

P「うん、いい調子だ。次スタッカート混ぜて」

美希「あ――――、あ、あ、あ」

P「そのままあと2回。支えを意識してな」


p「………」ジー

P「ん。どうしたp、パパの顔に何かついてるか?」

p「……パパ、かっこいー」

P「なに!?」

p「ふくはいつもといっしょなのに、ママのおうじさまみたいなの」

P「おおっ!!嬉しい事言ってくれるじゃないか、我が愛娘よっ!!」ギュー

p「いつものパパにもどっちゃったの」

P「Oh……」

美希「大丈夫、パパはいつもカッコいいよ?ママが保証するんだから」

P「美希……!やっぱお前は自慢の嫁だぜ!!」ギュー


P「それじゃ菜緒さん、pをよろしく頼みます」

美希「ママ頑張るからしっかり見ててね?」

p「うん。ずーっとみてるから!!」


P「また父親の威厳を背中で語ってしまったか……しかしp可愛かったなぁ」

美希「ミキとハニーの子だもん、当然だよ」

P「……緊張してるか?」

美希「え」

P「声、ちょっと震えてたからな。6年ぶりのライブなんだ、何も思わない筈が無い」

美希「やっぱり、わかっちゃうんだ」

P「美希の事だからな」

美希「うん。―――ホントはね、少しだけ緊張してるの」


美希「pが逆上がりした時の話したでしょ?」

P「ああ」

美希「ホントはね。pが逆上がり何度も失敗してた時……ミキ、pの事止めそうになっちゃった」

美希「『いいんだよ、できなくても。pはpだから』……って」

P「そうだったのか。けどそれって」

美希「そ。パパとママがミキに言ったのと同じこと」

P「……そっか」

美希「昔はパパとママのこと優し過ぎって思ってたけど……今ならパパとママの気持ちも少しだけ分かる気がする」

P「美希が母親になったからこそそう思えるのかもな」


美希「pが頑張ったんだもん、今度はミキが頑張ってる所見せてあげなきゃ!」

P「かといって変に気負うなよ?美希は美希ができることをやればいいんだから」

美希「へいき。緊張はしてるけど―――怖いとかそういうのじゃないよ」

美希「どんなステージになるのか、どんなキラキラが待ってるのか……そう考えると、胸のドキドキが抑えられないの!」

P「そっか。まあ何かあったら何時でも俺を頼ってくれ」

P「美希を支えるのが俺の役目だからな。―――俺を、信じろ」

美希「あはっ、やっぱりミキをプロデュースしてる時のハニーはカッコいいね!」

P「惚れ直したか?」

美希「惚れ直したじゃなくて、ずーっと惚れてるの」


P 「奇遇だな、俺もだ。……そろそろ時間だな」

美希「そうみたい。それじゃミキ、行くね」

P「あ、待った」

美希「?」

P「美希に余力があったらだけど……後でお茶しような。軽くお疲れ様ってことで」

美希「もちろん!けど、今回はふたりっきりでじゃないよね?」

P「ああ。俺と美希とpと3人で、な!」


P「いって来い美希!!ステージでみんなが……新しいキラキラが、お前を待ってる!!」

美希「行ってきます、ハニー!ミキ、精いっぱい頑張るから!」

美希「だからずっと見ててね。絶対だよ?」


おわり