私はひまわりが嫌いだ。

特にこの時期のひまわりが嫌いだ。

そう、ちょうど私の誕生日の頃のひまわりが……。










やよい「響さん、そのアクセサリー似合いますねー」

響「ありがと、やよい。夏の間、イベントの仕事とかミニライブでもつけてたんだ」

小鳥「あら、ひまわりの形の髪飾り?」

響「うん、プロデューサーにコーディネイトしてもらったんだぞ」

やよい「いいですねー。響さんの元気なところとあってるかなーって」

小鳥「そうね……」

響「ん? どうしたんだ? ぴよ子」

小鳥「実は私、あまりひまわりが好きじゃなくて……」

やよい「えーっ!? なんでですかー?」

響「ひまわり、自分は好きだぞ! おいしいし!」

小鳥(そっちなのね‥‥)タラー

響「ハム蔵もひまわり好きだよな?」

公蔵「ジューイ!」

小鳥「あはは……。実はね、近所にひまわりを庭で育ててる家があって、通勤するとき、よく見るの」

小鳥「でもこの時期になると、みんな枯れちゃってて……」

小鳥「それが、ちょうど自分の誕生日の時期だから、憂鬱になっちゃうのよ」

小鳥「私もこんなふうに年齢を重ねてどんどん枯れちゃうのかななんて、思っちゃって」

やよい「うっうー。小鳥さんが枯れちゃうなんて誰も思ってません!」

響「そ、そうだぞ。考えすぎさー」

小鳥「ありがとう、ふたりとも。そうよね、ひまわりには罪はないわよね」

響(ぴよ子……。誕生日気にしてたんだな)

やよい(元気になってもらいたいですー)




やよい「あ、あの! 小鳥さん! ひまわりは凄いんですよ!」

響「うわ! 急にどうしたんだやよい」

やよい「うちでも、長介がひまわりを嫌いになりそうになったことがあったんです」

小鳥「え?」

やよい「昔、学校でひまわりを育てる授業があって」

やよい「花が咲く頃には、長介のひまわりがクラスで一番大きくなったんです!」

響「おお! すごいじゃないか」

やよい「でも、ある日。長介のひまわりが途中でおられちゃったんです……」

響「ええっ!? ひどいな~」

やよい「長介はがっかりして『もう、ひまわりなんて見るのも嫌だ』って」

小鳥「かわいそうに……」

やよい「折れたひまわりは、そのまま放って置かれてました」

やよい「しばらくして、長介がひまわりの植えてあるところを通りかかったら」

やよい「折れたひまわりの根元の方の切り口から新しい芽が生えてきてたんです」

響「おおっ!」

やよい「新しい芽は、どんどん伸びて……そのうち小さいけれどちゃんとしたひまわりの花を咲かせました」

やよい「長介も元気を取り戻して、そのひまわりをちゃんと育てて」

やよい「今では、そのちっちゃなひまわりからとった種で、うちで毎年花を咲かせてます!」

響「いい話だな」

小鳥「そうね、ひまわりも一生懸命生きてるんだものね」




響「ぴよ子。枯れているひまわりがなんでしばらく放置されているか知ってるか?」

小鳥「え?」

響「しおれて、花も下を向いちゃってるけど、種を乾燥させて収穫しやすくするためなんだ」

響「つまり、枯れたまましばらくおいてある家では種をきちんと収穫してるってこと」

響「ぴよ子がよく見る家のひまわりも毎年咲いてるんでしょ?」

響「それは、その家がちゃんと毎年種をとって管理して翌年に植えてるってことだよね」

響「だから、枯れているひまわりを見て気を落とす必要なんかないんさ」

響「ちゃんと来年も元気に咲きます! って、みんなに知らせてると思っておけばいいんだよ」

小鳥「ふふっ、なんだか気を使わせちゃったわね」

小鳥「でも、おかげで元気になったわ。ありがとうねふたりとも!」

響「そうそう。やっぱりぴよ子は元気なのが一番だぞ」デモ、モウソウダケハカンベンナ

やよい「そうです! それに小鳥さんの誕生日だって、みんなで色々と準」

響「わーっ! わーっ! やよい! それは……」

やよい「あーっ! ごめんなさい、響さん……。あ、あのー小鳥さん」

小鳥「はいはい。私は何も聞いてませんよー」

ヨカッター

イヤ、モウサプライズニナラナイゾ…








私はひまわりが嫌いでした。

特にこの時期のひまわりが嫌いでした。

でも、これからは自分の誕生日と同じく、ひまわりが咲くのが楽しみ。