バー Unamela
出番を終えた小鳥さんとカウンターに腰掛け乾杯の合図でグラスを交わす。
ちん、と高く澄んだ音が心地よい。
あずさ「お疲れ様です、小鳥さん。」

小鳥「いつもありがとうございます、あずささん。」

嬉しそうにお礼を述べる小鳥さん。
社長が小鳥さんの為にキープしているシャンパンを二人で飲む。

あずさ「私、小鳥さんの歌好きなんです。それに、毎回こうして美味しいお酒もご馳走になれますし、ふふふ。」

小鳥「あずささん、ひょっとしてそっちが目当てなんじゃ···。」

あずさ「ち、違います!本当に小鳥さんの歌を聞きに···」

小鳥「ふふっ分かってますよ、あずささん。」

あずさ「もぅ、小鳥さん意地悪です···。」

小鳥「うふふ、すいませんあずささん。」

他愛のない事を話しながらグラスを傾けるこのゆったりとした時間が、事務所の皆とは違った安らぎを与えてくれます。

あずさ「たまには、他の子も連れてこようかと思うんですけどお酒の席となるとどうしても···。」

小鳥「気にしないでください、あずささん。」

グラスの中身を流し込み小鳥さんが続ける。

小鳥「それに私、こうしてあずささんと二人で飲むの、好きですよ。」

空になったグラスをテーブルに置き、照れ笑いをこちらに向ける小鳥さん。
まだ一杯しか飲んでいないのにもう酔いが回ってきたのかしら···。
顔が熱くなるのを感じます。
ずるいですよ、小鳥さん。
突然そんな事を言うなんて···。

小鳥「あれ、あずささんもう酔ってます?顔が赤いですよ?」

こんな調子ですからまだまだ小鳥さんには敵いそうにありません。
こうしてもどかしくも楽しい夜が更けていきます。



Fin


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