1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 20:54:59.22 ID:EZPo2HylO
 
P「忘年会と新年会を、同時に2月にやるとは……社長もなかなかやるな」 

律子「もはや、なんの会だかわかりませんよね」 

小鳥「でも、年末年始はみんなのスケジュールびっしりだったから、ようやく全員が集まれるんですよ」 

P「まあね。それにしても、ホテルの会場で765プロ身内だけでのパーティーか」 

律子「しかも今夜と明日は、完全オフですよ」 

小鳥「場所がホテルだから、酔ったら泊まれますしね」 

P「まあ飲める人間は限られていますけど……俺も、こういう時ぐらいは飲もうかな」 

律子「プロデューサーは、いつもお酒の場でも節制してますもんね……今日はいいですよ。私もいるし、いつもの分も飲んで下さい」ニコッ

 
4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 20:57:14.27 ID:EZPo2HylO 
 
律子「……言いましたよ、確かに。飲んで下さいって。ですけどね……」 

P「でぇへぇへぇへぇ……ふぐりぃ? ふぐりっていうのはなあ……甘くてしかもちょっぴりほろ苦い……まあ青春時代のキスみたいな食べ物だ……」 

やよい「うっうー! そうなんですかー」 

伊織「聞いたこともない、食べ物ね。すぐりの一種かしら……?」 

律子「なんですかあれは!? へべれけじゃないですか! へべれけ!!」 

P「律子ぉ! りつくぉ!!」 

律子「なんですか!? この酔っぱらいのへべれけ男」 

P「へべれけ……と今、律子は言ったが、その語源が古代ギリシャにあるって知ってたか?」キリッ 

律子「へ? あれ、プロデューサー酔いが覚めました?」

 
5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 20:58:22.49 ID:EZPo2HylO
 
P「酒の女神『エリューケ』を讃える言葉、ヘーベ・エリューケ、それが日本に伝わって『へべれけ』になったんだ」キリッ 

伊織「聞いたことあるわ。アンタ、よく知ってるじゃない」 

律子「プロデューサー、意外に博識なんですね」 

やよい「プロデューサー、すごいですー!」 

P「うんうん。それから……コンドームって、なんでコンドームって言うか知ってるか?」 

律子「はあっ? こ、こんどー……コンドームですか?」カアァ 

伊織「ば、馬鹿! な、なにを言い出すのよ!?」 

やよい「?」 

P「あれはな『今度産む』つまり今度は産むようにするから、今日は勘弁! 勘弁な!! ……って、そこから来てるんだよ!!!」 

律子「そ、そそそ、そうなんですか?」

 
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 20:59:53.67 ID:EZPo2HylO
 
P「へへへ……そんなの、ウソにきまってるだろぉ。もー律子、常識で考えてみろよーげへへへへぇ」 

律子「……こぉの! 酔っぱらいめえええぇぇぇーーー!!!」スパコーン 

伊織「この馬鹿プロデューサー!!!」ゲシゲシ 

P「あはは、酔ってるから痛くもかゆくもなーい!」 

やよい「あのー伊織ちゃん? 今のって……」 

伊織「ああ、もう! こんな所にいたら、やよいに悪い影響が出るわ。律子、酔いが醒めるまでコイツの事をよろしくね」 

律子「はあ、仕方ないわね……手のかかるプロデューサーだこと」 

美希「ハニー!」 

P「んー? 美希くぁ? ん!? み、美希っ!!」 

美希「ど、どうしたの!? ハニー」 

P「お、お前なんで今日は3人もいるんだ?」

 
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:01:22.56 ID:EZPo2HylO
 
美希「え? ハニーしっかりして欲しいの。ミキは1人だけなの」 

P「だってここに、美希が3人いるじゃないか」 

美希「ハニー?」 

律子「美希! 美希!」ヒソヒソ 

美希「なんなの? 律子……さん」 

律子「プロデューサー、酔っぱらってるのよ。きっと今のプロデューサーには、美希が3人ぐらいに見えてるんだわ」 

美希「そうなの? 見たところは、なんかいつもと変わらないカンジ」 

P「よーし、美希が3人いるならレッスンもはかどるな! じゃあそこの右側の美希、お前はダンスレッスンだ」ビシッ 

美希「え? は、はいなの」 

P「そんで真ん中の美希、お前は……ダンスレッスンだ」ビシッ 

美希「え? わ、わかったの」 

P「そして左側の美希、お前は…………ダンスレッスンにしよう」ビシッ
 

9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:05:37.30 ID:EZPo2HylO
 
美希「ダンスレッスンばっかりなの!?」 

P「ダンスしてると、美希は胸がすげー揺れるからな! ぐへへ」 

律子「ちょ! プロデューサー、担当アイドルをいつもそんな目で見てたんですか!?」 

P「ああ」キリッ 

美希「でもそれって、ミキを女として見てくれてる、ってことだよね?」 

P「ああ」キリッ 

美希「ならミキは構わないの。むしろ、嬉しいの!」 

P「俺は調子いい時は、平仮名の『む』もおっぱいに見える男だからな!」 

律子「パクマンですか、あんたは!! 最低……最低です!!!」 

P「そう怒るなよ、所長」 

律子「私は所長じゃありません! 確かに自分でも似てると思いますけど……いや、そうじゃなくて!! そんな悪い酔い方をするなんて、プロデューサーには失望しました!!!」

 
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:09:49.57 ID:EZPo2HylO
 
P「そう言うなよ律子ぉ。俺はさあ、律子に将来性を感じてるんだぜ?」 

律子「え、将来性? それは、私が将来プロデューサーとして今以上に成功するって意味ですか?」 

P「ちがうよぉ、アイドルとしてだよお」 

律子「……アイドルは引退しました。私」 

P「え? いつ?」 

律子「プロデューサーがやってくるより前です!」 

P「なら、もっかいやろーぜー! ぜーったい人気出るから!!」 

美希「それって、ミキよりも?」 

P「ああ!」キリッ 

美希「そんな……そんなのってないのー!」ダッ 

律子「あっ、美希! プロデューサー、担当アイドルを動揺させてどうするんですか」 

P「俺は、素直な自分の気持ちを言っただけだ。律子、アイドルにカムバックしよう」

 
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:15:08.78 ID:EZPo2HylO
 
律子「今の私は、プロデューサーとして成功したいんです……」 

P「へ? 性交?」 

律子「ちょ! 誰がそんな事を言いましたかっ!?」カアァ 

亜美「りっちゃ→ん。どったの?」 

P「あ、亜美! 大変なんだ、あの堅物の律子が突然『性交したい』って俺に……」 

律子「言ってません!」 

亜美「せ→こ→? 兄ちゃんと? せ→こ→ってなに→?」 

律子「亜美、本気にしないで!」 

P「性交……今風に言うなら、そうだな……『情事』ってやつかな」 

律子「全然今風じゃありません! むしろ古風な言い回しですよ、それ!!」 

亜美「ジョ→ジ? ジョ→ジって誰なの? もしかして所ジョージさん?」 

千早「♪ ウォウォウヤァアヤァア、ヨォ~ゥイェ~ェ 
  ウォワォオイェ~ェ、ヨォ~ゥイェ~ェ♪」
 
 
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:20:09.39 ID:EZPo2HylO
 
P「つまりイマドキっ娘の亜美にもわかりやすくいえば、律子はHがしたいんだって」 

亜美「ええ→! あ、そのお相手が所さん?」 

千早「♪ ウォウォウヤァアヤァア、ヨォ~ゥイェ~ェ 
  ウォワォオイェ~ェ、ヨォ~ゥイェ~ェ♪」 

律子「違うって言ってるでしょ!! 亜美、あのね…って、あれ?」 

P「あー、亜美ならあっちでみんなに言いふらしてまわってるぞ」 

律子「! 待ってえ!! 待って亜美、亜美ったら!!!」 

P「あ、おいい、律子ぉ!? あー行っちまったか……律子のアイドル復帰を相談したかったんだけどな……律子をプロデュース……やりてーなー」 

春香「プロデューサーさん? 何をやりたいんですか?」 

P「ん? おお、帰ってきてくれたのか!」 

春香「え? あの私、今来たんですけど?」

 
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:25:05.13 ID:EZPo2HylO
 
P「頼む! 頼むよ、この通りだ!! やらせてくれよお!!!」ガシッ 

春香「え! ええっ!! ぷ、プロデューサーさんに肩を抱かれて嬉しいけど、プロデューサーさんなんだか様子が変?」 

P「な! 俺を信じてくれ。やらせてくれよう!! 頼むよお!!!」 

春香「……プロデューサーさん? 何をやりたいんですか?」 

P「一回! 一回だけでいいから!! とにかく、嫌がってばかりいないで俺の腕前を自分自身で経験してみてくれよ!!!」 

春香「え? ええっ!? それってもしかして……」 

P「この通りだ!」 

春香「え、ちょっ!? ぷ、プロデューサーさん、やめてください土下座なんて!!」 

P「ふふっ。こう見えても俺は、土下座では芸能界でも有名なんだぜ」
 
 
15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:30:05.76 ID:EZPo2HylO
 
春香「……それってもしかして、私たちが失敗とか問題を起こした時に?」 

P「ああ」キリッ 

春香「! ごめんなさい、プロデューサーさん」 

P「だが、前は土下座だけで許してくれた局のお偉いさんも、最近は慣れてきてしまってなあ……」 

春香「うう、本当にごめんなさい。プロデューサーさん!」 

P「それで特別コーチに師事し、編み出したのがこれだ。見ていてくれ!」 

春香「え? ええ?」 

P「どうも、もうしわけございませんでし……たぁーっ!!!」 

春香「えっ!? プロデューサーさん、謝罪しながら空中へジャンプ! そのまま……空中で土下座の姿勢に!?」 

ビシイッ! 

P「この通りですーーーっっっ!!!」 

春香「そして土下座の体勢のまま、ピッタリと私の足下に!?」

 
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:35:07.82 ID:EZPo2HylO
 
P「どうだ!? これが俺の必殺謝罪『ジャンピング土下座』だ!!」 

春香「すごいですよプロデューサーさん、どげせんもビックリですよ! どげせんも!!」 

P「この他にも『大回転土下座』、『メニケリ土下座』(後方倒立回転土下座)『アルバニロ土下座』(中水平支持から伸腕伸身力十字倒立土下座)などの必殺謝罪がある」 

春香「うう……凄いけど、私たちの為にそんな謝罪を会得させてたなんて、罪悪感が……」 

P「言ったはずだ。俺は、担当アイドルの為ならどんなことでもやる」キリッ 

春香「プロデューサーさん……」ポッ 

P「今は『土下・The・ツカハラ』(後方かかえ込み2回宙返り1回半ひねり土下座)の練習中なんだ、律子」 

春香「……申し訳ないですけど私、律子さんじゃありませんよ」 

P「へ?」

 
17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:40:01.42 ID:EZPo2HylO
 
春香「よく見てください。私は春香ですよ、春香。天海春香です」 

P「……春香?」ジー 

春香「はい。あの……プロデューサーさん、もしかして律子さんのことが……」 

P「春香、なんで今日は二人もいるんだ?」 

春香「好きなんで……えっ!?」 

P「さっきの美希もそうだけど、春香も二人いるならレッスンがはかどるな!」 

春香「あの、プロデューサーさん? もしかして、酔ってるんですか?」 

P「よーし! じゃあ、こっちの右側の春香はボーカルレッスンだ」 

春香「え? は、はあ」 

P「それでこっちの左側の春香は……ボーカルレッスンだ」 

春香「……プロデューサーさん?」 

P「春香にはとにかく、ボーカルレッスンだ!!!」

 
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:45:02.03 ID:EZPo2HylO 
 
律子「はあ……ようやく沈静した。まったく、プロデューサーのせいで説明が大変でしたよ」 

春香「律子さん、律子さん。もしかしてプロデューサーさん、酔ってるんじゃないですか?」 

律子「そうなのよ。今までこんなに飲んだの見た事が無かったんだけど、まさかこうまで酒グセが悪いとは……」 

春香「今も私に、春香が2人いるって」 

律子「2人? 2人って言ったの?」 

春香「え? はい」 

律子「しめた! さっき美希と話していた時は、美希が3人に見えていたのよ。それが春香は2人に見えている。つまり随分と酔いは、醒めてきているのよ」 

春香「じゃあ、プロデューサーさんがいつものプロデューサーさんに戻るのも、もうすぐですね」 

律子「ええ!」

 
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:50:02.84 ID:EZPo2HylO
 
雪歩「どうですかプロデューサー? 私、お茶はよくいれるんですけどウーロンハイって自分では飲めないから、あんまり加減がわからなくって」 

P「あ゛ー、最高の味だよ雪歩ぉ」ゴクゴク 

雪歩「本当ですか? 良かったですぅ」 

春香「良くない!」 

雪歩「えっ!?」 

律子「せ、せっかく酔いが覚めてきていたのに」 

雪歩「わ、私なにかしちゃいましたか?」 

春香「……雪歩は悪くないんだよ。でも、実はプロデューサーさんすごい酔っ払っていて」 

雪歩「そうなの? なんだか、いつもとそんなに変わらないと思ったんだけど」 

P「春香、雪歩」 

春香「あ、は、はいっ!」 

雪歩「はいですぅ」 

P「おまえ達8人が、トップアイドルとして頂点を極める日も近い」 

春香「え?」 

雪歩「8人……ですか?」

 
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:54:01.76 ID:EZPo2HylO
 
P「そうだ。春香4人に、雪歩4人。おまえ達8人で、あのアイドルの4つの頂点を極めるんだ!」 

春香「さっきより増えてる……」 

真美「お→い! りっちゃ→ん! ホテルの人が呼んでるYO!」 

律子「あ、はーい! ちょっと私、行ってくるわね。春香とゆきほ、悪いけどプロデューサーに、これ以上飲まさないように注意していてね」 

春香「自信ないけど……」 

雪歩「がんばってみますぅ」 

律子「真美は、プロデューサーに水を持ってきて飲ませて」 

真美「? わかった」 

P「聞いてるか!? 春香と雪歩、8人とも目を閉じてみろ」 

雪歩「えっ?」 

春香「は、はい。こうですか?」 

P「どうだ、見えるだろう。目には見えなくても、お前たち8人の16の心の目には。あのアイドルという山の、4つの頂が」
 
 
22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:56:09.23 ID:EZPo2HylO
 
雪歩「プロデューサーにそう言われると……」 

春香「なんだか、見えるような気がします!」 

P「そうか! だが、あの遙かなる頂……アイドルの頂点に立てるのは、全てのアイドルの中でも4人だけだ!!」 

雪歩「難関なような……」 

春香「そうでもないような……」 

P「普段は仲良く、家族のような雪歩と春香の8人でも……頂点に立てるのは、その中でも4人だけなんだ!!!」 

雪歩「あの、プロデューサー……」 

春香「私たち、そもそも2人なんですけど……」 

P「今更、泣き言を言うな!!!」 

雪歩「いえ、あのぅ……泣き言とかじゃないんですぅ」 

春香「プロデューサーさん、まさかこんなわけのわからない酔い方をする人だったなんて……」

 
23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:58:02.23 ID:EZPo2HylO
 
P「ともかく! あの頂点を目指して、お前たち6人を俺は全力でプロデュースするからな」 

雪歩「あ、ありがとうございますぅ……って、あれ?」 

春香「プロデューサーさん、さっきまで私たちを8人って言っていたのに、6人に減ってる」 

雪歩「さっきよりプロデューサー、酔いが醒めてきてるんだよぉ」 

春香「良かった。あ、でも、ここでさっきみたいにまたお酒を飲まないように気をつけないと!」 

雪歩「そうだね。元の木阿弥になっちゃうよね」 

P「ダメだぞ真。ジュースみたいに見えるけど、これはバイオレットフィズと言って、なかなかアルコール分のあるカクテルだからな。代わりに飲んでやる」ゴクゴク 

真「そうだったんですか! ボク、プロデューサーに言われなかったら知らずに飲んじゃってましたよ!」

 
24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 21:59:43.41 ID:EZPo2HylO
 
春香「ああー……」 

雪歩「真ちゃん……」 

真「あ、春香に雪歩。今、とってもキレイな飲み物があって飲もうとしたんだけど、プロデューサーが……」 

春香「見てたよ……あのね、真。今、プロデューサーさんすごい酔ってるんだよ」 

真「え? そんな風には見えなかったけど」 

雪歩「私もそう思ってたんだけど、なんだかすごい不思議な酔い方をしてるんだよぉ」 

真「そう? プロデューサー、酔ってますか?」 

P「いや」キリッ 

真「ほら、2人ともプロデューサー酔ってないってさ」 

P「ところで、真達!」 

真「あ、はい。ん? 真……達?」 

春香「ああ……」 

雪歩「始まっちゃったね。真ちゃんの事を『達』って」 

小鳥「ねえねえ、今2人で真ちゃんがタチって話をしてた?」

 
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:01:26.34 ID:EZPo2HylO
 
春香「……酔って無くてもダメな大人の人もいるし」 

雪歩「なんだか事務所の先行きが、不安になってきたよぉ」 

小鳥「ピヨッ!?」 

P「実は真達に、ゲームのメインヒロインになって欲しいという仕事がきている」 

真「え? ヒーローじゃなくて、ボクがヒロインですか!?」 

P「学園生活を送りながら、次第に親密になっていき、やがて恋人に……そういう内容のゲームだ」 

小鳥「真ちゃんがメインヒロインのギャルゲーですか! これは私、自費で買いますよ!!」 

真「しかもメインヒロインなんて……ボク、嬉しいです」 

P「タイトルは『闘気滅気メモリルアル』!」 

雪歩「? な、なんだか……」 

春香「うん、真美と亜美がよくやってる格闘ゲームみたいなタイトルだね」

 
26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:05:02.48 ID:EZPo2HylO
 
P「そしてメインヒロインである真達には、主題歌も歌ってもらう!」 

小鳥「メインヒロインによるオープニングムービー! 真ちゃんがやるなら、私2本は買いますよ。自費で!!」 

真「へへっ! やーりぃ」 

小鳥「きっと真ちゃんが、好きとか嫌いとか最初に言い出したのは誰なのかしら~♪、とか歌うんですね」ドキドキ 

P「おお! かなり近いです。千早、この間のサンプル曲ちょっと歌ってみてくれ」 

千早「わかりました」コホン 

千早「♪ 突きとか、気合いとか~♪ 
  最初に言い出したのは~誰なのかしら~♪」 

春香「ちょ、ちょっとお!」 

雪歩「歌詞が完全に、格闘技ですぅ。ま、真ちゃん? き、気を落とさないでね?」 

真「……いいですね」 

雪歩「え?」 

真「燃えますね! こういうの!!」

 
27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:10:02.59 ID:EZPo2HylO
 
春香「あー……」 

雪歩「ま、まあ、真ちゃんが満足なら……いいのかな」 

小鳥「真ちゃん、こうなったら今から備えましょう。ここは貸し衣装もあるから、フォーマルなドレスとか着てみましょう」 

真「ホントですか!? お願いします、小鳥さん」 

P「おお、がんばるんだぞ。真達ー! 頼みますよ、小鳥さん達ー!」 

律子「どう? プロデューサーの酔いは醒めた?」 

春香「あ、律子さんお帰りなさい。ええと……なんていうか……」 

雪歩「あれからまたちょっと、プロデューサー飲んじゃったんですけど」 

律子「はあ、しょうがないわね」 

小鳥「プロデューサーさん、どうでしょう? ドレス姿の真ちゃんですよ」 

P「ほう。真、4人ともキレイだぞ」 

真「えへへ、本当ですか? ん? 4人?」 

雪歩「だからね、真ちゃん。プロデューサーには、真ちゃんが4人に見えてるんだよ。今は」 

真「ボクが4人に?」

 
28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:15:26.48 ID:EZPo2HylO
 
P「似合うぞ、真達! 真達は美人だからやっぱりドレスも、似合うなあ。これは今後の活動も、考えないといけないな」 

春香「うーん、でもだいぶ言っている事は、普通になってきたんじゃないですか?」 

律子「そうね。人数はともかく、話の内容は」 

あずさ「あらあら~」 

春香「あ、あずささんだ」 

あずさ「なんのお話ですか~?」 

律子「あずささん、今のプロデューサーは泥酔してますから、何を言われてもまともに受け取らないでくださいね」 

あずさ「そうなんですか~? なんかいつもと変わらないようですけど」 

P「あずささん、いい所に。今度、生っすかであずささんの新コーナーを始めようと思うんですよ」 

あずさ「まあ~それは嬉しいですね~」

 
29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:20:04.46 ID:EZPo2HylO
 
P「世の中の納得いかない事や、不正や不条理に対して、あずささんが生で突撃取材を敢行するんです」 

あずさ「突撃取材……ですか?」 

P「コーナー名は『怒鳴りに…』」 

律子「『隣に…』のパクリじゃないですか!」 

P「♪ ソラニン入りカレー 苦悶でなだれ落ちる♪」 

雪歩「ソラニン、って確か……」 

春香「ジャガイモの芽とかに含まれる毒物だよね?」 

P「♪ 風邪をこじらせて 危機が迫る♪」 

律子「ちょっと、プロデューサー! 勝手にあずささんの名曲を、変な歌詞にしないでください!」 

P「ほら、あずささんも一緒に!」ヒソヒソ 

あずさ「え? は、はい~」 

P・あずさ「♪ セミの抜け殻探している~♪」 

律子「見つけてどうするんですか!? そんなもの!!」 

千早「♪ 殿様の血を 配る度に~♪」

 
34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:25:04.59 ID:EZPo2HylO
 
律子「……はあ」 

あずさ「あらあら~本当に酔っているんですね~」 

春香「どうしたらいいんでしょう?」 

あずさ「大丈夫よ。別に暴れたりするわけじゃないし、そのうちに酔いも醒めるわよ」 

雪歩「そうなんですか?」 

あずさ「お酒って、そんなに悪いものじゃないのよ~。今のプロデューサーさんは、ちょっと夢を見ているようなものなのよ」 

春香「起きたまま見る、夢……ですか」 

真「なるほど。そう考えると、ちょっとロマンティックですね」 

P「♪ あなたがすぐ蕎麦 煮るように感じてしまう~♪ ん? あ、あずささん!?」 

あずさ「はい? どうかしましたか?」 

P「あ、あずささんの胸が……」 

あずさ「? 胸? 私の胸がどうしましたか~?」 

P「あずささんの胸が、8つも!」

 
35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:30:01.77 ID:EZPo2HylO
 
春香「あー……」 

雪歩「やっぱり全然……」 

真「ロマンティックじゃないね」 

千早「そんな……大きさだけじゃなくて、数まで!?」 

春香「千早ちゃん、ちょっと冷静になろうね」 

あずさ「もう~プロデューサーさんまで、私の事を牛さん扱いですか~?」 

P「とんでもないですよ! そんなわけないじゃないですか」キリッ 

あずさ「本当ですか~?」 

P「ええ。牛ならおっぱいは、左右2つずつで4つのはずですから」キリッ 

あずさ「え?」 

P「ちなみに熊は6つ、犬は8つ、猫は10、豚は14です。つまりあずささんは犬系ですね」キリッ 

あずさ「そ、そうですね~。プロデューサーさん、ずいぶんと動物に詳しいんですね」 

P「ええ。俺は、ことおっぱいにかけては誰にも負けない知識を有していると自負しています」キリッ

 
36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:35:01.78 ID:EZPo2HylO
 
あずさ「へ、へえ~。すごいですね……」 

P「今日は絶好調だから、ひらがなの『す』もおっぱいに見えますよ。うへぇへぇへぇへぇ」 

律子「あずささん、ちょっと席を外した方がいいみたいですよ」ヒソヒソ 

あずさ「そ、そうですか~?」 

律子「プロデューサーの理性が戻るまで、あずささんの胸はプロデューサーの目の毒です」 

あずさ「わ、わかりました~。じゃあまた後で……」 

P「あれ? あずささん、いっちゃうんですか?」 

律子「はいはい。プロデューサーの相手は、私が」 

P「おおう! 律くぉのおっぱいもいいなあ!!」 

律子「……やめてください。私みたいな寸胴……」 

P「そんな風に卑下するなよ。律子の胸は、どれも魅力的だ」 

律子「そ、そうですか。それはどうも」カアァ

 
38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:40:10.97 ID:EZPo2HylO
 
雪歩「うう……私なんて、ひんそーでひんにゅーだから……」 

真「ぼ、ボクも胸は……」 

千早「んあー!」(血涙) 

P「おいおい、おっぱいは大きさが全てじゃ無いぞ! 雪歩達も真達も、もちろん千早もちゃんと魅力的だ」 

雪歩「ほんとですかぁ」 

真「そ、そう言われるとやっぱり嬉しいですよ」 

千早「んあー!」(歓喜) 

律子「……気遣いが出来る程度には、酔いが醒めてきたのかしら? あの、プロデューサー? 私が何人いるか、わかります?」 

P「変な事を聞くなあ。律子は、2人に決まってるだろ」 

律子「ふう。もうあと一息ね」 

貴音「あなた様、こちらのおぉどぶるが大変な美味ですよ」 

P「おお! 貴音は本当に、スタイルがいいなあ」

 
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:45:01.90 ID:EZPo2HylO
 
貴音「まあ。あなた様が、その様なことをはっきりと仰ってくださるなんて。わたくし、嬉しいです」 

P「最近は、数字の『3』を横から見るだけで貴音を連想できるぞ!」 

貴音「? はあ……」 

P「スタイルも崩れないし、これだけ食べてるのに体調管理はしっかりしてるな貴音は。」 

貴音「いえ……先日は風邪気味で、あなた様にご迷惑をおかけしました……」 

P「ああ、あれぐらいなら大丈夫だ。それより万全じゃないのに、歌わせて悪かったな」 

貴音「平気です。歌いなれた、わたくしの持ち歌ですから」 

P「『風邪鼻』……いい歌だ」 

貴音「いえ、『風花』です。あなた様」 

P「♪ かごがあずにがわり♪ 
  ずいごまれるみらいに♪」 

貴音「あなた様?」 

P「♪ ごごろおおうやみに……はーハクション!」

 
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:50:03.20 ID:EZPo2HylO
 
貴音「もしかして、酔っておいでなのですか?」 

律子「そうなのよ。でもまあ、随分と酔いが醒めてきてはいるみたいなんだけど」 

貴音「まあ」 

律子「早く、完全に酔いが醒めるといいんだけど……」 

貴音「わたくし、お酒を飲む前に牛乳を飲むと酔いの醒めるのが早い、と聞いたことがあるのですが」 

春香「でも貴音さん、プロデユーサーさんもう飲んじゃってますから」 

貴音「後は……柑橘系の果物を摂取すると、酔いの醒めが早いとも」 

律子「それよ! 真、会場のどこかにフルーツがあるはずよ」 

真「わかりました。探してきますね」 

P「フルーツぅ? パイナップルで良かったら、ここにあるぞぉ」 

雪歩「え? ほんとですか?」 

P「ほぉら、パイナップルー!」ムンズ

 
45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:52:06.45 ID:EZPo2HylO
 
律子「……プロデユーサー? 私の髪を掴んで、どうするつもりですか?」フルフル 

P「うまそーなパイナップルー! 食べてもいいか?」 

律子「ちょ、やめてください!」 

春香「……さっきもちょっと思ったんですけど、律子さんってプロデューサーさんとつき合ってるんですか?」 

律子「やめてくだ……え!?」 

春香「さっきプロデューサーさん、私を律子さんだと間違えて……やらせろやらせろ、って連呼して……」 

雪歩「ええー!」ジー 

千早「んあー!」(抗議) 

貴音「それは、まことですか?」 

真「真ですか?」 

律子「ちが、誤解よ! ちょ、プロデューサー!! 耳をかじろうとしないで!!!」 

春香「……本当に、誤解なんですか?」ジトー 

律子「誤解よ、誤解!」

 
47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:54:25.27 ID:EZPo2HylO
 
雪歩「あの……プロデューサーは、どうなんですか? 好きなんですか? 違うんですか?」 

P「えー? あ、俺ー? 好きだよぉ」 

春香「うう……やっぱり」ポロポロ 

雪歩「はうぅ……」ポロポロ 

千早「春香……あっちでちょっと話しましょう」 

春香「千早ちゃん……うん」ボロボロ 

真「……雪歩も、ほら」 

雪歩「真ちゃん……」ボロボロ 

P「パイナップル、だーい好物ぅ……げへへ」 

律子「はあ……なんかもう、色々ショック過ぎて言葉が出ない……」 

貴音「面妖な……あら、響」 

響「プロデューサー、ちょっといいか?」 

P「おう! なんだ、響?」 

響「さっきやよいと話したんだけど、自分今度のライブでやよいの『キラメキラリ』歌いたいんだけど、いいかな?」 

P「へえ、響がやよいの歌をなあ」

 
49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:55:52.74 ID:EZPo2HylO
 
響「自分、あの歌が大好きなんだ。元気になれるし、楽しいし」 

P「よし! せっかくなら、響の為に『キラメキラリ』のアレンジバージョンを作ろう」 

響「ホントか!? 自分、嬉しいぞ!!」 

P「タイトルは『ノラリクラリ』!」 

響「うぎゃー! そんなタイトル嫌だぞ」 

P「♪ フレーフレー頑張れ……ハァ、行こう……♪ 
  ♪ フレーフレー頑張る? 帰ろ♪」 

律子「なんてやる気のない歌かしら……」 

貴音「面妖な」(落胆) 

P「♪ ノラリクラリ 仕事チュウも♪ 
  ♪ 近くで隠れるサボり♪ 
  ♪ ノラリクラリ身代わりにしよっと♪ 
  ♪ タワシを私と呼びたい♪」 

響「ほ、ほんとに自分、そんな歌をうたのかー!?」 

律子「響、響! 安心して、プロデューサーは酔ってるのよ」

 
50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:57:54.86 ID:EZPo2HylO
 
響「え? そうなのか?」 

律子「ええ。そろそろ醒めてもいいんじゃないかと、思っているんだけど……」 

P「そろソロ、かえろーん! ……って、あれ? なんで俺、うたってるんだ?」 

律子「プロデューサー! 酔いが醒めたんですか!?」 

P「律子? 俺、そんなに酔ってたか?」 

律子「大変でしたよ! ね、貴音」 

貴音「普段からは考えられない、言動でした。ああ、普段どおりのあなた様がこんなにも愛おしいとは……」 

P「そうか。悪かったな」 

律子「いえ……それよりも、みんなの誤解を解いてもらわないと!」 

響「誤解?」 

貴音「あなた様が、律子嬢を好きだとみんな勘違いしているのです」 

P「え? なんでそんなこと……俺、もしかして本音を?」 

律子「は?」 

P「い、いや、なんでもない!」

 
52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 22:59:28.67 ID:EZPo2HylO
 
律子「? ともかく、一緒に来てください」 

小鳥「あら、真美ちゃん」 

真美「あー、いたいた。兄ちゃん、水飲む?」 

P「おお、なんか歌ったせいか喉が渇いていたからな」ゴクゴク 

律子「真美? それ、お酒じゃないでしょうね?」 

真美「違うよ? ほら、お酒の匂いとかしないもん」 

律子「……ほんとね」クンクン 

響「うん。大丈夫みたいだぞ」 

P「ああ、美味しいよ。真美」ゴクゴク 

律子「じゃあ行きましょう、ちゃんとみんなに説明してくださいね」ダッ 

P「わかった。じゃあまた後でな、貴音達に響達に真美達……」ダッ 

響「ああ、歌の件はまた後で……ん?」 

貴音「達……と、今あの方は仰られたような……真美、これは本当に水ですか!?」

 
53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 23:00:45.93 ID:EZPo2HylO
 
真美「え→? ラベルがえ→ごで、よくわかんないけどミネラルウオ→タ→じゃないの?」 

響「『Vodka』……ってこれ、ウオッカじゃないか? お酒の?」 

小鳥「ホント! 無味無臭だけど、かなり強いお酒よ! これ!!」 

貴音「……」 

真美「……」 

響「……」 

小鳥「……」 

貴音「わ、わたくし……あちらを見るのが恐ろしいです!」 

真美「だ、だけど知らんぷりするのも恐いよ→!」 

響「じゃ、じゃあ。せーので、みんな振りかえろう」 

小鳥「いいわね。じゃあ……せーの!」 

真美「……うわ」 

響「……プロデューサー、土下座しながら空中でものすごい動きをしてるぞ」 

貴音「……面妖な」(驚嘆) 

内村航平「ついにやりましたね、Pさん!」

 
58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 23:05:05.50 ID:EZPo2HylO
 
小鳥「あれ、あなたは確か……ロンドンオリンピック、体操の金メダリストの……!?」 

内村「ええ。765プロに、コーチとして招聘されたんです」 

真美「え→! じゃあ、兄ちゃんのあの土下座は……」 

貴音「あなたが……」 

響「教えたのかぁ!?」 

小鳥「土下座にそこまで……プロデューサーさん……」 

内村「後方かかえ込み2回宙返り1回半ひねり土下座……見事です、Pさん!」 

P「なあ、頼むよ! この通りだからやらせてくれよぉ!! 律くおおおぉぉぉーーーっっっ!!!」 

ビシイイイィィィーーーッッッ☆☆☆ 



おしまい

 
60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 23:06:21.56 ID:DcN95enk0
 
なんてオチだ・・・不覚にも感心した。

62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 23:07:56.39 ID:9E/nbx610
 
律子が可愛かったから許した 

 
63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/04(木) 23:10:26.81 ID:EZPo2HylO
 
以上で終わりです。 
ありがとうございました。