小鳥「今日も社長は外出ですか」

律子「ここ最近、ほとんど事務所で姿を見かけませんね」

小鳥「ハッ! まさか……」モウソウカイシ

律子「はいはい。小鳥さんが思っているようなことはないですからね」

小鳥「あらら……」

律子「でもこの間見かけた時は、だいぶお疲れみたいでしたよ」

小鳥「うーん」

ガチャリ

高木「おや、律子君、音無君。何の話をしているんだい?」

小鳥「あれ? 社長。出かけていたんじゃ?」

高木「ふむ! 実は事情があって戻ってきたのだが……。美希君はいるかな?」

律子「美希なら、会議室が日当たりいいとかでそっちに行ってますけど」

高木「おお、そうかそうか」

小鳥(美希ちゃん。きっと会議室で寝てるのね)タラー

律子「ところで、社長。最近、行き先を言わない外出が多いですがどうしたんですか?」

高木「……」ビクッ

律子「なにか、特別な事情でも?」

高木「い、いやー、律子君はさすがだねぇ。もう気づかれてしまったか」

律子「隠し事をするなとはいいませんけど、せめて言い訳なりの報告はしていただきたいなと」

高木「後ろめたいことではないよ! と、いいたいところだが……」チラッ

小鳥「ん? なんですか社長?」

高木「ええい。もう、バレてしまったからには白状するよ! 実は黒井のやつと、な……」

律子「黒井社長と?」

高木「フム。あいつと男を賭けた『十番勝負』をしていてだな。961プロやいろいろと勝負をする所に出かけていたのだよ」

律子「なっ!?」

高木「無論、勝ち負けで何かをどうこうするというものではないのだが、あえて言えば『男のプライド』をかけているといったところかな……」

律子「はぁ……」

小鳥「な、仲いいんですね……意外と」

高木「私は仲良くしたいのだが、黒井のほうがな……」

律子「ちなみに『十番勝負』ということは、今までどう勝負してたんですか?」

高木「よくぞ聞いてくれた律子君! 今までのは……」



第一戦


黒井「フン! 高木。貴様との決着など早々につけてやる」ググッ

高木「ふむ。私もそうやすやすと負ける訳にはいかないよ」ググッ

冬馬(おっさん達……。セリフは真剣なのに、やるのはただの指相撲じゃねえか!)

黒井「レディー」

高木「はじめ!」

クイックィツ、ギギギ

冬馬(すごく地味な絵面だ……)

ビシッ

黒井「しまった!」

高木「いちにさんしごうろく……」

黒井「まっ、まて! 数えるのが早……」

高木「はちくぎゅうううう! よし! 勝ったぞ!」

黒井「ぐっ! 高木! 汚いぞ! それが765プロのやり方か!」

冬馬(いや、おっさん……。そんなに熱くなることじゃないだろ……)




第二戦


黒井「フハハハ! この勝負なら負けんよ! 私の秘蔵コレクションの前に屈服しろ! 高木ィ!」

高木「ふーむ、弱ったね。これは苦手なのだよ。手首のスナップが難しい……」

北斗(メンコ!? 裏に豆知識が書いてある……。これ、実は骨董品で貴重なんじゃ?)




第三戦


黒井「今日は太鼓の達人で……」

高木「勝負だドン!」






律子「ちょ! もう詳しく話さなくていいです!」

高木「うーむ、ここからが白熱した戦いになるのだがね。他にも腕相撲、ダーツ、ビリヤード、飲み比べ、カラオケ採点で勝負してきた」

律子「色々、突っ込みたいところはありますけどそれで結局どうなったんです?」

高木「全くの五分五分、四勝四敗だ。そこで次なる勝負を所属アイドルのオーディションで決めることになってね」

律子「……」

高木「美希くんなら、きっとこのCMにピッタリだろうと思って……」スッ


エス○ー 消○力


高木「キャッチコピーも私が考えた! 『らーららーらららーらーらー♪ 消~臭~ミキ♪』」アハッ!

律子「……」ピクピク

小鳥(アカン)

律子「そんなことに美希を巻き込まないで下さい!」

高木「え? ダメだったかな? じゃあ、我那覇君と天海君で、芸能人デート番組とかは……。あの二人ならリアクションも素晴らしいし」

律子「だーまーっーてーくーだーさーいー……」

高木「り、律子君?」タラー

小鳥(真っ黒な社長なのに、何故か冷や汗だらけになっているのが分かるわ)フシギ!

律子「私がお二人の残りの勝負をプロデュースして差し上げますよ。仲良く徹底的に……」ゴゴゴゴゴゴゴ

ウワーーーー。イタイノダケハ、イカンヨキミィーーーー!

小鳥(おわった……。しかし、律子さんが勝負に出れば、社長二人が相手でも、勝てるんじゃないこれ?)




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黒井「ウィ? 翔太。どうしてもダメだというのか? せっかく 
    
    『トイレといえば御手洗~♪

            御手洗といえば消○力~♪

                 みんな大好きショ~○ュ~リキ~♪』

   という、キャッチコピーも考えてきたのだぞ! おーいどこへ行く!」






おわり