アイマス×歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』
 
佐野次郎左衛門:萩原雪歩
八ツ橋:星井美希
下男治六:天海春香
立花屋長兵衛:三浦あずさ
立花屋おきつ:秋月律子
繁山栄之丞:菊地真
釣鐘権八:音無小鳥



序幕<吉原仲之町見染の場>

亜美「さあさあお二人さん、ここが吉原の仲之町!立派なもんでしょ→」
 
雪歩「話には聞いてましたけど、こんな立派な所だとは知りませんでしたぁ…」
 
春香「おらも初めて参りましたが、こりゃたまげました!」

亜美「んっふっふ~、お二人さん吉原に来たからにはやっぱり花魁と一緒に遊ばないとだめっしょ→」
 
雪歩「いえ、私達は見物に来ただけですから、もう宿に帰ります」
 
春香「今日はえらく疲れました、早く帰って飯食って寝とうございます」

亜美「そんなこと言わないで、特別に安くするからさあ、ねえいいじゃんいいじゃん!」
 
あずさ「ちょっと、ちょっと待ちねえ」
 
亜美「げえっ!?あず…た、立花屋の親方さん、何か用?」
 
あずさ「話を聞いていたが、一体いくらでこの二人を遊ばせる気だい?」

亜美「親方さん、見逃してよ」
 
あずさ「見逃すなんて出来ねえのだ 勝手を知らぬ客とみると 嘘八百で廓に連れ込み 金を貪るお前方 俺と一緒にちょっと来てもらおう」
 
亜美「そんな野暮を言うもんじゃないよ→。見逃して!この通り!」
 
あずさ「見逃すなんて出来ねえ!さあ俺と一緒に」

亜美「ええい!忌々しい…」
 
あずさ「何だって?」
 
亜美「えっ!?い、いやあ、あっ!お二人さん、店を決めてくるからちょっとそこで待っててねえ!」
 
あずさ「あっ、待たねえか!…ったく…」

雪歩「治六、なんだかおかしなことだね」
 
あずさ「お前さん方、あんな奴に騙されちゃ危ないから、早くお帰りなさるがいい」
 
雪歩「それじゃあ私達騙されるところだったんですか?」
 
あずさ「あのまま奴について行ったら、金を貪り尽くされるところでしたぞ」

春香「は、話にゃあ聞いちゃいたが、恐ろしいもんですねえ」
 
雪歩「吉原の近くまで来ましたから、少し遊んで行こうと思ってたんですけど…」
 
あずさ「遊ぶなら吉原の勝手を知った人と来ると良いでしょう。失礼ながらその身なりではどれだけ馬鹿にされるかしれません」

雪歩「親切な旦那様良く教えて下さいました。して、あなた様のお名前は?」
 
あずさ「わっちは立花屋長兵衛といって、仲之町の茶屋だから、一杯茶でも飲んでいきなさるか?」
 
雪歩「いえ、お名前さえ伺えれば、すぐにでもお礼に参ります」

あずさ「お礼にはおよびせん。早く帰りなさい」 

雪歩「そのお言葉に従って、すぐにでも宿に帰ります」
 
あずさ「それじゃあ気をつけてお帰りなさいませ」
 
雪歩「ありがとうございます」
 
春香「じゃあ旦那様、帰りましょうか」
 
雪歩「だけど、さっき通って来た大門で金でも取られるんじゃ…」

春香「こんな立派な所だから、ただじゃ通さないかも…」
 
雪歩「さっきの旦那に聞いておくんでした…」
 
春香「何にしてもあの大門を出るまでは安心できませんなあ…あれ?旦那様あれは何でしょう?」
 
雪歩「あれは国の錦絵でよく見た、花魁の道中でしょう」

春香「へえ、あれがそうでございますか」
 
雪歩「さあ、宿へ帰りましょう…あっ!?ご、御免なさ……」
 
美希「…」
 
雪歩「は…はああ…」
 
美希「……ふふ」
 
雪歩「!?」
 
美希「……」
 
雪歩「……」
 
春香「いやあ、綺麗なもんでございますなあ…旦那様?」

雪歩「……」
 
春香「だ、旦那様?…旦那様!帰りますよ!」
 
雪歩「宿へ帰るのは…厭になった…」
 
春香「厭って…も、もしかして旦那様さっきの花魁を!?」
 
雪歩「はああ……また…会えるかなあ……」