前作:アイマス×歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』序幕<吉原仲之町見染の場>
   アイマス×歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』二幕目<立花屋見世先の場><大音寺前浪宅の場>
   アイマス×歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』三幕目<兵庫屋二階遣手部屋の場><同 廻し部屋の場><同 八ツ橋部屋縁切の場>





<立花屋二階の場>


ともみ「佐野様、どうぞおあがりください」
 
雪歩「久しぶりにここへ来ました」
 
律子「佐野様、お待ちしておりました。こちらからお迎えにあがることが出来なくて申し訳ございません」
 
雪歩「いえ、お気になさらずともいいです。それに私はこの前のことはもう何とも思ってはいませんよ」

律子「佐野様、ありがとうございます…しかしこうしてまたお目にかかりまして、安心いたしました」
 
雪歩「女将さん、これは皆さんへの祝儀です。受け取ってください」
 
律子「そ、そんな、もらえませんよ」
 
雪歩「いえ、今までお世話になったお礼です。受け取ってください」

ネリア「よく来てくださいまシタ。八ツ橋さんも驚いてましタヨ」
 
雪歩「仕事もようやく片付いて、久しぶりに江戸へ来ましたが、思い出すのは八ツ橋のこと…恥ずかしながらまたこうして来させていただきました」

律子「いえいえ佐野様ならいつでも歓迎しますよ。またお越しいただいてありがとうございます」
 
ともみ「花魁お越しでございます」
 
雪歩「八ツ橋さん…」
 
美希「…次郎左衛門様…この前のこと…どうか堪忍してほしいの

雪歩「…私はもう何も気にはしておりません。ですからまた初めての時のように遊んでくださいよ」
 
美希「次郎左衛門様…」
 
律子「いや、これで安心しました。八ツ橋さん、次郎左衛門様に感謝しなさいね」
 
美希「うん!」

雪歩「女将さん、実は八ツ橋さんに秘密の話がありますので、皆さん席を外してください。話が終わったら呼びますから」
 
律子「積もる話もあるでしょうから、私達はこれで」
 
雪歩「ありがとうございます…」
 
美希「…二人っきりだね…話って何?次郎左衛門様」

雪歩「あなたとまた会えて嬉しいです…ですから私からのこの杯、うけてくれませんか?」
 
美希「話ってそのこと?勿論喜んでうけさせてもらうの!」
 
雪歩「では私がお酌しますね」
 
美希「ありがとうなの…こ、こんなにいっぱい!?いいの?」

雪歩「私からの酌、どうぞ飲んでください」
 
美希「でもこんなにいっぱいじゃあ…」

雪歩「いえ…この世の別れです…一杯飲んでください」
 
美希「この世の、別れ?」
 
雪歩「八ツ橋…よくもこの私に、恥をかかせたな…」
 
美希「じ、次郎左衛門様?」
 
雪歩「よくも…よくも私に恥辱を与えてくれたな…この日を、どれだけ待ちわびたことか…」

美希「あ、あれには…あれには深い訳があるの!」
 
雪歩「今更そんな言い訳は聞きたくない!!八ツ橋お前の命は貰ったぞ!!!」
 
美希「いやあ!!」
 
雪歩「逃げるなあ!!!」
 
美希「ああっ!?…次郎…左衛門…さ、ま……」

雪歩「………」
 
ともみ「佐野様!今灯りを持ってまいります!」
 
雪歩「しぃー……」
 
ともみ「もう夜更けでございますから、お灯りを持ってまいりました…次郎左衛門様?…か、刀!?」
 
雪歩「しぃーっ!……」
 
ともみ「ああっ!?……」

雪歩「……ふふふふ…籠釣瓶は……良く斬れるなあ……」


『籠釣瓶花街酔醒』 終幕



参考リンク:籠釣瓶花街酔醒 - Wikipedia