美希「律子…さん!相談があるの!」

律子「相談?珍しいわね、あんたが私に相談だなんて。」

美希「適任は春香だと思うんだけど、今は現場で居ないから律子…さんに聞くの。」

律子「ほほぅ、若干引っかかるけどまぁいいわ。それで、どんな話よ?」

美希「えぇっとね、もうすぐバレンタインだからでこちゃんにチョコをあげたいんだけどミキ、作った事無いから分かんなくて。」

律子「ふむ、なるほどね…。」

ガチャ

伊織「帰ったわよ。」

小鳥「伊織ちゃんお帰りなさい。」

伊織「あら小鳥、ただいま。」

美希「それでね、ミキ的には…」

律子「う~ん、まぁそんなに…」

伊織「美希に律子、何してるのそんな隅っこで?」

美希「え?な、何でもないの!ね、律子…さん!」

律子「ぅえ!?私に振らないでよ!」

伊織「怪しい…。」ジィー

美希「さ、さぁ美希はもう帰るの!律子…さんも帰ろ!」

律子「え、え、え?」

美希「ほら、早く!はい荷物!」ぐいっ

律子「あ、ちょっと美希引っ張らないで…」

ガチャ、バタン

伊織「ちょっ、もう、なんなのよ!」

小鳥「うふふ、大変ね。」

伊織「笑い事じゃないわよ!ちょっと小鳥、あんた律子が美希と何話してたか聞いてたでしょ!?」

小鳥「う~ん、聞いていたような、聞いてなかったような。」

伊織「ニヤけ顔が腹立つわね…。」

小鳥「まぁまぁそのうち分かるわよ。」

伊織「そのうちってあんたねぇ…。」

小鳥「随分気にするのね、美希ちゃんだからかしら?」

伊織「んななななななに言ってんのよ!そそそんなわけ無いでしょ!あああああんたば、バッカじゃないの!?」

小鳥「(あら、図星かしら?)わかりやすっ。」

伊織「心の声と言動が逆なのよ!」ヒュっ、ゴッ!

小鳥「へごっ!…伊織ちゃん、アイドルが後ろ跳び回し蹴りはどうかと思うの…。(薄ピンク…。)」

伊織「ふんっ帰るわ!」

すたすた、ガチャ、バタン

伊織「もう、なんなのよ美希ったら。この伊織ちゃんに隠し事だなんて!」



2月14日

小鳥「ついに来たわね、この日が…。美希ちゃんはちゃんとチョコ作れたかしらね?」

がちゃ

律子「おはようございます。」

小鳥「おはようございます、律子さ…何だかげっそりしてません?」

律子「ここ最近ずっと伊織が睨んでくるんですよ。この間の美希と話してたのが相当気になるようで…。」

小鳥「伊織ちゃん、可愛いわ~。ぐふふ…。」

律子「ヨダレたれてますよ…。」

小鳥「おっと失礼しました。」

がちゃ

美希「おはようなの~……。」

律子「おはよ…あんたどうしたのその顔。」

美希「チョコ作ってたら時間かかって寝れなかったの……あふぅ。」

小鳥「その顔だと流石にファンも心配しちゃうんじゃないかしら?」

美希「今日は午後からだから美希は寝るの。……でこちゃん来たら起こしてね?」

律子「はいはい。」

美希「それじゃあおやすみなの。あふぅ。」

すたすた、ぽふんっ

律子「ここで寝るくらいなら家で寝てくればいいのに…。」

小鳥「来たらすぐに渡したかったんですよ。きっとその為に徹夜してまで作ってきたんですから。」

律子「はぁ…。伊織は幸せ者ね。さってと、今日も頑張りましょう!」

小鳥「うふふ、あんまり無理しないでくださいね。」

律子「竜宮小町も午後からですから、午前中はのんびり事務仕事しますよ。」

~~~数時間後~~~

がちゃ

伊織「おはよう~…。」

小鳥「おはよういお…どうしたの?」

伊織「どうもこうもないわよ、律子が一向に口を割らないから。」キッ

律子「ちょ、ちょっと睨まないでよ……。」

伊織「ふん、自分のアイドルに隠し事するようなプロデューサーは睨まれて当然よ!」

律子「そんな言い方…」

伊織「だったら美希と何話してたか言いなさいよ!」

律子「それは…その、私の口から言えないというか。だ、大体そんなに知りたいなら美希に直接聞けばいいじゃない。」

伊織「うっ……それは、何か…恥ずかしいっていうか……。と、とにかく話しなさいよ!」

美希「でーこちゃんっ!」がばぁ

伊織「うひゃぁ!み、美希!?あんたいたの!?」

美希「む~、ミキ朝からいたよ。」

伊織「あ、そう…。」

律子「はぁ、後は任せたわよ。」

伊織「あ、ちょっと!まだ話は…」

美希「ねえでこちゃん。」

伊織「なによ!」

美希「ミキが律子…さんと何話してたか、知りたいの?」

伊織「なっ…。ふんっ。べ、別に!」

美希「あは☆でこちゃん素直じゃないの。」

伊織「そんなんじゃ…」

美希「それじゃあ、はい。」

伊織「……箱?」

美希「うん、開けて見てほしいな。」

伊織「分かったわよ。」ガサガサ

  「これ……チョコレート?」

美希「そうだよ。ねぇでこちゃん、今日が何の日か知ってる?」

伊織「え?今日は2月の14…あっ。」

美希「でこちゃんにミキのチョコ、受け取ってほしいな。」

伊織「もしかしてこれ作るために律子と…?」

美希「うん、そうだよ。」

伊織「……なによ。」

美希「でこちゃん?」

伊織「バカみたいじゃない。あんだけ露骨に秘密にされて、律子にまできつく当たって。それでいざ蓋を開けてみたらチョコでしたって。」

美希「ごめんねでこちゃん。」

伊織「ダメよ、許さない。」

美希「え~。」

伊織「この伊織ちゃんに隠し事したんだから、そう簡単に許す訳ないじゃない。」

美希「そんなのってないの…。」

伊織「…でもね。一番許せないのはそんな理由でも、嬉しいって思っちゃってる自分が許せないのよ……!」

美希「でこちゃん…。」

伊織「なんなのよあんた、どうして…こんなにあんたの事ばっか考えちゃうのよ!」

  「私の中があんたでいっぱいになって。どうしていいかわかんないのよ!」

美希「……えへへ。」

伊織「何笑ってんのよ……。」グスッ

美希「それって、でこちゃんがミキの事が好きって事なんだよね?」

伊織「し、知らないわよ!」

美希「ミキ、でこちゃんの口から言ってほしいな。好きって。」

伊織「………………すき。」

美希「でこちゃーん!」がばぁ

伊織「ひゃあ!ちょ、ちょっと美希!」

美希「んー、でこちゃん可愛いの~!」

伊織「は、離しなさいよ!」

美希「やなのー!」

伊織「もう、それで。あんたは私の事どう思ってるのよ?」

美希「ミキ?う~んとね……あは☆ナイショなの。」

伊織「なっ!」

美希「内緒にしたらでこちゃんは気になってミキの事ばっかり考えちゃうんでしょ?」

伊織「いや、それは……。」

美希「だから。」

  「もっともーっと、ミキででこちゃんをいっぱいにしてあげるの!あは☆」