★シャッフルSS第2弾★

とある日の765プロ事務所。

亜美「りっちゃん!見て見て!」

真美「この亜美真美ちゃんが構想に15年費やした格闘ゲーム!『765プロアイドル大集合!スマッシュソウルストリートファイティングマスター!(仮)』この企画書を見て下さいよ〜」

律子「え?ゲーム?構想15年?……15年って、あんたら生まれてないでしょ!」

亜美「まぁまぁ細かい事は気にしないで~ペラペラっとぉ」

真美「読んでみるっしょ!」

律子「どれどれ?『765プロアイドル総出演のハチャメチャバトル!本当に強いアイドルは誰だ!?』アイドルが格闘技で強くてもしょうがないじゃない!」

真美「尚、ナレーターは立木文彦さんにオファーしようと思っております」

律子「は?」

亜美「りっちゃん夢が無いよ〜そんなんじゃアイドルの頂点に立てないよ?」

律子「今はアイドルじゃないし!」

真美「でもりっちゃんも出てるもんね〜」

律子「は!!??」

亜美「あったりまえ~!」

律子「何で私が……それで?『バトルロイヤル形式の4人対戦形式か、1対1のガチンコバトルか売れる企画で行きたい』え?」

真美「いや〜今流行りの◯マブラ形式か従来の格闘ゲームの様な形か悩んでるんだよね〜」

亜美「出すからにはペイしたいじゃないですか〜」

律子「何処で覚えてくるのよそんな言葉……」

真美「乙女たる者当然のたしなみ!」

律子「んなわけないでしょ」

真美「まぁ固い事言わない言わない~」

律子「次に?ゲーム筐体に100円をいれてスタートボタンを押して始めますって……アンタ達、これアーケードのゲームなの?」

亜美「そうだよん!100円を入れて椅子に座り、スタートボタンを押す!」

真美「このゲームが始まる瞬間が、たまりませんな~!!」

亜美「そして筐体の向こう側にニューカマーを待つこの緊張感とか!」ワクワク

真美「これこそ対戦ゲームの醍醐味ですなぁ!」

律子「アンタ達……そんな治安の悪そうな所に入り浸ってんの?」

真美「最近のゲームセンターは、昔よりは安全になってきたんだけどなぁ」

律子「自分達の立場を考えなさいよ、アイドルなんだから」

真美「ほ~い」

亜美「まぁまぁりっちゃ~ん、話を元に戻すけどさ~」

真美「スタートボタンを押したら、キャラクターセレクトですよ!」

亜美「ずらっと765プロアイドル勢ぞろい!」

律子「うん、まぁ普通よね」

真美「そしてキャラクターを選んだ後にタイプセレクトですぞ~!」

亜美「戦う為のタイプを3種類から、選んで~」

律子「ボーカル・ダンス・ビジュアルの3種類?」

真美「マンネリ化防止策という訳ですなぁ、それぞれ個性が違うタイプという事ですよ!」

亜美「うんうん、我々はこういうプレイヤーを飽きさせない要素を抜け目なくドンドン盛り込んでいくのですよ!」フンス

律子「なんでそんな自信満々なのよ!」

真美「所でりっちゃん?この3種類のシステム一つ一つ説明してたら日が暮れちゃうんだけど?」

亜美「プレゼンしてもよろし~か!」キラーン

律子「いや、また後で聞くわ」

真美「う~ん残念!」

亜美「乞うご期待下さい!」グッ

律子「誰に言ってるのそれ……」

真美「はて?」プイ

亜美「誰でしょう?」プイ

律子「何それ……」

真美「じゃあ次に進むね~」

律子「えーっと……次は何?バトルシステム?『アピールコンボを繋げて行くとアピールポイントがアップ、バーストアピールで相手に大ダメージだ』って?」

真美「このゲームの醍醐味に辿り着いちゃったねぇ~?」

亜美「いっちばんスカっとする所ですよ、りっちゃん!」

律子「ん?『タイミング良くコンボを繋げて華麗に!スタイリッシュに!トップアイドル~!』って何よこのキャッチは……」

亜美「え?良くない?」

真美「最高のアピールだと思うけど?」

律子「……もうちょっと何とかなる思います」

真美「不合格の様です、亜美さん」

亜美「あ~!結構自信のある売り文句だったのに!」

律子「ちょっとこれ……『8ボタンの自由な攻撃で相手も観客も魅了しよう!』って書いてあるけど、8ボタンって何よ!どんな割り当てしてるのよこれ!」

真美「え~?説明すると、左手、右手、左足、右足、頭、お尻、スペシャル1とスペシャル2の8ボタンとなっております~」

亜美「スペシャルは皆の個性を活かした攻撃になってるんだよ!例えば~あずさお姉ちゃんならデッカイお胸でドーン!とか!」ニヤリ

真美「たまりませんな~、踏みつぶされたいですな~」

亜美「攻撃じゃなくてご褒美になってしまいますな~」フンス

律子「…はぁ~今まで8ボタンの格闘ゲームなんて聞いた事ないわよ…6ボタンだって多いって思う人がいるのに、そもそもお尻って全員の共通攻撃なの?」

亜美「お尻の攻撃って新しくない?可愛くない?素敵じゃない?」

律子「新しいとは思うけど、必要かと言われたら微妙ね」

真美「だってさ~他のゲームと同じ事してたら新作としてのインパクトが弱いじゃん?」

律子「その理屈は解るけど……私が思うには組み合わせが複雑になり過ぎてプレイする人に受け入れてもらえるかどうか……」

真美「チャレンジ精神って大事だと思うんだよねぇ~」

亜美「挑戦する事に意味があるんだよりっちゃん!」

律子「あと頭って何よ、全員が頭で攻撃する絵なんて浮かばないわよ……一人を除いて」

真美「誰の事でしょう?亜美さん」

亜美「おそらく、おでこ的な要素をお持ちの方かと思われますね」フムフム

律子「ここに居なくて良かったわ」

真美「我々もこの可愛い頭を使った多彩な攻撃を用意しているよ!」

亜美「お披露目が楽しみですなぁ~ワクワクしますよ真美さん」

真美「うんうん」

律子(ツッコミたい気持ちを抑えるのよ…言いたい事はいっぱいあるけど、ここで色々言ってしまったら下手に詳しいと勘繰られてストレス解消にゲームセンターに入り浸っている事がバレてしまうわ…)

律子「……オホン、それで各キャラクタの詳細設定とかどうなってるの?」

真美「それ言っちゃうとさ~仕様書とか用意しなきゃならなくなっちゃうじゃん?」

亜美「紙の枚数がドドドドドーって増えちゃうじゃん?やっぱ日も暮れちゃうじゃん?」

律子「要するに出来てないって事よね?」

亜美「うあうあ~!りっちゃんが正論で若人の夢を押しつぶそうとしているよ~!」

真美「実際仕様書ないんだ~さっきのバトルシステムまでなんだよね」

律子「まぁ大体アンタ達の作りたいという思いは伝わったわ、それで?今後どうして行きたいの?」

真美「どうするっていうか…売りたいっしょ~」

亜美「ババーンとミリオン狙うっしょ~!」ピキーン

律子「売るって言ったって、本当に売るんならゲームメーカーさんに持っていって企画を通してもらわなきゃいけないじゃない?」

真美「それはそうだよね」

亜美「当たりまえだよね」

律子「…腹立つわねアンタ達…」ピキッ

真美「やだな~冗談だよりっちゃ~ん」

亜美「怒るとしわが増えますぞ~?」

律子「何ですって~!!!!」

亜美「うあ~!!!!ごめんごめんごめんよ~りっちゃ~ん!」

真美「落ちついて!落ちついて!」

律子「ふぅ…まぁ話を一通り、聞いたけど一応ここまで考えたという事を評価して、社長に見せてみようと思います」

真美「お~!りっちゃん!話がわかるね~!」

亜美「伊達に軍曹の地位にいらっしゃるわけじゃないって事だね!」

律子「何かムカつくけど、まぁいいわ、それで?社長からOKが出たとして……一応聞くけどどこのメーカーさんに売り込みたいの?」

真美「そりゃあもちろん、数々の格闘ゲームを世に送り出し!」

亜美「信頼と実績を兼ね備えた、安心して任せられるゲームメーカーと言ったら!」

亜美真美「「カ○コンさんっしょぉおおお!!!!」」

律子「アンタら!そこは!ナム○さんでしょうがぁあああああああああ!!!!!」



おしまい